幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展 3月4日 - Studio YAMAKO

2012年3月18日

幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展 3月4日


 3月4日、数日前に姪からのメールで知らされていた、世田谷の馬事公苑の近くにある東京農業大学の進化生物学研究所「食と農」の博物館で開催されている、幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展を観てきた。
  昨年の10月30日にNHKスペシャルという番組で、「秘境ブータン幻のチョウを追う」というタイトルで、2011年8月中旬に、日本の調査隊により、78年ぶりに再発見され、飛来や産卵などの様子が初めてテレビカメラで撮影され5頭が捕獲された記録が放映された。
  ブータン政府は豊かな生態系を代表する蝶を保護していくためには、基礎的な研究が不可欠と考えているものの、国内にそうした専門家が乏しいことから、五十嵐邁氏をはじめとする日本の研究者の功績を認め、共同調査をすることになったとのことだ。五十嵐邁さんは2008年4月6日、胃癌により享年83歳で故人となられているが、2010年3月に田端のファーブル昆虫館で開催されていた「五十嵐邁コレクション展」でお目にかかった、五十嵐邁さんの奥様もこの調査隊の一員として参加されていた。
  そして、昨年11月に来日したブータンのワンチュク国王夫妻から、調査隊員の勤め先である東大総合研究博物館と東京農大進化生物学研究所にそれぞれブータンシボリアゲハの雄の標本が1頭ずつ贈られた。今回の幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展は、その贈られた標本が展示されていた。

1.東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館
幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展の会場である、東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館は、世田谷通りから馬事公苑の方へ入った右側にあった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/125秒 24mm ISO400 ) 露出補正 なし
東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館;クリックすると大きな写真になります
2.博物館入口
この左手が入口になる。マイカーで出掛けたが、駐車場はない。博物館の手前、世田谷通り側にコインパーキングがあったが、1時間ちょっと停めてコインでは済まなかった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/125秒 17mm ISO400 ) 露出補正 なし
博物館入口;クリックすると大きな写真になります
3.ブータンシボリアゲハの展示
1階フロアの一角にブータンシボリアゲハの展示コーナーがあった。ワンチュク国王夫妻から送られた♂の標本、調査隊により撮られた写真、そして説明のパネル、およびブータンシボリアゲハの近縁種の標本が展示されていた。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.5 1/125秒 34mm ISO1800 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの展示;クリックすると大きな写真になります
4.ブータンシボリアゲハ再発見経緯
ブータンのヒマラヤ山脈の標高約2,200m山腹で1933年にイギリス人により発見採取され、5頭の標本のみが大英自然史博物館で保存されたが、その後本種の記録は途絶え、「幻の大蝶・ヒマラヤの貴婦人」とも呼ばれていた。(国際自然保護連合(IUCN)により危急種の指定を受けている種である。)2009年ブータン森林保護官がトラシャンツェ渓谷で本種と思われる個体の撮影に成功したとの情報がもたらされた。そして、今回2011年8月、日本蝶類学会メンバー6人、日本人スタッフ3名、ブータン王国政府・農林省のメンバー5人で調査隊が結束され、以前と同じ場所で78年ぶりに再発見、5頭が捕獲された。この発見を受けてブータンシボリアゲハはブータンの国蝶に指定されたという。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.8 1/125秒 40mm ISO400 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハ再発見経緯;クリックすると大きな写真になります
5.ブータンシボリアゲハの標本 -1
ブータン王国から贈られた標本箱には"A GIFT FROM THE PEOPLE OF BHUTAN"と記されている。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.3 1/125秒 26mm ISO720 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの標本 -1;クリックすると大きな写真になります
6.ブータンシボリアゲハの標本 -2
博物館に入館する際に、受付けで「撮影の可否」を伺った。フラッシュを使用しないこと、また、近接撮影を控えることとご注意があった。厚いアクリル板で保護されてはいるが、何せ貴重な標本である。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F4 1/125秒 50mm ISO1250 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの標本 -2;クリックすると大きな写真になります
7.シボリアゲハの仲間 -1
シボリアゲハの仲間は、ブータンシボリアゲハ(Bhutanitis ludlowi )のほか、3種いる。その標本が展示されていた。この標本箱に入っているシボリアゲハの仲間のうち、左側3列と次の1頭の計13頭はシナシボリアゲハ(Bhutanitis thaidina)、右側の1列5頭はウンナンシボリアゲハ(Bhutanitis mansfieldi)と示されている。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.8 1/125秒 40mm ISO1250 ) 露出補正 なし
シボリアゲハの仲間 -1;クリックすると大きな写真になります
8.シボリアゲハの仲間 -2
別の標本箱には、もう1種のブータン産とインド産のシボリアゲハ(Bhutanitis lidderdalii )があった。この写真はインド産のシボリアゲハ。シボリアゲハの仲間は、ヒマラヤ山脈ブータン、アッサム、中国雲南省、四川省、陝西省からミャンマー、タイに生息するという。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F4.5 1/125秒 70mm ISO3200 ) 露出補正 なし
シボリアゲハの仲間 -2;クリックすると大きな写真になります
9.タイスアゲハ族
タイスアゲハ族というのは、アゲハ蝶科、ウスバシロチョウ亜科に含まれ、タイスアゲハ族は5属16種に分けられる。シボリアゲハ属はこのタイスアゲハ族の5属のうちの一つである。日本にはギフチョウ属のギフチョウ、ヒメギフチョウが生息する。隣国韓国に生息するホソオチョウ属、ヨーロッパ中部から中近東に生息するタイスアゲハ属、シロタイスアゲハ属のタイスアゲハ族の蝶はすべてユーラシア大陸南部温帯域に遺存的に分布し、原始的(祖先的)な形態をもっているといわれる。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.5 1/125秒 32mm ISO720 ) 露出補正 なし
タイスアゲハ族;クリックすると大きな写真になります
10.馬事公苑
ゆっくりとブータンシボリアゲハを鑑賞し、外に出た。眼の前に馬事公苑がある。馬事公苑には来たことがないのでちょっと見てみることにした。馬事公苑のホームページによると、馬事公苑は、人馬の馬術訓練、馬術競技会の開催、馬事に関する知識の向上などを目的として昭和15年に開苑されたとのこと。開苑当初から競馬の騎手養成を行い、昭和57年の競馬学校開設に至るまでその大きな役割を担ってきている。 また、昭和39年には、第18回オリンピック東京大会の馬場馬術競技会場となり我が国における馬術の拠点として世界の注目を集めることとなった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G 絞り優先オートで撮影 ( F9 1/320秒 19mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬事公苑;クリックすると大きな写真になります
11.馬術競技 -1
この日は関東学生新人戦が行われていた。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/640秒 62mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬術競技 -1;クリックすると大きな写真になります
12.馬術競技 -2
もう1枚、これは女性の選手。帽子が格好よかった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/640秒 70mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬術競技 -2;クリックすると大きな写真になります


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