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2019年3月 4日

雪が降る日吉大社(後編) 2月14日

三宮宮遙拝所と牛尾宮遙拝所の前を通って、東本宮の楼門の前に出た。西本宮の楼門と同じような形である。西本宮が商売繁盛の神様であれば、この東本宮は家内安全の神様だそうだ。 東本宮は、境内の東端、八王子山の麓に位置する。織田信長の焼き討ちにあったため、文禄4年(1595年)に再建されたことが記録から明らかになっている。
 東本宮の境内の中にはご祭神が夫婦だという樹下宮(樹下神社)の本殿もあり、西本宮に比べると東本宮のほうが華やかな雰囲気があった。さらに東にある西教寺へは行くのをやめ、その楼門を背に東本宮の参道を下りた。大宮川を二宮橋で渡り、日吉馬場へ出る。その両側にある寺院、里坊を見ながら日吉馬場を下る。わたくしの父母が眠る高野山の菩提寺である恵光院という名の寺院もあった。
 時刻は12時半を回っていた。朝はトーストとボイルドエッグだけだったので腹も減ってきた。少し空腹を我慢して京都まで行ってしまおうかとも思ったが、小雪の降る中を歩いてきたので体も冷えていた。温かいそばでも食べたくなる。日吉大社二の鳥居までくると、立派な蕎麦屋が2軒あったので、そのうちの1軒に入ることにした。なかなかの老舗のようだ。久しぶりに天ぷらそばを食べたがなかなかおいしかったし、身体も温まった。
 京都へはJRの湖西線が便利だ。京阪坂本比叡山口駅の前を通り過ぎて、まっすぐ、JRの比叡山坂本駅まで歩く。駅のホームからは琵琶湖が眺められたが、この天気では彩もない。京都までは15分だった。

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福楽寿々米(​ふくら​すずめ)土鈴

 日吉大社からのメッセージ:「​当大社では幸福で楽しい事を雀のふっくらとした姿に求め、千有余年も昔から福楽寿々米(ふくらすずめ)と名付け珍重しています。山王祭(未の御供)には御子神の幸福を祈って玩具としての福楽寿々米(ふくらすずめ)が供えられます。当大社独自の幸福を授かる玩具として有名です。福楽寿々米(ふくらすずめ)にあやかって、幸福な日々をお送りください。​山王総本宮 日吉大社​」​

21.東本宮楼門
この楼門は、三間一戸楼門の形式で、入母屋造、檜皮葺、縁付の建物で、斗きょう(建築物の梁や桁にかかってくる上部の荷重を集中して柱に伝える役目をもつ部材の総称)は上下層とも三手先(柱から外方に斗<ます>組みが三段出ていて、三段目の斗で丸桁<がぎょう>を支えるもの)となっている。三間一戸とは、柱間三つのうち中央の一つが出入口となっているものをいい、楼門とは、二階造の門で、屋根が2階の部分だけにしかなく、一階の上に縁がある形式をいう。西本宮楼門とは、やや違った比例を持っていて、どちらかといえば1階部分が高く、2階部分が低いので、すらりとした均斉のとれた建物で、天正~文禄2年(1573年-1593年)年頃に建てられたものだそうだ。大正12年(1923年)に国の重要文化財に指定されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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22.樹下神社本殿 -1
東本宮楼門を入って、正面に見えるが東本宮の拝殿だが、向って左に樹下神社本殿、右に樹下神社拝殿があった。摂社の本殿と、拝殿が本宮の参道を挟んで配置されているのは珍しいと思う。樹下神社の祭神は、東本宮の祭神である大山咋神の妃神・鴨玉依姫神だそうだ。。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
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23.樹下神社本殿 -2
樹下神社本殿の説明版には「この本殿は、三間流造、檜皮葺の建物で、後方三間・二間が身舎(もや・家屋の中心となる部分)、その前方一間通しの廂(ひさし)が前室となっています。数ある流造のなかでも比較的大型のもので、床下が日吉造りと共通した方式であることや、向拝階段前に吹寄格子の障壁をたてているのは本殿の特色となっています。文禄4年(1595年)に建てられたことが墨書銘によってわかりますが、細部の様式も同時代の特色をよく示し、格子や破風懸魚などに打った飾り金具は豪華なものです。明治39年(1906年)4月に国の重要文化財に指定されました。」とあった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO1600 ) 露出補正 なし
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24.東本宮本殿 -1
東本宮の拝殿脇を通って、本殿の前に来た。西本宮に勝るとも劣らぬ立派な本殿だ。東本宮本殿は、境内の東端、八王子山の麓に位置している。神社が織田信長の焼き討ちにあったため、文禄4年(1595年)に再建されたことが、記録から明らかになっているという。 建物は、織田信長に焼かれたものの、平安時代以来の様式を伝えているといわれ、特殊な日吉造で建てられており、国宝の西本宮本殿と重要文化財の摂社宇佐宮本殿も同じ形式で建てられている。平面は、正面三間、側面二間の内陣の正・両側面に外陣を配置し、更にその外側の四周に高欄付きの縁を廻し、正面に木階を設け向拝としている。この身舎の正・両側面の三方に庇を設けた平面構成が、日吉造(ひえづくり)の特徴的な外観にもよく現れているという。 正面は、入母屋造のようだが、背面は庇がないために、左右の庇の部分を縋破風(本屋根の軒先から一方にだけさらに突き出した部分の破風)でおさめているので、屋根を垂直に切り落としたような独特な姿となっている。 また、建物の床が地面より高いため、床下に下殿(げでん)と呼ばれる、仏式で、神を拝んでいた特殊な部屋が設けられている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
