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2020年9月27日

南房総館山へ一泊旅行敢行(3) 清澄寺→御宿→海ほたる 9月10日

石堂寺で波の伊八の彫刻を観たあと、再び国道128号線に戻り、道の駅和田浦に寄った。一息入れて、海沿いに鴨川の先を左に上がって、まっすぐ行けば養老渓谷へ通じる道を、日蓮宗の大本山である清澄寺へ向かった。
 この日は御宿のサヤンテラスというホテルのレストランで昼食にすることになっていた。清澄寺から128号線に戻り、御宿に着いたのは午後1時を過ぎていた。道向かいにある海産物の店で、サザエなどを買うことも予定にある。御宿の海岸は、緩やかに弧を描いて東西に伸びる網代湾の、三日月型をした遠浅の海岸で、全長約2kmにわたって続くきめ細かい白砂の砂浜が形成されているという美しい海岸だ。しかし、今年の夏は、コロナ禍で海水浴場は開設されていない。まだまだ暑く、海水浴もできる陽気だが、もちろん泳いでいる人や、サーフィンをする人は見かけられなかった。
 近くに、童謡「月の沙漠」の作詞者であり、御宿をこよなく愛した詩人「加藤まさを」の作品や資料、御宿にゆかりのある文人や画家たちの作品の紹介など、伝統ある御宿の再発見と、新たな文化の創造を目指してて建てられた月の砂漠記念館があり、その前の砂浜にはラクダに乗った王子と姫の銅像があった。そして、すぐ近くにある、通称メキシコ記念塔と呼ばれるオベリスク型の日西墨(日本、スペイン、メキシコ)三国交通発祥記念之碑が立てられている丘へ寄った。 午後3時、メキシコ記念塔を後にして、国道465号を大多喜へ上がり、さらに297号を北へ向かい、市原鶴舞ICで圏央道にあがって、海ほたるへ戻る。Kさんご夫妻とはここで別れる。今回もいろいろとガイドをしていただき感謝に堪えない。
 海ほたるで夕焼けを撮りたいと思って、少し待機したが、空が赤く染まらなかった。木更津側の空に虹がかかっていた。  

51.清澄山
右手に海を見ながら国道128号線を走る。鴨川を過ぎ、小湊の手前を左に〈北)に清澄山方面へ上がる。12時少し前に清澄寺の駐車場、と言っても土産物屋さんの駐車場で、駐車料500円をお支払いした。その高台になったところから海を眺める。歌川広重が嘉永5年(1852年)に清澄寺を参拝していたと書かれた札が立てられていた。清澄の地を訪れた6年後の1858年に、広重は、日本各地の名所を描いた20枚の錦絵を「山海見立相撲」という名で世に出している。その錦絵20枚の中には、4枚の千葉の風景「安房清住山」、「安房小湊」、「上総木更津」、「上総鹿楚山」が収められていたが、この絵は、「安房清住山」だそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/800秒 11mm ISO100 ) 露出補正 なし
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52.清澄寺仁王門
駐車場から、土産物屋が並ぶ道をしばらく歩くと仁王門があった。文久3年(1863年)に建てられたもので、左右に金剛力士像が立つ。正面に向かって右の口を開けている阿像(那羅延金剛)は一切の法の最初を表し、左の口を閉じている吽像(密迹金剛)は一切の法の窮極を表しているそうだ。 

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 10mm ISO250 ) 露出補正 なし
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53.清澄山境内
境内に入る。参道は直角に曲がり、その正面に本堂である摩尼殿(大堂)、右手前に観音堂、その向こうに鐘楼の屋根は見える。清澄寺(せいちょうじ)は清澄山の頂上近くにあり、宝亀2年(771年)に不思議法師と呼ばれる僧がこの山を開いたといわれている。清澄寺は日蓮宗の大本山だ。山号は千光山。日蓮が出家得度および立教開宗した寺とされ、久遠寺、池上本門寺、誕生寺とともに日蓮宗四霊場と呼ばれる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
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54.摩尼殿(大堂)
摩尼殿は大堂とも呼ばれ、度重なる改修を繰り返し、現在の摩尼殿は17世紀後半のものであるそうだ。 清澄山の主峰は標高377mの妙見山で、千葉県で3番目に高い山である。大堂付近の標高は約310mという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 12mm ISO500 ) 露出補正 なし
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55.摩尼殿(大堂)内部
大堂の中央には虚空蔵菩薩、その両側には日天子、月天子を祀る。さらにその外側には不動明王と毘沙門天を祀り、正面右手奥には六老僧の一人・日向上人、左手奥は妙見菩薩の遥拝所としている。  

