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2019年10月 4日

所沢航空記念公園と航空発祥記念館 9月13日

母校の関東学生卓球リーグ戦の試合が、所沢の市民体育館で開催されていた。この日の試合は10時半から1試合だったが、残念ながら負けてしまった。応援に行っていた何人かのOBと西所沢駅で昼食がてら「反省会」になった。
 高田馬場から西武新宿線で西所沢駅の一つ手前に、航空公園という駅があり、朝の車窓から、その駅前に YS-11 が置かれているのを見て、帰りに寄ってみようかと思っていた。「反省会」を2時半に中座して、ひと駅電車に乗って、航空公園駅で下りた。まず、YS-11を見て、駅前からまっすぐ伸びる整備された並木通りを、市役所の前を通って、所沢警察署がある交差点を右に入った。しばらく行って右に曲がり、航空記念公園に入ると C-46 という飛行機が置かれていて、その右のほうに所沢航空発祥記念館が見えてきた。
 小さな花に集まるヤマトシジミがいた。G7Xで数ショット撮影した後、所沢航空発祥記念館に入った。入館料は¥510。所沢は日本初の飛行場があったところ。特別展「アンリ・ファルマン機公開記念 所澤飛行場空を拓く物語」という大きな看板が目についた。1910年(明治43年)12月に徳川好敏大尉の操縦により日本ではじめて動力飛行を記録したのち、翌、明治44年に、日本初の飛行場である、かっての所沢飛行場に備えられ、飛行訓練などに活躍した「アンリ・ファルマン機」の実機が航空自衛隊からの貸与で、8月10日~12月1日まで展示公開されている。