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25.東本宮本殿 -2
この東本宮の本殿も昭和36年(1961年)4月27日に国宝に指定されている。平成24年4月10日から平成25年3月29日の事業期間で、屋根(檜皮葺)の全面葺き替えを行い、見学用通路を設け、一般参拝者が 間近に屋根(檜皮葺)を見学できるようにした。また、本殿に取り付いている全ての飾金具の金箔の押し直しと縁高欄の朱漆が塗り直されている。金箔が押された飾り金具は印象的だった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 17mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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26.東本宮本殿 -3
東本宮の左側に移動した。日吉大社で特に重要な西本宮、東本宮、宇佐宮、牛尾宮、白山宮、樹下宮、三宮宮を「山王七社」もしくは「上七社」という。この七社のうちでも西本宮と東本宮、宇佐宮は「日吉三聖」と呼ばれ、特に社格が高い。また七社は東本宮系と西本宮系のグループに分類することができる。東本宮のグループは東本宮と樹下宮、牛尾宮、三宮宮の4社で、東本宮の祭神、大山咋神は古事記上巻に「この神は近つ淡海国の日枝山に坐し」と記載されており、古代から比叡山に鎮座する地主神であるという。西本宮系は西本宮、宇佐宮、白山宮の3社で、西本宮の祭神は奈良の三輪山・大神神社から勧請した大己貴神だ。このように東本宮系は元々この地に祀られていた神で、西本宮系はあとから祀られた国家を守るための神であると言われる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1000 ) 露出補正 なし
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27.東本宮本殿 -4
本殿の左側半分である。左後ろに見えるのは大物忌神社(中7社)という。東本宮の境内はは三層境内の高さになっていて、一段目に樹下宮上七社、二段目に東本宮(上七社)と樹下若宮(下七社)、三段目に大物忌神社(中七社)と新物忌神社(中七社)といった構成になっている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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28.東本宮本殿 -5
これは金箔の金具に魅せられて撮ったショットだが、東本宮本殿の背後の様子がわかる。背面の3間の床が一段高くなっているのが見えるが、この部分が西本宮本殿と異なるという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 11mm ISO500 ) 露出補正 なし
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29.樹下神社本殿 -3
左に東本宮拝殿、右側の樹下若宮の間から樹下宮本殿の側面を見たところである。この本殿は1595年の造営で三間社流造。本殿内ご神座の真下に霊泉の井戸があり、以前はご神水を採っていた。説明板を見ると、樹下宮本殿は三間社流造、檜皮武葺の建物で、後方3間・2間が身舎、その前方1間通しの庇が前室になっている。数ある流造の中でも比較的大型のもので、床下が日吉造と共通した方式であることや、向拝階段前に吹寄格子の障壁を立てているのが、この本殿の特徴となっているそうだ。左奥に見えるのが東本宮楼門である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO400 ) 露出補正 なし
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30.樹下神社本殿 -4
樹下宮本殿の妻側懸魚の金属飾りである。全体的に金具が豪華に打たれているて桃山時代らしい造りになっている。上7社にはそれぞれ神紋がある。この樹下宮の神紋は十八葉菊だそうで、妻の一番上にある紋、その下の紋がその 十八葉菊の紋かなと思う。ちなみに上7社のほかの6社の神紋は、西本宮・牡丹、東本宮・二葉葵、 宇佐寓・橘、牛尾宮・くずれ菊、白山宮・杉、三宮宮・桐だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO200 ) 露出補正 なし
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31.猿の霊石
東本宮の楼門を出て、東授与所というところで、何か記念にと「福楽寿々米(ふくらすずめ)」という土鈴を求める。坂を下る途中、振り返ると猿がしゃがみ込んだような石があった。ここから来たる者には神縁を結び、ここから去る者は見守っているのだそうだ。日吉大社では、猿は眷属(神様の使い)とされているので、この岩も信仰の対象となるのだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
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32.二宮橋 -1
東本宮の楼門を背に坂を下りてきたところに日吉三橋の一つである二宮橋に出た。大宮川に架かる日吉三橋​は、​上流から大宮橋、走井橋、二宮橋​だが、3つの橋とも国の重要文化財に指定されてい​る​。二宮橋は大宮橋に比べ簡素な構造の橋となってい​る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
