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Atelierで“パイン集成材”が含まれるブログ記事

2012年3月30日

隠居のDIY :集成材で孫の本棚を作る


 小学校に入学するときにランドセル置を作成した初孫も今年に6年生となる。本がだんだんと増えてきたらしく、ランドセル置の続きに置く幅広の本棚を作って欲しいと云ってきた。

 棚作りは材質を何にしようかと迷うぐらいで、他はあまり問題となるところはない。なるべく軽くと思ったので、桐の集成材を使おうかと思ったが、一般的な材の長さ(1820mm)では、要望されている幅 1100mm の棚を取るともったない。それで、上下だけは、幅 300mm、長さ 2400mm のパイン集成材を使うことにした。パイン集成材だけでは重すぎるので、間の棚は桐集成材を使うことにした。横板も丈夫さの点から、幅 100mm 厚さ 18mm のパイン集成材を柱的に使うことにした。

 このような作品を作るときには、Excel で簡単な図面(詳細は決めない)を作っておいて、印刷しておく。作業をしながら、思いついた細かい部分を書きこんでいく。いわば、図面の現物合わせである。
 木工作品を作るときには、できるだけ金属は使いたくない。それで、棚板と横板の接合は、横板を棚板の幅だけ切り欠いて棚板を納めて見ることにした。棚の高さは、大型本・B5版本(高さ21cm)・新書版(高さ17.5cm)の3段にした。
裏板はいらないというので、裏板なしで製作にかかったが、これが結果的には問題であった。部材を組み上げたときに、切欠きが精密でなかったせいもあって、平行四辺形にひしゃげるのである。それで、最下部の棚板の下に、1X4 を縦半分に割いた横板を前と後ろに嵌めこむことにした。底板につけるキャスターを隠す意味合いもある。そのようにしてもまだ少し不安定であるので、一番上の棚の後部にも寸法に合わせて切断にした1X4 を嵌め込み、いずれもコースレッドの頭を隠す方法でしっかり留めた。さらに安定させるために、各棚板の横から、手持ちにあった頭のない隠し釘を打ち込んだ。これで外観上は、金属臭はなくなった。
 なお、キャスターは、底板に鬼目ナットをねじ込んでとりつけた。

簡易図面 切欠きを削る:
電動ノコで切り込みを入れてから、トリマーで削る
完成:
桐集成材とパイン集成材は塗装しなくてもきれいである。
完成:孫の部屋に置いた
簡易図面;クリックすると大きな写真になります 切欠きを削る;クリックすると大きな写真になります 完成;クリックすると大きな写真になります 孫の部屋に置いた;クリックすると大きな写真になります


用意した材料は、次のようなもので、¥8000ほどでそろった。
  • 長さ 1080mm 、幅300mm、厚さ18mm のパイン集成材 2枚
  • 長さ 1080mm、 幅250mm、厚さ18mm の桐集成材 2枚
  • 長さ 900mm、 幅100mm、厚さ18mm のパイン集成材 4枚
  • キャスター 4個(手持ちの物)
  • 鬼目ナット 4個
  • 長さ 1062mmの1X4 2枚
  • 細めの 35mmコーススレッド(木ねじ)12本ほど
  • 径 8mm 長さ 30mm の木ダボ 6個ほど
  • 長さ 30mmの両端のとがった隠し釘 


 使った工具は以下のものである。


リョービ トリマ TRE-40
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2010年5月 3日

隠居のDIY:シンプルな回転式TV台

 長い間、大工道具をさわっていなかったが、簡易TV台を作ってみる気になった。
 書斎兼寝室で見ていた19インチのアナログTVが写らないようになって、思い切って 26インチの液晶TV に変えた。我が家の場合、地デジ・BS は契約しているCATV (eo) を通じて取り込んでいる。そのために、BS を見ようとすると追加のチューナーの契約が必要である。月2000円追加するとブルーレイ録画つきのチューナーが借りられるので、これを契約した。
 今まで はアナログTVを回転板に載せて、室内のどこからでも見られるようにしていた。
 今までの回転台では小さいし、チューナとTV を一体で動かせない(チューナの上に直接TVは置けない)から、方向を変えるのが面倒であった。

