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2018年11月 8日

隠居の旅行:長野の秘湯中房温泉を訪ねる

【ロテ研】(露天風呂研究会)と称する某ソフトウエア会社のユーザ会の役員・OBたちの集まりがある。毎年9月の初めに、全国のどこかの温泉(できるだけ秘湯)を訪れで、親睦会をするのが恒例である。
 私は喜寿を迎えたので、引退したいと申し入れたら、傘寿を過ごした会長からまだ早すぎるとお叱りを受けて、長野安曇野まで出かけることにした。東京組の団体に、名古屋からと私大阪組が加わって、総勢16名、昼過ぎ松本駅前でマイクロバスに乗り込む。
 そのまま、中房温泉まで直行すると到着が早すぎるということで、みんなの希望が多かった【日本浮世絵博物館】を訪れた。この博物館は、信州松本で紙などを扱う問屋業の豪商酒井家のコレクションをもとに、1982年に設立されたという。絵画に素養のない私には豚に真珠のようなものであるが、熱心に説明された学芸員の解説を聞いて、浮世絵の世界を垣間見た気がした。

 温泉施設の裏山には、【焼山】と呼ばれる地熱で蒸気を噴出している場所があり、砂を掘って卵や芋などを埋めるとたちまち蒸しあがるという。2日目の昼食は、これを利用して自炊するという。そのための材料を松本の業務スーパー【ユー】で買い求めた。先遣隊がよく調査してくれている。
 中房温泉は、日本アルプスの中腹、燕岳登山口にある。燕岳に登ったことのある人なら、よく知られた山好きには有名な温泉らしい。バスは、松本から安曇野を通って、急坂の曲がりくねった山道を勢いよく登っていく。道幅は場所により狭く、上からおりてくるマイクロバスとすれ違いは、連絡が取れてるようで、しばし待ったりする。
 旅館は海抜1500m近くにあることを除いて、普通の温泉宿とは変わらない。宿備え付けの 浴衣に着替えて、温泉に入りに行く。敷地内には、私は全てには入らなかったが、小さな浴槽も含めて14の温泉がある。
 よく昼食は、焼山で買ってきた食材を蒸し焼きにした野菜などを食した。仲間の一人が蒸し鶏を器用に割いて、バンバンジを作った。美味しかった。

     
0002.JPG 2018/9/15 浮世絵美術館(松本)
奥村政信作
最近の美術館は、フラシュをしなければ、写真を撮ることができるようになっている。ルーブルなど有名な美術館もOKださそうだ。

RICOH GRⅡ
18.3mm 1/4 f/2.8 ISO1000 EV 0

0004.JPG 2018/9/15 中房温泉(松本)
玄関付近
標高は1500m近くある。客は、浴衣がけで敷地内のいろいろな温泉を巡る。入り口と脱衣場所は別だが、中で混浴になっている浴場もある。

SONY α7Ⅱ+FE 28-70mm
47.0mm 1/60 f/4.5 ISO800 EV 0

0017.JPG 2018/9/15 中房温泉(松本)
月見の湯
敷地内にはこのような小さな露天風呂がいくつかある。温泉好きな仲間は、少々あるき回らないとだめと言いながら、14箇所すべてで浸ったと言っていた。

SONY α7Ⅱ+FE 28-70mm
28.0mm 1/60 f/3.5 ISO400 EV 0

0019.JPG 2018/9/15 中房温泉(松本)
ゆで卵用源泉
浸けておくだけでゆで卵ができる温度80度の源泉がある。半熟は15分、固茹で30分とある。

SONY α7Ⅱ+FE 28-70mm
28.0mm 1/60 f/3.5 ISO250 EV 0

0020.JPG 2018/9/15 中房温泉(松本)
滝見の湯
この露天風呂は、本館から少し山道を歩かねばならない。周囲には囲いはなく、自然の中で裸になる。お湯は熱く、1~2分浸かるのが精一杯である。温める水はない。

