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2022年8月12日

岐阜公園と名和昆虫博物館 7月8日

岐阜駅前のホテルにもどり、ゆっくり朝食をした。この日は朝10時に名古屋在住の親友がホテルまで迎えに来てくれる。チェックアウトをして、少し早めにホテルを出ると、すでに到着し、待ってくれていた。
 まずは名和昆虫博物館がある岐阜公園を目指す。15分くらい走って、岐阜公園の駐車場に入った。「若き日の織田信長像」と題された織田信長の銅像がある正門から岐阜公園に入った。まだ、人影は少ない。ゆっくりと緑に浸りながら、公園内を歩く。
 岐阜公園のいちばん南側の奥に「名和昆虫博物館」はあった。この日は金曜日、博物館は火、水、木曜日が休館日であったが、事前にこれを知り、ほっとしていた。入館料ひとり600円を支払って館内に入る。1階と2階が展示室になっていて、それほど広くはない。専門家だけではなく、一般の人や、子供たちにも理解でき、楽しませるような展示になっていた。受付では、標本も販売されている。記念にキナバルオナガタイマイ(ボルネオ)1頭を購入した。岐阜公園茶室、立礼茶席「華松軒」において抹茶と和菓子で一休みした。落ち着く。
 駐車場へ戻る道筋でゴマダラチョウを撮って、明治村へ移動する前に、昼食の話になった。友人から長良川沿いのやなであゆを食べないかと提案があり、賛成する。甘露煮、お造り,南蛮漬、塩焼き、みそ煮,フライ.と次々と出てきて全部で10尾ほど食べたのではなかろうか。特に新鮮な鮎の塩焼きの味は最高だった。骨抜きも上手くできた。

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名和昆虫博物館入口 2022年7月8日 岐阜市大宮町(岐阜公園内)

011_220708058 X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 11.「天下布武」印
岐阜公園を名和昆虫博物館を目ざして南へ進む。石囲いに腰かけて、女性がひとりスマホを使っていた。貨幣を形どったような造作がある。何だろうと思ったが、すぐそばに答えがあった。これは、織田信長の「天下布武」印と花押(いわばサイン)の石碑であった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 21mm ISO 110 ) 露出補正 なし
012_220708057 X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 12.「天下布武」印の説明書き
織田信長は、永禄8年(1565年)9月頃から文書に麟(りん)の字をかたどった花押を使用するようになり、永禄10年(1567年)9月に岐阜に居城を移し、同年11月、「天下布武」印を使い始めたことが分かっているそうだ。この「天下布武」印によって、この文書が信長の意志によって作成され、それを伝えるものであることが示されている。「天下布武」という文面は、武力によって天下に号令するとの意志を示している。この翌年、信長は足利義昭を奉じて京都に進出するが、この印章の使用は、すでに岐阜を手に入れた段階で、天下を治める構想を練っていたことを示しているのだろうと目されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO 450 ) 露出補正 なし
013_220708062 X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 13.「信長の庭」
岐阜市のホームページでは、「天下統一を夢見た、岐阜ゆかりの武将 織田信長公 が駆け抜けた戦国時代の荒々しさをイメージした庭園です。永年にわたって岐阜公園を見つめてきた巨木を取り込み、長良川流域の巨大な石(約1,000t)を使った石庭として、当時の石組みの技法を用いて「剛」「静」「雅」の3つの滝と池からなり、近隣にはない規模の日本庭園です。また、当時の井戸を出土した場所に再現し、岐阜城下をイメージした「信長の町」やせせらぎ水路など、信長が居城していた時代を思い巡らしながら、四季折々の風景美と調和した素晴らしい眺めを楽しんでいただけます。」と紹介されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.8 1/500秒 54mm ISO 6400 ) 露出補正 なし
014_220708065 X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 14.冠木門
「信長の庭」の池が終わるところの左側(東側)に信長の居城跡が保存整備されているが、その居館跡の入り口には冠木門が設置され、館が建てられていた頃の雰囲気をしのばせている。ここより上の段には巨石列で区画された城主の居館があった。この冠木門は市内のロータリークラブから寄贈されたものであるが、当時の入り口はもう少し南側だったようだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 20mm ISO 640 ) 露出補正 なし
015_220708069m X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 15.三重塔 -1
信長の居館跡辺りから三重塔が良く見えた。大正天皇御大典記念事業として大正6年(1917年)に、かっての長良橋の材木で建築された登録有形文化財だそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.8 1/500秒 45mm ISO 360 ) 露出補正 なし
016_220708079 X800 〇岐阜公園 Z50 18-140.jpg 16.三重塔 -2
日本画の巨匠として知られる川合玉堂が位置を定めたと言われている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 92mm ISO 280 ) 露出補正 なし
017_220708088 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 17.名和昆虫博物館 看板
岐阜公園を南へ進んでいくと名和昆虫博物館の看板が見えてきた。パンフレットによると、名和昆虫博物館は大正8年(1919年)10月26日に財団法人名和昆虫研究所の付属施設として、開館したという。当初は主に農作物害虫やシロアリなど家屋の害虫駆除のための啓蒙普及の場として先駆的な役割を果たした。時代とともに公共の害虫研究機関が発達するにあたり、その使命を自然教育の一環としての昆虫啓蒙普及に活動してきた。昆虫専門の博物館でしかも、全くの個人が設立し5代にわたって、今なお活動し続けている点で、他に類を見ないユニークな博物館と言える「日本で最も長い歴史を誇る昆虫専門の博物館」である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 22mm ISO 110 ) 露出補正 なし