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33.二宮橋 -2
​二宮橋は東本宮(二宮)へと続く参道に掛けられていることから「二宮」という名前がつけられている。二宮橋は天正年間に豊臣秀吉により寄進されたと伝えられている木橋を、後に石橋に架け替えられたもので石橋としては日本では最大、最古とされてい​て、桁上に継ぎ材をならべ橋板を渡し、両側に高欄をつけ、大きさも大宮橋とほぼ同じ幅となっている。

Canon PowerShot G7X f​1​.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.5​ 1/1000秒 ​14​mm ISO500 ) 露出補正 なし
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34.​ ​日吉馬場に戻る
​午前中は西受付から日吉大社の境内に入り、西本宮の参道を行ったが、東本宮からの帰りは東受付から、二宮橋を渡り、旧竹林院の脇から日吉馬場(県道)にでた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.8​ 1/1000秒 ​29​mm ISO500 ) 露出補正 なし
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35.旧竹林院入り口
日吉馬場の広い参道(県道)に出る手前右側に、旧竹林院があった。​旧竹林院のホームページを見ると、旧竹林院は延暦寺の僧侶の隠居所で、今も数多く残されている里坊のひとつであり、邸内には主屋の南西に約3,300㎡の庭園が広がり、2棟の茶室と四阿がある。八王子山を借景にした庭園は、地形をたくみに利用しながら滝組と築山を配し、四季折々の風情をかもし出していると伝えている。中には入らなかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.5 1/1000秒 ​16​mm ISO400 ) 露出補正 なし
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36.恵光院
参道を下る途中に左側に恵光院という寺院があった。わたくしの父母が眠る高野山の菩提寺と同じ名前であったので、「あれっ」思った。もちろんこの恵光院は天台宗であり、高野山は真言宗である。この恵光院は、比叡山延暦寺の僧侶の隠居所であった里坊の一つで 聖観音を本尊とする。創建・開基については分からない。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​1.8 1/1250秒 ​9​mm ISO125 ) 露出補正 なし
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37.恵光院 庭園
中には入れなかったが、立派な門構えから中を見ると手入れの行き届いた庭園が広がっていた。桜が咲くころはきれいだろう。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.5 1/1000秒 ​14​mm ISO200 ) 露出補正 なし
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38.鶴喜そば -1
参道の京阪比叡山坂本駅の近くまで下りてきた。参道の二の鳥居の右側に立派な蕎麦屋があった。その奥を覗いてみるともう1軒、これも立派な蕎麦屋があった。どちらに入ろうかと思ったが、奥にあった鶴喜そばという店に入った。 立派なホームページもある。それによると享保元年に初代鶴屋喜八が創業して以来、300年もの間、こだわりの手打蕎麦を打ち続けてきたという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​1.8 1/1000秒 ​9​mm ISO160 ) 露出補正 なし
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39.鶴喜そば -2
鶴喜そばのファサードだ。坂本は昔、比叡山延暦寺の台所を預かる門前町として賑わった。延暦寺は京都御所より度々来賓があったが、山上で食べ物も不自由だったため、代々の鶴喜そばの祖先が、蕎麦を作りに山上へ出仕していたという。また、比叡山で断食の修行を終えた修行僧方が、弱った胃をならすために蕎麦を食したと言われている。「賜宮内省御用達」の古い看板があり、建物は登録有形文化財になっていた。家内と温かい天ぷらそばを食べた。薄味だったがとても旨かったし、小雪の降る中を歩いて、冷え切った身体が温まった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.2 1/1000秒 ​13​mm ISO400 ) 露出補正 なし
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40.坂本名物 日吉そば
こちらも鶴喜そばともに大きな建物で、歴史を感じさせる。桜の季節には両店とも千客万来だろう。司馬遼太郎の「街道は行く」というシリーズの「叡山の諸道」の中で、「 この日吉そばの横に、鶴喜そばというマンガ入りの彩色の大看板があがっていて、われわれはそれを視覚に入れつつ、つい鶴喜と信じて日吉そばに入ったらしい。」というくだりがある。「鶴喜そば」というマンガ入りの大看板は、駐車場の看板だったようだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.2 1/1000秒 ​12​mm ISO400 ) 露出補正 なし
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41.公人屋敷(旧岡本邸)