SONYα7Ⅱ+FE 28-70mm
34.0mm 1/60 f/4.0 ISO1000 EV 0

0021.JPG 2018/9/15 中房温泉(松本)
楓の紅葉はまだ
滝見の湯近くに生えている楓が紅葉になるには、もう少し時間がかかるようだ。。

SONYα7Ⅱ+FE 28-70mm
70.0mm 1/90 f/5.6 ISO160 EV 0

0024.JPG 2018/9/16 中房温泉(松本)
燕岳登山口
中房温泉の入り口に、燕岳の登山口がある。山ガールの姿が多い。ここにも浴場がある。

SONYα7Ⅱ+FE 28-70mm
32.0mm 1/90 f/5.6 ISO100 EV 0

2011年9月12日

隠居の温泉旅行:白馬を中心にのんびりと(4)善光寺と戸隠森林植物園


 台風12号は、9月4日午前3時に日本海へ抜けたが、長野県北部は相変わらずどんよりしたままである。
 10時過ぎの列車で帰る娘を白馬駅まで送り、戸隠まで行ってみようと計画した。スマホ Xperia acro の「マップ」アプリケーションで調べてみると、国道408号線で山越えする道を教える。宿の人に聞いてみると、台風で天候も良くないので曲がりくねった山道はさけて、オリンピック道路を通って長野から回るのがいいのではないかとアドバイスしてくれた。
 せっかく長野に行くのだから、善光寺に参っていくことにした。善光寺までは、ホテルから1時間20分ちょっとである。日曜日ということもあって、参拝路に長々とならんだ土産物店にも大勢の人出である。

 早々に退散して、戸隠神社中社にナビを設定した。観光マップによれば、そのあたりに森林植物園があるはずである。途中で昼時にもなったので、戸隠蕎麦を食しようと店を探した。40年以上も前の独身時代に入った思われる蕎麦屋に飛び込んだ。長く待たされた手打ちそばとともに無料でサービスしてくれた「おやき」が美味しかった。

 戸隠神社中社の駐車場に車を駐めて、「小鳥が池」というところを目指したが道を間違えたらしく針葉樹の道が続くだけである。もとにひっかえして、戸隠森林植物園をスマホ Xperia acro で探してみるとすぐ近くにあり、車で行けるようだった。ガラガラの駐車場に車を置いて、入口近くの小さな池をぐるっと回ってみたが、生き物はほとんど見当たらない。残念だが、今にも雨が降りそうな天気では期待はできない。早々に、宿に引き返すことにした。もとの道を帰ると2時間以上かかる。思い切って、国道408号線で山越えをすることにした。

 曲がりくねった山道は、車との出会いもない。走ること1時間近く、ようやくちょっとした山里に出た。鬼無里である。2日目安曇野の蕎麦屋の名前が鬼無里だった。道の駅的な場所には、洒落たギャラリーがある。コーヒーを所望して、マスターの話を聞くと、東京から出てきているとのことである。だんだんと田舎暮らしをする人が増えているようだ。
 そこから、また曲がりくねった山道を下ること1時間で白馬の宿についた。すぐに露天風呂に飛び込んだ。
善光寺;クリックすると大きな写真になります戸隠の蕎麦屋:たんぼ;クリックすると大きな写真になります戸隠森林植物園;クリックすると大きな写真になります鬼無里のギャラリー;クリックすると大きな写真になります
善光寺
2011/9/4
戸隠の蕎麦屋:たんぼ
2011/9/4
戸隠森林植物園:みどり池
2011/9/4
鬼無里のギャラリー
2011/9/4


 翌日、少し遠回りだが、糸魚川から北陸道で帰ることにした。姫川沿いに糸魚川に出る国道148号線は、塩の道といわれたようであるが、新潟県に入るとスノーシェッドが延々と続いて、谷間の景色はほとんど見えない。北陸自動車道の糸魚川ICを入ってから、黒部市に入るぐらいまでは、これまたトンネルの連続である。しかし通行量は少なく、中央道・名神高速道路を走るよりも疲労感は少ない。自分の歳を考えて、急ぐ旅でもないので、サービスエリア(SA)毎に、休憩をした。SA は、およそ1時間ごとくらいにある感じだが、最近のSA はどことも工夫を凝らしていて、清潔である。北陸道から名神高速に入って、初めてにある多賀SA(下り) は、最近あたらしく改築されたのか、どこかのレストラン街にいったような感じであった。
 京滋バイパスから、第二京阪道路⇒近畿自動車道⇒阪和自動車道と辿って自宅に帰ってきたとき、走行距離は 1,275KM を指していた。ノロノロ台風12号のおかげで、天気には恵まれない旅行となったが、まだもう少しは長距離も走れそうである。

