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2008年2月13日

隠居、ネット時代の「知的生産の技術」を考える?手紙

 今回は、「知的生産の技術」8章の「手紙」をネット時代では、どのように考えるかについてふれてみたい。
 梅棹さんは、「知的生産の技術」を発刊された1969年当時においても日本では手紙の形式が崩れていることやコミュニケーションは電話ですまし、手紙を書かなくなっていると指摘されている。確かに、ずっと前から郵便受に入るものは、印刷されたダイレクトメールか振り替え通知ばかりであり、友人からの手紙なんて滅多にない。こちらが筆無精で手紙を書くのは苦手であり、こちらから発信しないのだから無理もない。こまめに手紙をくれるひとには感服してしまう。それが、電子メール( eMail )が一般的になって激変した。

 eMail が一般的になったのは、Windows95 がブームとなった 1995 年頃であろう。この年、日本でのインターネット牽引者である 村井純さん が「インターネット(岩波新書)」を発刊されている。インターネットが庶民のものとなって、たかが、まだ12?3年しかならないのである。この12?3年の間に、少なくとも私にとってはコミュニケーションの世界が全く変わってしまった。eMail という形式を介して、頻繁に多くの方と eMail という手紙をやりとりするようになったのである。

 梅棹さんは、手紙を情報交換の知的な技術と定義しておられるが、手紙がeMail に置き換わった今のネット時代では人びとの間の情報交換は、飛躍的に増大していると思われる。ネット時代では、情報の交換はこのeMail 網だけではなくブログなどもっと大きな場が拡がっているが、この現象については、また別のエントリーで考えてみたい。

 知的な情報交換とは言えないが、今、郵便受けに入る手紙・はがきには、この歳になるとやたらに同窓会・OB会の案内が多くなる。この案内状をメールに代えれば、事務作業はあきらかに簡便となる。私も参加しているシニアばかりのプライベートなゴルフ・コンペへの参加資格は、メールアドレスを持っていることである。メール以外の案内は一切しない。幹事の負担は、物理的な手紙・はがきで案内することとは比べものにならないほど楽ちんである。楽天が提供するような無料のメーリング・リスト( ML ) サービスを利用すれば、もっと楽ちんである。

  eMail を発信するのは手紙を書くことに比べるとはるかに楽であり形式も自由であるが、顔を知らない外国人からの英語での eMail は、梅棹さんが指摘されている形式が今も守られているようだ。下の例は、UKのソフト会社から私宛の  eMail の一例である。
 
Dear Shuhei Nxxxxxxx

This is to let you know that xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx:

Please note xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
If this happens, please see http://www.xxxxxxxxxxxxxxxxxx.com/xxxxxxxxxxx for further instructions.

xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
Ixxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

For further assistance please go to http://www.xxxxxxxxxxxxxxxxx.com/help.asp

Best wishes,

xxxxxxxxxxxxxxx.com
Our ref: xxxxxxxxxxxxxxxxxx


 手紙をワープロで作成するにあたっても、米国あたりでは形式が守られているのか、Miscrosoft の 文書作成ソフト日本語 Word にも、オートフォーマットという機能があり、文頭に「拝啓」と入力すると文末は「敬具」と自動的に表示されるような機能や月毎の時候の挨拶が用意されている。Word の元々は米国だから、そのようなテンプレートを用意するのは当然であっただろう。

 eMail も米国発であるから、Miscrosoft あたりが提唱するメールの形式は物理的な手紙のメールの形式が色濃く残っている。 eMail には eMail なりのエチケットみたいなものがある。これは「ネチケット(Netiquette)」という言葉になっている。
 先日、あるML仲間で eMail のやりとりが続いた。返信・返信で情報の交換をしているうちに、メールの件名( Subject )からはずれた情報の交換となった。ネチケットにうるさいシニアからお叱りがでたが、話題を変えるときは件名( Subject )を変えるのが望ましい。
 Google が無償で提供する WebメールGmail では、同じ件名で送受信したメールをスレッドとして整理してくれるから、件名を変えるのはまことに賢明なのである。話がそれるが、「2ちゃんねる」などで有名な「匿名掲示板」での日本語は乱れているが、件名と内容が異なる投稿をすると「スレ違い」などと言われる。また、話題が終了した掲示板は、「死にスレ」などという表現が使われたりする。若い人のやりとりにはついていけないので、遠慮しているが、スレ違いにならないようにしたいものだ。

 ネット時代になってでてきた巨大な情報交換の場の一つは、eMail を発端としたネット掲示板( BBS )である。例えば、私が愛用させてもらっている [K'sBookshelf] の「この花の名は?掲示板」に、名前の解らない花の写真を添えて掲示板にアップすると、たいていの場合 10 分ほどもたたないうちに誰かが教えてくれる。手持ちの花の図鑑やネットで調べても解らないときには重宝する。市井の一市民の知識が即座に引き出せるのである。eMail や BBS によって知識の増幅のスピードは、格段にスピードアップした。