丸棒の頭をトリマーで削る;クリックすると大きな写真になります それで、新たにホームセンターで手に入れた径40cmの回転板の上に、チューナを入れられる箱形のTV台を作った。材料は、娘夫婦が近くに家を建てたときのあまりものの集成材と安物のパイン集成材端材である。
 あまり凝ったことはせず、接合にはコースレッドを使ったが、コースレッドの頭だけは丸棒で隠した。埋め込んだ丸棒の頭は、トリマーのベースラインぎりぎりにストレート・ビットをつけて削れば楽である。仕上げには、WATOCO オイルを塗った。

チューナ入れつきTV台 自分で作るときには、サイズにぴったりなものが作れるのがいいところである。しかし、実のところチューナの少し突起している部分を見落としていて、あまりにもサイズぎりぎりのものを作ったので、チューナが入らず、仕方なく再作をした。素人細工には、サイズを計るときは少しぐらいの余裕は見ておく必要があるだろう。

 回転板は、あり合わせの台の上に置いて使ってきたが、回転したときにコードが引っかかるなど使い勝手が悪いので、作成したTV台を置く台も作成することにした。
 前から使っていたパソコン台は使わなくなったので解体し金属部分は回収業者に持って行って貰ったが、板部分のパーティクルボードは重量もあり、しっかりしていたので何か使い道があるだろうと置いてあった。この40x50cm ボードが、先に作ったTV台を置くのにちょうどよかったので、これを使うことにした。
回転式手作りTV台;クリックすると大きな写真になります 脚は、ホームセンターに売っている、いろいろな材を組み合わせて棚を作るとき用の長さ 40cm の丸脚を使うことにした。この丸脚の両端には、径6mmのボルトを受けるナットが埋め込まれている。
 先のパーティクルボードの上面四隅に、径20mmの座ぐり錐ビットで座ぐり穴をほり、その中心に径8mmの貫通穴を開け、径6mmの六角ボルトで接合した。丸脚は、同じように自由組立棚の部品として売っている横桟で補強すると共に、それを使って別のパーティクルボードで棚を付けることにした。
 パーティクルボードと桟との接合は、パーティクルボードの木口に、径6mmの鬼目ナットを埋め込み、ボルトで締め付けた。従って、今回の棚製作は全てボルト&ナットで接合したことになる。このやり方が、最も強固な気がしている。

 今回、設置しているチューナとTV は、チューナがブルーレイ・デスクも兼ねているので、もともと接続ケーブルは少ないが、ケーブルをまとめるスパイラル・チューブを使うとすっきりした。

  

2009年9月17日

隠居のDIY:小物収納棚を作る;トリマーとルータの練習

 Vermont 社のアリ溝ガイドキットを使って、1X4 材で抽出を作ったことは今年4月のブログで記録した。1X4 材ではなんとか形になることは確認したが、よく使うパインの集成材でもアリ溝ガイドキットは使えるだろうかと試行してみた。

 題材は端材として余っているパインの集成材、MDF(medium density fiberboard:中密度繊維板)、ケイカル板を使って、パソコン横の棚に雑然と置いているUSB ケーブルやカード・リーダー、DCコンバーターなどを木の箱に小さな仕切りを作って区分し収納する小物入れ棚を製作することである。

 パイン集成材で箱を作り、背板にケイカルをいれて、小さな枠をMDF で作るが、ねじ・くぎは一本も使わない計画である。
 箱の四隅は、アリ継ぎ(dovetail joint) で組み上げる。集成材では、dovetail 部分が砕けないかと心配したが大丈夫である。また、前に使い方を誤ってテンプレートの一部が欠けているアリ溝ガイドキットもOKであった。
 アリ溝ビット12.7mm はトリマーのリョービ[TRE-40]にアダプタープレートとともに取り付けた。ビットは、ガイドキットの取説通り、ベースから 11mm 出している。細工するときにアダプタープレートでビットの先が見えにくいので、下からみるような姿勢となる。溝を掘る板を、「ルータ&トリマー 使いこなしマニュアル」の記事を参照して取り付ければ問題なくできた。注意点は、板の端がガイド板にピッタリと着いていることである。
アリ溝ビット12.7mm :クリックすると大きな写真になります板をセットしたところ:クリックすると大きな写真になりますトリマーで削った後:クリックすると大きな写真になりますアリ継ぎ(dovetail joint) :クリックすると大きな写真になります