2011年9月10日

隠居の温泉旅行:白馬を中心にのんびりと(2)黒部ダムと大王わさび農場・アルプスあずみの公園


 9月2日、台風12号はまだ四国沖を極めてゆっくりと北上している。長野県北部は雨こそ降らないがどんよりと曇ったままである。

黒部ダム;クリックすると大きな写真になります 台風が近づいてこないうちに、まだ行ったことのなかった黒部ダムに行ってみることにした。白馬からは国道147号を南に下がり、大町温泉から関電トロリーバスの乗り場である扇沢駅まで緑の濃い山道を登る。一時間くらいで到着する。扇沢駅からは、トロリーバスでダムまで行くしか方法はない。工事用に難工事のすえくり貫いたトンネルは、今観光トンネルとなっており、16分でダムに着く。扇沢の駐車場は無料(トロリーバス乗り場に近いところに有料がある)だが、黒部ダムまでは大人一人往復 2500円である。聞くところによると、富山からのルートでは、片道 1万円くらいかかるらしい。

 ダムでは、ときおり雨が強く振り風が強いあいにくの天気であった。この時節には、ダムの放水は常時行われている。ダムの全景と放水が展望できる場所への階段は、強風のために通行止めになっていた。早々に扇沢の駐車場まで引き返し、台風の接近で天候が荒れないうちに、安曇野にある【大王わさび農場】と【国営のアルプスあずみの公園】に行くことにした。携帯していたスマホ Xperia acro の GPS機能で調べると、扇沢から大王わさび農場までは、1時間くらいである。

天ざる;クリックすると大きな写真になります NHK の朝ドラ【おひさま】の舞台である安曇野の池田町・松川町が作っている「そば処 つるつるまっぷ」を頼りに、せっかくだからと蕎麦の店を探した。ナビにセットした店は、もうひとつの雰囲気だったので、近くの小さいながら落ち着いた雰囲気の【そばの家 鬼無里】で蕎麦を食した。ここの主人は、白馬に近い面白い地名の鬼無里というところに住んでいたらしい。翌々日、戸隠の森林植物園からの帰り道に山越えの道を選んだが、鬼無里(きなさ)はこの山道の途中にある山里である。

 NHK の朝ドラ【おひさま】の撮影セットなどが置いてある【大王わさび農場】は、平日で天気が悪いのにもかかわらず多くの人出である。
 わさびはシロチョウ類の食草なのかモンシロチョウなどの白い蝶が多く飛んでいた。
空はどんより曇っているのに、蒸し暑く歩きまわって喉が乾いた。本場わさびソフトクリームは、わさびの味はあまりしなかったが、乾いたのどには美味しかった。
大王わさび農場;クリックすると大きな写真になりますスジグロシロチョウ;クリックすると大きな写真になりますハクセキレイ;クリックすると大きな写真になりますアサマイチモンジ;クリックすると大きな写真になります
大王わさび農場の疎水
安曇野大王わさび農場
2011/9/2
スジグロシロチョウ
安曇野大王わさび農場
2011/9/2
ハクセキレイ
安曇野大王わさび農場
2011/9/2
アサマイチモンジ
安曇野大王わさび農場
2011/9/2


