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2023年8月27日

ミクリガ池 立山室堂平散策 ④ 2023年8月8日-10日 立山黒部アルペンルートとトロッコ電車・上高地3日間

室堂バスターミナルの休憩所で弁当を食べ終えた後、脚が不自由な家内には、売店などを見ながら、待っていてもらうことにして、展望台に上がってみる。室堂は雨が止み、晴れてきていた。
 ミクリガ池へと歩く。立山の主峰雄山3,003mは雲に隠れて見えなかった。室堂から眺めて写真に撮った山々の名前は、極力調べて記述したが、自分で歩いたところではないので間違いがあると思う。その節はお許しいただきたい。雄山をはじめ、立山の本峰群こそ拝むことはできなかったが、室堂から眺める雄大な立山連峰、そしてミクリガ池や広々とした室堂平の眺めは、立山に来たという実感を与えてくれた。
 ただ、多少は期待していたチョウの姿は全くなかったのはちょっと心残りだった。  

000_230809430 X700 室堂平 みくりが池 RX10M4.jpg
室堂平から みくりが池温泉、雷鳥沢方面への道 2023年8月9日 

053_230809412 X800 〇室堂平 ヤマハハコ RX10M4.jpg 53.室堂平に咲く花 -1 ヤマハハコ (山母子)
花期は8月から9月で、茎の上部に淡黄色の頭花を散房状につける。白いカサカサした花びら状のものは総苞片花序(花の集まり)を保護する苞葉。名前は ハハコグサ  (春の七草のオギョウのこと)に似、山地に生えることからヤマハハコという。ハハコグサとは異なり花は白。しかし白い花弁のように見えるのは総包片と呼ばれ、葉が変化したもので、中央の花の部分は黄色。始めて見た花だった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 168mm ISO100 ) 露出補正 なし
054_230809414 X800〇室堂平 アキノキリンソウ RX10M4.jpg 54.室堂平に咲く花 -2 ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)
ミヤマアキノキリンソウはアキノキリンソウの高山型とされ、花は頂部に固まってつく傾向があるのに対してアキノキリンソウは比較的まばらにつく。総苞片は、アキノキリンソウが4列、ミヤマアキノキリンソウは3列だが、中間型もあり、厳密な区別は難しいという。花が頂部に固まってついていたので、ミヤマアキノキリンソウと判断した。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 168mm ISO100 ) 露出補正 なし
055_230809416 X800 室堂平 ヒメゴボウ RX10M4.jpg 55.室堂平に咲く花 -3 ヒメゴボウ(姫牛蒡)
ヒメゴボウは花の下部の葉が槍型になっており、フックのように人間や動物にくっついて繁殖地を広げる。総苞片が鈎状になっていて衣服につく。スイス人の発明家は、本種がくっついている様子から、ファスナーを思いついたという話がある。ヨーロッパ原産で、キク科ゴボウ属の越年草である。いわゆる「ひっつき虫」の一種である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 164mm ISO320 ) 露出補正 なし
056_230809421 X800 室堂平 みくりが池 RX10M4.jpg 56.残雪
ミクリガ池の対岸に見える、浄土沢、雷鳥沢方面の別山山肌を撮った。残雪が見える。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 102mm ISO125 ) 露出補正 なし
057_230809428 X800 室堂平 みくりが池 スイバ RX10M4.jpg 57.室堂平に咲く花 -4 スイバ(蓚、酸い葉)
スイバは5~8月に花が咲く。和名スイバの由来は、茎や葉を口に入れて噛むと酸っぱいことから「酸(す)い葉」の意で名付けられたと。雌雄異株で、雄株は黄色っぽい淡紫色の小花、雌株は淡紅紫色の小花が穂状に咲いて目立つ。これは雌株のように思う。スイバの花は初めて見たが、淡紅紫色が目をひいた。背景が鮮明になるよう絞り込んで撮ってみれば良かった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 42mm ISO200 ) 露出補正 なし
058_230809425 X800 〇室堂平 みくりが池 RX10M4.jpg 58.ミクリガ池
室堂のシンボルともいうべき標高2,405 mに位置する池。wikipediaには平仮名で「みくりが池」とも表記されるが、国土地理院の地形図や当地の看板などでは片仮名で「ミクリガ池」と表記されているとあった。確かに「中部山岳国立公園 室堂平 周辺のご案内」という案内板には「ミクリガ池」と示されていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし
059_230809432 X800 〇室堂平 みくりが池 RX10M4.jpg 59.雷鳥沢方面への道
ミクリガ池から北側へ、雷鳥沢方面へ向かう登山客が行き交う。右手にミクリガ池があり、正面の山は奥大日岳(2,611m)で、右へ行くと剣御前(2,777m)、別山( 2,880m)が連なる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 26mm ISO200 ) 露出補正 なし
060_230809433 X800 〇室堂平 みくりが池温泉 RX10M4.jpg 60.ミクリガ池とみくりが池温泉
カメラを右に振るとミクリガ池の向こうにみくりが池温泉の建物が見える。温泉のほうは平仮名でみくりが池温泉と書くようだ。ホームページには「みくりが池温泉は、標高2410mにある日本一高所の天然温泉です。源泉は地獄谷にあり、無加水・無加温、男女別の展望内湯が一つずつ。白く濁る硫黄の香りの100%掛け流しのお湯が、1日の疲れを温かく癒してくれます。」と紹介されていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 26mm ISO125 ) 露出補正 なし
061_230809436 X800 〇室堂平 ホテル立山 RX10M4.jpg 61.ホテル立山
ミクリガ池から室堂平のホテル立山を眺める。wikipediaによれば、室堂平(標高2,450)に位置し、日本一標高の高い場所にある長野県のホテル千畳敷(標高2,612m、中央アルプス駒ヶ岳)に次いで日本で2番目に標高が高く、リゾートホテルとしては日本一標高の高い場所に位置する。立山黒部アルペンルートを運営する企業、いわゆる立山3社の1つである立山貫光ターミナル株式会社による経営。営業期間は例年4月16日より11月30日まで。着工は1969年(昭和44年)5月8日。5年の歳月と平地の標準建設費の3倍に及ぶ資金を費やし、1972年(昭和47年)8月28日に竣工[4]、同年9月1日に営業開始。ホテルは6階建て。フロントは3階にあり、立山黒部アルペンルートの室堂バスターミナルビルの2階と直結している。客室数は和室、洋室を合わせて85室(特別室、スイートルームを含む)、収容人員は289名。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 29mm ISO160 ) 露出補正 なし
062_230809443 X800 室堂平 ダイコンソウの仲間RX10M4.jpg 62.室堂平に咲く花 -5 ゲウム・モンタヌム -1
撮った写真をPictureThisで検索してみたら、ゲウム・モンタヌムとの答えだった。ゲウム・モンタヌムであれば、アルプス山脈やピレネー山脈などヨーロッパの山岳地帯に自生するバラ科ダイコンソウ属の多年草だそうだ。花が下向きに咲き、その後、受粉すると花が上向きになり、グレーがかった薄紫色の細長い糸のような雌しべが伸びる姿は個性的だとあった。山地性の花のようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 87mm ISO250 ) 露出補正 なし
063_230809445 X800 〇室堂平 アルニカ RX10M4.jpg 63.室堂平に咲く花 -6 ウサギギク(兎菊)
PictureThisで検索したところアルニカと同定された。アルニカをwikipediaで調べてみると、キク科ウサギギク属の多年草の高山植物でウサギギクとあった。学名が Arnica unalascensis var. tschonoskyi という。花期は7-8月で、黄色い花を一輪つける。別名キングルマ(金車)というそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 14mm ISO100 ) 露出補正 なし
064_230809447 X800 室堂平 ハゼリソウ RX10M4.jpg 64.室堂平に咲く花 -7 ハゼリソウ(葉芹草)
22属280種ほどからなるハゼリソウ科の1種である(wikipedia)。PictureThisでは、ハゼリソウ はハチなどの虫がたくさん集まってくる蜜源植物だそうだ。原産地以外では観賞用に栽培される他、農地の被覆や緑肥として利用されるという。これ以上の情報は得られなかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 151mm ISO250 ) 露出補正 なし
065_230809448 X800 室堂平 アメリカハマグルマ RX10M4.jpg 65.室堂平に咲く花 -8 キバナタカサブロウ(黄花高三郎)
タカサブロウという白い花に葉の形が似ていて黄色い花をつけることからこの和名がある。キク科タカサブロウ属の一年草である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 151mm ISO250 ) 露出補正 なし
066_230809451 X800 室堂平 ヒペリクム・ヒルキヌム RX10M4.jpg 66.室堂平に咲く花 -9 ヒペリウム・ヒリキナム
