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2022年12月25日

金沢紀行 11月20日~22日 その8 にし茶屋街 と 忍者寺 11月21日

近江町市場のエルザ口を出て、百万石通り(国道157号線)からタクシーに乗り、にし茶屋街に向かった。157号線を南に進み、犀川に架かる犀川大橋を右に行ったところがにし茶屋街の入口だった。
 にし茶屋街は金沢三茶屋街のひとつで、文政3年(1820年)、加賀藩12代藩主前田斉広の公許を得たことにより、ひがし茶屋街と共に誕生した。金沢城の方角からそれぞれ「東の廓」、「西の廓」と呼ばれた。現在でも料亭や芸妓置屋が立ち並び、藩政期の独特の雰囲気を味わうことができる。金沢の茶屋街において、にし茶屋街に在籍する芸妓数は最大となっているそうだ。多くの観光客で賑わうひがし茶屋街に比べ、にし茶屋街のエリアは南北130m、東西180m、1.8haが指定エリアと小さいが、約100mの目抜き通りは江戸時代の面影を色濃く残し、出格子が美しい2階建ての茶屋建築に老舗割烹が軒を並べ、趣のある一角を作り上げている。夕暮れ時になると、着飾った芸妓が街を歩き、家並みからは三味線の音色が流れて、芸の町・金沢の夜が感じられるという。いわば、現役の茶屋街なのである。確かに観光客の姿は少なかった。夕暮れ時に訪れると良かったのかもしれない。
 にし茶屋街の近くには「寺町台寺院群」がある。しかしこの日は、兼六園、金沢城公園、近江町市場と歩き回って、少々疲れてきた。ちょっと休もうと、和風のカフェとみて入った「甘納豆かわむら」という店の店員さんに、比較的近くにある忍者寺(妙立寺)へ行く道を教えてもらう。忍者村の境内に入ると、外国人を含め多くの観光客の姿があった。拝観は要予約となっている。
 そこから歩いて犀川大橋を渡り、片町にあるホテルに戻った。一休みして、夕食は、あれこれ考えるのも "しんどい" ので、また昨日と同じ、ホテルの近くにある寿司屋へ行くことにする。酒の肴に注文した、12月から禁漁になる白エビのから揚げがとても美味かった。
 記述については、wikipedia、金沢旅物語などのサイト、また、各店のことについてはそれぞれのホームページなどを参照させていただいた。

000_221121223 X700 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg
金沢三茶屋街の一つ 「にし茶屋街」の出格子が美しい街並み 2022年11月21日 石川県金沢市野町