 この大王わさび農場から車で20分ほどのところに、【国営アルプスあずみの公園】という公園がある。こちらもTV で放映があったのだが、ガラガラである。ときおり雨がぱらつく 雲模様で、残念ながら期待の北アルプス連峰は見えない。
 公園は手入れが行き届いており、花檀の花には沢山の蝶が飛来していた。展望テラスで雨宿りしていると人工の小さな池に、小鳥がやってきている。逆光でよく見えないが、撮った写真を後日トリミングしてみるとキセキレイとハクセキレイであった。
ジャノメチョウ;クリックすると大きな写真になりますキセキレイ;クリックすると大きな写真になりますハクセキレイ;クリックすると大きな写真になりますミドリヒョウモン;クリックすると大きな写真になります
ミソハギの花に、ジャノメチョウ
アルプスあずみの公園
2011/9/2
キセキレイ
アルプスあずみの公園
2011/9/2
ハクセキレイ
アルプスあずみの公園
2011/9/2
オトコエシに、ミドリヒョウモン
アルプスあずみの公園
2011/9/2


2011年9月 8日

隠居の温泉旅行:白馬を中心にのんびりと(1)安曇野ちひろ美術館

 
 「ゆったりのんびり温泉暮らし」という新聞広告のキャッチコピーに引かれて、久しく出かけていなかった泊まりがけの旅行に出ることにした。4泊5日、白馬にある温泉付きのホテルに逗留する。忙しい娘も、はじめの3泊は付き合うという。

安曇野ちひろ美術館;クリックすると大きな写真になります; 京都で娘をひらって、名神(小牧JCT)⇒中央道(岡谷JCT)⇒長野自動車道 豊科ICと走り、国道147号線をたどった。まだ、昼時分だったので、娘が是非行きたいと言っていた【安曇野ちひろ美術館】に立ち寄った。安曇野の自然にとけこむように設計された美術館は、内藤廣氏の設計によるもので、回りは広々した庭園となっている。建築家のはしくれである娘が行きたいところは、ほとんど有名な建築家が設計した施設が多い。この美術館のある松川村は、絵本作家である岩崎ちひろの信州生まれの両親が第二次世界大戦後に開拓農民として暮らした村のようだ。
ちひろの黒姫山荘;クリックすると大きな写真になります 車を駐めて美術館の入り口に近づくと、近くを歩いていた学芸員が良い撮影ポイントがあるという。学芸員が指し示すポイントに立つと、建物のガラスを通して裏の山(城山というみたいだ)が三角屋根の建物と同じに相似形に見えるのだ。
 付設している感じの良いカフェの屋外テラスで、簡単な昼食を摂った。美術館は、一度チケットを求めると広大な庭園に出入り自由である。庭の端の方には、岩崎ちひろが仕事をしていたという黒姫の山荘を模したと思われる小屋があり、ガラス戸を通して中の様子が覗ける。この建物についての案内は、HP には記載されていなかった。

 巨大な強風域を持つ台風12号の接近でどんよりと曇っているが、もう枯れてしまったひまわり畑の横でラベンダーが咲く庭園を散策した。鳥は、近くを流れる乳川の向こうに広がる田んぼで餌を求めるダイサギとテラスの屋根にハクセキレイがいるだけだった。ラベンダー畑などに、セセリ蝶やシジミ蝶が舞っていたが、アゲハ類は見かけなかった。

ハクセキレイ;クリックすると大きな写真になりますイチモンジセセリ;クリックすると大きな写真になりますツバメシジミ;クリックすると大きな写真になりますウラギンシジミ;クリックすると大きな写真になります
美術館の屋根に留るハクセキレイ
2011/9/1
安曇野ちひろ美術館
ラベンダーで吸蜜するイチモンジセセリ
2011/9/1
安曇野ちひろ美術館
カラスノエンドウにツバメシジミ
2011/9/1
安曇野ちひろ美術館
ウラギンシジミ:乳川のほとりで
2011/9/1
安曇野ちひろ美術館


  露天風呂;クリックすると大きな写真になります ちひろ美術館から木崎湖・青木湖が望める国道147号をたどって、白馬村の宿舎「白馬ハイランドホテル」に到着したのは、午後4時だった。冬場のスキー客目当てのホテルらしく玄関まわりは質素だったが、早速飛び込んだ温泉は快適だった。露天風呂で、もう50年も前の学生の頃に転げながら滑った兎平のゲレンデを遠望しながら、若き日の思い出に浸った。
 ノロノロ台風12号のおかげで、この露天風呂からの北アルプスの眺望は一度も拝むことができなかったのが、すこぶる残念であった。