黄色いいろいろな花が咲いていた。PictureThisで検索したら、ヒペリカム・カリシナムと同定された。沢山の茎を伸ばして先端に5cm前後の黄色い花が咲いていた。花には複数の長い雄しべがあり、先端にある橙色の花粉があるように記されていたが、それは解らなかった。高さは60cmぐらいとさほど高くなく、グランドカバーとして利用されるのが一般的であるという。ということは園芸種なのだろうか。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 110mm ISO200 ) 露出補正 なし
067_230809452 X800 室堂平 ゲウム・モンタヌム (ダイコンソウ属) RX10M4.jpg 67.室堂平に咲く花 -10  ゲウム・モンタヌム -2
写真 62.でもこの種を撮ったが、ゲウム・モンタヌムの黄色い花である。同じ種とは思えない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 110mm ISO200 ) 露出補正 なし
068_230809454 X800 室堂平 シラボシカイウ RX10M4.jpg 68.室堂平に咲く花 -11 シラホシカイウ (白星海芋)
サトイモ科のオランダカイウ属である。葉の表面に白斑模様が入るからこの名がある。この属の植物は、仏炎苞(苞のうち、ミズバショウのような肉穂花序包む大形のものや)葉が美しいものがあり観葉植物として栽培されるものがある。園芸ではカラー または、カラーリリー と呼ばれる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 220mm ISO200 ) 露出補正 なし
069_230809456 X900 〇室堂平 RX10M4.jpg 69.立山本峰
立山という名称の山はない。立山三山は浄土山、立山本峰、別山という。立山三山は、南から、浄土山、立山本峰の雄山、そして別山からなり、阿弥陀「過去」、釈迦「現在」、弥勒「未来」の三世諸仏に擬えられる。立山三山の立山本峰は、南側から雄山(標高3,003m)、大汝山(標高3,015 m 最高標高峰)、富士ノ折立(標高2,999 m)である。残念ながら今回は雲がかかって、立山本峰を見ることができなかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 14mm ISO100 ) 露出補正 なし
070_230809460 X800 〇室堂平 RX10M4.jpg 70.別山
これは立山三山の北側の別山で、立山本峰群から真砂岳(2,861m)を挟んで奥に別山(2,880m)があり、北へ別山南峰、剣御前(2,776m)と続く。写真の一番左に小さく見える山が剣御前で、次の2792峰と呼ばれる高い山から右に下がった標高2,750mの別山乗越に「剱御前小舎」が建っているのが写真でも確認できた。展望の良い分岐点だそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 35mm ISO125 ) 露出補正 なし
071_230809467 X800 室堂平 浄土山 RX10M4.jpg 71.浄土山 -1
雲に頭を隠した立山本峰の雄山の右(南側)に見える山の頂の雲がはがれてきた。ひょっとして雄山が望めるのではないかと期待した。写真の山は浄土山(2,831m)である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250秒 21mm ISO100 ) 露出補正 なし
072_230809468 X800 室堂平 浄土山 RX10M4.jpg 72.浄土山 -2
浄土山の山頂が見えた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f5.0 1/1250秒 20mm ISO100 ) 露出補正 なし
073_230809473 X800 室堂平 RX10M4.jpg 73.浄土山 -3
と思ったら、また浄土山の山頂に雲がかかってしまった。左側の道は、一ノ越へのルートで、一ノ越を左に行くと雄山である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 20mm ISO100 ) 露出補正 なし
074_230809481 X800 室堂平 RX10M4.jpg 74.室堂広場
室堂バスターミナルへ戻ってきた。この「立山」と彫られた岩の向こうに見えるのが立山本峰だった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし
075_230809486 X800 〇室堂平 RX10M4.jpg 75.剣御前、別山、雷鳥沢方面を見おさめる
ライチョウを見るのは初めから無理と思っていたが、やはり泊まらなくては見ることが出来ない。でも、室堂平を散策し広大な立山連峰を眺められたことに感動を覚えたことに違いはなかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/500秒 16mm ISO100 ) 露出補正 なし