018_220708087 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 18.名和昆虫研究所記念昆虫館 (標本収蔵庫)
博物館の手前に、明治40年(1907年)6月に竣工した名和昆虫研究所記念昆虫館が見えた。この建物は標本収蔵庫として建てられた。昆虫博物館とともに近代日本を代表する建築家 武田五一氏の設計によるもので、歴史的にも価値がある。博物館は登録有形文化財、記念館のほうは岐阜市重要文化財に指定されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 32mm ISO 110 ) 露出補正 なし
019_220708089 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 19.名和昆虫研究所記念昆虫館の側面
なお、名和昆虫研究所は明治29年(1896年)に、農作物や家屋の害虫の研究を主な目的として、名和靖 が独力で設立した。現在は一般財団法人組織なっている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 22mm ISO 400 ) 露出補正 なし
020_220708090 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 20.名和昆虫博物館 受付
歴史的な建物である博物館の入り口を入り、呼び鈴を押した。係の方が後ろの事務所から出て来られ、入館料をお支払いする。展示されている標本やパネルを撮影してよいかと尋ねたところOKとのこと。これは、ここで販売されている標本の写真である。標本製作は確かな技術を持った、当博物館の2名の経験豊かな職員の方がおこなっているとのこと。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 26mm ISO 3200 ) 露出補正 なし
021_220708102 X800 〇岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 21.ルードルフィア・ラインについてのパネル
名和昆虫研究所の創設者である名和靖氏は、研究所設立前の1883年(明治16年)に岐阜県郡上郡祖師野村(現在の下呂市金山町祖師野)で、のちに「ギフチョウ」と命名されるチョウを発見した。日本にはルードルフィア属として、ギフチョウとヒメギフチョウの2種が生息し、大まかに西にギフチョウ、東にヒメギフチョウと明確に棲み分けをしており、基本的にこの2種が同時に見られる事はない。両者はごく一部の混生地(山形の最上川流域や新潟県の糸魚川~長野県白馬村など)を除いて見事に棲み分けていて、その境界線をルードルフィア・ラインという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 24mm ISO 2800 ) 露出補正 なし
022_220708103 X800 〇岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 22.ギフチョウに近い仲間
さすが、ギフチョウに関連する展示が多数あった。これは中国などに棲むシボリアゲハの仲間である。2011年8月中旬に、日本の調査隊6人が、ブータン政府の調査団とともに渓谷奥地の秘境で、78年ぶりにブータンシボリアゲハを確認した。このことはテレビでも詳しく報道された。来日したブータン国王夫妻が、日本の協力へのお礼としてブータンシボリアゲハ2頭を寄贈されたことが話題となった。ブータンシボリアゲハは「ヒマラヤの貴婦人」と呼ばれる幻の大蝶として知られている。ブータンシボリアゲハのほか、この仲間には、シボリアゲハ、シナシボリアゲハ、ウンナンシボリアゲハの3種が知られている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.2 1/500秒 36mm ISO 3200 ) 露出補正 なし
023_220708126 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 23.2階展示室
1階の展示室は、外国のカブトムシやクワガタの展示も多かった。そして、2階の展示室に上がる。華麗なチョウを集めた世界の美チョウ・コーナーが目を引く。自然教育の一環としての昆虫啓蒙普及を目的としてか「クイズで遊ぼう、学ぼう、不思議な昆虫の世界」と題した実物昆虫標本によるクイズ形式の展示が多くあった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 24mm ISO 3200 ) 露出補正 なし
024_220708131 X800 岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 24.モルフォ
世界の美チョウがグループ分けして展示されている。これは南米に生息するモルフォチョウの仲間で、中央の4頭はヘレナモルフォ、その周りを、レテノールモルフォなどが取り囲む。このグループは日本には生息していない。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.8 1/500秒 54mm ISO 4000 ) 露出補正 なし
025_220708149 X800 〇岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 25.各地のツマベニチョウの仲間
東南アジアに多く生息するが、日本にも沖縄県、鹿児島県に1種のツマベニチョウがいる。シロチョウ科最大のチョウで見栄えが良い。少年時代には憧れたチョウである。多摩動物園や足立区生物園の温室には飼育されたツマベニチョウが翔んでいる。私は那覇の公園でハイビスカスにきたツマベニチョウの写真を一度だけ撮影したことがある。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4 1/500秒 29mm ISO 4000 ) 露出補正 なし
026_220708142 X800 〇岐阜公園 名和昆虫博物館 Z50 18-140.jpg 26.世界の美チョウ ギフチョウはどれ?