鶴喜そばで食べ終えて、右手に京阪坂本比叡山口駅を見ながら、さらにまっすぐJR比叡山坂本駅へと下る。途中左手に公人屋敷(旧岡本邸)というところがあり、坂本城跡の文字も見えた。ホームページを見ると「公人屋敷(旧岡本邸)は、江戸時代に延暦寺の僧侶でありながら妻帯(さいたい)と名字帯刀(みょうじたいとう)を認められた「公人(くにん)」が住んでいた住居のひとつです。内部が原型をとどめないほど改装されている住居が多い中、岡本家の家屋は全体に公人屋敷としての旧状をよくとどめた社寺関係大型民家の特徴を示す住宅として残されてきました。平成13年に坂本地域の歴史的遺産の保存を目的として大津市に寄贈されたもので、主屋、米蔵・馬屋等は平成17年3月に大津市指定文化財に指定されています。」とあった。坂本場は明智光秀によって築かれた平城であり、その写真が展示されてる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.5 1/1000秒 ​16​mm ISO800 ) 露出補正 なし
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42.琵琶湖
JR湖西線の比叡山坂本駅はそれほど遠くはなかった。高架線になっていて、ホームに上がると琵琶湖が眺められた。風が冷たい。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.8 1/1000秒 ​37mm ISO​2​00 ) 露出補正 なし
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​43.JR湖西線
それほど待つことなく「新快速」の姫路行の列車が来た。223系の電車だ。湖西線は山科駅から、琵琶湖の西岸を経由して滋賀県長浜市の近江塩津駅までの21駅、74.1kmの路線である。京都まで約15分だった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.8 1/1000秒 ​37mm ISO​2​00 ) 露出補正 なし
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2018年12月18日

西明寺 11月8日 高野山、奈良・長谷寺、室生寺と滋賀・湖東三山(7)

昼食は次に訪れる西明寺のすぐ傍で「一休庵」というところが用意されていた。「近江路御膳」と称され、近江牛かどうかわからないが、すき焼き鍋と豆腐が添えられていて美味しく食べた。
 西明寺は「一休庵」のすぐ傍で、その惣門が見えるところなのだが、交通量が比較的多い国道307号を渡らねばならず、一旦バスに乗って、国道沿いにある西明寺の駐車場まで移動した。
 バスガイドさんから配られたリーフレットには、「西明寺は、平安時代の初期の承和元年(834年)、三修上人が仁明天皇の勅願により開創された古刹です。本堂や三重塔は、鎌倉時代の代表的な建造物です。国指定の名勝庭園「蓬莱庭」は、四季折々の変化が見られ、秋には境内一円のカエデが紅葉し、11月には満開となる天然記念物の「不断桜」とのコントラストをお楽しみいただけます。」と書かれていた。

143.西明寺入口
バスは西明寺の入り口である惣門のすぐ下にある駐車場に止められた。国道沿いに少し移動して、正面から惣門をくぐる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 9mm ISO320 ) 露出補正 -1.0段
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144.惣門
石段を上がって、惣門を入る。西明寺のパンフレットには、総門ではなく、惣門と書かれているが、外構えの門ということで意味に違いはないようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 9mm ISO320 ) 露出補正 -0.3段
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145.中門 -1
参道を進むと本坊庭園(蓬莱庭)の入り口になっている中門があった。寄り道はせず、まずは本堂へ向かうが、門から中を覗いてみると、不断桜と書かれた札が掛けられた木が柵で囲まれていた。樹齢250年余という古木で滋賀県の天然記念物だそうだ。HPには例年9月上旬に咲き始め、11月には満開となり、紅葉の時期に季節はずれの花見を楽しむことができると書かれているが、この時は 花はほとんどなかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 14mm ISO320 ) 露出補正 -0.3段
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146.苔 -1
参道の脇の石積みに生えた苔が気持ちを落ち着かせてくれる。「苔を大切にしましょう」「苔を取らないでください」「自然を大切にしましょう 苔もそのままの姿で眺めましょう」といった立札が西明寺執事によって立てられていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 26mm ISO1250 ) 露出補正 -0.3段
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147.参道のモミジ -1
石段を登って、一息ついて眼を上げたとき、鮮やかな紅葉があった。この参道は平安時代初期に設けられた参道を、鎌倉時代に現在のように拡げられ、江戸初期、更に整備されて現在に至っているそうだ。塀の内側は本坊庭園(蓬莱庭)である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 60mm ISO640 ) 露出補正 -1.0段
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148.参道のモミジ -2