次に、背板にケイカルを入れるための溝をルータ(ボッシュ ルーター  POF400A)で掘った。径6mm ストレートビットをつけ深さ 5mm の溝を掘るために、ベースより 5mm 出し、ストレート・ガイドとの距離は 3mm とした。これらの長さを測るのは、ミニ曲尺が便利である。
このように一度設定しておいて、4枚の材を続けて切削すれば、狂いがない。
溝を掘るのは、トリマーでもできるが、今までの経験からいえばルータの方が強力でやりやすい。注意点としては、溝を掘る材をクランプでしっかりと固定することである。回転数が高いので、材が動いて溝が歪んでしまうことがある。
 箱の中の仕切り板は、MDFに切れ込みを入れて、組み合わせることにした。この切れ込みも径6mm ストレートビットをつけたルータで切削した。ストレート・ガイドでは幅広くてできない部分はフリーハンドで切削した。材をしっかり固定して、墨線に沿って慎重にビットを動かすと何とか上手く掘れた。
ストレート・ガイドまでの距離を測る:クリックすると大きな写真になりますルータで溝を掘る:クリックすると大きな写真になります背板を入れる:クリックすると大きな写真になりますパソコン横の小物入れ:クリックすると大きな写真になります


 仕上げの塗装は、IKEA で以前に買っていたステインが残っていたので、これで塗装した。溝にいれて組み上げているだけなので、いったん分解してバラバラにし集成材部分だけ塗装をして、再度組み上げた。ネジ・釘を使っていないので、このようなことができる。
 これで、パイン集成材でも、アリ継ぎ(dovetail joint) ができることが確認できたので、長い間宿題になっている孫のベッド下収納庫を作ってやろうと思っている。

2009年6月10日

隠居のDIY:シンプルなキーボード・マウス操作台

 狭い 1DK で一人住まいする娘は、場所を取るパソコン台を排除して、幅30cm の手作り組み合わせ棚のスペースに、本体一体型の薄型液晶ディスプレイを置いて使っている。
 キーボードとマウスはディスプレイ前の狭いスペースで使っており、窮屈だ。できれば、棚の空きスペースにしまいこめるキーボード台を作ってほしいという。マウスもキーボードもワイヤレスなので、作りは簡単である。が、建築士の資格をもつ娘が指示するデザインは、細かい注文がつく。

 シンプルなデザインが形としては奇麗だそうで、補強のための幕板は使うなという。補強には代りに L 字型の取り付け金具を板に埋め込むようにつけろという注文である。
 家に帰って持ち合わせの材料を調べてみると、幅 30cm のパイン集成材・もう一人の娘が IKEA で求めた家具についていたが使わなかったキャスター・安物の L 字型の取り付け金具があるのがわかった。
 塗装に指示されている手作りの棚と同じウォールナット色のオイルステインも残っている。

 板を直角に接合するにはアリ継ぎが丈夫だが、幅 30cm の板を接合するための冶具がない。 重いものを乗せるわけではないので、L 字型の取り付け金具で補強すれば十分であろう。
 取り付け金具を出っ張らないようにするために、金具の大きさに墨線を描いて、この部分をトリマーで金具の厚さ(1mm )の分だけフリーハンドで削った。普通このような作業をする場合は、テンプレートを作ることが奨められているが、テンプレートを作るのは結構面倒くさい。
不器用な私でもトリマーのベースから 1mm だけビットを出して慎重にビットを動かせば、フリーハンドで削ることができた。少し、いびつになっても裏に隠れる部分である。
 今回は手持ちのL 字型の取り付け金具を使ったが、皿ビスに対応したもう少し厚みも長さもある L 字型金具の方がいいと思う。
 キャスターの金具も厚みに合わせて、トリマーで少し削った。
L 字型金具の墨線;クリックすると大きな写真になりますトリマーで削る;クリックすると大きな写真になります金具をつけたところ;クリックすると大きな写真になりますキャスターのとりつけ;クリックすると大きな写真になります