クイズ形式の標本展示である。東南アジアに棲むトリバネアゲハの仲間、中央アメリカ・南アメリカに住むミイロタテハの仲間、モルフォチョウの仲間を世界の3大美チョウという。この標本箱の中には、それ以外の美しい蝶も収められている。ギフチョウも入っている。博物館にお展示されているすべての標本を丁寧に見ることはできなかったし、写真に撮ることもできなかった。後日、このブログのため、ネット検索したところ、ほぼ完ぺきに名和昆虫博物館の展示について網羅されている Life Designs というサイトがヒットした。ヒナバルオナガタウマイ(ボルネオ)という蝶の標本を記念に購入した。見事な展翅である。外に出ると、先生に引率された幼稚園の子供たちだろうか、見学に来ていた。(トップの写真)

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 22mm ISO 3200 ) 露出補正 なし
027_220708170 X800 岐阜公園 華松軒 Z50 18-140.jpg 27.抹茶カフェ -1
名和昆虫博物館を退出し、駐車場へと歩き始めると右手に 立札茶房「華松軒」というところがあった。気温も上がってきて喉が渇いていた。和菓子で抹茶を楽しもうということになった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 48mm ISO 100 ) 露出補正 なし
028_220708165 X800 岐阜公園 華松軒 Z50 18-140.jpg 28.抹茶カフェ -2
落ち着いた気分になる。岐阜市政100周年を記念して昭和63年(1988年)に開室した茶室「華松軒」の立礼茶席で、80歳の男2人で和菓子と冷たい抹茶で涼をとる。抹茶は滅多にいただくことはないが、立ち寄ってよかった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.2 1/500秒 36mm ISO 400 ) 露出補正 なし
029_220708173tm X800 岐阜公園 岐阜城 Z50 18-140.jpg 29.岐阜城
茶室「華松軒」を出て、振り返ると岐阜城が見えた。岐阜城は鎌倉時代に二階堂氏が築城した山城である。斎藤道三の居城の時は稲葉山城と呼ばれ、信長が天下統一の足掛かりとした居城としても有名である。現在の城は昭和31年に再築された。標高329mの金華山山上に建ち、最上階からは、眼下に鵜飼で有名な清流長良川が市内を貫流し、東には恵那山、木曽御岳山が雄大な姿を見せ、北には乗鞍、日本アルプスが連なっている。また西には伊吹、養老、鈴鹿の山系が連なり、南には濃尾の大平野が豊かに開け、木曽の流れが悠然と伊勢湾に注いでいるさまを一望におさめることができるという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/2500秒 140mm ISO 100 ) 露出補正 なし
030_220708071 X800 岐阜公園 Z50 18-140.jpg 30.三重塔と「ぎふ金華山ロープウェイ」
1955年(昭和30年)に「信長の庭」の傍から金華山山上へ上がるロープウェイが、開通している。天気も良いので上に上がって、信長の気分になってみたかったが、ロープウェイの山上駅から城まで徒歩8分あるという。時間が足りないので、今回は割愛する。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.8 1/500秒 45mm ISO 200 ) 露出補正 なし
031_220708178 X800 〇岐阜公園 エノキ Z50 18-140.jpg 31.ゴマダラチョウ -1
左側をせせらぎが流れる。そこで何かが翔んだ。近寄ってみるとゴマダラチョウだった。最近、ゴマダラチョウの写真を撮っていない。これはこれで嬉しい。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO 2000 ) 露出補正 なし
032_220708192 X800 ◎岐阜公園 エノキ Z50 18-140.jpg 32.ゴマダラチョウ -2
お腹が大きい。雌のようだ。止まっている葉もエノキのようである。NIKKOR Z DX 18-140mm というレンズは扱いやすい。チョウを撮るときも、チョウから40cmくらいに近づくことが出来る。だが、いかんせん暗い。105mm macro f2,8 が欲しくなる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO 280 ) 露出補正 なし


2017年6月24日

上野公園(2) 国立科学博物館常設展 5月30日

国立科学博物館の1階で開催されていた大英自然史博物館展の見学を終え、そのまま、国立科学博物館の常設展を見ることにした。常設展は地球館と日本館に分かれている。
 Canon PowerShot G7X のISO感度設定が誤操作、というより無意識にISO12800になってしまっていたのを、元に戻す。
 地球館の1階から見学する。こちらは大英自然史博物館展と見学者層が異なり、修学旅行の生徒さんたちが多い。恐竜が人気だ。地球館の2階、3階を見て、B2階へ下り、B1階へと上がった。
 一旦、中庭に出て、一休みしたあと、日本館へ入った。日本館へは階段を下りて地下1階から入る。この日本館は旧東京科学博物館本館で昭和6年(1931年)に完成したネオ・ルネッサンス調の重厚な建物である。
  12時少し前に見学を終え、外に出て、シロナガスクジラ実物大の模型、実物のD51をみて、隣の国立西洋美術館へ移動した。
  記述は同博物館のホームページ及び展示の解説を参考にさせていただき、一部記述では引用させていただいた。

23.トキ