164_221121214 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 164.にし茶屋街入り口
タクシーは犀川大橋を渡り、寺町通りを右に曲がって、にし茶屋街の入り口で止めてくれた。入り口の前に立つと茶屋街には観光客は少なく、それほど長くない茶屋街の全貌を見渡すことができた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO125 ) 露出補正 なし
165_221121215 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 165.にし茶屋街
にし茶屋街は、この通りがメインストリートで茶屋建築の町屋が続く。およそ100mほどだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO160 ) 露出補正 なし
166_221121216 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 166.「らくがんや」
茶屋街の入り口の右側に、「らくがんや」という店があった。落雁とは、米や麦、豆などの穀類を蒸してから作った粉に砂糖や水あめなどの甘味を加えて着色し、さまざまな形の型に押し固めて乾燥させた干菓子である。暖簾に「諸江屋」とある。「諸江屋」は、嘉永2年(1849年)創業の和菓子屋だそうだ。落雁を中心に金沢の菓子文化を今に伝えるとうたう。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO160 ) 露出補正 なし
167_221121217 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 167.手裏剣体験 忍者武器ミュージアム
金沢らしい店があった。中に入ってみなかったが、館内には、手裏剣や鎖武器、甲冑の他、50種類、約160点が展示されているそうだ。子供にも楽しめる「手裏剣体験」コーナーもあり、もちろんお土産ショップもある。近くの寺町には忍者寺もある。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO500 ) 露出補正 なし
168_221121218 X800 〇金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 168.出格子 -1
にし茶屋街は、出格子が美しい2階建ての茶屋建築が並ぶ。出格子とは、町屋の1階の表通りに突き出た形式の格子のことだ。木虫籠と書いて「きむすこ」または「きむしこ」と読む金沢の町家の特徴である格子は、割付が細かい出格子(格子の桟の間隔が狭い)で、インドのベンガル地方の赤色顔料を用いたことから「弁柄(紅殻)格子」とも呼ばれるようになったという。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 21mm ISO640 ) 露出補正 なし
169_221121219 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 169.にし茶屋街の説明板
にし茶屋街一帯は、明治13年(1880年)の大火により焼失してしまったが、通りに面して、一階に揃いの出格子を設け、座敷を備える背の高い二階を吹放しの縁側とする藩政期以来のお茶屋の伝統的な街並みが、大火以降も踏襲されて現在に残っていると記されていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
170_221121220 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 170.出格子 -2
外側は美しい茶屋建築である。しかし、右側の建物は「数登美」という古いお茶屋を改装した和風モダン・バーだそうだ。ここは夜に来ないとわからない。左側の建物は割烹、懐石料理 「にし料理茶屋」という。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 12mm ISO500 ) 露出補正 なし
171_221121221 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 171.越前おろしそば「手打ちそば はなれ」
越前おろしそばという暖簾の掛かった店を、外国人連れの観光客が覗き込んでいた。ここは「手打ちそば はなれ」という店だった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 32mm ISO1000 ) 露出補正 なし
172_221121222 X800 〇金沢 にし茶屋街 Dr.Xのすし屋G7X.jpg 172.すし屋「桜桃(ゆすら)」
赤い床几に2人の観光客が待っている店は、すし屋「桜桃(ゆすら)」という。「現地ガイドが配信する金沢観光メニュー」というサイトを見ると、この店、「Doctor-X 外科医・大門未知子 スペシャル」で撮影に使われた店だそうだ。この店は2014年2月まで「田むら」という贔屓のお客さんの多い有名な寿司屋だったらしい。店を閉める時には、石川県で最も部数のある北國新聞に「にし茶屋街の名店に別れ 寿司・田むら 今月限り」と大きく掲載されたという。店主の田村さんが高齢になったため閉店と記されていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 11mm ISO400 ) 露出補正 なし
173_221121226 X800 〇金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 173.西検番事務所
にし茶屋街の芸妓たちの稽古場や管理事務所として、大正11年(1922年)に建築された。事務所のある洋風建築が正面に建ち、その洋風の事務所棟と中庭を隔てた木造2階建、和風の稽古場棟とから成り、事務所棟は寄棟造、桟瓦葺の木造2階建、下見板張りで、明治期に流行したバージボード(軒先飾板)付きの玄関ポーチに特色がある。稽古場のある和風建築が奥に繋がっている。伝統的な茶屋建築が建ち並ぶにし茶屋街において、洋風意匠が目を引くシンボル的な存在である。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 11mm ISO125 ) 露出補正 なし
174_221121225 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 174.「甘納豆かわむら」 テイクアウト専門店「MAME ノマノマ」
西検番事務所の前、ちょうどにし茶屋街のメインストリートが終わるあたりに「甘納豆かわむら」という和菓子店のような感じの店があった。「甘納豆かわむら」には、「MAME ノマノマ」というモナカスイーツなどのテイクアウト店があった。「甘納豆かわむら」で注文すると蔵や中庭を眺められるところに用意された椅子のあるところで食べることができた。ラムレーズンの最中スイーツを注文すると、早めに食べてくれという。モナカのサクサク具合が保たれる時間が6分なのだそうだ。「甘納豆かわむら」の2階は「サロン・ド・テ・カワムラ」というカフェになっていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
175_221121230 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 175.「甘納豆かわむら」の店内
店内の様子を撮らせていただいた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
176_221121231 X800 金沢 にし茶屋街 G7X.jpg 176.「MAME ノマノマ」で注文
テイクアウト専門店「MAME ノマノマ」でラムレーズンの最中を注文し、ここにあるベンチで食べた。写真に見える蔵の中にも椅子があり、空いていればそこでも食べられる。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
177_221121232 X800 金沢 寺町寺院群 G7X.jpg 177.願念寺
「甘納豆かわむら」で会計をする際に、忍者寺への行き方を聞いてみた。西検番事務所の右手の路地を道なりに行って、国道157号線を渡って、そのまままっすぐ行くと着くという。その途中、157号線(ここでは南大通りという)を渡って少し行くと右手に願念寺という寺があった。願念寺は「寺町台寺院群」の一角にある。真宗大谷派の寺で、慶長年間(1596年~1615年)創建で、万治2年(1659年)に河原町(現在の片町)からここに移転した。本堂は文化5年(1808年)に再建されたもので、いわゆる現代の真宗の本堂形式の典型的な建物だそうだ。後から知ったが、境内に松尾芭蕉の「塚もうごけ我が泣く声は秋の風」の句碑があり、この句は奥の細道の旅の途中、弟子・小杉一笑の死を知って詠んだ句という。寺町は加賀藩3代藩主前田利常の城下町づくりによって、犀川南岸の高台に70を超える寺院が集められた町である。寺院が並ぶ寺町通りの築地塀の連なりや、苔むした石垣は、今もなお藩政時代の香りを漂わせている。寺町台は2012年(平成24年)、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
178_221121235 X800 金沢 寺町寺院群 妙立寺 G7X.jpg 178.妙立寺(忍者寺) -1
加賀藩第三代藩主前田利常が創建した。複雑な建築構造と外敵を欺く仕掛けから、忍者寺(にんじゃでら)とも呼ばれる。ちょっと長くなるがwikipediaを引用させていただくと、「寛永20年(1643年)、三代藩主利常が金沢城の近くから移築建立する。利常は徳川幕府により改易されるのを避けるため、徳川家から嫁を迎えるとともに母親を人質に出し、鼻毛を伸ばして馬鹿殿様を演じることで幕府を欺き安心させる。一方、多くの武士が起居できる寺院群(現在の寺町寺院群)を新築し、その中心に出城の役目を持たせた妙立寺を建立する。要塞としての機能を備えた妙立寺は、隠し階段・隠し部屋・落とし穴・見張り台・金沢城へ続く地下通路など外敵を欺く種々な仕掛けを備える。忍者寺と称されるのは、同寺に忍者がいたからではなく、伽藍の複雑な建築構造に由来する。建造は、日蓮の法孫、日像と伝えられる。」と記されている。なんで利常は城下町の寺院を移転させてまで、わざわざ寺町を築いたのだろうか。その理由は二つあるという。一つは、金沢城の防衛能力を強化する為である。金沢城は弱点も多く、あまり堅固な城郭ではなかった。そこで城下町の入口に寺町を設ける事で、有事の際にはこれらの寺町に武士を配置し、砦として用いる意図があった。もう一つの理由は、一向一揆対策だった。一向宗以外の寺院をまとめ、一向宗の寺院はあえて城下町内に散在させたままにしておく事で、一向宗に対して監視の目を光らせ、一揆を未然に防ぐという目的があったという。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 11mm ISO1250 ) 露出補正 なし
179_221121236 X800 〇金沢 寺町寺院群 妙立寺 G7X.jpg 179.妙立寺(忍者寺) -2
この妙立寺は日蓮宗の寺院である。寛永20年に日通上人が運上町に創建、のちに藩命により、能登の石動山、新堅町へと移築され、万治2年(1659年)現在地に転じている。文久2年に祖師堂の一部を焼失、それ以前は、ここ、願念寺の前の通りを正面としていたが多数の参拝者で混雑のため、13代藩主前田齋泰の命により、兼六園内にあった「竹澤御殿」の正門を移築、鶴来街道(県道179号)側を正面とした。ここ(写真178)はいわば旧正門ということか。この左わきの路地を進んだ右側に境内、本堂があった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 11mm ISO1250 ) 露出補正 なし
180_221121237 X800 金沢 寺町寺院群 妙立寺 G7X.jpg 180.妙立寺(忍者寺) -3
旧正門と思しきところの左側の路地の先は、絵馬が奉納されているところがあり、ここから見ると閑静な寺に思えた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 16mm ISO1250 ) 露出補正 なし
181_221121240 X800 金沢 寺町寺院群 妙立寺 G7X.jpg 181.妙立寺(忍者寺) -4 境内と本堂
絵馬が奉納されているところから右を見ると、そこは境内と本堂になっていて、多くの観光客がいた。鶴来街道側の門から入ってきた参拝者だ。本堂は幕命で3階建て以上の建物は禁止されていたことにより、外観は2階建てだが、内部は4階建て7層になっているという。中2階、中々2階があり、部屋数は23、階段数は29もあるのだとか。藩主が庶民に気づかれずに、お忍びで詣るための隠し拝殿が、本堂内に中2階のような形で設けられている。戦火を免れた妙立寺は、歴代藩主の祈願所として崇拝される。北陸の豪雪に耐え、その独特の建築様式を現在に伝えている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 17mm ISO500 ) 露出補正 なし
182_221121241 X800 金沢 犀川大橋 G7X.jpg 182.犀川大橋 -1
忍者寺に入ってきた路地を戻り157号線に出て右へ行くと、犀川大橋が見えてきた。車道上部の梁には、現在の犀川大橋が完成した1924年(大正13年)当時の石川県知事であった長谷川久一が記した橋名板が掛けられている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
183_221121243 X800 神明宮大けやき G7X.jpg 183.神明宮の大ケヤキ(欅) -1
犀川大橋の手前、左側に大きなお社があった。まず、大きなケヤキの木が目につく。そこは、幣形に串刺しにした餅を聖火であぶり食すると悪事災難厄除けに御利益があると言われている300年以上続く「あぶり餅神事」でも知られていて、詩人中原中也や文豪室生犀星とも縁深い神社だそうだ。境内には樹齢1000年を超える大ケヤキが立っている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO200 ) 露出補正 なし
184_221121247 X800 神明宮大けやき G7X.jpg 184.神明宮の大ケヤキ -2
神明宮の御神木で、パワースポットでもある "神明の大けやき" は、樹齢1000年を越えると云われる県下最大の大けやき(樹高33m、幹周7.83m、枝幅25m)で、1943年(昭和18年)に当時の文部省より「史跡名勝天然記念物」の指定を受け、金沢市指定保存樹の第一号であると説明されていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 24mm ISO800 ) 露出補正 なし
185_221121251 X800 〇神明宮大けやき G7X.jpg 185.神明宮 大ケヤキの紅葉
神明宮は天照皇大神、豊受姫神を祭神とし、古来より "お神明さん" の愛称で親しまれ、金沢旧五社(藩政期より藩主・前田家の信仰特に厚く、中別当または社僧が奉仕しないで、神官だけが守護する5つの神社)の一社で、加賀藩5代藩主・前田綱紀は当宮を氏神とするに至ったそうだ。そして、全国七神(他の6つは東京・芝神明、山形・湯殿山神明、大阪城神明、長野・安曇神明、京都・東岩倉神明、京都・朝日神)、または三神明の一社と云われる。私が住む横浜市保土ヶ谷にも神明社がある。神明社、神明宮は神社本庁によると日本全国に約5千社あるとされている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO320 ) 露出補正 なし
186_221121254 X800 犀川大橋 G7X.jpg 186.犀川大橋 -2
再び犀川大橋に向かって歩く。犀川大橋の橋長は62.3 m、幅員は18.7 m(完成当時の幅員は車道12.5m、歩道1.8mX2)である。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
187_221121255 X800 〇犀川大橋 G7X.jpg 187.犀川大橋から犀川下流の眺め
浅野川の愛称「女川」に対して、犀川は、「男川」と呼ばれ金沢市を流れて日本海に注ぐ二級河川である。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 21mm ISO125 ) 露出補正 なし
188_221121259 X800 〇犀川大橋 G7X.jpg 188.犀川大橋から犀川上流の眺め
金沢市の南端に位置する奈良岳に源を発し北流する。上流には犀川ダム、内川ダムがあり、さらに2012年(平成24年)には、洪水対策として工事が行われていた辰巳ダムが竣工した。江戸時代初期、犀川上流の水を金沢城に引いた辰巳用水が建設され、現在も流れている。そのほか、金沢市内を流れる数々の用水が取水しており、市民の水資源として重要な役割を果たしている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
189_221121262 X800 〇犀川大橋 G7X.jpg 189.犀川大橋 -3
現在の犀川大橋は1924年(大正13年)に完成し、国の登録有形文化財に登録されている。犀川大橋の完成当時は鋼材が関東大震災の影響もあり入手し難く、英国産を一部使用している。最初の架橋は加賀藩祖、前田利家が造った木造大橋だ。城下一の大きさを誇り、犀川に架かる唯一の大橋であったことから、今と変わらず当時も人の交流や物流が盛んだったという。明治維新以後も洪水や氾濫により度々流失し、明治31年(1898年)に木造橋最後の架け替えが行われた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 14mm ISO125 ) 露出補正 なし

