上野公園(3) 国立西洋美術館見学 5月30日 - Studio YAMAKO

2017年6月26日

上野公園(3) 国立西洋美術館見学 5月30日

国立科学博物館を退出して、そのまま、国立西洋美術館の前庭に入った。ロダンの彫刻がある。何回かここへは来るが前庭に入ったことはない。館内に入る前にロダンの彫刻の写真を撮る。パンフレットによれば、この美術館の原点は、フランス近代の絵画・彫刻を中心とする「松方コレクション」にある。実業家の松方幸次郎(1866~1950)は、日本最初の西洋美術館の建設を目指し、1916年から約10年の間、ヨーロッパで膨大な美術品収集したが、その後の変遷により、多くの作品が散逸してしまった。しかし、パリに残されていた約400点の作品は、第二次世界大戦中にフランス政府に接収され、戦後日本に寄贈返還された。国立西洋美術館は、この「松方コレクション」を保存・公開するための施設として、1959年に設立された、とある。
  受付で入場券を求めようとすると、65歳以上は無料だった。本館に入ると。ホールになっていて、そこにもロダンの作品があった。
  そして、フランスで活躍した近代建築の巨匠のひとりであるル・コルビュジエ(1887年~1965年)設計の本館は、コレクションの増加に伴い建物を拡張する「無限成長美術館」のアイデアを基にして建てられたそうだ。2016年7月に、この国立西洋美術館本館を含む「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献-」が世界文化遺産に登録されたのは、まだ記憶に新しい。
 私は美術については知識がない。記述は国立西洋美術館のパンフレット、および、国立西洋美術館の作品紹介ページから引用、参照させていただいた。

56.国立西洋美術館
国立科学博物館から歩いてくると、ここに出る。朝はまだ門が閉ざされていたが、門が開いていると広い前庭が見える。ここから入った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​4 1/​1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
57.ロダン 「考える人」 (拡大作)
国立科学博物館側の入り口を前庭入ると、右手に大きなオーギュスト・ロダン(1840年-1917年)の彫刻「考える人」があった。1902年から1903年にかけて、ロダンの良き協力者であったアンリ・ルボセの手によって1881-82年の原型に基づいて拡大された像だ。松方コレクション。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​4 1/​500秒 19mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
58.「カレーの市民」部分
原型は1884年-1888年に製作され、1953年に鋳造されている。台座上面前方に署名: A. Rodin; 台座背面右に鋳造銘: George Rudier / Fondeur Parisとある。国立西洋美術館の作品紹介のページよると、1884年、カレー市民はかねて懸案になっていた、同市を救った恩人、ウスターシュ・ド・サン・ピエールの記念碑建設を決定し、ロダンが指名された。ウスターシュは、中世百年戦争の時代、イギリス国王が1347年に英仏海峡を越えて同市を包囲した際、他の5人の地位の高いカレー市民と共に人質としてイギリス国王の陣営に赴き、カレー市と市民の生命を救ったのであった。年代記を読んで感動したロダンはウスターシュ一人の代わりに6人の市民がそれぞれの絶望と苦悩のうちに、市の鍵を手に、首に縄を巻いて裸足で市の門を出て行く群像を作り上げた。・・・とある。美術作品である彫刻を、自分勝手に、部分的に切り取って撮影するのは好ましくないのかもしれないが、お許しいただきたい。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/​1000秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
59.「地獄の門」上部
国立科学博物館側の入り口から入って一番奥の方に、この地獄の門がある。これもロダンの作である。写真は切り取って、上部を撮ったが、この下に門扉がある。ロダンは終生この大作の制作に取り組み、彼の多くの独立した作品が「地獄の門」に関連して生み出された。タンパンの中央に坐って墜ち行く人々を凝視する男は「考える人」であり、門の頂に立つ三つの影は「アダム」と密接な関係を持っている。フィレンツェに行ったときに見た洗礼堂のギベルティの「天国の門」を連想した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​3.5 1/​100秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
60.「弓を弾くヘラクレス」 エミール=アントワーヌ・ブールデル
これまでの3っの彫刻はロダンの作品であるが、これは違う。作品紹介のページによると、ブールデルの名を不朽のものとした本作品は、ギリシャ神話の英雄へラクレスの「十二の功業」の一つに主題を借りている。へラクレスが怪鳥ステュムファリデスを射るために渾身の力で弓をひき、まさに矢を放とうとする瞬間を捉えている、と説明があった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/​1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
61.19世紀ホール
正面入り口から本館に入り、常設展の入り口に入る。そこは19世紀ホールとなっていて、ここにも「瞑想」「説教する洗礼者ヨハネ」、http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0002.html「青銅時代」といった松方コレクションのロダンの作品が展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
62.絵画の展示
順路に従って2階に上がると、絵画の展示があった。本館2階から14-16世紀の絵画~18世紀の絵画を鑑賞して、新館2階へ移ると19世紀の絵画が展示されている。そこから階段で下へ降りると20世紀の絵画があった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2 1/​80秒 10mm ISO400 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
63.藤田嗣治 「坐る女」
余りにも有名な画家である。藤田嗣治が東京美術学校を終えて渡仏したのは1913年のことであった。以後、のちにエコール・ド・パリと呼ばれることになる若い画家たちの一員として頭角を現し、1920年代後半には画壇の寵児として世界的にその名を知られるようになる。これはは1929年の作品だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2 1/​30秒 11mm ISO200 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
64.クロード・モネ 「睡蓮」
50歳を超えたモネは自宅で庭園づくりを始めた。樹木や花を植え、池には睡蓮が育てられ、モネは繰り返して描くようになったという。本作品の制作時にはすでに20年近く睡蓮が描かれていたそうだ。松方コレクションである。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​40秒 13mm ISO320 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
65.パブロ・ピカソ 「男と女」
このピカソの絵は梅原龍三郎氏より寄贈されている。まるでダンスを踊るかのようにもつれ合う裸の男女を本作品に描いた時、ピカソは88歳になっていたそうだ。この年、彼は少なくとも167点の油彩を制作しており、年齢からすれば驚異的な多作ぶりを発揮したと言えよう。ピカソの晩年の絵画は、本作品に見られるように、絵の具を荒々しくカンヴァスに塗りつけた粗野な様式によるもので、数の大さからも推察される通り、入念に一枚一枚仕上げられたものではなかった、と解説されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.5 1/​50秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
66.ジョアン・ミロ 「絵画」
作品名が「絵画」となっている。この絵はとても印象に残った。ミロの作品では常に自然に基づく象徴的記号が登場する。この作品でも、太陽や星を示す記号が極めて単純化されて、画面の重要な構成要素となっている。プリミティヴでどこか稚拙さをも感じさせる表現であるが、同時に、広々とした天空を想わせるような明るい雄大な雰囲気を持つ作品であると解説されている。。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2 1/​30秒 11mm ISO320 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
67.国立西洋美術館正面
前庭から見る本館。手前に見える彫刻は、ロダンの「カレーの市民」である。この本館は、2016年7月に、この国立西洋美術館本館を含む「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」が世界文化遺産に登録された。一度も見学ことがなかったので、一度来てみたいと思っていた。この日は、短い時間であったが、英国自然史博物館展と併せて、有意義な一日となった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels プログラムオートで撮影( f​4.5 1/​1250秒 9mm ISO125) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。


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