地球館のテーマは「地球生命史と人類」、そしてその1階は「地球史ナビゲーター」というテーマ。地球館の展示全体を繋げるシンボルゾーンとなっている。入り口ではトキが迎えてくれた。日本では1981年、当時野生に残されていた5羽を捕獲し、先に捕獲されていた1羽と合わせた6羽で飼育、人工繁殖が試みられた。しかしいずれも成功しないまま、2003年最後の1羽の死亡と共に、国産のトキは絶滅した。日本産トキが最後の1羽となり、高齢のため繁殖も絶望視されていた1999年、中国産のトキ2羽が日本に贈呈された。中国のトキは日本のトキと全く同じ種類(2004年、環境省による遺伝子検査で確認)だそうだ。この2羽を人工繁殖させ、その子を更に中国の個体とペアリングさせて数を増やすことで、国内でのトキの個体数増加、将来的な野生復帰が目指されることになった。同年、初のヒナが誕生、その後も順調に続いた個体数の増加は報道などでも繰り返し取り上げられているとおりだ。平成26年の繁殖期、平成24年に野生下で生まれたヒナを親鳥とするヒナが誕生した。放鳥トキからかぞえて初めての孫の世代となるトキの誕生となる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8​​​​ 1/​3​0秒 9mm ISO125 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
24.地球の多様な生き物たち
1階のテーマは「地球史ナビゲータ」「地球の多様な生き物たち」だった。写真はキリンやマッコウクジラの骨格だ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8​​​​ 1/​3​0秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
25.チョウの標本
チョウはどんな標本が展示されているのか興味があったが、最初に見た標本がこれだった。メガネトリバネアゲハ♂の多様な亜種、ゴライアストリバネアゲハの雌雄、レテノールモルフォやエガモルフォといったモルフォチョウ、クラウディアアグリアスなどのミイロタテハ、さらに、パルナシウス、シボリアゲハ、オオルリオビアゲハといった一度は飛んでいるところを見てみたいチョウの標本があった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.5​​​​ 1/​5​0秒 27mm ISO125 ) 露出補正 なし
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26.科学と技術の歩み
2階へ上がった。ここは「科学と技術の歩み」というテーマだった。ゼロ戦が展示されていた。ラバウル海軍第253航空隊に所属し、昭和20年(1945年)に墜落したが、昭和47年(1972年)にラバウル沖北西約110kmの海中で発見、引き上げられた機体だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​3​0秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
27.オートモ号
展示されていた国産自動車の先駆けとなったオートモ号は、排気量943ccの1925年製。オートモ号は白楊社で、1924年から4年間で約300台が生産され販売された。しかし、当時日本に工場を建設してノックダウン生産を開始したフォードやシボレーには価格面でも性能面でも歯が立たなかったようで、1927年に白楊社は解散した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​3​0秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
28.大地を駆ける生命
3階に上がった。「大地を駆ける生命」というゾーンでは、哺乳類の剥製や鳥の剥製が迎えてくれた。この展示方法は素晴らしい。国立科学博物館地球館には、現在3頭のジャイアントパンダの剥製が展示されている。ここ3階の「大地を駆ける生命」コーナーにいるのがフェイフェイとトントンの父娘、1階の「栄養を求めて」のコーナーにいるのが母親のホアンホアンだそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​3​0秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
29.鳥の剥製
同じく3階は「大地を駆ける生命」に展示されている鳥の剥製。オオタカやトキなど多様な鳥の剥製が展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​6​0秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
30.日本最大級のアンモナイト
​B1階へ下りた。入ってすぐのところにあった、50cm以上あるかと思えるアンモナイト化石の展示には、パキデスモセラス・​パキディスコイデ 白亜紀後期(約9000万年前)北海道三笠市 という​ラベル​が置かれていた。大きい。北海道は白亜紀アンモナイトの世界的な産地の一つだそうだ。浦河から夕張・幌加内を経て宗谷岬にいたる北海道中央部と、釧路から根室にいたる北海道東部からアンモナイトが多産しているという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO320 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
31.「地球環境の変動と生物の進化」
恐竜たちが迎えてくれた。現代の爬虫類と鳥類は全く異なる生き物だが、恐竜の研究を通してその進化の連続性が次々と明らかになってきた。恐竜の起源、大型化、多様性、絶滅の謎は尽きないという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​30秒 14mm ISO800 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
32.ヒトの骨格
B2階へ下りる。「地球環境の変動と生物の進化」の続きだ。約40億年前に誕生した生命は、大きく変動する地球環境の中で誕生と絶滅を繰り返して進化を遂げてきた。恐竜の絶滅後に大発展した哺乳類の中から人類が生まれ、世界中に広がった。その進化の道のりがたどられている。これはヒトの骨格。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​3.2 1/​50秒 16mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
33.オランウータン