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/400秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
055_200910435 X800 南房総 清澄寺 RX10m4.jpg
56.摩尼殿(大堂)外陣
摩尼殿(大堂)のなかには立派な彫刻が掛けられていた。 説明書きを探せなかったが、帰宅後ネットで検索してみたところ、青山貞一さん、池田こみちさんのサイト 「伊能忠敬と日蓮の足跡をたどる千葉の旅  清澄寺3」に、堂内の欄間には、十六羅漢とその弟子が智慧の宝珠を授かる一場面や、東端は持国天、西端は広目天、宮殿斜め上には唐獅子牡丹が彫られている。また、正面頭上には、江戸時代の有名な宮彫り師・後藤義光作の梵字額が飾られているといった記述があった。   

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/100秒 15mm ISO3200 ) 露出補正 なし
056_200910436 X800 南房総 清澄寺 RX10m4.jpg
57.摩尼殿(大堂)の扁額
向拝の上には「摩尼殿」と書かれた扁額が架かっていた。摩尼とは仏教用語で、珠玉とか宝石という意味のようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 15mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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58.摩尼殿(大堂)の彫刻
摩尼殿(大堂)の彫刻  についての説明立札があった。それには「清澄寺本堂には数多くの彫刻が取り付けられている。懸魚には「鳳凰」、向拝には「蓬莱島」と愛染明王の台座、柱の左右の木鼻「獅子と象」、そして東西の破風には「阿吽の力士像」一対が飾られている。後略」と記されている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 20mm ISO1000 ) 露出補正 なし  
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59.摩尼殿(大堂)の破風の彫刻これがその「 阿吽の力士像」一対の片側のようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 90mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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60.祖師堂
お万の方の奉納とされる、日蓮聖人像を祀っている祖師堂は、建築家内井昭蔵氏が法華経の世界観、日蓮聖人の軌跡を設計に取り入れ、日蓮聖人聖誕750年慶讃事業として昭和48年に完成した。 