美しい紅葉が目を慰めてくれるが、それにしても昨日、今日と石段ばかり上がっている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 60mm ISO640 ) 露出補正 -1.0段
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149.二天門 -1
やがてその美しい紅葉の向こうに二天門が見えてきた。二天門は重要文化財に指定されている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 48mm ISO500 ) 露出補正 -1.0段
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150.二天門 -2
二天門は室町時代の中期、応永14年(1407年)の建築だそうだ。正面の柱間が三間で出入口が中央一間の入母屋造りの八脚門で、柱上には二手先の組物をのせて支輪をつけ、全体は和様であるが柱下の礎盤や頭貫先に繰形つきの木鼻をつけるなど僅かに禅宗様を加えている。二天門へ登る道両側には、穴太積の初期のものともされる石垣も残っている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 30mm ISO400 ) 露出補正 -1.0段
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151.二天門 -3
ここの紅葉は、深紅から橙色、そしてまだ緑の葉も残り、そのグラデーションは見飽きない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 30mm ISO400 ) 露出補正 -1.0段
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152.ウチワカエデの紅葉
二天門の手前に「蓬莱庭」という名勝庭園があるが、その入り口のところに、ひときわ大きな葉のカエデが紅葉していた。ウチワカエデと思う。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 12mm ISO160 ) 露出補正 -1.0段
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153.蓬莱庭 -1 二天門に向かって左側が蓬莱庭だ。西明寺のホームページによれば、蓬莱庭は江戸時代初期、延宝年間に作られた池泉観賞式の庭園で、鶴亀の「蓬莱庭」と名付けられている。鶴や亀を形どった石組みや、本堂に祀る仏像を立石群に象徴させ、山の傾斜などを巧みに生かした、調和がとれた庭園である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 34mm ISO500 ) 露出補正 -1.0段
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154.蓬莱庭 -2
江戸時代の延宝元年(1673年)、寺院の復興にあたっていた望月友閑が復興の記念にと造った庭園で、小堀遠州の作庭を参考にした造りといわれ国の名勝庭園の指定を受けている。二天門の手前から見下ろしたところである。この写真ですべてを見ることはできないが、池の中央には折り鶴の鶴島と亀島が配されている。鎌倉時代の灯籠で「弥陀六の灯籠」と呼ばれる八角石灯籠や連珠模様の室町時代を偲ぶ石灯籠がある。庫裡南側の山の斜面を利用して築山とし、築山の立石群は本堂に安置している本尊薬師如来とその眷属(従者、家来、配下の者)を表している。また、植木の刈り込みは雲を表し全体で薬師如来の浄瑠璃浄土を表し、仏の世界が具現化されているとのこと。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 18mm ISO200 ) 露出補正 -1.0段
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155.苔 -2
天台宗の仏教寺院である西明寺が創建されたのは834年。ここで生きている苔は西明寺の歴史とともに命をつなぎ、今日では「西明寺の苔」と言われるほどの存在感がある。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 9mm ISO200 ) 露出補正 -1.0段
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156.二天門から -1
二天門からいま上がってきた参道を眺める。紅葉がきれいだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 39mm ISO800 ) 露出補正 -0.3段
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157.三重塔 国宝 -1
二天門をくぐると正面に本堂があり、その右側に国宝 三重塔があった。鎌倉時代後期建立である。飛騨の匠が、釘を1本も使用しないで建てた、総桧の塔である。一層には一面に巨勢派(平安時代初期から室町時代を経て、明治時代まで連なる絵師の一族)の極彩色による絵が描かれている。八天画、法華経の絵説き、八大龍王、三十二菩薩、花鳥などである。日経新聞(時の廻廊)では「 これが700年以上も残る色彩だろうか。優美さを感じさせる三重塔の扉を開けると、薄暗い照明の中にきらびやかな色の世界があった。閉じられた空間は写真で見るよりも狭く、目が慣れるにつれて極彩色が息苦しいほどに迫ってくる。」と記されている。春と秋にこの国宝三重塔内壁画特別公開期間もあるようだったが、ガイドさんから説明もなく、そのことを知らなかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 35mm ISO800 ) 露出補正 -0.3段
