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2010年5月16日

隠居の葵祭見物

 毎年5月15日に行われる葵祭は、今年は土曜日である。天気も良さそうである。夏になったので狭い1K に住む娘が、冬用品を預かって欲しいというのを理由に出かけることにした。

 近畿自動車道と京滋バイパスがつながったので、交通量の多い名神高速道路をバイパスすることできるようになり京都に行くのも楽になった。土曜日も仕事をするという娘から荷物を受け取り、下鴨神社と上賀茂神社の間に位置する京都府立植物園の駐車場に車を置くことにした。どこに駐めても駐車料金の高い京都市内ながら、ここでは 800円で1日駐めておける。10時過ぎに着くと90%くらい埋まっていたが、すぐに駐めることができた。天気が良いし、土曜日でもあるので植物園の入場者がもちろん多いのだろうが、私たちのような使い方をしている方もいるだろう。

 葵祭の行列は、御所を10:30に出て、下鴨神社には11:40には着く予定のようだ。植物園から初夏の賀茂川の流れを楽しみながら、小一時間歩いた。気温22℃、湿度35% と快適である。賀茂川から離れて下鴨神社に近づくにつれて、行列の着く30分ほど前というのにいろいろな国の言葉を話す人々が列を作るようになった。神社の境内に入ると、見物にいいと思われる場所は、有料(¥3000らしい)の席で占められていて、券がないものは溝で隔てられた木々の間からの観覧である。幸い、うっそうとした新緑の楠や楓のおかげで、ぶ厚い落ち葉の絨毯上の木陰である。予定より少し遅れて、行列は有料観覧席の間の木立の中を過ぎていった。

 植物園に帰る途中、賀茂川の河原にある石のベンチに腰をかけて、高速に乗る前に 7-11 で求めたおにぎりを頬張った。ちょうど昼時、下鴨神社近くの食堂やコンビニには、人が溢れていた。
 京都府立植物園は、60歳以上は無料である。ただし、免許書のように証明するものが必要であるが、家内は何もない。200円払っていた。歳をとったら、健康保険証のような身分証明を持ち歩いた方がいいのかもしれない。『きょうと子育て応援パスポート』というのを持っていると小学生までの子どもとその保護者は無料らしい。道理で、子どもがたくさん遊んでいる。
 『ハンカチの木』という珍しいらしい花が桜園の前に咲いていた。野鳥がいないかと期待したが、シジュウカラくらいしかいなかった。ブラジル・ツツジの花に、モンキアゲハStudio YAMAKO 蝶の写真集参照)が吸蜜に来ているのを家内が見つけた。ウツギと思われる花でもアオスジアゲハが吸蜜していた。

 娘と約束していた夕食まで時間があったので、北山出口から植物園を出て北山通りと賀茂川が交わるあたりの喫茶店でお茶をした。マスターの話では、賀茂川の西堤をもうすぐ葵祭の行列がさしかかるはずだという。 人をかき分けて、北山大橋西詰の交差点で、もう終わりかけの上賀茂神社に向かう行列を見た。交差点で警察官が北山通りの通行を一時的に止めて、行列を通していた。おかげで、北山通りは大渋滞である。

 中途半端ではあるが、これで京都の三大祭りを見物することができた。三つの祭りの中では、祇園祭が泉州のだんじりとおなじように地区々々で山と鉾を出すせいか、京都のおひとは一番力が入っているように思われた。
 この日、娘の住まいの近くにある梛ノ宮神社では、子どもを主体としたお祭りのようで、四条通の歩道には屋台がずーっと並んでいた。京都では、あまり名前の知られない祭りがいっぱいあるようだ。京都市内に住まいするのはそれなりの覚悟が必要のようだ。まあ、娘が京都に住まないとこんな経験はなかったにちがいない。せいぜい長生きしたいものだと思っている。

下鴨神社有料観覧席;クリックすると大きな写真になります葵祭風流傘;クリックすると大きな写真になります葵祭斎王代;クリックすると大きな写真になります牛車:賀茂川西堤;クリックすると大きな写真になります
ハンカチの木の花;クリックすると大きな写真になりますウツギにアオスジアゲハ;クリックすると大きな写真になりますブラジル・ツツジにモンキアゲハ;クリックすると大きな写真になります梛ノ宮神社のお祭り御輿;クリックすると大きな写真になります