2022年12月21日

金沢紀行 11月20日~22日 その7 近江町市場 11月21日

黒門口を出て、お堀通り、十間町を歩いて、浅田屋旅館の先で右を見ると近江町市場の入り口が見えてきた。そこはパーキング口という近江町市場への入り口だ。メインの入り口は国道157号線(百万石通り)に面した西側のエムザ口というところらしい。157号線を左(北)へ行くと金沢駅だが、金沢駅の方から来ると近江町市場に突き当たるところが武蔵が辻交差点である。そこにむさし口という入り口がある。エムザ口とむさし口の間に、市街地再開発事業により、2009年4月16日に開業した近江町市場いちば館がある。
 古くより繁華街として栄えた武蔵ヶ辻にある近江町市場は、1721年から加賀藩前田家の御膳所として、また市民の台所としてもにぎわい、300年近くもの間、金沢の人々の生活を支えてきた。狭い小路を挟んで並ぶ約180店の店先で、日本海の新鮮な魚介や地元産の野菜、果物を中心に、漬け物、菓子類、生花、衣類など、さまざまな商品が威勢の良いやりとりの中で売り買いされ、市場はいつも活気に満ち溢れている。今回は立ち入らなかったが、先に触れた市場の一角にある「近江町いちば館」は1階の青果や鮮魚、2階の飲食店街をはじめドラッグストアや日用品まで揃う複合施設で、「金沢市近江町交流プラザ」なども入っている。
 私たちはパーキング口から上通りに入った。ただし、市場の全体像が分からないので、どこをどう歩くのが良いのか見当がつかない。
 鮮魚店が並ぶ上近江町通り(鮮魚通り)に出た。右へ、左へ、また大きな店では、売り場の中を歩いたりした。
 11月6日にカニ漁が解禁され、11月7日より店頭に並び、近江町市場でも今は一面にカニが並ぶ圧巻の光景となっている。雄のズワイガニ「加能ガニ」の漁期は3月20日まで、雌のズワイガニ「香箱ガニ」の漁期は12月29日までとなっている。「加能ガニ」の大きいサイズはとても高価である。特にカニが目的ではなかったので、お買い上げには至らなかった。茹でられたカニがあれば、買って帰っても良いのだが、生のカニは我が家では扱い難い。酒のあてになる珍味などを少々買った程度である。
 腹が減ったので、鮮魚通りを少し入ったところにある「市場屋」という店で海鮮丼を食べた。旨かった。  近江町市場の各店のことは、近江町市場のホームページや各店のホームページを参照させていただいた。今回は、ざっと鮮魚通りを右往左往しただけで、いわば下見のようなことになった。何時になるかわからないが、次回来た時には、より近江町市場をエンジョイすることができると思う。鮮魚通りにも、まだまだ気が付かずに通り過ぎてしまった店があるに違いないが、鮮魚店はそれぞれの店が差別化を考えて競争しているように思えた。
 午後2時前に市場を後にして、タクシーで「にし茶屋街」へ向かった。

000_221121193 X700 金沢 近江町市場 G7X.jpg
11月6日にカニ漁が解禁され、店頭に並ぶ「加能ガニ」 2022年11月21日 金沢市 近江町市場