キーボード・マウス操作台;クリックすると大きな写真になります 天板に側板を垂直に接合するのは、L 字型金具も使っているので簡単と思ったが、金具が少し小さく強度も弱かったためか、90 度がきちんと保てない。それで、木ダボを使って接合したが、もともとのパイン集成材が少し反っていたこともあって隙間ができた。あまり使いたくなかったが、コースレッドで締め付けた。丸棒で穴を塞いで、トリマーで削って頭が隠れるようにしたが。

 天板は、ボーズ・ビットをつけたルータで面取りをした。
金具部分をマスキングして、指示されたオイルスティンを塗布すると、まあまあのできあがりとなった。
 家内が写メールすると「ゼネコンより早い対応に感謝」との返信が入った。

2009年4月23日

隠居のDIY:アリ継ぎ(dovetail joint) で抽出を作る

dovetail joint:クリックすると大きな写真になります 前から無理と諦めていたアリ継ぎでの材の接合(右写真)をVermont 社のアリ溝ガイドキットを使って挑戦してみた。
 出来てしまえば簡単なのであるが、試作でいろいろと失敗を重ねたので備忘録として記録しておきたい。

 試作は 1X4 で W500XD300XH90 の抽出を作って、以前に製作したワゴンにつけてみようという試みである。上手くいけば、孫の玩具収納箱を作る予定である。
 アリ溝ガイドキットを使って失敗したことは以下のような項目である。
  • 問題:安物SPF 1 x 4 使っているせいか、木が欠けてしまう。
    対処:溝を切削する部分にマスキング・テープを貼っておくと少しましであった。
  • 問題:取説通りにきちんと設定しないと継ぎ目がずれる。
    対処:DIY の雑誌:「ルーター&トリマー」の説明にあるようにマークを付けるなどして用心深く材料をセットする。
  • 問題:付属しているアリ錐ビットの取り付けをしっかりしていなかったので、付属のテンプレートガイドを破損した。
    対処:テンプレートガイドのみ再度取り寄せた。アリ溝ガイドキットを購入したTOOLS GR にメールすると幸い部品があった。
  • 蝶ネジをボルトネジに変えた:クリックすると大きな写真になります
  • 問題:アリ溝ガイドキットについている前板をとめるネジは蝶ネジで、きちんと締めるには力がいるし手早くできない。
    対処:写真のように、ボルトネジに変えて、電動ドリルで操作できるようにした。
  • 問題:ルータで切削しようとすると切削している部分が見えにくい。
    対処:持っていたトリマーが古くなっていたので、リョービ[TRE-40]を新調した。ただし、テンプレートガイドがついていないので別注文した。


ワゴンの枠の溝を掘る:クリックすると大きな写真になりますできあがった抽出に前板をつける いろいろと試行錯誤したが、何とかねじくぎを1本も使わずに、かなり丈夫な抽出用の箱はできた。底板は厚さ4mm のシナベニアを、ルーターで彫り込んだ溝にはめ込んだ。

 抽出の前部分は、パイン集成材をワゴンの枠が隠れる大きさに切り、板の周囲をギンナン・ルータービットを使って、面取りをした。木製の抽出取っ手をホームセンターで求めてきて、その板に取り付けた。その前板と抽出の前板との接合は、木ダボを使った。

部屋に置いた抽出つきワゴン:クリックすると大きな写真になります 抽出を出し入れするレールは、山小屋で網戸を作ったときに余っていた、アルミの枠を応用することにした。アルミ枠の厚さで抽出側板に深さ 10mm の溝をルータを使って掘った。また、ワゴンの枠も溝を掘り、アルミ枠を埋め込んだ。この溝を掘るときに、先に求めたトリマー:リョービ[TRE-40]が役に立った。
 塗装は WATOCO オイルを全面と後面だけ塗布した。

 ワゴンの上に置いていた雑品が抽出の中に隠れるので、少しすっきりした。そのうちに、また物で溢れてくるだろうが。

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2009年1月30日

隠居のDIY:書斎兼寝室用のワゴンを製作

 老夫婦二人になって子どもが使っていた部屋が空き、狭い家の中でも割合広い部屋を書斎兼寝室として使えるようになった。
 毎日、読みかけの本とか、テレビやオーディオのリモコン、携帯電話、筆記用具などがパソコン・デスクとベッドの間を往復している。
 パソコンをしながらその横で、ちょっと書類を広げるスペースも欲しい。モニターを薄い液晶にすれば、もう少しデスクの上のスペースができるのだが、まだ綺麗に表示するディスプレイを捨てるのはもったいない。
 ということで、書斎の棚製作に続いて、他の家具と寸法的にマッチするようなキャスター付きのベッドサイド・テーブル兼移動ワゴンを製作することにした。ワゴンは、W590m x D300 x H630mm で4本の脚を持つ枠を作り、その上に天板を載せ、底部にキャスターをつける構造である。
 今回は、未熟な腕もかえりみず、ねじくぎ類は一切使わないことにこだわった。
 それでワゴンの脚の接合は、最も初歩的な組み手であるホゾ組み(平ホゾ)ですることを早くから決めていた。そのためにLPレコードをたてる簡単な小品で練習した。

 上のエントリーでホゾ組みの♂♀というような表現を使ったが、ドゥーパ!特別編集の「DIY木工上達テクニック」では、正式には♂はホゾで、♀はホゾ穴という説明がある。そして、ホゾ組み(平ホゾ)をするときは、ホゾ穴から先に作り、ホゾで微調整するらしいことも分かった。

クリックすると大きな写真になりますクリックすると大きな写真になります 先の本にはホゾ穴の加工にはドリルを使うことも紹介されているが、どこかで見た覚えがあるトリマーを使うことにした。今回は、同じ大きさのホゾ穴を16個所掘るので、ホゾ穴に合わせたテンプレートを贈答用素麺かなにかの箱だったシナベニアを用いて作ってみた。板の厚さが 4mm でテンプレート・ガイドを取り付けたトリマーに適している。テンプレートは、実際のホゾ穴よりトリマーにとりつけるテンプレート・ガイド分 2mm だけおおきくないといけない。これは、「控え寸法」というらしい。
 ホゾを作るときに気をつけねばならないのは、墨線をきちんとつけることである。特に、材の長さに影響してくる部分は慎重にしなければできあがりに影響する。ノコギリの刃を入れるときも同様である。
 ノコギリは、はじめ以前から持っていた「OLFA CRAFT SAW」を使っていたが、替え刃をホームセンターに買いに行くと、NAKAYA の細工用胴付鋸というのを見つけた。少々お高いが、スウェーデン鋼を使用という言葉に引かれて求めた。これがなかなかいい。やはり、道具は少々高くてもいいものを使った方が、細工がやりやすい。
クリックすると大きな写真になります ホゾ穴は、トリマーで掘ると四隅部分は丸くなる。これをあえてノミなどを使って四角くせずに、そのまま置いておき、ホゾの角をヤスリで削るなどしてホゾ穴に合わせた。自分としては、正確にやったつもりでも、それぞれのホゾ組みでわずかに違うので、個別に組み合わせるホゾとホゾ穴に記号をつけた。 

 このように時間のかかる作業だが広い場所を必要としないので、もので溢れた狭い工房を片づけ、寒風を避けて中で作業をした。ここなら、雨が降ってきても大丈夫である。実際、作業中に小雪が舞ったりしていた。

クリックすると大きな写真になりますクリックすると大きな写真になります ホゾ組みの作業を終えると、対となる脚部分を、ホゾ穴に木工ボンドを垂らして組み上げた。リンク先で紹介されているような精度の高い治具ではないが自作の大型クランプで半日間固定した。
 更に、この対となる脚が4つ脚となるように、同様に木工ボンドを垂らしたホゾ組みで組み合わせ、大型自作クランプで固定した。組み上げるときに少しひずみがあるのを気づいたが、クランプで締め付けて、半日ほどおいておくとひずみも修正された。今までは、たいていこのひずみ修整のためにコースレッドなどを使うハメになっていたのだ。

クリックすると大きな写真になりますクリックすると大きな写真になります 四脚の底部分に、キャスターを取り付けるための鬼目ナットをねじ込んだ。この金具が、この作品で使った唯一つの金属である。

クリックすると大きな写真になります 底板は、幅 300mm のパイン集成材を 590mm の長さに切断し、四隅を脚の太さに合わせて欠いて、当て木をしてプラスティック・ハンマーでたたき込んだ。中間の棚板の高さは、ベッドの高さに合わせて 450mm とした。この棚板受けは、径 8mm の木ダボを脚に埋め込み、棚板側はルーターで木ダボの幅 8mm と長さ 10mm に合わせて切れ込みを入れ、木工ボンドをつけて押し込んだ。

 ここまで組み上がってみるとかなり精度高く細工したつもりでいたが、あちこちに隙間が気になる。木工用のタモ白パテを隙間に擦り込んだ。このパテは塗装が乗るということになっているが、オイルスティンを塗装すると乗りが悪い。はみ出た部分はきちんと始末をしておいた方がいいようだ。

 この段階で、IKEA で求めていた ドイツ製の BEHANDLA という水性のオイルステインを塗ってみることにした。落ち着いた色になったが、臭いがきつく家内には不評である。臭いが抜けるには、1週間程度かかるのかもしれない。一緒に買い求めたブラシは、価格の割には抜け毛もなく、優れものである。

クリックすると大きな写真になります 天板は、角を丸く加工した 450x600mm のパイン集成板が比較的安価に売られていたので、これを使うことにした。ワゴンの高さは、天板とキャスターをつけるとパソコンを置いているデスクの高さになる。天板を取り付けるには、径 8mm の木ダボを用いて接合した。木ダボの位置合わせには、4脚の上部に径 8mm のダボ穴をドリルで開けてマーキング・ポンチを差しこみ、天板を載せて押しつけると印がつく。この印がついた部分にドリルの刃先をあてて穴を開け、木工ボンドをつけた木ダボで接合した。この作業は何回か経験があるので、比較的容易であった。
 この天板の塗装は、接合する前に、以前に作ったCDラックの色と合わせるために、 WATOCO OIL を塗った。これも臭いがなかなかぬけないが、BEHANDLA と比べるとましである。

クリックすると大きな写真になりますクリックすると大きな写真になります 塗装の臭いはするが、早速部屋に持ち込んでみた。用途に合わせて製作したので、使い心地にほぼ満足している。
 このワゴンには、いろいろなものが置けるのであちらこちらに散らばっていた置いていたリモコンなどを探さなくてすみそうである。整頓魔の家内が、歓迎してくれることを願っているのだが。

クリックすると大きな写真になります(追記:2009/1/31)当初の構想に考えていたのだが、ワゴンに電気スタンドをつけてみた。今まで、パソコンデスクとベッドにそれぞれ別にクリックランプをつけていたのだが、ベッドで使っていたものを応用してワゴンにつけてみることにした。
 自由に曲げられ強度のあるパイプがないかと"フレキシブルパイプ"でググッテみると、水道用品にフレキ配管というのがあるのが分かった。そいえば見たことがある。
 早速、ホームセンターにいって長さ 50cm のフレキ配管を求めてきた。ソケットとの継ぎ手用に水道用ナットもついているので、別にこのナットに合うソケットを買った。天板に穴を開け、このソケットとナットで板に固定すればいけそうである。貫通穴を先に開けてしまったので、ソケットの外周にあった同心円を深さ 8mm 程度に掘るのに手間取ったが、どうやらフレキ配管を固定することができた。
 クリップランプのクリップを外し、ランプ部をドリルで穴を開けたフレキ配管に径 4mm のボルトとナットで固定した。もともとついていた中間スイッチはちゃちだったので、新しくつけかえた。どうせ、フレキ配管の中にコードを通すために途中で切断するする必要がある。なかなか洒落てると自画自賛している。  



ドゥーパ!特別編集


DIY作品集に収載

2008年4月27日

隠居のDIY:書斎の棚シリーズ(1) CDラック

 いろいろなCDやDVDがあちこちに分散して、目的のCD(DVD)を探すのに一苦労するようになった。それに、本もあちこちに積ん読状態になっている。それでそれらをすっきりさせるために前から作りたいと思っていた書斎の棚をボチボチと製作していくことにした。

 「シンプルな棚づくり」を参考に、昨秋からそのためにパイン集成材などを買い込んでいたのだが、ようやく製作意欲が少しでてきたので、始めて見ることにした。棚はいきなり大きなものを狙わず小さなラックなどを作り、大昔に買ったオーディオケースと図体ばかり大きいスピーカー( 1760 x 800 x 400mm )の上に組み上げていくつもりである。

 CD、DVD のケースは、ほぼ145mm x 125mm であり厚さはまちまちである。購入していたパインの集成材は、300mm x 1820mm x 18mm であったから、これを縦に半分に切れば少し窮屈だが、材を有効に使えそうである。マルノコをつけた安物のマルノコスタンドは 1820mm もあるような板を縦に切るのは便利である。 が、気をつけないと途中で墨線からはずれて曲がって切ってしまったりする。節約のつもりで縦に切っているのに元も子もなくなるので要注意である。

クリックすると大きな写真になります CD ラックは背面を壁にくっつけて置けないので、背面に CD が落ちないように背板が欲しい。厚さ 3mm のベニアの端材があったので、これをはめ込むことにした。ただし、板の幅は 150mm 弱なので、CDを横向けにおいたときには 5mm しか余裕がない。この 5mm の間にルーターでベニアをはめ込む溝を掘るのは微妙な作業となる。ルーターにΦ3.2mm のビットをベースから 5mm 出してつけ、手作りのフェンスをガイドを利用して掘り進めると溝の外側に残る部分は厚さ 1mm 強しかないが案外上手くいった。
 なお、このようなルーター作業は溝が必要な部材全てを一度にするほうが寸法がくるわなくていいようだ。また、トリマーでは少し力がないので、ルーターの方が上手くいくと思う。

 ベニア板は、そのままでは不細工なので、これも残っていたライトグリーンの水性ペイントで組み上げる前に塗装した。ベニアの塗装は、ペイントがいいようだ。
 組み上げるとパイン集成材といえども材がわずかにそっていたり、下手な細工で少し隙間ができたりしている。できるだけコースレッドは使いたくなかったが、強度をだすため接合には幾本かのコースレッドを使った。なお、少し太めのビットで穴を掘っておき、ネジ頭が外から見えないようにした。掘った穴や組み上げの時にできたすきまは、木材用パテで埋めた。

クリックすると大きな写真になります 集成材部分の塗装は、「WATOCO」オイルで塗ることにしたが、その前にサンダーで乾いたパテを削るとか、コーナーの角を落としたりした。水性ペイントを塗装したベニア板部分に、オイルがつかないように、マスキング・テープで養生した。この「WATOCO」オイルは、時間が経つにつれて、すこし色が濃くなってくる。
 CDが横倒しにならないように、参考書に載っていたのを真似して、幅 85mm 高さ25mm の小さなカスガイを均等間隔に打ち込んだ。これを打ち込むときは、下穴があったほうがよいと思い、径の細いドリルで苦労して手動(棚の間隔がないので電動ドリルは入らない)であけたが、結果論として打ち込む場所の印だけを付けておいて、下穴なしに直接打ち込んだ(かなずちが強く使えないが)方がよく食い込んでいる。カスガイを使うのが経済的であるが、U字型金具をかってきて、ナットで留めた方がよさそうだ。いずれにしろ、組み上げる前に作業をしておいた方が簡単である。ただし、塗装が少し面倒となるが。

