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Atelierで“読書”が含まれるブログ記事

2012年8月13日

隠居のパソコン備忘録:スマホのスクロール・イメージをブログに掲載する


 Masajii's Brog で、オーナーの Masajii さんから、【読書日記「くらしのこよみ」】に、スマホのスクロール・イメージを掲載できないかとの相談を受けた。
 今まで画像を横方向にスクロールしながら見るというようなことは試したことはない。興味を引くテーマなので、挑戦してみることにした。
 平凡社が提供するスマホ向け無料アプリ【くらしのこよみ】は、このようなトライをしてみるには格好の材料である。
 少し、時間を要する作業であるがなんとか実現できるので、備忘録として記録しておきたい。

   
出来上がりサンプル
スマホの画面イメージ
スクロールバーを右端へ移動してから左へ動かしてください。


  1. 対象となるスマホの画面をキャプチャーする。(キャプチャーの方法は、【隠居のスマートフォン備忘録:(14)Xperia acro の画面をキャプチャーする 】に記載している。)例題のアプリ「くらしのこよみ」では、26画面(1画面は480x854ピクセルl)をキャプチャーした。
  2. キャプチャーした画像を、Photoshop Elements を使って横に結合していく。この作業が、Photoshop を使い慣れていないせいもあって大変だった。
     先ず、「ファイル」⇒「新規」⇒「白紙ファイル」で、ファイル名を Kooyomi-1 とでもし、横幅2400pixel x 854pixel と指定した。キャプチャー画面を5枚 横に結合するスペースである。横幅、もっと大きくできるが、画像が小さくなり、結合する境界の判定が難しくなる。
  3. 次に、結合するキャプチャー画面を「ファイル」⇒「開く」と、画面下のプロジェクト・エリアに表示される。これを先の白紙ファイルにドラッグ&ドロップして、右端から埋めていく。スマホのスクロールでキャプチャーした画像は、必ずしもきちんと 480pixel となっていないので、ドラッグで重ねあわせ調整して画面を作っていく。連結した画面ができたら、右フレームの下方の「レイヤー」欄に画像名が表示されるので、連結した画像名を選択して右クリックすると出てくるセレクトボックスで、「レイヤー結合」を選択すると、下のスクリーンショットのように、結合した一つのファイルとなる。結合したファイルは、別名で保存しておく。

  4. このようにして、28の画面をグループ(今回の場合、6グループ)に分けて、画像ファイルを保存しておく。その後、6グループのファイルを結合する。この作業は、要するに、キャプチャーしたスマホのスクロール画面を一つの横長画像にする作業である。結果は、12480x854pixel の画像(jpegとした)となる。
  5. 出来上がった画像を、そのままのおおきさでブログに掲載するには、縦幅が大きすぎるので、Picasa のエキスポートを使って、縦・横幅を40%くらいに縮小した。なお、Picasa を使うと結合した結果、はみ出る白紙部分を削除する切り抜きが楽である。
  6. 今回のメインは、画像を横にスクロールするために、HTML <iframe> タグを使ったことである。
    上の出来上がりサンプルのためのコードは、次のようになる。
    <center><caption><strong>スマホの画面イメージ</strong><br /><small>スクロールバーを右端へ移動してから左へ動かしてください。</small></caption></center>
    <center>
    <iframe frameborder="1" scroling="yes" width="250" height="400" src="http://n-shuhei.net/atelier/screenshot/1-koyomi-c2.jpg" /></iframe>
    </center>
    
    <iframe> タグを使うと、上の Photoshop のスクリーンショットのように、横長の画像をスクロールバー付きで、横幅を抑えて表示できる。
 このような方法を使えば、スクロールしてつかうアプリの紹介は楽になるが、いまのところ紹介すべきアプリは思い当たらない。

2012年3月15日

隠居の読書:1円の中古本


 隠居の探鳥ウォーク・シリーズでは、俳句とはとても言えないような俳句をタイトルにしている。野鳥の観察では、季節の移ろいを肌に感じる。俳句をタイトルにしているのは、俳句には季語があって季節の表現が必要であるから、タイトルの表現には合っているなと思うからである。だが、乏しい日本語知識では、短い語句の中で適切な表現は極めて難しい。それで、色々な歳時記に頼ることになる。そんなことで、鳥と歳時記に関する本を探し求めたりする。先日、ネットでサーチしていると〘野鳥の歳時記〙といった本がたくさんあることが分かった。

 本は Amazon で買うことにしているので、Amazon で探してみると中古本であるが、どちらもシリーズ本で小学館の〘野鳥の歳時記〙、学研の〘鳥の歳時記〙といった本が一冊1円で売られていることが分かった。送料は 250 円である。
 いくら安くても、中身の薄ペッらい本であれば、邪魔になるだけである。試しに、一冊ずつ買ってみることにした。

 何社かリストされている中から、あまりどこの中古本屋といことを意識せずに注文をすると、二日もしないうちに、茶封筒に包装されて、ゆうメールで送られてきた。
 早速、封筒を破って中身をみた。どちらも 28・29 年前に出版された本であるが、綺麗なものである。デジカメが発展した最近の画像と比べれば、確かに写真はもう一つの感じがするが、挿入されてる文章は、山本健吉や若き頃によく読んだ串田孫一らの鳥に関する随筆があり、極めて面白い内容になっている。これで、251 円は安い。ということで、何冊かを買い求めた。
 どちらも野鳥愛好家にとっては、興味深い内容であるが、学研の〘鳥の歳時記〙には歳時記らしく多くの俳句も挿入されている。小学館の〘野鳥の歳時記〙は俳句歳時記ではないとことわっていて俳句の記載はないが、中西悟堂、岡部伊都子、辻邦生、戸川幸夫らのエッセイには惹きこまれている。

 ところで、気になる1円の秘密は、KandaNewsNetwork というサイトに、詳しいブログ記事があった。カラクリは、送料の割引制度にあるようだ。なるほど、納得である。