人の骨格のレプリカの上のケースにオランウータンの骨格レプリカがあった。そのオランウータンの足を人が掴んでいる。人間の学名がホモ・サピエンス・サピエンスで、知恵ある人という意味だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.5 1/​50秒 16mm ISO250 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
34.ティラノザウルス
wikipediaによれば、ティラノザウルスは、​​現在知られている限りで史上最大級の肉食恐竜の一つに数えられ、地上に存在した最大級の肉食獣でもある。恐竜時代の最末期を生物種として約300万年間生態系の頂点に君臨するが、白亜紀末の大量絶滅によって最期を迎えている、​とあった。​​​​​​

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO400 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
35.淡水魚化石
地球館のエスカレーター・ホールに淡水魚の化石が展示されていた。展示の説明に「始新世前期(約5000万年前)のワイオミング州南西部には大きな湖が存在し、そこには堆積した地層であるグリーン・リバー層からは多様な昆虫や魚、カエル、トカゲ、ワニ、カメ、鳥、植物などの化石が大量に発見されている。ここに展示されている岩板はこの地層の一部を切り取ったもので一面に魚の化石が観察される。このほとんどの魚はニシン科のナイティアだが、エリミュクテュス科のディプロミストゥスの小さな幼魚も混じっている。また、一番大きな二つの個体はスズキなどに近縁で小動物を食べるベルカ科のミオプロススである。始新世にはいろいろな魚が海生から淡水生へと適応していったことが知られているが、ここに展示された魚化石もその例のひとつである。」とあった。美術品のような美しさを感じた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2 1/​30秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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36.中庭
地球館の常設展を見て、一旦、日本館の中庭に出た。天気が良かった。バラの花壇のもうけられていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/​800秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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37.常設展ミュージアム・ショップ
最後に日本館を見ようと建物に入る。地下1階から入場すると、まず、ミュージアム・ショップがあった。ここは修学旅行の生徒さんたちが多かった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​100秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
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38.日本館の企画展
1階。季節ごとにいろいろな企画展が開催される。4/4~6/11まで「卵からはじまる形づくり」という企画展が開催されていた。見学はスキップした。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​100秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
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39.日本館の建物
日本館では展示もさることながら、その建物に魅了された。建物の中央に造られた階段を2階へ上がったが、3階まで吹き抜けになっていて、重厚に造られていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​100秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
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40.階段手摺の装飾
階段の手すりにはアールデコ調の装飾がされている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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41.階段踊り場の窓
階段の踊り場には窓が2つあって、ステンドグラスが入れられている。天井にも大きな半円形のステンドグラスがあり、東京冒険紀行というサイトでは、「これらのステンドグラスは原画・伊東忠太、神秘的色彩に置き換えたのがステンドグラス作家・小川三知のスタジオ。大正時代の大物芸術家のコラボレーションは博物館の象徴の一つとなっている。」とあった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​30秒 9mm ISO125 )露出補正 なし
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42.「生き物たちの日本列島」
2階の展示室にに入るとニワトリの剥製があった。ニワトリは約5000年前ごろにインドシナ半島でセキショクヤケイを家畜化して始まり、食用や闘鶏用、観賞用として様々な品種が作られてきた。日本には古くからの地鶏に加えて、平安時代にショウコクが、江戸時代にはシャモや、チャボなどが入った。これらの改良や交配が日本各地で行われ、今日見られる様々な日本鶏が作られたと説明されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO160 ) 露出補正 なし
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43.南極犬ジロと秋田犬ハチ