1.YS-11
航空公園駅前に、日本の航空再開の象徴として誕生した戦後初の国産旅客機が置かれていた。YS-11は1962年(昭和37年)初飛行し、182機製造され70機以上が輸出されたという。展示されていた機体は1969年(昭和44年)に製造された第101号機で1997年(平成9年)大島ー羽田の定期便を最後に総飛行時間52,991時間で引退した。日本の民間航空におけるYS-11は2006年(平成18年)9月30日をもってすべて引退したそうだ。YS-11による羽田-札幌の「オーロラ」という愛称がつけられた深夜便があったのを思い出す。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 14mm ISO125 ) 露出補正 なし
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2.C-46
YS-11を見て、並木通りを歩く。所沢市役所、所沢郵便局の前を通り、所沢警察署の交差点を右に入った。その先の駐車場に沿って、所沢航空発祥記念館を目当てに進むと、航空記念公園の中に入り、そこにこのC-46が展示されていた。このC-46輸送機は米国カーチス・ライト社が1940年3月より総数3180機を製造した。当初は軍用輸送機として使用されていたが、戦後は数多くが民間旅客機として使用されたそうだ。日本国内では昭和30年1月に航空自衛隊輸送機としてC-46D型機が初装備され、昭和34年12月にはC-46A型機を輸入し、総数47機を保有していた。同輸送機は「空のデゴイチ」とも呼ばれ、航空自衛隊において災害時の緊急物資輸送等に幅広く活躍したという。 展示中のC-46A型輸送機は航空自衛隊入間基地で使用されたものを昭和55年に分解・運搬し、同公園内のシンボルとして設置されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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3.ヤマトシジミ 3頭
C-46が展示されているそばの草むらで数頭のヤマトシジミが小さな花に来ていた。開翅しているのは♂、その右が♀だ。右下にもう1頭いる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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4.ヤマトシジミ♂
ごくありふれたシジミチョウだが、そのブルーはなかなか美しい。この個体は前翅外縁の黒い縁取りの巾が幅広い。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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5.所沢航空発祥記念館 ノースアメリカンT-6G
受付で入館料をお支払いし、写真を撮って良いことを確認して、中に入る。入ってすぐに、昭和9年(1934年)にアメリカで設計された中間練習機であるT-6Gが展示されていた。1960年代にかけて使用されたノースアメリカン社製のレシプロ高等練習機T-6 は、世界33か国で15,117機も使用された中型練習機のベストセラーである。製造国であるアメリカの陸軍・海軍は元より、イギリスやイギリス連邦諸国で使用され、第二次世界大戦後は日本を含む多くの国で使われた。自衛隊では、昭和30年から10年間、パイロット養成に使用された。展示機はかって航空自衛隊で活躍していたT-6Gのうちの一機である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1000 ) 露出補正 なし
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6.シコルスキー H-19 -1
展示館の奥へと進む。次に展示されていたのは、世界で初めてシングルローターの飛行を成功させた「ヘリコプターの父」イゴール・シコルスキーが制作した中型実用ヘリコプターのシコルスキー H-19 だ。1949年(昭和24年)に原型機が初飛行し、本格的な実用多用途ヘリコプターとして15年間に1,281機製作されて、軍用・民間用として世界中で活躍した。日本では三菱重工に依ってライセンス生産され、自衛隊に69機導入された。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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7.川崎重工でライセンス生産された エンジン
右側に展示されているエンジンは、この展示館の一番高いところに吊るされている陸上自衛隊のUH-1B 用に、川崎重工業でライセンス生産された。川崎重工のエンジン型式は「KT5311A」となっていて昭和48年11月に製造されている。ライカミング社(アメリカ)開発のエンジン(左側)も展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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8.シコルスキー H19 -2
シコルスキー H19は機内に乗ってみることが出来た。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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  9.セスナ T-310Q
この機は1945年に生産がスタートしたアメリカのセスナ・エアクラフト社の双発機である。デザイン、性能とも当時の水準を上回るもので、発売早々双発機のベストセラーとなり、1979年までに4,500機が生産された。このセスナT-310Q は従来よりパワーアップされたターボ過給機付きの1970年型で、本田航空で使用されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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10.バートル V-44 -1
] 昭和34年、陸上自衛隊が研究用としてアメリカのバートル社から購入した大型輸送ヘリコプターだ。日本最初の大型ヘリコプターとして主に航空救難活動に使用され、その年に東海地方を襲った伊勢湾台風では災害派遣に大活躍した。展示機は当時使用されたV-44の1機だそうだ。航空自衛隊にも10機のH-21B(V-44の軍用型)が導入され、航空救難用として使用された。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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11.バートル V-44 -2
このV-44が伊勢湾台風の災害派遣に活躍した時、当時の皇太子殿下(今の上皇陛下)が皇室として初めてヘリコプターに搭乗され、災害地の状況を上空から視察された。この位置から眺めると大きなヘリコプターである。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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12.アンリ・ファルマン機展示公開
展示室1階の一番奥に、8月10日から12月1日まで特別公開されているアンリ・ファルマン機が展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/400秒 17mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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13.アンリ・ファルマン機 正面
徳川好敏は1910年、フランスのアンリ・ファルマン飛行学校に入学して、アンリ・ファルマン1910型機による操縦技術を習得し、翌月、同型機を日本に輸入した。それは日本で最初の動力飛行機となった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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14.アンリ・ファルマン機 エンジン部分
アンリ・ファルマン機に装備されているグノーム・エンジンは普通のエンジンと全く逆で、クランク軸は固定したままでシリンダー全体が回転する。放射状のシリンダーが弾み車のように回転し、冷却効果を得ることが出来るこのタイプのエンジンをロータリー・シリンダー・エンジンというが、ピストン回転するロータリー・エンジンとは全くの別物であると説明されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/640秒 27mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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15.アンリ・ファルマン機
アンリ・ファルマン機の後ろに回って、2階フロアに上がり、上から眺めた。より全体像が分かる。同機は引退した後も所沢で保管されていたが、第二次大戦後アメリカで保管された時期を経て、1960年(昭和35年)、日米修好100周年および日本の航空50周年を記念した現自衛隊入間基地であるジョンソン基地での盛大な返還式のもと、再び日本に帰還した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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16.富士 T-1B
1958年(昭和33年)に初飛行した戦後国産初の量産機であり、ジェット機であるT-1Aは46機が生産された。推力は大きいが燃料消費が大きいオーフューズMk.805整備していたT-1Aに、国産エンジンJ3-3を装備したT-1Bは、航続距離がやや物足りない点を除けば、バランスの取れた中級練習機であった。2006年(平成18年)3月末までの45年間、多くのパイロットを養成した功績は大きいとされる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1000 ) 露出補正 なし
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17.スチルソン L-5
自衛隊の前身である保安隊で使用されていた連絡機だ。1941年(昭和16年)に設計され、第二次世界大戦末までに3,282機が作られた。日本には1953年(昭和28年)にアメリカから35機が供与され、パイロットの養成に使用された。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 +0.7段
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18.会式一号飛行機のレプリカ -1
3階まで上がって展示されていた飛行機を眺めて、入口へ下りる。入った時は気が付かなかったが、館内に入ったところに日本初の国産軍用機である 会式一号飛行機 のレプリカが吊るされていた。これは後ろ側から見上げたところだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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19.会式一号飛行機のレプリカ -2
明治44年に徳川好敏大尉の設計・制作により、日本で初めて作られた軍用機である。明治44年10月に徳川好敏大尉の操縦で所沢飛行場で初飛行に成功した。 主に操縦訓練や、空中偵察教育に使用された、4号機まで制作されたそうだ。

プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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20.航空発祥記念館とC-46
小1時間の見学を終え外に出た。航空記念公園の中を通って、西武新宿線の航空公園駅へ戻った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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