146_221121180 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 146.鮮魚通り -1
立派なアーケード街になっている上近江町通り(鮮魚通り)を歩く。私たちはこの写真の左の方から入ってきた。この通りはいわばメイン通りのように思える。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO2500 ) 露出補正 なし
147_221121182 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 147.加能ガニ
トロ箱に入ったカニが並べられている。青いタグの着いたのが加能ガニだ。なかなか高価である。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO250 ) 露出補正 なし
148_221121181 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 148.水産加工品店
鮮魚から、水産加工品まで手広くやっている店もあった。近江町市場でも有名店なのだろう。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO1000 ) 露出補正 なし
149_221121188 金沢 近江町市場 G7X.jpg 149.海鮮丼の店
金沢城から近江町市場を歩いて、少々腹が減った。せっかくだから市場の中で海鮮丼を食べようと店を探した。この写真の店も良さそうだったが、目移りして、左隣りに見える「市場屋」という店に入った。間口は狭いが奥は広く、結構賑わっていた。宴会が始まっている席もある。注文したのはもちろん海鮮丼だ。ネタは新鮮で、間違いなく美味かった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
150_221121189 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 150.和雑貨の店
食料品ばかりと思っていた近江町市場(中通り)に雑貨屋さんがあった。和雑貨「muta muta」(ムタムタ)という。観光客が多いので、九谷焼や能登ヒバを使用した雑貨などが人気のお土産屋さんのようである。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1000 ) 露出補正 なし
151_221121192 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 151.香箱ガニ
ズワイガニの雌である香箱カニも店先にたくさん並んでいる。1匹の値段は雄の可能ガニに比べると5分の1~10分の1のようだ。香箱ガニの大きさは、可能ガニの半分ほどだが、甲羅の中にあるオレンジ色の未成熟卵「内子(うちこ)」やカニミソ、お腹には茶色の粒状の卵「外子(そとこ)」をたっぷり抱え、小さいながらもその味わいは天下一品、地元ならではの味わいという。香箱ガニは、底びき網で漁獲されるが、石川県では資源保護の観点から、11月6日に解禁、終期を漁業者自ら取り決めして、平成26年から12月29日までとしている。2ヶ月に満たない漁期、そして冬の日本海のシケなどで出漁が少なくなることもあって、石川県産はプレミアといわれる。香箱ガニは、茹でて二杯酢で食べるのが定番だそうだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO200 ) 露出補正 なし
152_221121194 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 152.酒屋
鮮魚通りを東へ進むと、海産物の店が並ぶあいだに酒屋さんがあった。近江町市場のHPの中に「酒の大沢」の紹介がある。「近江町市場に店を構えて、100余年、ここ近江町市場に生まれ、皆様に育てていただき、おかげさまで"地酒といえば酒の大沢"とお墨付きをいただけるまでになりました。・・・」との自己紹介がある。石川の地酒を中心に福井、富山のお酒を約500種類取り揃えているそうだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
153_221121197 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 153.鮮魚店「一念大助」
手広くやっている大きな海産物の店も多いなかにあって、魚屋さんらしい鮮魚店があった。「一念大助はもっと多くの人に日本海のうまい魚を食べてもらいたくて割烹や寿司屋など全国のプロの皆様に鮮魚をご提供します。とれたての海の幸を新鮮なまま早く安く発送いたします。」とあった。「一念大助」では仕入れた魚はその日の内に売り切る。毎日が新鮮である。冷凍ものなどはほとんど置いていない。冷凍ものはちゃんと「これは冷凍物です」と言って売っているという。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
154_221121198 金沢 近江町市場 G7X.jpg 154.棒寿司
飲食店も多くあり、右手に「舟楽」という小奇麗な店もあった。ここは棒寿司が売りのようで、店内でも食べられる。のどぐろの棒寿司や、香箱ガニのちらし寿司もある。食べてみたかった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
155_221121201 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 155.「潮屋」金沢逸味
こだわりの海産物・珍味を製造・販売している。看板商品「天然能登寒ぶりのたたき」をはじめ、えびの浜焼き、フグの手塩焼き、のどぐろ浜焼き、昆布〆、一夜干し、漬魚といった珍味もあるお店だ。なかなかゆっくり見ることができなかった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 17mm ISO3200 ) 露出補正 なし
156_221121203 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 156.「潮屋」の店先
隣の店先では、えびの浜焼き、フグの手塩焼き、のどぐろ浜焼き、あじの香味焼き、といった酒の肴に旨そうな珍味がパック入りになって販売されていた。手ごろな土産にもなる。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 17mm ISO3200 ) 露出補正 なし
157_221121205 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 157.鮮魚通り -2
エムザ口の方を向いて鮮魚通りを撮っている。右手前に「いっぷく横丁」という賑やかなところがある。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 19mm ISO2000 ) 露出補正 なし
158_221121206 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 158.「いっぷく横丁」
「いっぷく横丁」という、いわば、"近江町市場の立ち食い・立ち飲みフードコート"もあった。金沢おでんや市場の新鮮な魚貝類の生や、焼き・刺身・寿司・串揚げなど、そして北陸3県の地酒約50種類や生ビール・焼酎などの飲料をそれぞれのお店から単品で注文できるそうだ。賑わっていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 19mm ISO1250 ) 露出補正 なし
159_221121207 X800 金沢 近江町市場 G7X.jpg 159.「大口水産」
もちろんカニも店頭に並んでいるが、水産物の加工・流通・販売を担う総合食品商社という大口水産の原点は、この近江町市場の中でも最大の売り場面積の本店である。カニ、エビ、一般魚、高級魚、貝類、冷凍品、総菜・寿司・弁当、お土産品、焼き魚のコーナーや、精肉まで扱い、また、イートインスぺースもある。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 19mm ISO800 ) 露出補正 なし
160_221121208 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 160.「大松水産」
市場通りを挟んで「大口水産」の筋向いに、ここも大きなスペースを持つ「大松水産」という店があった。「大松水産」は近江町市場で創業138年。魚屋一筋の大松水産は鮮魚を販売する。加能ガニ、香箱ガニ、寒ぶり、甘えび、鯛、かれいなど、高級魚から大衆魚まで季節に合った旬の魚を扱っている大きな店だ。「大松水産」は近江町市場の鮮魚店2社が昭和53年に合併して誕生している。以来40年以上、近江町市場の真ん中で商売を続けている。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
161_221121211 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 161.近江町のど真ん中
鮮魚通りを「いっぷく横丁」まで歩き、そこから、エムザ口の方へ戻ってきた。最初に十間町の方から市場に入ってきて鮮魚通りと交差したが、さっき海鮮丼を食べた「市場屋」のすぐそばに「近江町のど真ん中」と大きな字で書かれた看板を掲げている角店の「新力水産」という店があった。炭火焼き極上うなぎ蒲焼き、どじょう蒲焼きも売りらしい。鮮魚通りを行きつ戻りつしていたが、ここが「近江町のど真ん中」なのか。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
162_221121212 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 162.市場めし「あまつぼ」
1964年(昭和39年)創業の老舗居酒屋「あまつぼ」が手掛ける2号店だそうだ。近江町市場で楽しむ「金沢おでんランチ」「海鮮丼」「治部煮」が金沢を観光する人に人気があるようだ。金沢の観光ガイドブックにも出ている。いろいろなものが食べられそうだ。賑わっていた。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
163_221121213 X800 〇金沢 近江町市場 G7X.jpg 163.「天狗」精肉店
鮮魚通りのエムザ口出口の手前に精肉店があった。観光客には近江町市場といえば鮮魚というイメージであるが、ここは地元の人たちの生活の市場なのだ。午後2時少し前、今日はもう一か所、にし茶屋街に行きたい。エムザ口を出てタクシーに乗った。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし

2022年12月13日

金沢紀行 11月20日~22日 その5 金沢城公園① 11月21日

兼六園の桂坂口を出て、蓮池門通りを渡ると石川城への入り口である石川橋を渡る。石川橋の下はお堀通りが通っている。
 金沢城は江戸時代には加賀藩主前田氏の居城だった。
 1580年(天正8年)佐久間盛政により築城された。1592年築という天守の構造は不明。御三階櫓(望楼型3重4階 1603年築)も現存していない。廃城になったのは明治4年(1871年)だそうだ。
 石川門・三十間長屋・鶴丸倉庫は指定文化財で国の重要文化財である。城跡は金沢城跡として、国の史跡となっている。
 城址を含む一帯は金沢城公園として整備されている。金沢平野のほぼ中央を流れる犀川と浅野川とに挟まれた小立野台地の先端に築かれた、戦国時代から江戸時代にかけての梯郭式の平山城である(かつて「尾山」と呼ばれたのもこの地形にちなむ。台地先端を山の尾とみなした)。櫓や門に見られる、白漆喰の壁にせん瓦(東洋建築に用いられた煉瓦)を施した海鼠(なまこ)壁と屋根に白い鉛瓦が葺かれた外観、櫓1重目や塀に付けられた唐破風(破風は屋根の妻側の端の部分のこと)や入母屋破風の出窓は、金沢城の建築の特徴である。
 ということで、訪れたところは金沢城ではなく、国指定史跡 金沢城公園というのが正しい。菱櫓・橋詰門・橋詰門続櫓・五十間長屋・鼠多門・玉泉院丸庭園 が再建造物として存在する。金沢城公園は28.5haあり、兼六園の11.4haの倍以上の広さだ。
 というわけで、古くて新しい観光名所なのだ。江戸時代には、加賀藩主前田家の居城であり、明治時代から戦争までは帝国陸軍が、戦後は金沢大学が所有していたことから、市民がお城に入れるようになったのは2001年のことだそうだ。
 記述については石川県HPの金沢城公園サイトや、wikipediaなどを参照させていただいている。

000_221121699 X700 金沢 金沢城 橋爪門続櫓 Z50 Z18-140.jpg
金沢城再建造物 五十間長屋と橋詰門続櫓 2022年11月21日 石川県 金沢城公園

108_221121663 X800 金沢 金沢城 石川橋 Z50 Z18-140.jpg 108.石川門
石川橋を渡り石川門へ向かう。石川門は宝暦9年(1759年)の大火によって全焼したが、11代藩主 治脩の代に再建され、その後修理等を重ねて現在の姿になった。現在の石川門は、天明8年(1788年)に再建され、重要文化財に指定されている。金沢城の搦手(裏口)門で、高麗門の一の門、櫓門の二の門、続櫓と2層2階建ての石川櫓で構成された枡形門になっている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f7.1 1/500秒 26mm ISO100 ) 露出補正 なしり
109_221121665 X800 金沢 金沢城 石川橋 お堀通り Z50 Z18-140.jpg 109.石川橋を渡る
兼六園の桂坂口からお堀通りの上に架かるこの石川橋を渡って石川門口へ入る。今朝、百万石通りの広坂の交差点から兼六園の真弓坂口に入ってきたが、真弓坂口に行かず、左の広い道を行くとお堀通りになる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 60mm ISO180 ) 露出補正 なし
110_221121667 X800 金沢 金沢城 石川門 Z50 Z18-140.jpg 110.石川櫓
石川橋を渡ると、石川門の一の門(高麗門)を入る。一の門を入るといわゆる枡形虎口になっていて、右に90度曲がったところにもうひとつの門、二の門(櫓門)がある。続櫓と2層2階建ての石川櫓で構成された枡形門になっている。石川門は白門とも呼ばれている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影  ( f8 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
111_221121671 X800 金沢 金沢城 石川門 Z50 Z18-140.jpg 111.石川門の二の門(櫓門)
高麗門を入って右に直角に曲がって二の門(櫓門)がある。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 18mm ISO110 ) 露出補正 なし
112_221121673 X800 金沢 金沢城 石川門 Z50 Z18-140.jpg 112.一の門(高麗門)の扉
重厚な鉄扉である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO450 ) 露出補正 なし
113_221121674 X800 金沢 金沢城 三の丸広場 Z50 Z18-140.jpg 113.三の丸広場 松ともみじ
石川門を抜けると目の前の松ともみじの向こうに三の丸広場が広がっていた。その向こうに五十間長屋が見え、左側に橋爪門続櫓、右側には菱櫓が見える。さらにその右に河北門が見えた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO180 ) 露出補正 なし
114_221121679 X800 〇金沢 金沢城 三の丸広場から五十間長屋 Z50 Z18-140.jpg 114.三の丸広場
芝生の三の丸広場が広がる。三ノ丸は石川門、河北門の内部の郭を指し、利家が入城した後、 重臣の居邸が建てられたが、その後、これらを城外へ移し、高知番所、 物頭番所が置かれた。正面に見える五十間長屋は平成13年7月に完成した、延べ床面積1894.23㎡の復元建物で、石川門や三十間長屋と同様、鉛瓦や海鼠塀が外観の特徴だそうだ。明治以降に建てられた木造城郭建築物としては全国再最大規模で、大径木の事前調達や土台石垣の解体、修築を含め、平成10年3月から実に3年4ヶ月をかけて造られた。五十間長屋の右側が菱櫓で、左側の櫓が橋爪門続櫓である。3層3階の菱櫓と橋爪門続櫓を2層2階の五十間長屋でつないでいる。五十間長屋は武器等の倉庫であった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f7.1 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
115_221121680 X800 〇金沢 金沢城 橋爪門続櫓 Z50 Z18-140.jpg 115.橋爪門続櫓
橋爪門続櫓は二の丸大手の橋爪門枡形を見張る物見櫓であった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 69mm ISO100 ) 露出補正 なし
116_221121695 X800 〇金沢 金沢城 菱櫓 Z50 Z18-140.jpg 116.菱櫓
菱櫓は大手と搦手を見張る物見櫓

