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2014年2月 4日

蝶 自選年間ベスト10 (1) 2005年


 蝶は気温が15℃以上にならないと飛ばないという。従って、概ね12月から3月の中ごろ過ぎまでは、南国へ旅行をするか、蝶の温室へ行かない限り、蝶の写真を撮ることが出来ない。ブログの写真が淋しくなる。そこで、2005年以降、自分で選んだ毎年のベスト10を探してみようと思う。
 選び出す基準は、眼にピントが合っていること、手振れがない(少ない)こと、背景がきれいにボケているか、あるいは、背景にその蝶の棲む環境を映しこめているか、そして、モデルとなってくれる個体が美しい(破損が少ない)こと、珍しい種であること、などだが、要は「自分で気に入った写真」である。2005年から順次選んでいこうと思う。
  2005年は、石垣島、竹富島へ行った。憧れのアオタテハモドキやオオゴマダラを見て、ドキドキしたのを思い出す。2005年中に撮ったベスト10の候補となる写真を選び出したところ、68点になった。これを敢えて10点に絞り込んだが、うち5点が石垣、竹富で3点が箱根湿生花園と偏ってしまった。
 すでにStudio YAMAKOにアップしたショットで再掲となることもあるが、お許しいただきたい。

ヤエヤマウラナミジャノメ;クリックすると大きな写真になります。 1.ヤエヤマウラナミジャノメ  2005年5月8日 沖縄県石垣島真栄城林道
2005年は石垣島へ蝶の写真を撮りに行った。JALの直行便で石垣空港に付き、前もって撮影ガイドを電話でお願いしておいた「昆虫 愛ランド 石垣島」のIさんが、車で迎えに来てくださっていた。この日はご主人は先約があり、奥様にガイドお願いすることになった。「何か撮影目的はありますか」と聞かれたので「石垣島の蝶たちをできるだけ多く撮りたい」と告げたところ、まず、真栄里林道へご案内いただいた。ヤエヤマウラナミジャノメは裏面が私の知るヒメウラナミジャノメと明らかに異なる。

Nikon D100
データ不詳
ファイルをCDに落として保存していたが、その段階で撮影データが失われてしまった。
アオタテハモドキ♂ ;クリックすると大きな写真になります。 2.アオタテハモドキ♂  2005年5月8日 沖縄県石垣島真栄里林道
子供のころから図鑑を見ては、なんときれいな蝶だろうと思い、憧れていた。その憧れの蝶が、林道で翅を開いてくれた。

Nikon D100
データ不詳
ジャコウアゲハ♂;クリックすると大きな写真になります。 3.ジャコウアゲハ♂  2005年5月8日 沖縄県石垣島真栄里林道
センダングサは蝶が好む。ここで見たジャコウアゲハの♂は、こちらで見るジャコウアゲハに比べ、後翅裏面の赤い紋と、腹部の赤が際立っている。

Nikon D100
データ不詳
タイワンクロボシシジミ ;クリックすると大きな写真になります。 4.タイワンクロボシシジミ  2005年5月8日 沖縄県石垣島真栄里林道
初めて見た蝶だったが、南西諸島では極く普通に見られる蝶のようだった。

KONICA MINOLTA Dimage A200 F2.8-F3.5 7.2?50.8mm 8.0 Mega Pixels
データ不詳
オオゴマダラ;クリックすると大きな写真になります。 5.オオゴマダラ  2005年5月9日 沖縄県竹富島
石垣島真栄里林道で撮った翌日は、船で竹富島へ渡った。竹富島の民家の植え込みにきれいなオオゴマダラがいた。沖縄以南の南西諸島に生息する蝶だが、日本各地の蝶園でも飼育されている。沖縄、石垣、竹富に来てはじめて「生」のオオゴマダラに会えた。

Nikon D100
データ不詳
ヒオドシチョウ;クリックすると大きな写真になります。 6.ヒオドシチョウ  2005年6月17日 栃木県真岡市井頭公園
早春にギフチョウなどを撮りに行くと、越冬後の擦り切れそうに傷んだ翅をしたヒオドシチョウに出会うことが多いが、羽化したてのきれいな個体にはなかなか会うことが出来ない。生まれてきて、これから出ていく世界を伺っているように見えた。このときはオオヒカゲが目当てだったが会えなかった。

Nikon D100 Tokina100mm
データ不詳
モンキアゲハ;クリックすると大きな写真になります。 7.モンキアゲハ  2005年7月20日 神奈川県箱根湿生花園
「蝶とあるく箱根」という本で箱根湿生花園に自生するハンノキにミドリシジミが多いと知り、撮りに出かけた。「花園」の名の通り園内には花が多い。少し離れたところのコオニユリにモンキアゲハが来た。だが、柵があって、これ以上は近づけない。

Nikon D100 Tokina100mm
データ不詳
ミドリシジミ♂;クリックすると大きな写真になります。 8.ミドリシジミ♂  2005年7月20日 神奈川県箱根湿生花園
箱根湿生花園のミドリシジミは発生時期が少し遅い。この日、個体数は多く、新鮮な♂の開翅姿を撮ることが出来た。

Nikon D100 Tokina100mm
データ不詳
アゲハチョウ♂;クリックすると大きな写真になります。 9.アゲハチョウ♂  2005年7月20日 神奈川県箱根湿生花園
ミソハギの花にアゲハチョウが絡んでいた。綺麗な個体だった。

