都電荒川線 1月17日 1/3 - Studio YAMAKO

2012年1月29日

都電荒川線 1月17日 1/3


 ヨーロッパを旅行すると歴史のある町にトラムが良く似合う。特に最近、その良さが見直されているようで、多くの都市で新しい車両が投入されている。
 日本では、高度成長期に道路事情からか、路面電車が邪魔者扱いされ、鹿児島、熊本、長崎、高知、広島、富山、函館などの地方都市を除き、多くの大都市で廃止されてしまった。東京ではわずかに、全線のうち、そのほとんどを専用軌道を走る都電荒川線のみが存続している。
 この日はこの都営荒川線に乗り、沿線を歩いてみようと思い立った。渋谷から都バスに乗り、早稲田まで行って、早稲田から都電に乗ろうと思ったが、渋谷のバス停へ行くと、早稲田行きは発車ばかりで、次のバスは30分あとになる。では、JRで高田馬場まで行こうかと思って、ふと早稲田行きの停留所の前にある停留所に止まっているバスの行き先を見ると池袋駅東口となっていて、途中学習院下を通る。それではと、そのバスに乗り、学習院下まで行きそこで都営荒川線に乗り換えることにした。
 池袋行きのバスはすぐに発車した。寺社などの起源や由来、都電の車両などに関することについての記述は、Wikipedia などネット上に記されていることを基にさせていただいている。