タロ(1955年(昭和30年)10月-1970年(昭和45年)8月11日)とジロ(1955年(昭和30年)10月-1960年(昭和35年)7月9日)は日本による初期の南極地域観測隊に同行した樺太犬の兄弟である。南極に取り残されながら共に生存し、1年後に救出されたことで有名になる(wikipedia)。上がジロである。ジロは発見された後、基地に残ったまま1960年に5歳の若さで病死したそうだ。タロのほうは日本へ帰国して、札幌市の北海道大学植物園に引き取られ、9年間の穏やかな余生を過ごしたまま天寿を全うしましたという。現在、タロの剥製は北海道大学植物園にある。下の白い秋田犬は白いのが「ハチ」(忠犬ハチ公)だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.5 1/​60秒 19mm ISO800 ) 露出補正 なし
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44.オナガキジとカラヤマドリ
オナガキジはライチョウやキジの仲間で、中国北部~中部に生息、カラヤマドリは中国南東部に生息している。ともに、開発による生息地の破壊、羽毛目的の乱獲などにより生息数は減少しているという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.8 1/​60秒 24mm ISO800 ) 露出補正 なし
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45.日本産チョウの標本
2階.、日本のチョウは環境別に展示されていた。これはナガサキアゲハ、ミカドアゲハなど南方系のチョウだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​40秒 13mm ISO320 ) 露出補正 なし
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46.里山の生き物たち
昼間活動する昆虫として、オオムラサキや舞岡公園でも見られるアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミが紹介されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO160 ) 露出補正 なし
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47.冷温帯のチョウ
冷温帯ではブナやミズナラに代表される落葉広葉樹が主体である。そこで生息するチョウとして、ムモンアカシジミなど、ゼフィルス14種が紹介されていた。標本は雌雄あるいは表裏の各2体。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.8 1/​60秒 20mm ISO250 ) 露出補正 なし
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48.亜寒帯のチョウ
亜寒帯のチョウとして、ヒメウスガシロチョウ、エゾヒメギフチョウ、キベリタテハ、クジャクチョウ、そして、オオイチモンジが、展示されていた。ヒメギフチョウは本州では東北地方や中部地方の山地に生息するが、北海道のものは別亜種でエゾヒメギフチョウと呼ばれる。私も旭川郊外で、エゾノリュウキンカやカタクリで吸蜜しているエゾヒメギフチョウを撮影したことがあった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.8 1/​60秒 22mm ISO125 ) 露出補正 なし
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49.日本各地のオオムラサキ
国蝶であるオオムラサキの北海道産、本州中部産、四国産、九州産の雌雄、裏面の標本があった。もうすぐオオムラサキが飛ぶシーズンになる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.8 1/​80秒 25mm ISO400 ) 露出補正 なし
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50.アンモナイト 川下由太郎コレクション
川下由太郎氏(1839年~2000年)が30年間以上にわたって採集された北海道産アンモナイトを中心にしたコレクションである。左側はパキデスモセラス、中央がユウパキディスカス、そして右側に川下氏愛用のハンマーが展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​3.2 1/​30秒 11mm ISO400 ) 露出補正 なし
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51.3階 「日本列島の生い立ち」フタバスズキリュウ
環太平洋地域でも有数の、良好な首長竜、フタバスズキリュウの化石が展示されていた。ほぼ1体分の化石が仰向けになった状態で発見されたが、化石が発見されたときには川の流れによって、尾と後頭部などが浸食されて失われていた。また、長い首が付け根付近で切断され、首の大部分も浸食などによって失われたのではないかと考えられている。復元された全身骨格も展示されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​1.8 1/​30秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
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52.日本館 旧東京科学博物館本館