野鳥の歳時記〈4〉秋の鳥

小学館
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2012年2月 8日

隠居のスマートフォン備忘録:(20) Xperia acro をEvernote を利用するデジタル・メモ帳として使う


 Masajii's Blog のオーナーが、最近スマホを使い出した。70を過ぎた我々の仲間では、珍しい方だ。彼はもともと新聞記者だから好奇心が旺盛である。それに、読書家・勉強家でもある。まだ、中国語の勉強をしている。そのようなこともあって、なんでもメモに残しているようだ。
 どこで仕入れたか、Evernoteなる ツールの知識を得て、これに獲得した情報を整理することを試みているようだ。この Evernote というツールで何ができるかの説明ページを読んでみてすぐに頭に浮かんだのは、梅棹忠夫の【知的生産の技術】である。Evernote は、この技術を現代のITで具現化したものと思えた。この新書が発刊(1969年)されてから40年以上たっているが、知的生産の技術はIT を利用することで驚異的な進化を遂げているのである。

 彼は、中国語を勉強した時などに残したメモ(学習帳?)をスマホのカメラ機能でスキャンし、Evernote にアップロードしたいが、写真がうまく取れない、何かいい方法はないかと聞いてきた。私はメモを書くことなどはあまりないが、探鳥ウォークするときには、A7 ぐらいの小型のメモ帳に場所別に観察した野鳥と羽数などを記録に残している。これをもとに、「探鳥日誌」をブログにアップしている。Evernote を使えば、元の記録を散逸せずに、梅田望夫が〘ウェブ進化論〙でいう【あちら側】に預かってもらえそうだ。

 そこで、ネットでググッてみると、どうやらスマホのカメラでメモの写真を撮る(スキャンする)ときに特化したノートが売り出されていることが分かった。KING JIM の SHOT NOTE がはじめに開発されたようであるが、コクヨも CamiApp という製品を追随して出している。 SHOT NOTE は最初 iPhpne 向けであったが、すぐ Android にも対応するようになった。これらのノートはノート自身には、4隅にマークがついている(SHOT NOTE)か、黒い枠で囲まれる(CamiApp)ようになっているか、だけで普通の紙である。そういう仕掛けがなければ、100円ショップでも売っていそうなメモ帳である。どちらも、値段は3倍位ほどする。スマホでスキャンしやすくするための工夫は、それらのノートに合わせたアプリが開発されていることにある。どちらも、ノート名と同じ名前のスマホ向けアプリを無償で提供している。
 このアプリを比較してみた。
KING JIM :SHOT NOTEコクヨ:CamiApp
Xperia acro で撮った写真。
四隅のマークをスマホ画面に表示される枠内に納めてタップする。比較的簡単。
360x480px(A8メモ用紙)
SHOT NOTE のメモ用紙
比較に使った用紙
 貼ってはがせるタイプ A8:70枚¥350
価格はAmazon の送料込み価格。
iPhone 対応となっていても Android で使える。
ShotNote_1;クリックすると大きな写真になります Xperia acro で撮った写真。
メモの台紙となる黒い枠をスマホ画面に納めてタップする。なれないとかなり難しい。
1114x1600px
CamiApp のメモ用紙
比較に使った用紙
 ツイリングメモ A7:50枚¥457
貼ってはがせるタイプはない。(アプリの方式で作りにくい?)大きさは、実質A8である。
価格はAmazon の送料込み価格。店頭で買えば、もっと安いようだ。
CamiApp_1;クリックすると大きな写真になります
Xperia acro での編集画面
元の写真は、バックに薄く表示されている。
Evernote と同期しておけば、タイトル・タグは、Evernote に登録しているノートブック・タグが選択できるようになっている。
メモの作成日付と番号は、OCR で読み取ることになっているが、完全ではない。作成日付の入力は、簡単に入力できるようになっている。
Evernote への登録は、メニュー・ボタンから〘エクスポート〙をタップする。
SHOTNOTE_2;クリックすると大きな写真になりますXperia acro での編集画面
元の写真と編集項目は上下に表示される。
タイトルは、その都度入力する必要がある。タグは、Evernote に登録しているタグが選択できるようになっている。ただし、設定画面で事前にEvernote からダウンロードしておく必要がある。
メモの作成日付の入力は、簡単に入力できるようになっている。
Evernote への登録は、メニュー・ボタンから〘共有〙をタップする。ただし、私の設定が悪いのか、IE での Evernote には、CamiApp というノートブックを作って、そこに同期するようである。
CamiApp_2;クリックすると大きな写真になります
PC本体 InternetExplorer の Evernote での〘ノート〙表示画面。上のスマホで撮った写真を表示している。
スマホで編集した作成日付、番号、撮影日付は、メモ写真の下に表示される。
メモ写真の大きさは、360x480px である。(A8 のメモ用紙の場合)
SHOTNOTE_3;クリックすると大きな写真になります PC本体 InternetExplorer の Evernote での〘ノート〙表示画面。上のスマホで撮った写真を表示している。
スマホで編集した作成日付、撮影日付、コメントは、メモ写真の上に表示される。
メモ写真の大きさは、1114x1600px であり、SHOTNOTE に比べて約3倍の大きさである。
アクションマーカーという機能があり、メモ用紙についている7つのマーカーを塗り分けることでタグを設定してくれる。
CamiApp_3;クリックすると大きな写真になります


 好みにもよるのかもしれないが、私は、KING JIM の SHOTNOTE の方が使いやすいと思った。
これを上手く利用すれば、色々な手書きメモを散逸せずにすむ。宅急便でモノを送るときの宛先住所メモを Evernote にあげておくとか、買い物メモなどを収録しておけば、スマホだけを携行するだけで良い。
 なお、Evernote については、スタートガイドをみるとよくわかる。まだ、使い始めたばかりなので、おいおい学習していきたいと思う。

2012年1月 1日

謹賀新年:今年もよろしくお願いします


   頌春

 昨年夏に満年齢古希を迎えましたが、歩ける間はと、鳥を追っかけています。
 撮った写真を恐竜の尻尾の先ぐらいのところ(ロングテール)で続けているこのブログに載せています。 同年齢二人(Studio YAMAKO :蝶と国内・海外旅行の写真集、Masajii's Blog :他分野にわたる読書記録と紀行文)とのコラボ・サイトでもあります。

 
カシラダカ;クリックすると大きな写真になりますシロハラ;クリックすると大きな写真になりますアトリ;クリックすると大きな写真になりますイソヒヨドリ;クリックすると大きな写真になります
カシラダカ:野々井(堺)
1/4/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO250 1/800s F5.6
トリミング
シロハラ:甲斐田川(堺)
1/6/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO2500 1/800s F5.6
トリミング
アトリ:庭代台公園
1/16/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO450 1/1000s F5.6
トリミング
イソヒヨドリ♂:檜尾・和田川(堺)
1/21/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO500 1/800s F5.6
トリミング
オオバン;クリックすると大きな写真になります ホオアカ;クリックすると大きな写真になります シメ;クリックすると大きな写真になります オオタカ;クリックすると大きな写真になります
オオバン:大阪狭山池
1/23/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO720 1/1000s F5.6
トリミング
ホオアカ:野々井・和田川(堺)
1/28/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO1100 1/1000s F5.6
トリミング
シメ:桃山台(堺)
1/31/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO720 1/1000s F5.6
トリミング
オオタカ:野々井(堺)
2/2/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO1000 1/800s F5.6
トリミング
アオジ;クリックすると大きな写真になります ツグミ;クリックすると大きな写真になります シロハラ;クリックすると大きな写真になります 冠羽を立てたヒバリ;クリックすると大きな写真になります
アオジ:野々井(堺)
2/11/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO200 1/800s F6.3
トリミング
ツグミ:荒山公園(堺)
2/17/2011
Nikon D90
Σ120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO200 1/800s F5.6
シロハラ:東谷池(堺)
2/19/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO1800 1/800s F5.6
トリミング
冠羽を立てたヒバリ:野々井(堺)
2/21/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO450 1/800s F5.6
トリミング
エナガ;クリックすると大きな写真になります 白梅にメジロ ジョウビタキ雌;クリックすると大きな写真になります イカル;クリックすると大きな写真になります
エナガ:桃山台公園(堺)
2/24/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO1000 1/800s F5.6
トリミング
アオジ:美木多上(堺)
2/27/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO250 1/800s F5.6
トリミング
ジョウビタキ雌:三木閉(堺)
3/6/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO500 1/800s F5.6
トリミング
イカル:野々井(堺)
3/25/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO200 1/750s F9.5
トリミング
キンクロハジロ;クリックすると大きな写真になります ヨシガモ;クリックすると大きな写真になります カワウ;クリックすると大きな写真になります アカハラ;クリックすると大きな写真になります
キンクロハジロ:泉ヶ丘大蓮池(堺)
3/28/2011
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO400 1/750s F5.6
トリミング
ヨシガモ:賀茂川(京都)
2011/4/9
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO720 1/750s F5.6
トリミング
カワウ:尾美濃池(堺)
2011/4/12
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO900 1/750s F5.6
トリミング
アカハラ:桃山台公園(堺)
2011/4/28
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO3200 1/1000s F5.6
トリミング
オオヨシキリ;クリックすると大きな写真になります カワラヒワ;クリックすると大きな写真になります カイツブリの親子;クリックすると大きな写真になります バン:美木多上;クリックすると大きな写真になります
オオヨシキリ:大庭寺(堺)
2011/5/5
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO500 1/1000s F5.6
トリミング
カワラヒワ:桃山台公園(堺)
2011/5/13
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO2500 1/1000s F5.6
トリミング
カイツブリの親子:摺鉢池(堺)
2011/5/25
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO900 1/750s F5.6
トリミング
バン:美木多上(堺)
2011/5/26
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO900 1/1000s F5.6
トリミング
ツバメ;クリックすると大きな写真になります キジ雌;クリックすると大きな写真になります ウグイス;クリックすると大きな写真になります 黒いカワラバト;クリックすると大きな写真になります
ツバメ:野々井(堺)
2011/5/31
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO640 1/1000s F5.6
トリミング
キジ雌:鉢ヶ峯(堺)
2011/6/6
Nikon D90
ΣAPO120-400mm 400mm
(35mm相当600mm)
ISO3200 1/1000s F5.6
ウグイス:鉢ヶ峯(堺)
2011/7/17
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO500 1/1000s F6.3
トリミング
黒いカワラバト:美木多上(堺)
2011/7/23
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO450 1/750s F6.3
ダイサギが小魚をキャッチ;クリックすると大きな写真になります ゴイサギ幼鳥(ホシゴイ);クリックすると大きな写真になります シジュウカラ;クリックすると大きな写真になります ジョウビダキ;クリックすると大きな写真になります
ダイサギが小魚をキャッチ:高野川(京都)
2011/8/17
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO1800 1/750s F6.3
トリミング
ゴイサギ幼鳥(ホシゴイ):松池(堺)
2011/10/3
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO3200 1/750s F6.3
トリミング
シジュウカラ:桃山台(堺)
2011/10/8
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO640 1/1000s F6.3
トリミング
ジョウビダキ:大森(堺)
2011/10/31
Nikon D90
ΣAPO50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO1250 1/750s F6.3
トリミング
キセキレイ;クリックすると大きな写真になります ハシビロガモ;クリックすると大きな写真になります カワセミ;クリックすると大きな写真になります キジ;クリックすると大きな写真になります
キセキレイ:尾美濃池(堺)
2011/11/30
Nikon D90
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO450 1/750s F6.3
トリミング
ハシビロガモ:尾美濃池(堺)
2011/12/5
Nikon D90
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO200 1/750s F6.3
トリミング
カワセミ:筆池(堺)
2011/12/12
Nikon D90
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO900 1/750s F6.3
トリミング
キジ:美木多上(堺)
2011/12/21
Nikon D7000
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO800 1/800s F9.0
トリミング
ホシハジロとコガモ;クリックすると大きな写真になります モズ;クリックすると大きな写真になります マガモ;クリックすると大きな写真になります セグロセキレイ;クリックすると大きな写真になります
ホシハジロとコガモ:咄池(堺)
2011/12/26
Nikon D7000
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO800 1/800s F14.0
露出補正 -1.0
トリミング
モズ:三木閉(堺)
2011/12/23
Nikon D7000
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO6400 1/1000s F6.3
露出補正 なし
トリミング
マガモ:松池(堺)
2011/12/5
Nikon D90
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO200 1/750s F9.5
トリミング
イソシギを追い払うセグロセキレイ:和田川・檜尾(堺)
2011/12/28
Nikon D7000
Σ50-500mm 500mm
(35mm相当 750mm)
ISO800 1/800s F10.0
トリミング


 昨年もこの泉北ニュータウンで多くの野鳥と出会いました。まだまだ、満足のいく写真はあまりありませんが、なんとかブログに載せることができました。
 動き回れる健康に感謝しつつ、70歳を越えた今年も、野鳥撮影やDIY作業などブログのコンテンツを追っかけるつもりです。
 今年に、どのような新しい野鳥と出会え、DIYの作品を作れるかと期待しつつ、もう少し隠居生活を楽しみたいと思います。
今年も、隠居の生活記録をご笑覧ください。

2011年7月26日

隠居の読書:「チョウはなぜ飛ぶか」(日高敏隆、写真:海野和男)


新編 チョウはなぜ飛ぶか フォトブック版
日高 敏隆
朝日出版社
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 毎日新聞の日曜日朝刊には、【今週の本棚】というページが3ページある。最近購入している本は、たいてい、これらのページに載っている書評から選んだ本である。本屋には行かず、もっぱら自分のブログに アフリエートしている Amazon からであるが。

 7月24日の朝刊【今週の本棚】に、村上陽一郎さんの次のような書評が載った。長いが全文引用させてもらう。
新編 チョウはなぜ飛ぶか   日高敏隆・海野和男著(朝日出版社・1995円)

虫好き少年の目が動物行動学を開いた
 だいぶ前の話である。さる地方大学に講演にいったとき、その後おきまりの懇親会になった。生物学の助教授(当時の呼称)という方が寄ってこられて、ささやくように、こうおっしゃる。「実は、私、日本鱗翅(りんし)学会に入っていますが、学内ではそのことは内緒にしています、昇進に差し障りがあると思うからです」。
鱗麹類というのは身体に鱗粉を付けた昆虫、つまりチョウやガのことである。昭和20年に誕生したこの学会は、「学会」と言っても、ハードな研究者だけの集まりではなく、アマチュアの虫好きにも開かれた自由なコミュニティなのだが、現代の科学の世界では、レフェリー付き論文が何本あるか、だの、それらが掲載された学術雑誌のインパクト・ファクターはどれだけか、だのという基準で、研究「業績」なるものがもっぱら評価される。とすれば、そうした要素とは少し距離がある鱗翅学会員であることは、業績評価のマイナスにさえなる、という判断であったのだろう。
 確かに、現代、隠れもなき虫好きをもって世に知られる方々、たとえば養老孟司氏や奥本大三郎氏らの本職は、生物学ではなく、虫好きは専門の研究領域とは関係がない。私自身、子供の頃は、虫好きを任じ、特に皆がきれいだと集めたがるチョウに背を向けて、割合に嫌われることの多いガの採集や飼育に心を奪われて過ごしたが、そのことは、現在の専門とは基本的には無縁である。しかも、私は、成人まで、その好みを持ち続けることができなかった。
 しかし、そうでなかった希有(けう)の人がいる。少年時代の虫好きを持続しながら、最前線の研究にまで繋(つな)げた達人、それが本書の著者である日高敏隆さんである。当初日高さんは、通常の生物学者として、動物の生理学的研究に携わられたようだが、次第に「動物行動学」の領域に自らの方向を定めることになった。それはちょうど、世界的に見て、「動物行動学」というカテゴリーが確立されようとしている時期に重なっていた。その意味では、日高さんは、まさしく日本の動物行動学の創始者の一人である。
 そうした日高さんが、研究論文ではなく、一般向け、あるいは青少年向けに発表された最初の話題作が、<岩波科学の本>の一冊になった、1975年の『チョウはなぜ飛ぶか』である。この書物は翌年の毎日出版文化賞に輝いた。
 ここで本書の解説をしておくと、本書は、その旧版の内容に、日高さんに触発されて昆虫写真家になったと言われる海野和男氏撮影の、みごとなチョウの生態写真が、ふんだんに配されて編集された、まことに嬉(うれ)しい本である。
 少年時代から持ち続けていた、チョウはなぜ、どのように飛ぶか、という疑問を、学問研究のテーマにまで高め、実際に繰り返し調査を重ねて、そこに成立しているルールの発見に至る本書の前半部分は、こうした動物行動学研究の見本のような、スリルと味わいがあり、今読んでも、いっこうに古さを感じない。念のために書いておくが、ここで言うチョウは、、チョウ一般ではない。明確なルールに従って飛ぶ(いわゆる「チョウ道」を持つ)のは、アゲハチョウの仲間だが、そのなかでもキアゲハには、そうした固定したルールはなく、モンシロチョウなども同様だという。
 さて、本書が今も新鮮に受け取られる理由の一つは、後半の部分で、日高さんが終生追い続けた、動物の「認識」の問題が、すでに扱われているからでもある。チョウの目に映る世界の姿は、チョウでない限り判(わか)らないはずだが、幸い人間には想像力があるから、それに近づくことは不可能ではない。そして、そうした観点を持つことで、逆に、人間の持つ認識の特徴が、逆照射されることにもなる。これが日高さんが多くの著書のなかで、説き続けた主題であった。たとえば本書132ページは「同じ世界が、ちがって見える」というタイトルで始まる。その内容は、相対主義的認識論と哲学者なら言うだろう。しかし、ここでは、チョウの生態を基盤にした、小賢(こざか)しい机上の議論を許さないような、明確なメッセージが伝わってくる。
 海野氏の写真のすばらしさも特筆すべきであろう。大型でとくに美しいミヤマカラスアゲハはもちろん、まあ普通に見られる(といっても、最近の都会地では、なかなかお目にかかれなくなったが)ナミアゲハやキアゲハも、なんと美麗に見えるだろうか。
 残念なことに日高さんは、2009年に他界されている。しかし、亡くなった後も日高さんの著書は、次々に出版されている(『世界を、こんなふうに見てごらん』集英社、『ぼくの生物学講義-人間を知る手がかり』昭和堂など)。どれほど多数の読者がついているか、それだけでも判る。
 これから夏休みに入る。この書物は、子供たちが自然とのコミュニケーションの方法を学ぶための、絶好の手引きになるだろう。
註: 本文は縦書きであるが、横書きとし、また、文中の漢数字は、アラビア数字に変換した。

 最近、Studio YAMAKO のオーナーの影響を受けて、蝶の写真を撮ることが多くなっていたので、すぐその日に、Amazon で注文した。翌日届いた。最近このようにして購入してもツン読になっている本が多かったが、この本は内容が子供も読めるように平易な記述になっているせいもあるが、一気に読んでしまった。
 最近撮っている蝶の写真は、この本に出てくるアゲハチョウ類やモンシロチョウばかりでなく、タテハチョウ・シジミチョウなど他の種の蝶も被写体としている。 が、蝶の生態もよく知らずに、行き当たりばったりに撮っている。写真で共著となっている海野和男さんは日高敏隆さんの弟子ようであるが、その写真はにはため息がでるばかりである。まあ、そんな写真をとるという野望は諦めたほうがいいと思っている。

 それでも、次の一文を頭に入れておけば、もう少しましな写真が撮れるかもしれない。
 チョウは「なぜ飛ぶか」といったら、「ものを探している」が答えだ。探すものは三つあって、食べものであるミツをもつ花と、卵を産む場所と、それからメス。(106ページ)

2010年8月25日

隠居のジャズ:Radio Senboku で Piano 特集を組む

 梅雨があけてから、連日暑い日が続いている。特に、8月に入ってからは猛暑日が続くようになって、自分の歳を考え戸外活動は控えている。探鳥ウォーキングもDIYも控えているので、ブログに掲載できるようなイベントがない。もっぱら、Jazz をBGM として、読書・TV視聴の毎日である。

 Live365 という Net Radio サイトに開設している Radio Senboku で流しているJazzは、5月の下旬ごろに Bebop 特集を組んで以来放送している曲を変えていない。そろそろマンネリ化してきたので、変更することにした。このような作業は時間が必要なので、室内作業にはぴったりである。

 今までいろいろなソースから集めた Jazz はWindowsMediaPlayer のライブラリーDB にジャンル別に収納してきている。大分類 Jazz はDixie とか Jamsession は別にして、さらに楽器別に細分化している。Jazz(piano) として分類している Artists はたくさんいる。これらの中からWikipedia(英語・日本語)に記載されている Artists を選択した。最近の Wikipedia にはほとんどの Artists が網羅されている。これらの Artists を活動時期の年代順に網羅してみると、Count Basie, Art Tatum, Bud Powell, Oscar Peterson, Thelonious Monk, Bill Evans, McCoy Tyner, Wynton Kelly など129人の Jazz Pianists List ができた。

 このリストに基づいて、Radio Senboku に、Jazz Piano 特集を組んだ。そのPlaylist は右メニューにリンクボタンを置いている。 Jazz が嫌いでなければ、いろいろな作業のBGM には最適と思うので、Radio Senboku にチャネルをあわせてみて欲しい。 

2010年7月19日

隠居の読書:梨木香歩、【渡りの足跡】


渡りの足跡
渡りの足跡
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梨木 香歩
新潮社
売り上げランキング: 11003
おすすめ度の平均: 4.0
4 ここではない、どこか別の場所へ。鳥たちの渡り、彼らの旅路に思いをめぐらすエッセイ集

 毎日曜日の毎日新聞には、【今週の本棚】という読書欄がある。ここに、湯川豊三という方が、この本を紹介されている。これを読んですぐに読みたくなり、Amazon で注文した。このようにして購入してもいつも梅棹忠夫のいう【みた】だけで積ん読が多いのだが、今回は一気に読んだ。

 梨木香歩さんは、Wikipedia では、日本の児童文学作家、絵本作家、小説家ということになっている。私のサイトにある Masajii's Weblog の読書日記「西の魔女が死んだ」にあるように、児童文学が本職なのかもしれない。
 だから、この本の主題である野鳥観察は仕事の一部なのか、趣味なのかはっきりしないが、とにかく私のようなご近所野鳥観察とはスケールが全く違う。オオワシの渡りを確かめるために、国内の網走や知床をはじめとする道東周辺・諏訪湖・琵琶湖や海外はカムチャッカまで出かけるのである。

 どうしてもそこに興味がいくのだが、野鳥観察のための装備について詳しい記述はないが、双眼鏡は肌身離さずで、撮った写真を専門家に見てもらって鑑別もされているので、望遠のついたカメラも携行されているに違いない。また、10ページには、次のような記述があるのでKestrel4000 のような携帯気象計もコンパスも持って行かれているのではと想像する。
 この日この時間の網走の湿度は約22パーセント、西北西の風、最大13.9m。清々しく冷気を含んだ空気。

 場合によっては、フィールドスコープももって旅行されるから、現地での案内人がない単独行動はレンタカーのようだ。察するに、物書きはいろいろな記録が大事なのだ。私の隠居のたわごとブログの場合でも、記録はとるようにしている。音の記録は梨木香歩さんの場合はないようだが、音の記憶も見事に記述されている。

 私も同じような現象に出くわしたヒヨドリのさえずりについて、次のような記述がある。少し、長いが引用させていただく。
 今、この原稿を書いているところは――比較的緑が多いとはいえ――都心と言われるところである。それなのにここ数日、明け方の四時半頃になるとまるでブラックバード囀る英国の朝のような鳥の囀りが聞こえる。その声に起こされ、一体どんな鳥が、と出て行って確かめたいのだが何しろ起き抜けでぼうっとしていて、すぐに動けない。そのうち眠気に負けてしまう。 あの声は一体、と日中はずっと悶々とした思いを重ねていた。「最近明け方に一羽で美しく長 く囀り続ける鳥がいます。お気づきの方、何という鳥か、ご存じありませんか」、と近所に回覧板を回そうかと真剣に考えたほどだ。
 今日の午後出先から帰宅したとき、敷地内でその囀りの主が分かった。まるでメジロのように、ホオジロのように ――でも本物ではあり得ないとすぐ分かる―― 次から次へ囀り、信じられないことに、途中でホイホイホイと明らかにサンコウチョウの鳴き真似で合いの手を入れる。電線に留まって我を忘れてうっとりと鳴き続け、佳境に入ると感動のあまり自分で自分をもてあますのか、囀りながら空高く舞い上がり、それからあの独特の波状飛行をしてずっと向こうのお寺の屋根まで飛んで行き、それからまた此処へ戻ってきて続きを歌う、という事を繰り返していた。まちがいなく、ヒヨドリだった。けれど、今は梅雨が明けたばかりの真夏、これから所帯を持とうというのか、それともそんなことに問係なく(あのヒヨドリには自分以外の何ものも見えているようではなかったし)芸術的な研讃を積もうとしていたのか、こんなところ でサンコウチョウの声など聞こえるはずはないから、どこか遠い山の奥で彼の鳥と接近遭遇し た事があったのか。あれやこれや考えても、留鳥のヒヨドリとは考えられない。春の渡りが遅 れてしまって繁殖期がずれているのかもしれない。相手の確保は大丈夫だろうか。
 それにしてもあの美しい声が、けたたましく耳障りだとばかり思っていた、あのヒヨドリの声だったとは......。ああいう調子で渡りの途中のあちこちで、熱心にその地方の鳴禽(めいきん)の声を採 集し、また自分も自慢の歌声を披露し、などして帰ってきたのかも知れない。今日だって私が 気づかなかっただけで、近くに繁殖可能な雌が存在していたのかも知れない。ここ数日ずっと 囀っているから、その可能性は低いかも知れないけれど、ないわけではないだろう。

 私は残念ながら、サンコウチョウのさえずりは知らない。いつもお世話になっている【小鳥のさえずり】サイトで確認すると確かにヒヨドリのさえずりに似ているようだ。実のところ、私も同じ梅雨明け間近の4時半頃に、鳥のさえずりで眼を覚ましたことが多かったのだが、ヒヨドリのさえずりとは確信がもてなかった。それで、録音した mp3 のファイルを上のサイトの管理者である pika@Bird Songs in Japan さんに送って確認してもらった。少しして、次のような回答があった。
いただいた音声ファイル、聞いてみました。
ひよどりが、歌ってますね。
単調なリズムですが、ちゃんと音階があって、かわいいですね!
カラスも元気そうですが...。


 この本は単なる野鳥観察の本ではない。鳥の渡りを追いながら、生存することの意味を考えさせてくれる一冊である。明日からの探鳥ウォークで見るもの、聴くものへの思いが変わるかもしれない。

2010年3月25日

隠居の読書:「強欲社会主義」


強欲社会主義 中国・全球(グローバル)化の功罪 (小学館101新書)
遊川 和郎
小学館
売り上げランキング: 99924
おすすめ度の平均: 5.0
5 日本のメディアでは知り得ない最新の中国の実態を10年余の中国滞在経験と多くの情報パイプを持つ筆者がわかりやすく教えてくれる必読の本です。
5 日本式社会主義(官僚主義)の発展型?
5 「強欲経済」と「国家戦略」の境目
5 中国と付き合う上で必読の書
5 発評論

 このところ、Google の中国撤退が喧伝されている。この報道を聞いて、最近読んだ「強欲社会主義」(中国・全球化の功罪)遊川和郎著)を再度開いてみる気になった。
 この本によれば、中国のネット人口は3億3800万人(2009年6月現在)で、一昨年にアメリカを抜いて世界一になったそうだ。巨大市場である。Gogle は、この巨大市場から撤退するというのだから、よほど当局の情報管理に腹を据えかねたのだろう。ちょっと企業哲学が違うと思う Microsoft はそれをチャンスとみているようだが。
 中国でのネット利用は、チャットや掲示板が多いようであるが、個人ブログ開設者も多く、過去半年(2009年後半?)の間に更新した人は1億人を超えているらしい。ロングテールにいる人々の意見も、情報として取り込めるようになっているのだ。
 しかし、ここにも当然、情報統制が働いているようだ。2006年に開設された新興のブログサイト「牛博網(Bullog.cn)」には、リベラルなブロガーが名前を連ねていた。このサイトへのアクセスが2009年1月に不能になった。理由については、著者は以下のように記している。
 2009年1月、「牛博綱」へのアクセスが不能になった。同時期、91のウェブサイトが「猥褒」「低俗」といった理由で閉鎖されていたが、サイト主宰者の羅永浩は「牛博」 については政治的理由であることを示唆している。前年12月10日付で303名の知識人らが実名で政治体制の民主化や国民の人権状況改善を訴える「零八憲章」を発表していたが、サイト内に同憲章に署名した知識人のブログのあったことが「政治的に有害な情報を流布Lているとされた」とされたもの見られている。その後米国のサーバーに移して「牛博国際」として両スタートしたか、中国からのアクセスはできなくなっている。このような、政治的に問題視されるサイトが突然閉鎖、アクセス不能、といった現象は特に珍しいことではない。

 このように、ネットでの情報管理一つを見ても、政府の体制を崩すような報道は封鎖してしまうらしい。そのような報道管制のもとで育った中国の新人類「80后(バーリンフォー)」はネット世代でもあるが、愛国主義者が多いらしい。先ほどの Google 撤退ニュースにでてくるインタービューでも、当然といった反応が多かった。この「80后」や「鳥の巣世代」については、この著書に、いささか引用が長いが次のような記載がある。
 2008年の北京五輪を経て「80後」にはさらに「鳥の巣世代」「聖火世代」といった呼び方が加わった。「鳥の巣世代」とは、北京五輪のメイン会場「鳥の巣」からとった呼称で、四川大地震や北京五輪でのボランティア活動、また聖火リレーで見せた愛国的な団結がその特徴で、「80後」につきまとう「自己中心」「政治に無関心」といったイメージを変えたことで、異なる呼び方が与えられるようになった (「聖火世代」も同様)。
  「鳥の巣世代」は中国の貧しかった時代、政治に翻弄された時代を知らない。かつてのような西洋崇拝や卑屈なところがないどころか、自尊心が強く自分たちが下に見られたと感じると強烈に反発する。チベット騒乱に関する西側の報道と聖火リレーが海外で妨害を受けたことはこの世代を刺激した。国内では「反CNN」サイトが立ち上がり (開設者は清華大学卒業の23歳)、「歪曲、偏向報道が中国の名誉を汚している」と例証して訴えたところアクセスが殺到、またCNNキャスターは中国人を侮辱する発言をしたとして公式謝罪に追い込まれた。
   また海外では、聖火リレーを妨害行為から守ろうと留学生を中心に沿道に大量集結していた光景は記憶に新しい。中国国内ではさらに、フランスの小売り大手カルフールの不買運動の呼びかけがメールで広まった。「カルフールの大株主がダライ:フマ十四世に寄付をしている」といったデマが流布したためだが、それを信じた行動もさることながら、妨害に憤り、ネットは不買運動を「愛国的な行動」「支持する、称賛したい」とする意見一色となったところに、この世代の怖さもある。国際社会の善意に基づく意見も冷静に受け入れられず強く反発する。
「鳥の巣世代」は自分たちがこれまで生きた時代(改革開放)を肯定し、その政権である中国共産党を熱烈に支持する一群であり、文化大革命に熱狂した紅衛兵とある意味通底するところがある。1919年の五四運動的な愛国行動に酔いしれる若者の行動に西側諸国は、異質さやある種の不気味さを感じるのである。『中国青年報』の調査によれば、この世代を表わすキーワードとして「自信」が第一位になったという。良くも悪くも挫折を知らず、自分や国家に自信が溢れているのである。

 中国は100年遅れてやってきた大国であるといわれる。どうやら、日本の「坂の上の雲」時代と共通する部分が多いらしい。そのように、最近の中国の動きをみていると頷ける部分が多い。

 著者は中国が鉱物資源を獲得するためのアフリカへの進出行為を例にあげて、
 ここまでしつこく中国、中国人の外に向かう動きを見てきたが、その何が問題なのか、次のように整理できるだろう。一つは、資源獲得のように企業行動の形をとりながら背後に国家の影を感じる不気味さ。二つ目は逆に国が相手国へ援助しているはずであるが、現地の主役は中国企業で、その実体は経済活動にすぎないこと。三つ目に、外に向かった経済行為の凄まじさであり、実利のためには手段を選ばないことである。
---中略----
 さらに言い換えれば「実利のためにはなりふり構わない」というあけすけな行動様式のことである。本来、そうしたバイタリティは賞賛されるべきことも多く、それが経済成長を実現した大きな原因の一つであろう。しかしその貪欲さ、旺盛な行動力、生命力、あるいは独特のビジネス手法が国際社会や現地の秩序を撹乱し、各所で「和諧」(調和)が困難を生じていることに世界は困惑し、どう向き合えばよいのかを模索しているのである。移民といえば犯罪など治安悪化といった問題を連想するがそうではない。譬えて言うならば繁殖力の旺盛な新しい種が元からある生態系を破壊しているということだろうか。つまり中国が外に向かうことで地球全体の生態系を変えているのではないかということだ。
 私はこの記述を読みながら、琵琶湖の生態系を乱しつつある繁殖力の強いブルギルを思い出していた。日本の生態系が、強欲社会主義に乱されないようにしたいものだ。

 何となく理解していたと思っていた中国を、この著者は現実の動きの詳細や数字をあげて説明しており、彼らの行動の本質を理解する上で多いに参考になっている。

 余談だが、彼らがネットで利用するサービスのトップは、音楽(MP3)ということになっているが、私がLive365 に開設している Jazz 専門局 Radio Senboku  へ、people's republic of china の過去1ヶ月間での訪問は、たった一人で、約7分間チャネルを合わせていたようだ。アクセスがあるということは、体制にとって好ましくない音楽ということにはなってなさそうだ。ただ、Jazz のように退廃した文化には、彼らは興味はないのだろう。 

2010年2月 1日

隠居の読書:平岡正明の『ジャズ的』


ジャズ的
ジャズ的
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平岡 正明
毎日新聞社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 平岡氏のジャズ評論、最初の一冊に最適


 毎日新聞の書評で 「快楽亭ブラックの毒落語」という本を知って購入した。この本についてはどこかの機会で紹介したいと思うが、本の著者は平岡正明である。
ネットでサーチしてみると、著者は、私と同年の生まれである。だが、ブントの一員だったり、犯罪者同盟というアナーキズムの政治結社に参画していた彼が昨年7月に亡くなるまでは、私のような平凡でノンポリの人生とは全く別世界で生きた人物である。
 ジャズに関する著書もいろいろとある。興味を引かれて、Amazon で購入したのがこの一冊である。中古本である。

 この本は下のテーブルのような 14 章の構成になっていて、それぞれの TPO でジャズを聴いたときの感想文というか日記的随筆になっている。
 TPO の Place はほとんど Jazz 喫茶であるが、警察に追われて隠れ家で聴いたときのもあるが、Live で聴いたものはない。
 TPO の Time は、1960-70 年代であり、60年安保闘争に続く年代である。随所に左翼的活動に関する話が出てくる。
 TPO の Ocasion は、アナーキストとの会合なども出てくるが、Jazz 喫茶のマスターや、ジャズ評論家・司会者の相倉久人らとの付き合いの話も出てくる。

 彼の人生の中では Jazz は、特に チャーリー・パーカー以降の bop 系の Jazz は、自由奔放に生きることへのテーマ音楽だったのかもしれない。そう言えば、社会通念に縛られるのが嫌いな人物は、平均律で縛られたクラシックではなく、Jazz が好きな人間が多いと思うのは穿ちすぎだろうか。

 Radio Senboku の次の Playlist は、この本に出てくる曲とアーティストを特集しようかなと思っている。平岡正明が随筆で描いた TPO とは全く別次元での TPO で聴くことになるのだが。

『ジャズ的』にでてくる曲
章のタイトルアーティストアルバム or 曲名
梅雨明けのジゴロ Thelonious Monk Just a Gigolo
レディ・イン・サテン
ーービリー・ホリディにおける「バカ」の考察
Billy Holiday Lady in Satin
ジョニー・ホッジスの「白昼夢」 Johnny Hodges Day Dream
ハリー・カーネイ的出師の表 Harry Carney Rare Dates Without The Duke
『JATPイン東京』の一断面 J.A.T.P. In Tokyo Live At The Nichigeki Theatre 1953
試聴盤 Bill Harris Bill Harris And Friends
「アンフォーゲッタブル」、オスカーピーターソンの歌で Oscar Peterson Unforgettable
ディキシー曲「世界は日の出を待っている」からチュー・ベリー「陽の当たる道で」 Leon Chu Berry On The Sunny Side Of The Street
「スターダスト」三題 Ben Webster, Colman Hawkins & Chu Berry Stardust
L瓶砲兵隊『オーバーシーズ』 Tommy Flanagan Overseas
「エンブレイサブル・ユー」三題
パーカー、マクリーン&オーネット
Charlie Parker, Jackie McLean & Ornette Coleman Embraceable You
マイルス・デヴィス「スケッチス・オブ・スペイン」 Miles Davis Sketches Of Spain
ロイ・エルドリッジに関するおたずね者感覚を求めて Roy Eldridge Little Jazz
オーネット・コールマン『チャパカ組曲』 Ornette Coleman Chappaqua Suite