1.鬼子母神境内
渋谷から乗った都バスは明治通りを順調に走り、11時半ごろに学習院下に到着した。すぐ道路を渡って都電の停留所に向かう。昼の時間は5~6分間隔で運行されていた。学習院下で乗り次の駅の鬼子母神前で下車。料金は160円均一で、もちろんSUICA、PASMOが使える。鬼子母神前で降り、東京都指定の天然記念物で、古いもので樹齢400年という参道のケヤキ並木を抜けると、鬼子母神の境内に入った。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F8 1/250秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
鬼子母神境内;クリックすると大きな写真になります
2.鬼子母神堂
561年(永禄4年)に山村丹右衛門が現在の目白台のあたりで鬼子母神像を井戸から掘り出し、東陽坊に祀ったのが始まりとされる。1578年(天正6年)に社殿を建立したという。現在の社殿は1664年(寛文4年)の建立で、東京都指定有形文化財に指定されている。ここ雑司ケ谷の鬼子母神像は、鬼形ではなく、羽衣・櫻洛をつけ、吉祥果を持ち幼児を抱いた菩薩形の美しい姿をしているので、とくに角(つの)のつかない鬼の字が用いられ、尊称されているとのこと。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F4.2 1/125秒 35mm ISO1600 ) 露出補正 なし
鬼子母神堂;クリックすると大きな写真になります
3.法明寺山門
鬼子母神堂は法明寺の飛地境内にある。鬼子母神堂から、さらに5分ほど先に進むと法明寺があった。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F9 1/320秒 29mm ISO1600 ) 露出補正 なし
法明寺山門;クリックすると大きな写真になります
4.法明寺本堂
山門から本堂を眺める。法明寺は、嵯峨天皇の代の弘仁元年(西暦810年)、真言宗の旧跡で威光寺として開創され、後の正和元年(1312年)、宗祖日蓮聖人の弟子で中老僧の一人、日源上人が日蓮宗に改宗、威光山法明寺と寺号を改めたとされている。関東大震災で本堂が倒壊、昭和20年戦災により全山焼失したが、昭和34年に本堂を再建、さらに昭和37年客殿庫裡を竣工した。 昭和43年、鐘楼ならびに山門の復興も完了、ほぼ寺内の偉容を旧に復したそうだ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F10 1/400秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
法明寺本堂;クリックすると大きな写真になります
5.荒川車庫
再び鬼子母神前で乗車し、庚申塚、王子駅前を通り越して、荒川車庫前まで来た。車庫に止まっている車両を撮ろうと思ったからだ。車庫には7000型、8800型などが入庫していた。7000型はこの日もっとも沢山見た車両で、1954年(昭和29年)から1956年(昭和31年)にかけて約90製造されている。現存するのは1955年(昭和30年)から1956年(昭和31年)にかけて製造された最終増備車組で、ワンマン化に際して車体更新して使用しているとのこと。右側のオレンジ色の8800型は7500型の置き換え用として2009年(平成21年)から新造されているVVVF車輛だ。2010年(平成22年)末時点では8801号から8810号までの10輛あるとのこと。オレンジ色のほかにバイオレット、ローズレッド、イエローの4色がある。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F11 1/500秒 40mm ISO400 ) 露出補正 なし
荒川車庫;クリックすると大きな写真になります
6.「都電おもいで広場」
2007年(平成19年)の春に、荒川車庫の隣に「都電おもいで広場」が開設された。ここには5500型と7500型が展示されていた。土、日、祝日のみの開園で、この日は中に入れなかった。この写真の5500型は、昭和29年にアメリカの最新の技術を導入して製造された車両で、独特の流線型の車体と低騒音・高加速の高性能を持ち、通称「PCCカー」と呼ばれた。三田車庫に配属され、1系統(品川駅前~上野駅前)で使用されたとのこと。「銀座」の行き先表示が懐かしい。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F14 1/800秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
「都電おもいで広場」;クリックすると大きな写真になります
7.専用軌道を走る最新型
荒川車庫前駅から王子駅前まで戻ろうと、ホームで待っていると反対側からレトロ調のダブルルーフを持った9002号という車両が来た。9001号はエンジに塗られ平成19年に導入されている。この9002号は平成21年に導入された最新鋭車9000型である。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F5.6 1/1250秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
専用軌道を走る最新型;クリックすると大きな写真になります
8.最も新しい9002型
レトロ調の最新鋭車両というのも不思議な感じがする。レトロ調が目的なら、古い型の車両を改造した方が安上がりだと思うのだが。困ったことに、今日撮ったすべての車両の写真でそうなのだが、結果的に行き先表示の文字を旨く写し込めていなかった。「三ノ輪橋」がぐしゃぐしゃになっている。シャッター・スピードを遅くしなくてはいけないらしい。1/125秒くらいだそうだ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F10 1/400秒 48mm ISO400 ) 露出補正 なし
最も新しい9002型;クリックすると大きな写真になります
9.早稲田行き
荒川車庫前で早稲田行きの7000型に乗り、3つ目の王子駅前で降りた。ここで降りたのは、ここから先、しばらく車道との併用軌道を走るので、その写真を撮りたかったからだ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F5.6 1/500秒 95mm ISO400 ) 露出補正 なし
早稲田行き;クリックすると大きな写真になります
10.王子駅前
  JRのガードをくぐり、併用軌道を走る。ヨーロッパの路面電車のような背景にならないのが残念である。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F8 1/1000秒 70mm ISO400 ) 露出補正 なし
王子駅前;クリックすると大きな写真になります
11.飛鳥山から王子駅前へ
反対方向の三ノ輪橋行きローズレッド塗装の8800型が、飛鳥山から王子駅前に向かう。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G プログラムオートで撮影 ( F14 1/800秒 31mm ISO400 ) 露出補正 なし
飛鳥山から王子駅前へ;クリックすると大きな写真になります
12.王子駅前
王子駅前の車道と区分されていない併用軌道区間の電車を撮って、王子駅前駅に戻った。この車両は2005年(平成17年)6月12日の「路面電車の日」を記念して復刻塗装されたという7022だ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F8 1/250秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
王子駅前;クリックすると大きな写真になります
13.併用軌道区間から専用軌道へ
王子駅前から飛鳥山の先を右に曲がって専用軌道に入るまで、車道を走る。次の駅は滝野川一丁目である。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F8 1/1000秒 56mm ISO400 ) 露出補正 なし
併用軌道区間から専用軌道へ;クリックすると大きな写真になります

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