4月16・17日、50年も前の学生時代に教育キャンプのカウンセラーをしていた同期仲間7人で、今年は大宇陀の又兵衛桜を見に行くことになった。
昨年は、東北大震災のこともあって、
神戸須磨浦公園でのランチ&花見で済ましていた。一昨年は、
吉野の桜を見に行ったのだが。
今年は、桜の開花が遅い。仲間で奈良に住む二人がいろいろと手配をしてくれたが、下見に行くと予定をしていた4月9/10日では、桜見のメインとなる大宇陀にある又兵衛桜は全く開花はなさそうだという。夜桜や早朝の桜を見るには、近くに宿泊が良いということで、手配してくれていた予約も急遽、宿に無理を言って一週間延ばしてくれた。二人は車も出してくれて運転を引き受けてくれた。良き友を持って幸せである。
埼玉からくる仲間と落合やすいように、近鉄の大和八木(新幹線京都駅から乗り換えて来られる)で12時に奈良の友人に拾ってもらった。昼食は、飛鳥寺近くの茶粥懐石料理の「
神籬(ひもろぎ)」という店を予約してくれていた。昔から奈良にはあまり美味しいものはないという印象を持っていたが、ここの料理はなかなかのものであった。料理の下に敷かれた和紙ナプキンには、各人ごとに異なった万葉集の歌が書かれていた。
近くの飛鳥寺に参ってから、石舞台古墳に行く。昔、来た時には、石舞台がポツンと置かれていただけの公園だったが、今は随分整備されて有料にもなっている。ソメイヨシノは、落花盛んというところで、花吹雪の向こうに石舞台が霞んでいた。近くの農家の庭で泳ぐ鯉のぼりの向こうには、段々畑が広がっていた。のどかである。
怪しかった雲行きとおり、次の目的地 談山神社に着く頃には弱い雨となった。談山神社でも、ソメイヨシノが満開であった。
今回の旅行の目玉である本郷の瀧桜(又兵衛桜)は、傘をさしての見物となった。TV で取り上げられたりしているので、そんな中でも大勢のカメラマンが三脚を立てていた。ちょうど満開ということもあり、見逃してはならないのだろう。奈良の仲間によれば、その日は平日で天候もあいにくということで、これでも人出はずいぶん少ないらしい。
又兵衛桜という名前の由来を説明する看板も立てられていた。この桜一本で、駐車場・桜に近づくための協力金、土産物などでこのあたりはこの時期だけ潤っているのかもしれなない。期待していた夜桜は、天候不順のために中止になったようだ。明日の天候回復を祈って、近くの宿
今阪屋で足を休めた。夕食で食した薬草料理も美味しく酒がすすんだ。
翌朝、快晴である。 朝食前6時に宿を抜け出し、朝の太陽にひときわ鮮やかに鮮やかになった滝桜を満喫した。芸術的写真を狙ってアチラコチラに出かけている仲間の一人は、背景に朝もやがかかる写真を撮りたいと言っていたが、そのとおりの状況となり満足していたようだった。送ってくれた写真を拝借した。彼が写真の趣味を始めたのは私よりすこし前だが、随分上手である。野鳥ばかり追っかけて撮る写真とは狙いも、道具立ても異なるようだ。
宿に帰って朝食をすませ、室生寺に向かった。奈良の仲間は、国道165号線から少しそれた小さな公園で車を駐めた。鯉のぼりが多数泳ぎ、ソメイヨシノが満開である。ご近所のご老人が、グランドゴルフを楽しんでいた。近くには、近鉄大阪線が走っている。撮り鉄なら、近鉄電車の絶好の撮影ポイントかもしれない。
室生寺に向かう途中に、大野寺という寺がある。ピンクと白の枝垂れ桜が満開である。このお寺、駐車場はタダで、ボランティアらしき人が陽気に誘導してくれた。小さな庭には、様々な花が咲いている。レンギョウ・トサミズキ・ボケ・紫木蓮といった花が、枝垂れ桜の下で鮮やかである。なんとなく気分がいい。
室生寺についた。ここも、ソメイヨシノが満開である。仲間はみんな70前後になるのに、ヨーロッパ・アルプスをトレッキングしたり、冬の上高地にいくなど元気である。それで、700段ある奥の院への階段を登るという。普段、鳥を追っかけてののんびりした散策しかしていない身には、いささかハードであったが、なんとか登り切ることができた。山門の川向にある橋本屋で山菜料理の昼食をとるときには、シャツは汗でびっしょりであった。
埼玉から来た仲間が予約している新幹線までに、もう少し時間があるというので、奈良の仲間は赤目四十八滝まで車を走らせてくれた。ここには、桜はない。室生寺もそうだが、紅葉の季節にもう一度訪れてみたい場所である。
右フレームに掲載した地図に、立ち寄った場所をさくらの花びらでマークしてみた。マークをクリックすると、ふき出しが表示され、その地名とそこで撮った写真へのリンクが表示される。また、地図下の地名をクリックすると、その場所にふき出しが表示される。