Nikon D100 Tokina100mm
データ不詳
スジボソヤマキチョウ♂;クリックすると大きな写真になります。 10.スジボソヤマキチョウ♂  長野県八島湿原 2005年9月1日
アザミの種類もたくさんあって、私には判別が難しいが、これは多分ノアザミだと思う。そのノアザミに来たスジボソヤマキチョウは、翅が透けて見えて綺麗だった。  

Nikon D100 Tokina100mm
データ不詳


2010年10月 4日

秋色の仙石原


 少し秋らしくなってきた9月19日、休日1,000円の東名高速を使って、箱根仙石原にある箱根湿性花園へ行ってきた。朝7時に自宅を出て、開園時間の9時直前に湿生花園の駐車場に入った。すでに数名の人が開園を待っていた。
 園に入ってまず、適当なベンチをさがし、花を眺めながら途中の足柄サービスエリアで仕入れたサンドウィッチを食べた。1時間半ほど撮影したが、登りの車が混まないうちにと、昼前には湿生花園を離れ、御殿場から東名に上がり、自宅に戻ったのは午後2時前だった。

箱根町立箱根湿生花園;クリックすると大きな写真になります 1.箱根町立箱根湿生花園
ここはチケット売り場。入園料は大人700円で65歳以上は割引があって600円に。この日は清々しい天気だった。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F4 1/125秒 22mm ISO400 ) 露出補正 なし
シオンの花で吸蜜するミドリヒョウモン♀;クリックすると大きな写真になります 2.シオンの花で吸蜜するミドリヒョウモン♀?1
入口を入ってすぐのベンチに腰をかけ、朝食のサンドウィッチを頬張っていると近くのシオンの花にヒョウモンチョウが来ていた。なんだろうと思って近づいてみるとミドリヒョウモンの♀だった。擦れてはいるが、破損はほとんどない。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F5.6 1/1600秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
シオンの花で吸蜜するミドリヒョウモン♀;クリックすると大きな写真になります 3.シオンの花で吸蜜するミドリヒョウモン♀?2
前の写真と同じ個体である。広角側で撮ったが、18mmにすると蝶が小さくなってしまうので、少し戻して撮った。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F11 1/500秒 32mm ISO400 ) 露出補正 なし
キタキチョウの交尾;クリックすると大きな写真になります 4.キタキチョウの交尾
交尾中のキチョウに、他の♂がちょっかいを出している。キチョウは翅を開いては止まらない。翅表を撮るには飛翔しかないが、うまく撮れた。
さて、知らなかったが、2005年に日本のキチョウはキタキチョウとキチョウの2種に分割されたとのこと。本州などに生息している馴染みの深いキチョウはキチョウではなくキタキチョウになった。
形態的には前翅表の縁毛が黄色いなど細かいところでは違いがあるようだが、一見しただけでは良く分からないという。幸いなことにトカラ列島の渡瀬線以北にはキチョウ(E.hecabe)は生息していないので、本土で見るキチョウは全てキタキチョウである。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/800秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
サワキキョウとウラナミシジミ;クリックすると大きな写真になります 5.サワキキョウとウラナミシジミ
ウラナミシジミが見られるようになると秋である。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1250秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
キアゲハ;クリックすると大きな写真になります 6.キアゲハ
アザミの花で吸蜜しているキアゲハ。周囲にはススキの穂が見え、秋の気配が感じられる。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1600秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
ススキとオミナエシ;クリックすると大きな写真になります 7.ススキとオミナエシ
湿生花園の奥は、仙石原湿原植生復元区となっている。昭和45年頃ススキ草原の野焼きがされなくなってから、ヨシが丈高く茂り、樹木も増えて日向を好む多くの湿原植物がその姿を消してしまったそうだ。昭和60年に箱根湿生花園の水田跡地に湿生植物の復元実験区が設けられた。昔の湿原に復元するには野焼きが効果的で、初夏の草刈りは回復を早めるという結果を得て、6月に草刈り、冬期に火入れが毎年行われているとのこと。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1000秒 40mm ISO400 ) 露出補正 なし
オオウラギンスジヒョウモン♀;クリックすると大きな写真になります 8.オオウラギンスジヒョウモン♀
以前にミドリシジミの季節にここへ来た時はオレンジ色の♂が活発に飛びまわっていた。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1250秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
サクラタデの花で吸蜜するモンシロチョウ;クリックすると大きな写真になります 9.サクラタデの花で吸蜜するモンシロチョウ
サクラタデの花はとても可憐である。普段は見向きもしないモンシロチョウもサクラタデの花のお陰か清楚で美しい。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/800秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
ちょっと違和感のあるツマグロヒョウモン♂;クリックすると大きな写真になります 10.ちょっと違和感のあるツマグロヒョウモン♂
新鮮なツマグロヒョウモンが飛んできたので撮った。しかし、前翅翅表の先端の普通は2つに分かれている黒斑がつながってひとつの大きな黒斑になっている。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/2000秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
キタテハ秋型 11.キタテハ秋型
新鮮なキタテハの秋型だ。都会では秋型は12月の初めまで成虫で活動し、暖かい日には1月や2月でも飛んでいる。成虫で越冬し、春に次世代(夏型)につないでいく。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1600秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
ヒメアカタテハ;クリックすると大きな写真になります 12.ヒメアカタテハ 今年は舞岡公園でほとんどヒメアカタテハを見ることがなかったが、ここで会えた。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1000秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
アゲハチョウ;クリックすると大きな写真になります 13.アゲハチョウ
箱根湿生花園は花が多いので吸蜜に来る蝶たちを撮るチャンスに恵まれる。今日はもともと半日行の予定だったので、このアゲハチョウを撮ったあと、帰路に着いた。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/1250秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし