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2009年7月30日

隠居のデジスコ:初めての被写体はシオカラトンボ

 以前から野鳥を撮るたびに、超望遠の世界が欲しかった。一眼レフにつけられるような超望遠レンズは 100万円以上はする。いくら道楽とはいえ、そこまでの余裕はない。
 それで前から目をつけていたのは、デジスコ(Digital Scope: フィールドスコープとデジタルカメラの組み合わせ)のセットである。
前のエントリーで書いたように、フィールドスコープと接眼レンズが手に入ったので、手持ちの CanonIXY900IS を押しつけてホウジロを撮ってみた。いつも録音したさえずりを同定するために参考にさせていただいている「ことりのさえずり」サイトの写真は、フィールドスコープ(高級なCarl Zeiss Diascope 65 を使っておられるが)にコンデジ(Panasonic Lumix )を押しつけて撮っておられるので、私も真似をしてみたのだが、それほど甘いものではなかった。 が、超望遠は有効に思えた。

 もう少し詳しく知るために、ネットでサーチして2冊の参考書を買った。「デジスコ・ビギナーブック」(2007年11月発刊)と「コンパクトデジカメで野鳥を撮ろう!」(2005年12月発刊)である。
 コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)は新製品が次々と出ている。これらの本で紹介されているデジスコ向きのコンデジは、もうすでに中古品しか手に入らないようである。
 Nikon のサイトでは、フィールドスコープに一眼デジタルをつけるアタッチメントも売り出されているが、絞りがF13 に、フィールドスコープとの合成焦点距離が 1500mm(35mm判換算値:ED82 の場合)に固定することや機動性に欠けるなど、本でもネットでも推奨されていない。
 デジスコは、もともと天体写真撮影用の簡易的方法として行われていた撮影方法のコリメート法を使って、コンデジで撮ることが本命のようである。
 そこで、手持ちの一眼レフやコンデジを使うことはあきらめた。コンデジを Sony Cyber-shot DSC-W300 と決め DIGISCO.com 「デジタルカメラ体験レポート」を参考に、価格を比較するなど いろいろと検討して揃えた私のデジスコ・システムは、次のような構成になった。三脚は昔に買っていたものを使用したが、少し弱いかもしれない。また、カプラーは、TA4 に変えた方がいいようだ。 
  • フィールドスコープ: Nikon ED82
  • 接眼レンズ: デジスコドットコム TurboAdapter 30XWFA
  • カプラー: デジスコドットコム TAW4+3 →TA4(2009/8/7:変更)
  • カメラアタッチメント: デジスコドットコム TA-W1
  • カメラブラケット: デジスコドットコム BR-W300
  • ケーブル・レリーズ: デジスコドットコム デジスコケーブル 455US
  • デジタルカメラ: Sony Cyber-shot DSC-W300
       MemoryStick PRO Duo 4GB x2
       予備電池 NP-BG1(バルク品)
  • 照準器: デジスコドットコム DOS-CS1(2009/8/7:追加)
  • 液晶フード: デジスコドットコム HD-2027W(2009/8/7:追加)
  • 三脚: Velbon NEO Carmagne 545
  • 雲台: Velbon FHD-61Q
        バランス・プレート:デジスコドットコム HSP-1N(2009/8/21:追加)

 このデジスコ・セットの35mm判換算合成焦点距離は、フィールドスコープ+接眼レンズの合成焦点距離Xコンデジの35mm判換算焦点距離で求められる。
 フィールドスコープの倍率は、対物レンズの焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離 で求められるそうだが、どちらの数字も見つけられなかった。 TurboAdapter 30XWFAの説明書では、Nikon ED82 と組み合わせると38倍となるようである。コンデジDSC-W300 の35mm判換算焦点距離は 35mm?105mmの3倍ズームであるから、私のセットの場合、フィールドスコープとの合成焦点距離は、1330mm ? 3990mm となる。
 操作に慣れるために人目がほとんどなくスコープをのぞいても不自然でない「堺自然ふれあいの森」でこのセットを設定した。DSC-W300は、先の「デジタルカメラ体験レポート」のとおりに設定した。
 ここには、ビギナーが機器の操作を気兼ねなくできるウッドデッキが森の中にある。鳥はほとんどいないことを承知でのうえである。一緒に持って行った Nikon の双眼鏡 ActionEX で蝉でも木にとまっていないかと森を眺めていると 12?3m 先にトンボが枯れ枝にとまっているのが見えた。練習材料に、デジスコで撮ってみた。
デジスコセット:クリックすると大きな写真になりますCanonIXY900IS:17.3mm(35mm換算105mm)ではトンボは見えない:クリックすると大きな写真になりますデジスコ 1330mm(最広角側):クリックすると大きな写真になりますデジスコ 1330mm(最広角側):トリミング:クリックすると大きな写真になります

 日の光の中では、コンデジの液晶モニターは見えにくい。オプションであるが、液晶モニター用のフードがすすめられているはずである。
 自宅に帰って、PC で画像を確認してみると DSC W300 をつけるときにモードボタンに触れたらしくオートモードになっていた。
 もっとも望遠側の写真は、焦点の合わせ方が拙かったか機材ブレかははっきりしないがピンボケである。
 最広角側では、周囲にケラレがみられる。どうやらカプラーの問題のようである。少し、テレ側に動かすとケラレはなくなる。
 イチデジでもやっていたように、最広角側の写真をトリミングすると背景がぼけたよい画像となった。この写真のデータは ISO100 F2.8 1/100 となっている。
 少し慣れてくれば、野鳥の写真もゲットできそうである。ただ、今は被写体が少なくて残念である。やっぱり、山小屋に通わねばならないだろう。