快楽亭ブラックの毒落語
快楽亭ブラックの毒落語
平岡 正明
彩流社
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2009年6月13日

隠居の読書:世界文学「食」紀行

世界文学「食」紀行 (講談社文芸文庫)
篠田 一士
講談社
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 もうだいぶ前になるが、毎日新聞の書評欄に、篠田一士さんという文学者が書いた『世界文学「食」紀行』という本が紹介されていた。この本は世界文学に出てくる「食」に関する文章をもとに、巨漢・食漢である著者が、一題ごとを文庫見開き二頁分にまとめている。

 内容が面白いのと少しの時間があればちょっとずつ読むことができるので文庫本にしては少し高いが楽しんだ。
 もともと Masajii さんのように読書家ではないので、引用されている文学作品は数えるほどしか読んだことはない。

 本の目次は次のようになっている。
  1.  舌代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まえがきみたいなもの
  2.  Ⅰ 食卓につく前に・・・・・・・・・・参照 10 文学作品
  3.  Ⅱ ご馳走のメニュー・・・・・・・・参照 23 文学作品
  4.  Ⅲ お酒は吟味して・・・・・・・・・参照 12 文学作品
  5.  Ⅳ まず前菜から・・・・・・・・・・・参照 13 文学作品
  6.  Ⅴ スープいろいろ・・・・・・・・・・参照 8 文学作品
  7.  Ⅵ 海の魚・川の魚・・・・・・・・・・参照 24 文学作品
  8.  Ⅶ 肉料理から架空料理まで・・参照 26 文学作品
  9.  Ⅷ デザートの一品・・・・・・・・・・参照 24 文学作品
  10. 解説


  11.  篠田さんという人は、ものすごい読書家で通っているらしい。世界の文学作品を、多くは原語で読んでおられるらしい。そうだろうと思う。 丸谷才一という作家が解説に書いているのを読むと、篠田一士は「文学と食事」が二大嗜好だったらしいから、食に関する叙述の部分については、よく記憶していたにちがいないと思う。

      Ⅱ ご馳走のメニューに、「大政奉還の祝宴」という一項がある。「夜明け前」は少し前に読んだところだ。妙に記憶に残っている部分だ。酒の肴には弱い。
     少し、引用してみると、次のような叙述になっている。

     ところで、この小説には、しばしば食べ物の話、あるいは酒食の情景がでてくる。おおむねは山国の食べ物だから、豪華な御馳走には縁遠いけれども、作者の筆づかいのみごとさには、思わずのどを鳴らさせるものがあって、謹直な藤村も案外とデリケートな味覚の持ち主でではなかったかと、あらためて感心する。
     『夜明け前』の第一部の終わりに、主人公の半蔵と同志の香蔵たちが、馬籠と中津川の国境の峠の茶屋で落ち合い、京都からの情報で、大政奉還という新しい事件を知り、念願の王政復古がようやく実現しょうとしていることに胸をときめかしながら、祝いの酒食をともにするくだりがある。

     やがて、亭主が炉にかけた鍋からは、甘さうに煮える串魚のにほひもして来た。半歳等が温めて貰った酒もそこへ来た。時刻にはまだすこし早い頃から、新茶屋の炉ばたでは嘗め味噌ぐらゐを酒のさかなに、盃の遣取りが始まった。
     『旦那』と亭主はそこへ顔を出して、『この辺をよく通る旅の商人が塩烏賊をかついで来て、吾家へもすこし置いて行った。あれはどうだなし。』
    『や、そいつはありがたいぞ。』と半歳は好物の名を聞きつけたやうに。
    『塩烏賊のおろしあへと来ては、こたへられない。酒の肴に何よりだ。』と香蔵も調子を合せる。
    『今に豆腐の汁も出来ます。ゆつくり召上って下さい。』とまた亭主が言ふ


     もうひとつ引用したい。Ⅵ 海の魚・川の魚の一遍である。『秋刀魚の歌』の一部は秋になるとよく聞くフレーズだが、このように解釈して読めば面白い。
    秋刀魚(さんま)----------------------------------佐藤春夫『秋刀魚の歌』

     近代文学のなかに唱われた、最もポピュラーな魚がさんまだと言ったら、けげんな思いをする向きもあるかもしれないが、佐藤春夫(1892~1964)の詩篇『秋刀魚の歌』を挙げれば、大方の納得をえるだろう。

      あはれ
      秋風よ
      情あらば伝へてよ
      --男ありて
      今日の夕餉に ひとり
      さんまを食らひて
      思ひにふける と。

      さんま、さんま、
      そが上に青き蜜柑の酸()をしたたらせて
      さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
      そのならひをあやしみなつかしみて 女は
      いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
      あはれ、人に棄てられんとする人妻と
      妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
      愛うすき父を有()ちし女の児は
      小さき箸をあやつりなやみつつ
      父ならぬ男にさんまの腸(はら)をくれむと言ふにあらずや。


     不幸な運命を、それぞれ背負った三人の男女と、ひとによっては下魚と卑しめるさんまの鄙びた味わいが絶妙にからみ合って、一世一代の名篇を成したのがこの作品である。そこに詩人の私生活における劇的な事件が、どのように投影しているかなどといった事柄を詮索するのは、無意味とはいわないが、作品を味わううえでは、あまり益があるとも思えない。最も有名な最後の連はこうである。

      さんま、さんま
      さんま苦(にが)いか塩つばいか
      そが上に熱き涙をしたたらせて
      さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
      あはれ
      げにそは問はまほしくをかし。


     この秋刀魚の歌の解釈は分かったようでよく分からない。とくに最後の一行は難解だ。ネットサーチすると Goo! に Q&A があった。Web2.0 の世界になって、分からないことはなんでもすぐに調べられるが、読書の世界はなくならないだろう。かえって、興味ある世界が広がって読書の時間が増えているかもしれない。
     今回も「食」に関して紹介されている本を何冊か読みたくなっている。