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 31mm ISO110 ) 露出補正 なし
117_221121687 X800 〇金沢 金沢城 河北門前から五十間長屋 Z50 Z18-140.jpg 117.河北門の二の門
河北門は金沢城の実質的な正門であり、約130年ぶりに往時の姿で再建された。河北門は、金沢城の大手から入り、河北坂を上がったところに位置する三の丸の正面である。河北門は高麗門である一の門、櫓門であるニの門、枡形土堀及び続櫓の機能を持つニラミ櫓台(一の門の右脇に設置された二重櫓)により防御機能を持った構成となっている。写真は三の丸側から見た河北門のニの門である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f8 1/500秒 18mm ISO110 ) 露出補正 なし
118_221121688 X800 〇金沢 金沢城 河北門前と湿生園 Z50 Z18-140.jpg 118.河北門の一の門と湿生園
河北門の一の門の外側と、湿生園を三の丸園地から眺められるよう展望台が造られていた。河北門の復元建物は、安永元年(1772年)に再建され、明治15年(1882年)ごろまで存続していた河北門の姿を多数の資料の調査と検証に基づいて再現された。この一の門の右側に見えるのがニラミ櫓である。外側に広がる湿生園は、江戸時代後期の古絵図や埋蔵文化財の発掘調査結果に基づき、護岸は往時の新丸南堀の外郭が再現されている。掘をイメージした親水空間には、ハナショウブやミズアオイ、ヒメスイレンなどの湿性植物が楽しめるそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO125 ) 露出補正 なし
119_221121689 X800 〇金沢 金沢城 河北門 Z50 Z18-140.jpg 119.河北門の一の門
石川門(重要文化財)と橋爪門と共に金沢城三御門と呼ばれているが、金沢城の建物の大半が焼失した宝暦の大火(1759年)の後、三御門の中で最初に安永元年(1772年)に再建された重要な門である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO125 ) 露出補正 なし
120_221121702 X800 金沢 金沢城 橋爪門 Z50 Z18-140.jpg 120.橋爪門
三の丸広場の芝生のわきをまっすぐ西へ進み、橋爪門の一の門にでた。 橋爪門は、寛永8年(1631年)の大火後に整備された二の丸の正門である。高麗門形式の一の門、石垣と二重塀で囲われた「枡形」、櫓門形式の二の門からなる枡形門で、枡形は城内最大の規模を誇る。二の丸御殿へ至る最後の門として、通行に際しては三御門の内で最も厳しい制限がかけられ、また、二の門の床には二の丸御殿と同じ敷き方で戸室石が敷かれるなど格式の高い門だった。文化五年(1808年)の二の丸火災で焼失した後、文化六年(1809年)に再建された姿を復元している。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.6 1/500秒 28mm ISO140 ) 露出補正 なし
121_221121703 X800 金沢 金沢城 橋爪門 Z50 Z18-140.jpg 121.橋爪門の二の門
橋詰橋を渡って、石垣と二重塀で囲われた枡形に入る。そして、その右側にこの櫓門形式の二の門がある。先は二の丸広場だ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 30mm ISO220 ) 露出補正 なし
122_221121706 X800 金沢 金沢城 橋爪門敷石 Z50 Z18-140.jpg 122.橋爪門敷石
寛永8年(1631年)の大火を契機として、本丸にあった御殿は二の丸に移り、二の丸御殿が藩政の中心となった。二の丸の正面に当たる橋爪門は二の門床に御殿の玄関周りと同じく四半敷き(正方形の石を縁に対し45度になるよう斜めに敷いたもの)で戸室石が敷かれ格式の高い門であったことを示しているとの説明板があった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 26mm ISO4500 ) 露出補正 なし
123_221121711 X800 〇金沢 金沢城 二の丸広場 Z50 Z18-140.jpg 123.二の丸御殿跡
橋詰門を抜けると、二の丸情報館があった。一休みしようと中に入る。復元整備中の二の丸広場を右(北)に見る。石川県のホームページによれば、現在、二の丸御殿の復元整備事業が行われている。二の丸御殿は江戸時代においても二度の火災による焼失・再建を経て姿を変えながら、幕末・維新期まで御殿としての役割を担い続けていた。廃藩後は軍隊の管轄に置かれ、兵舎として利用されたが、明治14 年(1881年)に失火により焼失し、威容は失われてしまったそうだ。石川県では、平成30年(2018年)より、専門の学識者による検討や各種調査等を行い、御殿の復元整備に向けた取り組みを進め、令和3年(2021年)3月に御殿の復元整備に向けた基本方針を策定した。令和3年度(2021年)からは、復元整備事業に着手し、基本方針に沿って調査や設計等の取り組みを進めている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f7.1 1/500秒 20mm ISO110 ) 露出補正 なし
124_221121717 X800〇金沢 金沢城 極楽橋と三十間長屋Z50 Z18-140.jpg 124.極楽橋と三十間長屋
二の丸情報館を出て、さらに西へ進むと左手に極楽橋が架かり、三十間長屋が見えた。二の丸と本丸の拡張部である本丸附段の間の空堀に架かる極楽橋の名前は江戸時代から使われており、金沢御堂(金沢城の前身は加賀一向一揆の拠点、金沢御堂で、本丸跡付近にあった)に由来すると伝えられる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.2 1/500秒 36mm ISO100 ) 露出補正 なし
125_221121721 X800 〇金沢 金沢城 三十間長屋 Z50 Z18-140.jpg 125.三十間長屋 -1
極楽橋を通り過ぎたところから、北側から三十間長屋を見上げる。本丸附段にある2層2階の多聞櫓で、石川門と同様に重要文化財に指定されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 65mm ISO160 ) 露出補正 なし
126_221121725 X800 〇金沢 金沢城 三十間長屋 Z50 Z18-140.jpg 126.三十間長屋 -2
段を上がって東側から三十間長屋を見る。宝暦の大火(1759年)の後、長く再建されず、安政5年(1858年)に再建された。大火以前は食器などを収めていたが幕末の再建後は武器弾薬を納めたといわれている。現在の長さは26間半だそうだ。南面は入母屋造りだが、北面は土台の石組よりも外壁がさがっており、切妻造りである。金沢城にはこの他に全部で14の長屋があったと伝えられている。18mmでは全長を収められなかった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
127_221121730 X800 〇金沢 金沢城 三十間長屋 Z50 Z18-140.jpg 127.紅葉のグラデーション
紅葉するイロハモミジが枝先の方は紅くなり、もとの方は緑のまま残っていた。イロハモミジは、1本の木、1枝からも緑色に赤や黄色、オレンジなど、カラフルないろどりを楽しめる。三十間長屋を東へ、本丸園地の方へ歩いてみた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 18mm ISO3200 ) 露出補正 なし

2022年12月 1日

金沢紀行 11月20日~22日 その2 ひがし茶屋街と主計町茶屋街 11月20日

長町武家屋敷跡の散策を終え、百万石通りへ出て、香林坊でタクシーに乗り、ひがし茶屋街を目指した。
 タクシーは浅野川大橋を渡って、ひがし茶屋街の交差点で止めてくれた。国道359号線を反対側に渡ったところが木町通りで、ひがし茶屋街は一番丁、二番丁、三番丁の3本の通りで形成されているが、そのメインストリートである二番丁につながっている。そこを歩いて、突き当りを左へ曲がり、宇多須神社まで行って、国道まで戻った。ひがし茶屋街は二番丁しか歩かなかったが、「重要伝統的建造物群保存地区」であり、文政3年(1820年)からの面影を今も色濃く残すかつての郭・料亭街の名残である。建物の特徴となる紅殻格子(べんがらこうし)と大戸、それに2階の造りが高い町並みは、懐かしさと、古都金沢の情緒を漂わせているという。今は、ショッピングストリートで、特に金沢は全国の金箔の9割が作られるが、その金箔工芸や九谷焼の店が並んでいる。
 今回も事前学習が不足していて、ただ、ぶらぶらとあっちこっちを見ながら歩いただけで、帰ってきてから、もっとしっかり見てくればよかったと思うことが沢山あった。有料で見学ができるという江戸時代に建てられたお茶屋の建物を公開する「志摩」、あるいは「懐華樓」は見て来るべきだったなと残念だった。
 ひがし茶屋街をみて、いったん国道に戻り、浅野川の右岸を歩いて中の橋を渡り、主計町茶屋街を歩いて、浅野川大橋に戻り、タクシーに乗って4時半過ぎにホテルにもどってきた。一休みして楽しみにしていた夕食のため街に出た、この日の夕食は寿司にした。