日本館の見学を終え、1階に下りて、改めての本館の重厚な建物の吹き抜けになった階段を見上げた。説明板があり、「日本館の建物は、関東大震災による震災復旧を目的として昭和6年(1931年)に竣工した。ネオ・ルネサンス調の建物は、文部省大臣官房建築家の設計による。鉄筋コンクリートで建設されるなど耐震・耐火構造にも注意が払われた。中央ホール上部などに使われているステンドグラスは小川三知(おがわ さんち)のアトリエ製作で、日本のステンドグラス作品の中でも傑作といえる。また、建物の内外に使われている装飾性の高い飾りなども、戦後の建物にはなく、この建物のみどころである。上から見ると、そのころの最先端の科学技術の象徴だった飛行機の形をしている。平成20年(2008年)に、国の重要文化財に指定された。」とあった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​2.2 1/​30秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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53.日本館 旧東京科学博物館本館 外観
現在もこの建物が国立科学博物館を象徴する建物であると思う。2004年11月に新館(現地球館)がグランド・オープンして、本館(現日本館)の改修工事を始める。2006年12月に新館は「地球館」に、本館は「日本館」に改称された。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/1000秒 11mm ISO125 ) 露出補正 なし
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54.シロナガスクジラ
日本館の出口を出ると、巨大なシロナガスクジラの模型があった。外国人観光客が記念写真を撮っている。シロナガスクジラは、現在地球上に生息する最大の動物である。20世紀初めには南極海だけで20万頭以上生息していたそうだが、1966年に捕獲が完全に禁止されるまでに激減してしまった。今では全世界で1万頭程度と言われ、国際条約で厳しく保護されている。この実物大の模型は体長30m、体重約150tのメスの大人のシロナガスクジラが海面での深呼吸を終えて、休息に深く潜ろうとしているところだと説明されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/640秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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55.D51231
このデゴイチがここに展示されるようになって長い。このD51231は、昭和14年(1939年)7月に日本国有鉄道長野工場で製造され、東海道本線、山陰本線、その他で活躍し、昭和50年(1975年)12月15日、北海道追分機関区で休車するまで、約216万km(地球を約54周)走ったそうだ。1976年8月に国立科学博物館に据えられ、保存されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f​4 1/160秒 11mm ISO125 ) 露出補正 なし
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2012年3月18日

幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展 3月4日


 3月4日、数日前に姪からのメールで知らされていた、世田谷の馬事公苑の近くにある東京農業大学の進化生物学研究所「食と農」の博物館で開催されている、幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展を観てきた。
  昨年の10月30日にNHKスペシャルという番組で、「秘境ブータン幻のチョウを追う」というタイトルで、2011年8月中旬に、日本の調査隊により、78年ぶりに再発見され、飛来や産卵などの様子が初めてテレビカメラで撮影され5頭が捕獲された記録が放映された。
  ブータン政府は豊かな生態系を代表する蝶を保護していくためには、基礎的な研究が不可欠と考えているものの、国内にそうした専門家が乏しいことから、五十嵐邁氏をはじめとする日本の研究者の功績を認め、共同調査をすることになったとのことだ。五十嵐邁さんは2008年4月6日、胃癌により享年83歳で故人となられているが、2010年3月に田端のファーブル昆虫館で開催されていた「五十嵐邁コレクション展」でお目にかかった、五十嵐邁さんの奥様もこの調査隊の一員として参加されていた。
  そして、昨年11月に来日したブータンのワンチュク国王夫妻から、調査隊員の勤め先である東大総合研究博物館と東京農大進化生物学研究所にそれぞれブータンシボリアゲハの雄の標本が1頭ずつ贈られた。今回の幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展は、その贈られた標本が展示されていた。

1.東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館
幻の蝶「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ展の会場である、東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館は、世田谷通りから馬事公苑の方へ入った右側にあった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F5.6 1/125秒 24mm ISO400 ) 露出補正 なし
東京農業大学 進化生物学研究所「食と農」の博物館;クリックすると大きな写真になります
2.博物館入口
この左手が入口になる。マイカーで出掛けたが、駐車場はない。博物館の手前、世田谷通り側にコインパーキングがあったが、1時間ちょっと停めてコインでは済まなかった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/125秒 17mm ISO400 ) 露出補正 なし
博物館入口;クリックすると大きな写真になります
3.ブータンシボリアゲハの展示
1階フロアの一角にブータンシボリアゲハの展示コーナーがあった。ワンチュク国王夫妻から送られた♂の標本、調査隊により撮られた写真、そして説明のパネル、およびブータンシボリアゲハの近縁種の標本が展示されていた。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.5 1/125秒 34mm ISO1800 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの展示;クリックすると大きな写真になります