クリックすると大きな写真になります 予定とおりオーディオケースとスピーカーの上においてみるとまあまあのできとなった。ただ、CD は、この3倍くらいあちこちにあるので、もう2つくらい作らねばならない。
 また、本棚からはみ出してあちこちに積ん読状態になっている書籍もあるので、書籍用ラックも作らねばならない。ホビーの一種と考えればこれも楽しからずやである。
 写真の右の方に写っている キャビネットは、今回の書斎棚シリーズとして作り始めたものであるが、用途をよく考えなかったので、余り役に立っていない。

2007年6月11日

隠居のDIY:マガジンスタンド

 保育園に通っている孫が絵本やDVDなどの持ち物が増えてきたので、整理用のマガジンラックを作って欲しいとの依頼があった。「シンプルな棚づくり」(雄鶏社)という本に出ていたマガジンスタンドを参考に製作することにした。

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2007年5月31日

隠居のDIY:シンプルな座り机

クリックすると大きな写真になります 孫が床に座ってちょこっとしたことができる軽い座り机が欲しいというので製作することにした。パインの集成材に脚を付ければよいと簡単に考えていたが、これが案外難しい。ベッドサイド・テーブルを作ったときの厚さ18mm幅 40cm のパイン集成材が余っていたので、これを長さ 80cm で切断して天板とした。脚は、幅60mmX厚さ30mmX長さ1820mmのホワイトスプルースから、長さ 36cm で4本作った。脚と天板にドリルで穴を開けて、径8mm、長さ60mmのダボで接合することにした。これが結構難しい。まず、脚となるホワイトスプルースの切断面がきちんと直角に切れていないと天板に直角につかない。充電式の電動ノコで切断したので少しゆがみと1mm以下であるが長さに違いがある。4本を重ねてクランプで固定し、サンダーで調整した。
 また、ダボ用の穴の位置はマーキングポンチで確定できるが、まっすぐに穴を開けるのは難しい。ドリルホルダーは持っているが、このような場合には使えない。ドリル穴をまっすぐにあける治具をなんとか考えないといけないと思う。まっすぐに穴が開いていないためダボ用の穴を広げたりしたので、脚1本につき2本のダボではがたつきがあってうまく接合していない。仕方なく各コーナーにコースレッドを1本使って固定した。それでも、強度は弱いようだ。市販されている同様のテーブルのように脚をつなげる補強材(幕板というらしい)はやはり必要なようだ。
 ダボの頭を例によってトリマーで削り、天板の周囲をひょうたんビットをつけたルータで面取りし、仕上げはサンダーでペーパーがけをして、WATOCOオイルを塗布した。白木の場合、このオイルがしっくりするように思う。軽いという要望はかなえているが、強度には自信がない。まあ、過重な負荷をかけなければ、当分はもつだろう。

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2007年5月10日

隠居のDIY:ベッドサイド・テーブル

 この4月から、下の娘が京都で一人住まいしている。1Kの小さな部屋なので家具を置くスペースが少ない。黒っぽいオイルステンを塗装したパインの集成材の四角いブロックとその上に集成材を載せただけの棚を自宅で使っていた。これを持って行ったので、デザイン的に同じようなベッドサイド・テーブルを作って欲しいとの要請があった。一応建築士(まだ2級だが)なので、作ってもらう割には注文が多い。
 クリックすると大きな写真になります。 孫のランドセル置き棚を作ったときに余分に買っていたパイン集成材(幅400mmX長さ1820mmX厚さ18mm)を1枚ちょっと使って木取りした。四角いブロックを作り、間に棚を一段設けるだけなのでいたって簡単である。今回は、木ねじ(コースレッド)を1本も使わずに、木工ボンドだけで組み合わせることに挑戦した。

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