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158.三重塔 国宝 -2
三重塔は本堂の右側(南側)に建っている。檜皮葺きの和様の三重塔で、様式的に鎌倉時代後期の建築とされる。総高は20.1メートル。逓減率が小さいことと、二重目・三重目の塔身の立ちが低いことがこの塔の特色であるという。相輪は鉄製である。洗練されたこの塔は、離れてみても近くから見ても美しいと言われる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 20mm ISO640 ) 露出補正 -0.3段
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159.本堂 国宝
本堂は、建築様式から鎌倉時代前期の建立とされる。当初は方五間の仏堂であったが、南北朝時代に七間堂に拡張し、向拝も附加するという大改造を受けて、今の姿になったとされる。 正面の七間は総て蔀戸(しとみ戸、平安時代から住宅や社寺建築において使われた、格子を取り付けた板戸)、側面は礼堂部分の前三間が妻戸、後四間が白壁。中央二間が内陣、後二間が後戸。縁は礼堂の三方のみに設けられている。西明寺本堂の改造時とほぼ同時期に建立された、これから訪れる金剛輪寺本堂とこれらの造りが共通するという。本尊は薬師如来。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 13mm ISO400 ) 露出補正 -0.3段
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160.三重塔 国宝 -3
初層の縁は高欄がなく、二・三層は高欄をめぐらしている。 二軒繁垂木(軒を支える垂木が上下二段からなっている)の軒が流れるように美しく、組物は三手先(梁や桁 にかかってくる上部の荷重を集中して柱に伝える役目をもつ部材の総称で組物の一形式。大斗から肘木ひじきを三段に出して軒桁のきげたを受けるもの)というそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 14mm ISO200 ) 露出補正 -0.3段
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161.二天門から -2
二天門越しに参道を眺める。この右側が蓬莱庭だ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 20mm ISO640 ) 露出補正 -0.3段
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162.二天門から -3
二天門を出て参道を眺める。このあたりの紅葉がきれいだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 35mm ISO800 ) 露出補正 -0.3段
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163.二天門の構え 重要文化財
二天門は室町時代初期、応永14年(1407年)に建立されたもので、杮葺きの八脚門であり、正面両脇間に金剛柵を設けて増長天と持国天を祀るため二天門と呼ばれる。その胎内から正長2年(1429年)の銘札が発見され、仏師(仏像,仏画の制作に従事する人)法印院尋の作であることがわかった。表道両側石垣は、穴太積(自然石を積み上げる野面積み)の初期の石垣が保存されている。ここにも百済寺の仁王門と同じように草鞋があった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 17mm ISO2500 ) 露出補正 -0.3段
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164.二天文門見上げる
西明寺は、周囲に紅葉をめぐらすこの二天門が、撮影ポイントになる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 18mm ISO640 ) 露出補正 -0.7段
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165.十一面観音立像
参道を下りてくると、蓬莱庭の反対側に十一面観音菩薩が見えた。この十一面観音菩薩は、頭上に十面の化仏をつけ、十種の功徳と四種の果報を授けるのだそうだ。 十一面観音の後ろには棚があり、そこには奉納された三千体あるという小さな十一面観音像が奉納されている。小観音像永代供養料は一体10,000円だそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 15mm ISO320 ) 露出補正 -0.3段
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166.中門 -2
右側に蓬莱庭の入り口である中門があった。先ほどはここから庭を眺めた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 9mm ISO125 ) 露出補正 -0.3段
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167.惣門へ
緩やかな石段の参道を惣門に向かって下りる。午後2時を過ぎたばかりだが、陽が傾いてきている。駐車場のバスに戻って、最後の参詣先である金剛輪寺へ移動する。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 22mm ISO500 ) 露出補正 -1.0段
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