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茶屋町創設当初に建てられた茶屋建築「志摩」
2022年11月20日 金沢市 ひがし茶屋街

033_221120345 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 33.客待ちの人力車
右側に「旧木町」の石碑が立っている。現在の東山木町通りである。ここは人力車がお客さんを待つところ。だが、観光客は見向きもしないで歩いていく。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 24mm ISO400 ) 露出補正 なし
034_221120337 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 34.円長寺
「旧木町」の石碑の先に円長寺というお寺があった。このお寺のホームページは「建立から400年以上の、ひがし茶屋街の入口に位置する真宗大谷派寺院です。武将・前田利常公や徳田秋声先生と縁があり、境内にある本堂並びに御輪堂は、金沢市に伝統的建造物として指定されております。」と説明されている。由来によれば三代利常が卯辰山周辺に鷹狩りを行った際、小休憩所として利用したと伝えられているそうだ。その縁により利常の位牌を守り現在も安置。剣梅鉢の袈裟使用などが許されている。六角造りの一切経蔵には一切経が大切に保管されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/30秒 25mm ISO6400 ) 露出補正 なし
035_221120340 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 35.廻るカラクリ御堂
円長寺に入って左側に御堂があった。御堂内の八角形の輪蔵(回転式の書架)で、棚の中には約5000巻以上の般若心経などのお経が納められ、これを廻し一周させると、それらのお経の全てを読んだのと同じご利益が得られるとの説明書きがあった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/40秒 26mm ISO6400 ) 露出補正 なし
036_221120348 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 36.佃煮店
木町通りには金沢らしいいろいろな商店がある。「佃の佃煮」は金沢に数軒の店舗がある。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/40秒 26mm ISO6400 ) 露出補正 なし
037_221120350 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 37.木町通り
ひがし茶屋街の入り口。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO900 ) 露出補正 なし
038_221120352 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 38.ひがし茶屋街の路地 -1
ひがし茶屋街に入る手前の路地に古い木造家屋があった。大事に使われているように見える。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1800 ) 露出補正 なし
039_221120353 X800 金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 39.美容院
「カット&パーマ さくらい美容室」という味のある看板が出ていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 25mm ISO4500 ) 露出補正 なし
040_221120355 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 40.「きんつば」屋
2019年に85周年を迎えた有名な「きんつば」の老舗「中田屋」の店だ。何人かの人がショーウィンドーをのぞき込んでいる。小豆餡の高級原料として北海道の農家との契約栽培によって、丁寧に育てられた上質な極上大納言小豆がこだわりという。ここの「きんつば」は帰りに金沢の駅で買って帰った。ここからひがし二番丁が始まる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1250 ) 露出補正 なし
041_221120360 X800 金沢 ひがし茶屋街 伝統工芸 Z50 Z18-140.jpg 41.ひがし茶屋街 二番丁
ひがし茶屋街のメインストリートである二番丁を歩く。建物の特徴となる紅殻格子と大戸、それに2階の造りが高い町並みは、懐かしさと、古都金沢の情緒を漂わせている。この建物は新しく塗られリニューアルされた伝統工芸の「金澤しつらえ」という店だ。1階はギャラリーショップで2階はカフェになっている。(紅殻格子とは紅殻(べんがら)と呼ばれる赤色の顔料で塗られた千本格子のこと。紅殻はベンガル産(Bengala)の塗料という意味の語であり当て字)。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1100 ) 露出補正 なし
042_221120362 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 42.ひがし茶屋街 メインストリート 二番丁 -1
ひがし茶屋街はそう大きくはない。wikipedia によれば、南北約130m、東西約180m、約1.8haで、保存地区内の建築物140のうち約3分の2が伝統的建造物であり、茶屋町創設時から明治初期に建築された茶屋様式の町家が多く残る。太平洋戦争では国内の多くの都市が爆撃を受けたが、金沢は「都市空襲」を免れ、主に使われた焼夷弾が降り注ぐことはなかった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 25mm ISO400 ) 露出補正 なし
043_221120364 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 43.ひがし茶屋街 メインストリート 二番丁 -2
2階の造りに特徴がある。ひがし茶屋街の建物は2階が通りに張り出している。 加賀藩ではお殿様を見下ろしてはいけないということで、町人の住むエリアでは2階建ての建物は禁止されていたが、周囲を塀で囲まれていた茶屋街のみは2階建ての建物が許可されていたそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 71mm ISO2000 ) 露出補正 なし
044_221120369 X800 金沢 ひがし茶屋街 志摩 Z50 Z18-140.jpg 44.「志摩」
トップの写真に「志摩」説明看板を載せた。読んでいただけると思う。「志摩」は、歴史的価値が高いことから2003年12月25日に国の重要文化財に指定され、一般公開されている。金沢旅物語というサイトのコラムには、「・・・ひがし茶屋街の中には現在5軒のお茶屋が営業し、十数名の芸妓がいますが、特別な人のご紹介がない限り、お茶屋の中にはいることはできません。江戸時代に建てられたお茶屋の建物を公開する「志摩」と「懐華樓」は有料で見学ができ、金沢の茶屋文化について知ることができます。」とある。良い写真ではないが、ここは「志摩」入り口だ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 24mm ISO5000 ) 露出補正 なし
045_221120374 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 酒造 Z50 Z18-140.jpg 45.酒蔵
ここは「福光屋」という寛永2年(1625年)創業の酒蔵だ。代表銘柄は「加賀鳶(かがとび)」。店の中にはお客さんが大勢おられるようだ。杉玉が出ている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO1000 ) 露出補正 なし
046_221120386 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 46.ひがし茶屋街の賑わい
多くの観光客がひがし茶屋街の散策を楽しんでいる。ほんの20年前までは旦那衆のお座敷遊びの場であったというが、今は若い女性の笑顔があふれる人気スポットになっている。金沢には着物レンタル店が10店舗以上もあるといわれ、着物姿でこの街を歩き写真を撮る光景を見かける。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6 1/500秒 115mm ISO3200 ) 露出補正 なし
047_221120383 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 47.「加賀麩 不室屋」
ひがし茶屋街二番丁はこの建物に突き当たる。創業慶応元年「加賀麩 不室屋」という麩の店である。金沢の麩は有名である。江戸の後期、加賀藩主、前田家の調理人、舟木伝内がグルテンにいろいろな素材(小麦粉、米粉、餅粉)等を加えて作る煮崩れしない麸を完成し、加賀麸として地位を作りあげたという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 27mm ISO1400 ) 露出補正 なし
048_221120389 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 48.美術工芸「久りゅう東山」
「加賀麩 不室屋」に付きあたって左に折れる。少しくと加賀伝統工芸「久りゅう」という店があった。古美術を扱っているようだ。私には残念ながらそれを愛でるセンスがない。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1400 ) 露出補正 なし
049_221120390 X800 金沢 ひがし茶屋街 菅原神社 Z50 Z18-140.jpg 49.東山菅原神社
この神社はひがし茶屋街の鎮守社である。文政3年(1820年)、加賀藩十二代藩主斉広のとき、金沢に犀川、浅野川の両地においてはじめて妓楼(遊女を置いて客を遊ばせる家)を置くことが公許された。犀川は石坂町、浅野川は卯辰茶屋町に初めて家屋を建て営業を始めた。その際、菅原道真を祀り、芸妓たちの鎮守の神としたという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 22mm ISO2800 ) 露出補正 なし
050_221120394 X800 金沢 ひがし茶屋街 宇多須神社 Z50 Z18-140.jpg 50.宇多須神社
道路を挟んで反対側にもう一つ神社があった。浅野川の河辺から掘り出した古鏡に卯と辰の紋様があり、卯辰神を祀ったことが起こりとされている。初代利家没後、卯辰八幡宮(宇多須神社を卯辰八幡宮ともいう)を建立し、利家の神霊を祀って藩社とした。境内奥手には五代綱紀の病を平癒したとする「利常公酒湯の井戸」があるそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 30mm ISO3200 ) 露出補正 なし
051_221120397 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 宇多須神社 Z50 Z18-140.jpg 51.宇多須神社のイロハモミジ
宇多須神社の境内に上がる石段の右側に紅葉したイロハモミジがあった。その石垣の下で着物を着た女性グループが写真を撮っていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 32mm ISO2000 ) 露出補正 なし
052_221120169 X800 〇金沢 ひがし茶屋街 G7X.jpg 52.ひがし茶屋街の路地 -2
午後3時半になったので、来た道をひがし茶屋街、木町通と戻る。国道のひがし茶屋街交差点の手前で、木町通りとその一本浅野川寄りの観音通り結ぶ路地をのぞいたのがこの写真。突き当りに見えたのが、後で調べて分かったのだが、金沢の東山で60年以上続く、漬物、乾物、佃煮などを中心に扱う老舗、松吉食料品店だ。吹雪鱈、干しふぐ、昆布巻き、花胡桃の佃煮、ふぐの糖漬け、粕漬けといった加賀珍味を店頭に並べる。知っていれば立ち寄ってみたかった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO1000 ) 露出補正 なし
053_221120404 X800 金沢 主計町茶屋街  Z50 Z18-140.jpg 53.浅野川の対岸 主計町茶屋街
国道のひがし茶屋街交差点を渡って、浅野川大橋のたもとまで行って、川に沿って橋を右に曲がった。この日はもう一か所、浅野川の対岸に見える主計町(かずえまち)茶屋街へ行ってみることにする。こちらは3階建てだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 69mm ISO6400 ) 露出補正 なし
054_221120408 X800 金沢 主計町茶屋街 中の橋 Z50 Z18-140.jpg 54.中の橋
浅野川の右岸を中の橋に向かって歩く。浅野川大橋から下流へ150mほど歩いたところに中の橋が見える。中の橋をわたり、主計町茶屋街へ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 39mm ISO2800 ) 露出補正 なし
055_221120409 X800 金沢 主計町茶屋街 中の橋 Z50 Z18-140.jpg 55.中の橋の欄干
木造の質素な橋だが趣がある。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1600 ) 露出補正 なし
056_221120411 X800 〇金沢 主計町茶屋街 浅野川大橋 Z50 Z18-140.jpg 56.中の橋から上流の眺め
桜の木が紅葉している。春には、中の橋から浅野川大橋の間は桜の名所となる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 34mm ISO1250 ) 露出補正 なし
057_221120413 X800 〇金沢 主計町茶屋街 浅野川大橋 Z50 Z18-140.jpg 57.浅野川大橋 -1
中の橋の中ほどから浅野川大橋を眺める。wikipediaによれば、浅野川大橋は1594年(文禄3年)に加賀藩初代藩主前田利家が北国街道に架けたのが始まりとされる。現在の浅野川大橋は1922年(大正11年)12月に架けられたものであり、独特の構造(3径間連続固定アーチ構造)に特徴があるアーチ橋である。鉄筋コンクリート造で、全長54.545メートル。1988年(昭和63年)には照明や高欄などの改修工事によって大正時代に建造された当時の姿が復活した。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 31mm ISO1100 ) 露出補正 なし
058_221120417 X800 〇金沢 主計町茶屋街 浅野川大橋 Z50 Z18-140.jpg 58.浅野川大橋 -2
川面に写るアーチが美しい。浅野川は、金沢市を流れる大野川水系の二級河川。石川県金沢市と富山県との県境に位置する順尾山(標高883 m)付近に源を発し北へ流れ、 金沢市街地を流れ金沢市湊で大野川に合流する。流路延長約29 kmとある。同じく金沢市内を流れる犀川が「男川」と呼ばれるのに対し、浅野川は「女川」(おんながわ、流れが穏やかであることに由来)と呼ばれる。泉鏡花の「由縁の女」では、 浅野川を「女川」、犀川を「男川」と表現する描写があり、この作品がその由来とされる。さらに上流には梅の橋が見える。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 80mm ISO3600 ) 露出補正 なし
059_221120419 X800 〇金沢 主計町茶屋街 浅野川大橋 Z50 Z18-140.jpg 59.主計町(かずえ町)茶屋街 -1
浅野川の左岸が主計町茶屋街だ。五木寛之は1978年に主計町を舞台に新聞記者と少女との恋愛を描いた小説「浅の川暮色」を出した。町名の由来は藩政時代に富田主計(とみたかずえ)という藩士の住居があったからだそうだ。昭和の時代に住居表示法によって歴史のある町名が消えていったが、平成11年(1999年)10月、全国で初めて旧町名が正式な町名として復活し、それを皮切りに金沢市のみならず全国各地でも旧町名を復活させる動きが始まったという。 浅野川左岸の茶屋街を挟んで上流側に浅野川大橋、下流側に中の橋がある。ひがし茶屋街とは一味違った情緒を残している。国指定「重要伝統的建造物群保存地区」(指定日:H20年6月9日)

