近くにいながら混雑する場所が嫌いで行かなかった祇園祭に家内に誘われて出かけることにした。娘が京都で住むようになったのがきっかけである。車の混雑を恐れて宵山の朝8時に家を出ると意外に車は少なく、いつもの休日よりも早くついた。宵山まで時間があるので、京都に来たついでに嵐山電車にのって嵐山方面に行ってみることにした。結局、大覚寺に行ったのであるが、ここでの写真などは別にエントリーをしようと思う。
京福電鉄嵐山から大覚寺まで暑い中を歩いたりしたので(帰りはバスに乗ったが)少し疲れて、中越沖地震のニュースなどを見ている間に眠ってしまった。夕方6時前烏丸まで阪急電車に乗り、提灯に火が入った
鉾と山を順次見ながら大宮まで引き返すことにした。途中に良さそうな店があれば、夕食をしようという魂胆である。やっぱりというか予想以上というか、時に小雨がぱらつく中、大変な人出であった。
鉾と山は、四条通を中心に東西は堀川通と烏丸通、南北は姉小路通と高辻通に囲まれる区域に23の山と9つの鉾が組み上げられている。この区域のほとんどは宵山の時間は、歩行者天国となっている。烏丸通りには、全国から集まった思える屋台がぎっしり並んでいて、若い男女を中心に大変なにぎわいである。外国人の姿も多く見られ、彼ら彼女らも舟に入ったたこ焼きを頬張っていたりする。女性の浴衣姿が多く、若い男性の浴衣姿も結構多い。その割に、熟年組はTシャツに綿パンが圧倒的だ。山や鉾の展示と同時に、浴衣やうちわ・下駄など京都らしい品物を売る近くの商店が表で安売りをしていたりする。また、レストランも表に屋台を出していたりする。それらを買ったり食べたりするのも宵山の楽しみの一つのようだ。鉾と山が展示されている地域ではどこのレストランも満員で、結局四条大宮近くのいつもの中華料理店で遅い夕食を摂った。蒸し暑い雑踏の中を歩き回ったので生ビールが胃に滲みた。
翌朝、人気のない鉾と山を見ようと散歩を兼ねて同じような場所を見て回った。提灯も外してあり、雨よけにビニールが被せてあったりするが、近くまで寄ることができるので、破風や天水引の彫刻や絨毯を間近に見ることができる。鉾の周りには、朝6時過ぎというのにもう巡行の用意に人が集まっていた。 朝食をして、仕事に出かける娘と別れ、河原町四条へ出た。辻まわしが行われる四条河原町の交差点は、もう超満員である。人垣で交差点の路面は見えない。先頭の長刀鉾が到着する頃には、身動きがとれないほどになった。仕方なくカメラを頭上に持ち上げ、適当にシャッターを押して液晶画面で何をしているのか確認するほどであった。身動きのとれなくなった中国人の若い女性たちが、興奮して何か大声を上げていた。あちこちで、諍いもあったようだ。もし、また行く機会があったとしても、この場所には2度と行きたくない。汗だくになってこの人混みを抜け出し、三条通まで北上すると人垣が少なくなったので、ここで巡行してくる鉾や山を待つことにした。巡行は少し動いては駐まり、また動き出すという京都らしい動きである。天引水や破風には、西洋の模様などが見られ京都が受け継いできた美術の動く展示会といった趣である。また、
綾傘鉾のように踊りをパフォーマンスする鉾もある。
四条傘鉾のお囃子は、鉾には乗らず歩きながらのゆったりとしたテンポである。バックザックに入れていた EDIROL R-1 で録音を試みた。(左のプレイボタンをクリックすると囃子が聞こえてくるはずです) 次々とユニークな山や鉾が通り過ぎる。それぞれで伝統を守りながら新しいこともこころみているようだ。蟷螂山のからくり「かまきり」の羽が動くたびに観衆から歓声があがる。三条では23番目に巡行する船鉾を見たところで昼になり、もうこれ以上立っているのも限界近くになったので三条通商店街の中の洋食屋で大きなオムライスを食べた。
久しぶりに歩き回り、大汗をかいた祭りであったが、メタボにはよいダイエットであった。宵山の朝から巡行の日の昼過ぎまで100円パーキングに駐めていたので、駐車料金が3900円もかかってしまった。もし、来年も行くとしたら、少し離れたところなら昼過ぎからでも十分駐車はできそうである。
なお、写真はNikonD70に18-200mmVRレンズを着けていったが、このような祭りの撮影には広角から望遠までできるのでもってこいである。
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京都・奈良近辺私的観光地図に掲載