 梅棹さんは、この手紙の章で、手紙のコピーとアドレス・カードの方法についてもふれておられるが、ネット時代では全く問題がない。
 eMail の送受信はファイルで残っているから、コピーの心配はない。心配は、前々回かいたように、デジタル・ファイルを消してしまうことである。
 私は、アドレスは、「筆まめ」というソフトで整理している。何かの会で住所録をエクセルかなにかの表形式で整理したものがあれば、テキスト形式で簡単に取り込める。このようなソフトのいいところは、年賀状などの宛名書きを全部自動的に印刷してくれることである。(年末の忙しい時間に、プリント・ゴッコで印刷し、悪筆の手書きで宛名を書いていたころが懐かしい。) また、年賀状をいただいた方、出した方の記録や喪中はがきをもらった人も記録できる。二重にだしたり、喪中の人へ出したりする失礼もなくなる。また、デジタル・ファイルであるから、検索は簡単にできる。
 ただ、eMail がかなり拡大しても、年賀はがきはなくならないだろう。年賀はがきは、ただ単なる手紙のやりとりとは違うのだ。

インターネット (岩波新書)
村井 純
岩波書店 (1995/12)
売り上げランキング: 223718
おすすめ度の平均: 4.5
5 インターネットとは。
4 インターネットの価値を再評価できる
4 インターネットの価値を再評価できる


2007年4月 5日

関西空港のインターネット・ラウンジ

 今(4月5日15:20)、関西空港にいる。羽田に向って飛ぶまでの時間をどのように過ごそうかと思っていると先日新聞にでていた誰でもお金を出せば利用できるKANKU LOUNGEが目に入った。申し出れば、インターネットが利用できるノートPCを設置した席を用意してくれる。この頃は、インターネットさえつながれば、どこでもブログのエントリーが作成できたり、WebMailができるので非常に便利である。
 デジカメは持っているがUSBへのアダプターを持っていないので残念ながら写真のアップはできない。自宅に帰ってから追加でアップしたいと思う。ここまできてブログをすることはないのだが。
 試しに、Radio Senboku につないでみるとなんと音もでるではないか。これでは、まったく待ち時間を退屈することはない。利用料金は、基本が 30分300円 で以降 10分増す毎に100円が追加される。また、ソフトドリンクはフリーで、有料のアルコールサービスもある。詳細は、KANKU LOUNGE」のページを見てください。
 因みに、Sakura Longe ではインターネット接続できる席が用意されているが、ノートPCを持ち込まねばならない。ANA のラウンジは利用したことがないのでよく分からない。また、関西空港の国際線到着ロビーには、100円玉を入れればインターネットを30分利用できるPCが数台おいてある。

2007年1月 7日

Googleの進化:Web Mail GMAIL、マウスオーバー辞書

Google Maps APIなどを使わせてもらっているGoogleがどんどん進化している。紹介なしでは参加できないとあきらめていた Web Mail サービスのGMAILが、2006年8月23日から、紹介なしでアカウントが作れるようになっていたらしい。使用できるメールボックスの容量もどんどん増えるらしく、1月6日現在フリーで 2800MB まで使えるようになっている。私がこのブログなどに契約している有料のレンタルサーバーの容量が 500MB であるから、それと比べてもなんとも豪勢なサービスである。現在使っているメーラーの「Beckey!」には何の不満もないが、Web Mail のアドレスを一つ持っておくのもいいかなと早速登録してみた。ISP(eo光) のメールアドレス・レンタルサーバーでの独自ドメインメールアドレス・ケイタイのアドレスに加えて4つ目のアドレスになるが、転送設定をしておけば、インターネットにつながる環境ならどこでもメールが確認できる。Gmail の機能などについては、Gmail Maniacsに詳しい。Gmailでの過去メール表示は、受信と返信をセットで(スレッド的に)表示されるようになっている。これはなかなか便利である。
(2007/1/9:追記)  かって事務系の仕事をしていたころ、便利にしていたソフトがあった。Technocraftという会社の「Roboword」というソフトである。インターネットが広がり始めたころに、コンピュータ雑誌に紹介されており導入した。このソフト、英単語の上にカーソルを乗せると吹き出しがでて該当単語の英和辞書の内容が出る。凄いソフトが出てきたと IT の進歩に感激していた。英語の原文を読むときにずいぶん役にたった。それから約12年、IT がDog Year といわれる変革を続けている。「Roboword」そのものも随分進化を遂げているが、昔大枚をはたいたソフトが、Google のツールバーにマウスオーバー辞書という機能でついたのだ。ただし、どの程度の語彙をカバーしているのか分からないが、新しい単語などは辞書にないような気もするし、ブラウザー上の言葉にしか対応していない。しかし、最近インターネットで目にする中国語とかスペイン語などでも英語への辞書であるが対応している。このマウスオーバー辞書で、アクセス解析ツールの Artisan が職人という意味なのを初めて知った。
その他、もちろん本元の検索サービスもサイト内に取り込んでいる。どこまで進化するのか楽しみだ。ちょっと目が離せない。