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.3 1/500秒 80mm ISO3600 ) 露出補正 なし
060_221120425 X800 金沢 主計町茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 60.源法院
川沿いの一本内側の道を歩いてみると源法院というお寺があった。金沢三十三観音霊場の第26番札所。現在は加賀友禅の工房と一体となっている。源法院は、約1200年も前の大昔、弘法大師によって建てられたという伝説のお寺だという。明治に編集された「皇国地誌」には、「元和3年(1617年)僧長浪開基建立す」と書かれているので「再興」されたものか、はたまた、弘法大師伝説は単なる言い伝えであるかは定かではないという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/100秒 21mm ISO6200 ) 露出補正 なし
061_221120431 X800 〇金沢 主計町茶屋街 Z50 Z18-140.jpg 61.主計町茶屋街 -2
昼間の主計町は食事処とカフェを合わせて4~5件ほどが営業しているだけで、お茶屋をはじめ有名な鍋料理の店や小料理屋、バーなどは静かに眠っていて、夕暮れとともに目覚めるという。そろそろ街灯が点く頃になる。どこから出てきたのが、子供さんを交えた着物姿の若い女性が現れて写真を撮り始めた。私たちも浅野川大橋に戻り、そこからタクシーに乗ってホテルの戻ることにした。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/125秒 140mm ISO6400 ) 露出補正 なし