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2006年6月30日

隠居のDIY:手作りサイクロン式集塵機

 日曜大工、特に木工作業をしていると結構な量の木のくずがでる。この清掃には時間がかかるし飛散する。最近、家庭用掃除機に通常の紙パック式と異なるダイソンで有名なサイクロン式が売り出されている。このサイクロンによる遠心分離を応用した手作りの集塵機が、ドゥーパ!42号に紹介されている。紙パック式ではすぐに満杯になるし、吸引力が落ちる。この欠点をなくすための工夫である。格好良いものがOneidaという会社から売り出されているが、モータ部分はなんともない古い掃除機が2つもあるので、これを使って手作りすることにした。クリックすると大きな写真になります。 ドゥーパ!42号にはアイデアが示されているだけで詳細については自分で考えねばならない。ホームセンターで材料を探し回ることにした。もっともキーになりそうな円錐の部分は、コーン(パイロン)が割と安価なので赤色のスコッチコーンしかなかったがこれを細工することにした。この大きい方の口径に合うポリのバケツをこちらは水色しかなかったが、これを求めた。買い物に出かけるときにいつも持って行く財布などの入ったバッグには、小さなコンベックス(巻尺)を入れていているがこういうときに役に立つ。それと洗濯機用の蛇腹のホースを買った。おかしな取り合わせの買い物である。
 まず、コーンの土台部分と先っぽ部分をプラスティック用の刃をつけた金ノコで落とした。その大きな口径の方にポリのバケツを被せ、底(できあがりは上下逆さまになる)に掃除機のホース管に合わせた穴をホールソーでくりぬいた。バケツの取っ手を外し縁部分を金ノコで切り取った。このバケツの上部(元は底)に円の接線方向に塵を吸ってくるホースを取り付ける作業が最も困難であった。金きりハサミで穴を開け結束バンドで固定しビニールテープで隙間を塞いだ。この加工したバケツを先ほどのコーンと結束バンドで結合した。こんな時にも結束バンドは有効である。結束バンドを通すための穴を等間隔で開けるにはどうしたらいいかしばらく考えたが、水糸をコーンの周りに半周巻いて、これを4つに折りたたみ折り目のところにマジックで印を付け、この印をもとにコーンにもマジックで印を付けると10等間隔で穴を開けることができた。木くずを貯めるバケツは、レンガ張りをしたときに求めたモルタル接着剤が入っていたポリのバケツがあったのでこれを使った。(バケツはあり合わせのものを使ったが、重量のあるものの方が安定するようである。)バケツの蓋には口径に合うように端材の合板をジグソーでくりぬき、その真ん中にコーンの細い方の部分が通るように、これもジグソーでくりぬいた。この真ん中部分の円を描くには、高校時代に使っていたコンパスが役に立った。幾何の勉強に使っていたこのコンパスがなぜか50年近く残っている。幾何の問題に悩まされていたが、アナログ的に解答を得るのが面白かったので好きだった。
 肝心の掃除機であるが今家内が使っている掃除機の前に使っていたものが馬力が強そうなのでこれを使うことにした。スィッチの配線がややこしく応用するのにてこづったが、久しぶりに半田ごてなどを使ってなんとか繋ぐことができた。作業の途中途中でテストを繰り返したので、2日間工房で立ちずくめだった。できあがりは、ごらんの通り、フランスかロシアの国旗のように青・赤・白の3色の取り合わせになり、格好は良くないし置く場所に困るが、気密性にかなり注意しながら作ったので、作業で出たジグソーの木くずなどを吸い上げてバケツに貯めてくれる。大量の木屑を吸っても大丈夫のようだ。
 今回のDIYは軟質のプラスティックの加工や細い電気コードの接続など今までの木工主体に比べると新しい経験が多かったが、いろいろな工具を駆使しての作業に結構フローな時間を過ごした。
DIY作品集に掲載
(追記:2007/10/10)しばらく、この手作りサイクロン式集塵機を愛用したが、やはり場所を取ることと手作りの悲しさで吸引力が落ちてきたので解体してしまった。箒とちりとりがやっぱり一番かなと思っている。