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 9mm ISO160 ) 露出補正 なし
060_200910445 X800 南房総 清澄寺 RX10m4.jpg
61.鐘楼堂
平成7年12月に完成した。鐘の側面には奉納者の氏名が彫られている。 また庫裡(かっては1647年(正保4年)年築の    桃山風の庫裏があったようだが、新しく建て替えられたようだ)の正面には明徳3年(1392年)の銘の入った古梵鐘がある。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 12mm ISO250 ) 露出補正 なし
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62.中門
1647年(正保4年)に創建され、1837年(天保8年)に改修された。 昭和39年4月28日、千葉県指定有形文化財になる。 この門は一門一戸の四足門(2本の親柱の前後にそれぞれ2本、計4本の控え柱を設けた門)で、屋根は茅葺の切妻造りである。 箱棟の鉄板を覆っており、主柱の左右には袖板を付し、正面左右にのみ通路用の「小開扉戸」を備えてある。 軒は二軒につくり、妻軒も深く設計し、耐湿・防風への効果も考慮されていることがうかがえる。和様を主とした折衷様式とのこと。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/800秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
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63.古梵鐘と宝篋印塔
中門の先に、「明徳三年在銘」とされた梵鐘と、清澄寺石造宝篋印塔があった。いづれも千葉県指定有形文化財である。梵鐘の大きさは高さ123,2cm、口径66,.7cmで三段組で鋳造されている。宝篋印塔は高さ157cmで地元の嶺岡山系で算出する蛇紋岩で作られている。この塔はその形態から関西様式に類別され、集団・橘家がかかわった可能性が想定されているそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/800秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
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64.大楠
中門を抜けた左側に、樹齢800年の大楠があった。清澄寺では、大正13年に国の天然記念物に指定された、高さが約47m、幹周りは約15m、樹齢およそ800年といわれている千年杉が有名であるが、この大楠は市の天然記念物である。 この奥に建て替えられた庫裏と宝物殿がある。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
064_200910453 X800 南房総 清澄寺 RX10m4.jpg
65.月の砂漠公園
御宿のホテルのレストランで遅めの昼食をとった後、最後の目的地イタリア記念塔へ向かう途中、右手の海岸に月の砂漠記念公園があった。童謡「月の沙漠」は御宿の海岸がモデルとなったそうだ。大正時代に活躍した詩人・抒情画家加藤まさを 作詞の童謡「月の沙漠」に登場するラクダに乗った王子と姫の銅像が公園内に据えられていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 16mm ISO100 ) 露出補正 なし
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66.月の砂漠公園 ラクダ像
Wikiwandには、「月の沙漠が御宿の砂丘で生まれたことを記念するために、町で記念像を建てたい」と加藤まさをに告げた。加藤は観光宣伝目的なら真っ平だと断ったが、内山は青少年の情操教育が目的だと主張して加藤を説き伏せた。記念像の除幕式は1969年(昭和44年)7月6日に行われた。  ラクダ像の制作は彫刻家の竹田京一が担当し、アラビア砂漠のベドウィンを取材した経験を持つ朝日新聞記者の本多勝一が監修した。完成当初は合成樹脂製だったが、1990年の「月の沙漠記念館」開館に合わせ、青銅製に作り直された。と記されている。なかなか良い像と思う。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 136mm ISO200 ) 露出補正 なし
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67.記念塔(日西墨三国交通発祥記念之碑)
通称メキシコ記念塔と呼ばれる。wikipediaによれば、1609年(慶長14年)に岩和田の海岸で起こったスペインの前フィリピン臨時総督ドン・ロドリゴ・デ・ビベロの乗船したサン・フランシスコ号の漂着事故が、日本とスペイン(西班牙)、およびメキシコ(墨西哥、当時はスペイン領ヌエバ・エスパーニャ)との直接交流を生むきっかけになったことから、漂着と救助を記念する目的で1928年(昭和3年)に建設された。鉄筋コンクリート製で高さ17メートルだそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 11mm ISO100 ) 露出補正 なし
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68.御宿網代湾岩和田漁港
高台にあるメキシコ記念公園からは、御宿網代湾の東端にある岩和田漁港が眺められた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 16mm ISO100 ) 露出補正 なし
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69.抱擁の碑
冷え切った漂着者を岩和田村の女性が素肌で温め蘇生させている姿を表現した像があった。2009年9月29日に漂着400年を記念してメキシコ政府から贈られた。 碑には、嵐に遭遇したガレオン船サン・フランシスコ号が 1609年9月30日 この地へ漂着した。岩和田の住民による人道的且つ決死の救助作業によって ドン・ロドリーゴ・デ・ビベーロ・イ・アベルーサ並びに316名が命を救われた。その史実を介して、メキシコと日本、両国国民の間に友好の絆が結ばれた。メキシコ政府は 墨日交流400周年に因み この彫刻を御宿町に寄贈する。 2009年9月26日 と刻まれている。この時 海女たちは、飢えと寒さと不安にうちふるえる異国の遭難者たちを素肌で暖め蘇生させたと伝えられている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 23mm ISO200 ) 露出補正 なし
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70.海ほたる 夕刻
海ホテルで、軽く寿司をつまんだ後、Kさんご夫妻と別れた。時刻は午後5時半。まもなく日没だが、空はあまり鮮やかではなかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
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71.虹
ふと、木更津側の空を見上げると虹が出ていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
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72.アクアラインにかかる虹
   川崎側にいたが、虹が消えないうちにと急いで木更津側に回ってみた。トワイライトタイムの虹だ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 31mm ISO125 ) 露出補正 なし
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73.海ほたる 5時45分
空は少し赤くなったが、茜色には染まらなかった。駐車場に戻り、アクアライン浮島から大黒を経由、首都高羽横線へ。羽横線は少し混んでいたが、ほぼ順調に自宅に戻ることが出来た。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
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