4.ブータンシボリアゲハ再発見経緯
ブータンのヒマラヤ山脈の標高約2,200m山腹で1933年にイギリス人により発見採取され、5頭の標本のみが大英自然史博物館で保存されたが、その後本種の記録は途絶え、「幻の大蝶・ヒマラヤの貴婦人」とも呼ばれていた。(国際自然保護連合(IUCN)により危急種の指定を受けている種である。)2009年ブータン森林保護官がトラシャンツェ渓谷で本種と思われる個体の撮影に成功したとの情報がもたらされた。そして、今回2011年8月、日本蝶類学会メンバー6人、日本人スタッフ3名、ブータン王国政府・農林省のメンバー5人で調査隊が結束され、以前と同じ場所で78年ぶりに再発見、5頭が捕獲された。この発見を受けてブータンシボリアゲハはブータンの国蝶に指定されたという。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.8 1/125秒 40mm ISO400 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハ再発見経緯;クリックすると大きな写真になります
5.ブータンシボリアゲハの標本 -1
ブータン王国から贈られた標本箱には"A GIFT FROM THE PEOPLE OF BHUTAN"と記されている。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.3 1/125秒 26mm ISO720 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの標本 -1;クリックすると大きな写真になります
6.ブータンシボリアゲハの標本 -2
博物館に入館する際に、受付けで「撮影の可否」を伺った。フラッシュを使用しないこと、また、近接撮影を控えることとご注意があった。厚いアクリル板で保護されてはいるが、何せ貴重な標本である。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F4 1/125秒 50mm ISO1250 ) 露出補正 なし
ブータンシボリアゲハの標本 -2;クリックすると大きな写真になります
7.シボリアゲハの仲間 -1
シボリアゲハの仲間は、ブータンシボリアゲハ(Bhutanitis ludlowi )のほか、3種いる。その標本が展示されていた。この標本箱に入っているシボリアゲハの仲間のうち、左側3列と次の1頭の計13頭はシナシボリアゲハ(Bhutanitis thaidina)、右側の1列5頭はウンナンシボリアゲハ(Bhutanitis mansfieldi)と示されている。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.8 1/125秒 40mm ISO1250 ) 露出補正 なし
シボリアゲハの仲間 -1;クリックすると大きな写真になります
8.シボリアゲハの仲間 -2
別の標本箱には、もう1種のブータン産とインド産のシボリアゲハ(Bhutanitis lidderdalii )があった。この写真はインド産のシボリアゲハ。シボリアゲハの仲間は、ヒマラヤ山脈ブータン、アッサム、中国雲南省、四川省、陝西省からミャンマー、タイに生息するという。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F4.5 1/125秒 70mm ISO3200 ) 露出補正 なし
シボリアゲハの仲間 -2;クリックすると大きな写真になります
9.タイスアゲハ族
タイスアゲハ族というのは、アゲハ蝶科、ウスバシロチョウ亜科に含まれ、タイスアゲハ族は5属16種に分けられる。シボリアゲハ属はこのタイスアゲハ族の5属のうちの一つである。日本にはギフチョウ属のギフチョウ、ヒメギフチョウが生息する。隣国韓国に生息するホソオチョウ属、ヨーロッパ中部から中近東に生息するタイスアゲハ属、シロタイスアゲハ属のタイスアゲハ族の蝶はすべてユーラシア大陸南部温帯域に遺存的に分布し、原始的(祖先的)な形態をもっているといわれる。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F3.5 1/125秒 32mm ISO720 ) 露出補正 なし
タイスアゲハ族;クリックすると大きな写真になります
10.馬事公苑
ゆっくりとブータンシボリアゲハを鑑賞し、外に出た。眼の前に馬事公苑がある。馬事公苑には来たことがないのでちょっと見てみることにした。馬事公苑のホームページによると、馬事公苑は、人馬の馬術訓練、馬術競技会の開催、馬事に関する知識の向上などを目的として昭和15年に開苑されたとのこと。開苑当初から競馬の騎手養成を行い、昭和57年の競馬学校開設に至るまでその大きな役割を担ってきている。 また、昭和39年には、第18回オリンピック東京大会の馬場馬術競技会場となり我が国における馬術の拠点として世界の注目を集めることとなった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G 絞り優先オートで撮影 ( F9 1/320秒 19mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬事公苑;クリックすると大きな写真になります
11.馬術競技 -1
この日は関東学生新人戦が行われていた。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/640秒 62mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬術競技 -1;クリックすると大きな写真になります
12.馬術競技 -2
もう1枚、これは女性の選手。帽子が格好よかった。

Nikon D5000 SIGMA 17-70mm F2.8-4.5G
絞り優先オートで撮影 ( F6.3 1/640秒 70mm ISO400 ) 露出補正 なし
馬術競技 -2;クリックすると大きな写真になります