2020年9月11日

箱根湿性花園(2)花の写真撮影も難しい 8月25日

もう少し撮ってきた花の写真を載せておきたい。
 箱根湿性花園のパンフレットによると、「箱根湿生花園は、湿原をはじめとして川や湖沼などの水湿地に生育している植物を中心にした植物園です。園内には低地から高山まで、日本の各地に点在している湿地帯の植物200種のほか、草原や林、高山植物 1100種が集められ、その他、珍しい外国の山草も含め、約1700種の植物が四季折々に花を咲かせています。園路は低地から高山へ初期の湿原から発達した湿原へと順に植物を見てまわるようになっています。」とあるが、この日撮ってきた花は50種に満たない。まだまだ、たくさん残っている。

20.オミナエシ(女郎花)
「ヌマガヤ草原」と呼ばれるところでオミナエシが咲いていた。オミナエシはご承知の通り、秋の七草の一つとして、日本では古くから親しまれている。和名の由来は、同属で姿がよく似ている白花のオトコエシ(男郎花)というのがあり、そのオトコエシに対する「女郎花」で、全体にやさしい感じがするところから名付けられたとされる。別名、敗醤(はいしょう)ともいうらしい。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 13mm ISO100 ) 露出補正 なし
020_200824178 X800 〇箱根湿性花園 オミナエシ RX10M4.jpg
  21.コウホネ(河骨)
「ヌマガヤ草原」の池にはスイレン科の植物であるコウホネが黄色い小さな花を花を咲かせていた。アサザとは葉の形が違う。和名の由来には複数の説があるというが、一説には、川辺に生え、ワサビ状の白い地下茎が白骨のように見えることから、「河の骨」の意でこの名がついたとされている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 143mm ISO250 ) 露出補正 なし
021_200824179 X800 〇箱根湿性花園 コウホネ RX10M4.jpg
  22.ヒメトラノオ(姫虎の尾)
オカトラノオ、ヌマトラノオなど、私が見たことのあるトラノオと名がつく花があるが、トラノオとは特定のグループを指す名称ではなく、虎の尻尾が上を向いてピンと立ち上がっている様子から、そのような植物に広く使われているのだそうだ。 入笠山で見たチョウの好きなクガイソウは、ヒメトラノオと同じ ゴマノハグサ科だ。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/500秒 90mm ISO180 ) 露出補正 なし
022_200824074 X800 箱根湿性花園 ヒメトラノオ D5300 TAMRO 90.jpg
23.ヤマトリカブト(山鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属。トリカブトの仲間は北半球に約300種が分布し、日本にはこのヤマトリカブトなど30種ほどがあるそうだ。塊根を乾燥させたものは漢方薬や毒として用いられ、烏頭(うず)または附子(生薬名は「ぶし」、毒に使うときは「ぶす」)と呼ばれる。「附子」は球根の周りに着いている「子ども」の部分である。wikipediaには、俗に不美人のことを「ブス」というが、これはトリカブトの中毒で神経に障害が起き、顔の表情がおかしくなったのを指すという説もあるとも記されていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 178mm ISO1600 ) 露出補正 なし
023_200824197 X800 〇箱根湿性花園 ヤマトリカブト RX10M4.jpg
24.マムシグサ(蝮草)
サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、有毒植物だそうだ。 これも見当がつかなかったので「赤いトウモロコシのような実」でググってみたらヒットした。同じサトイモ科のミズバショウのように2枚の葉に包まれる仏炎苞を形成する。茎には褐紫色の模様があり、これがマムシの皮膚の模様に似ているのでマムシグサの和名となったそうだ。晩春に、花茎を直立させて開花する。秋には写真のように橙色から赤色に熟したトウモロコシに似た形状の果実を付ける。  

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 178mm ISO2000 ) 露出補正 なし
024_200824198 X800 箱根湿性花園 マムシグサの実 RX10M4.jpg
25.ジャコウソウ(麝香草)
ミドリシジミの食樹であるハンノキなどが生える湿生林のなかに始めて見る花が咲いていた。日本の固有種で、湿ったところに生育する。和名は茎葉をゆすると「麝香」のような馥郁(ふくいく)とした良い香りがするとして付けられたが、ジャコウソウにそれほどの香りはないそうだ。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/500秒 90mm ISO1100 ) 露出補正 なし
025_200824076 X800 箱根湿性花園 ジャコウソウ D5300 TAMRO 90.jpg
26.キレンゲショウマ (黄蓮華升麻
) ネットで調べてみると、何々ショウマと名の付く花は、このキレンゲショウマの他にレンゲショウマとサラシナショウマというのがあるようだが、キレンゲショウマはアジサイ科で、レンゲショウマとサラシナショウマはキンポウゲ科である。和名はレンゲショウマに似ているからというが、似ているとは思えない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/320秒 172mm ISO3200 ) 露出補正 なし  
026_200824210 X800 〇箱根湿性花園 キレンゲショウマ RX10M4 -.jpg
27.レンゲショウマ(蓮華升麻) -1
花がレンゲに、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているので、レンゲショウマ(蓮華升麻)の名がつけられた。  wikipediaによれば、本州(東北地方南部~近畿地方)の太平洋岸の温帯域に分布し、山地から深山のかけての湿り気のある林下に生える。複数の都道府県でレッドリストの絶滅危惧種(絶滅危惧I類)や絶滅危惧Ⅱ類などに指定されているとある。 毎年8月に、奥多摩の御岳山で「御岳山レンゲショウマまつり」を開催されている。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/500秒 90mm ISO1250 ) 露出補正 なし  
027_200824077 X800 箱根湿性花園 レンゲショウマ D5300 TAMRO 90.jpg
28.レンゲショウマ(蓮華升麻) -2
花が下を向いて咲いているので、下から見上げるように撮った。 

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 9mm ISO320 ) 露出補正 なし 
028_200824214 X800 〇箱根湿性花園 レンゲショウマ RX10M4 .jpg
29.ナガバミズアオイ(長葉水葵) -2
  園内を一巡して、外国の山草と園芸種が植えられているところへ戻ってきた。湿地の池に咲くナガバミズアオイに集まるイチモンジセセリなどを撮った。このナガバミズアオイは観賞用に水辺や水鉢で栽培されるというが、仔細に見ると美しい花だ。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/500秒 90mm ISO280 ) 露出補正 なし
029_200824078 X800 箱根湿性花園 ナガバミズアオイ D5300 TAMRO 90.jpg
30.ヒツジグサ(未草)
地下茎から茎を伸ばし、水面に葉と花を1つ浮かべる。花の大きさは3cmから4cm、萼片が4枚、花弁が10枚ほどの白い花を咲かせる。  未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることから、ヒツジグサと名付けられたといわれる。ただし、実際は朝から夕方まで花を咲かせる。一般的にスイレンと呼ばれるが、植物学上はヒツジグサで、日本にはこのヒツジグサの1種類のみ自生する。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/800秒 183mm ISO320 ) 露出補正 なし 
030_200824234 X800 箱根湿性花園 RX10M4 .jpg
31.サギソウ(鷺草 )
花の形を見ただけでこの花の名の由来がわかる。唇弁の開いた様子がシラサギが翼を広げた様に似ていることが和名の由来である。日当たりのよい湿地に生える。もう少し露出をアンダーにして、白い花ビラのディテイルを出せればよいと反省。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/640秒 90mm ISO100 ) 露出補正 なし
031_200824081 X800 サギソウ 箱根湿性花園 D5300 TAMRO 90.jpg
32.ノムラカエデ(野村楓)
紅葉したようなカエデがあった。今年の4月15日に「神奈川県立四季の森」を散歩した時に、春なのに紅葉したようなモミジの木を見て興味を持った。ノムラカエデはオオモミジ系の栽培品種で、春の若葉も赤紫色を帯びているのが特徴で、鑑賞価値の高い樹木だ。江戸時代から栽培されてきたそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 58mm ISO480 ) 露出補正 なし 
032_200824235 X800 箱根湿性花園 ノムラカエデ RX10M4 .jpg
33.サワヒヨドリ(沢鵯)   仙石原湿原植生復元区を歩いていると、ヒヨドリバナと明らかに葉の形が違うよく似た花が咲いていた。丈はヒヨドリバナより低く、ほっそりとしている。フジバカマとも違う。数は少なかった。日当たりのよい湿原周辺や湿った草地などに生える。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/500秒 90mm ISO100 ) 露出補正 なし
033_200824090 X800 箱根湿性花園 サワヒヨドリ 絶滅危惧種 D5300 TAMRO 90.jpg
34.カワラナデシコ(河原撫子) -1
ススキ草原区域にカワラナデシコが咲いていた。先日訪れた入笠山ではこのカワラナデシコにキアゲハが吸蜜に来ていた。ナデシコは秋の七草のひとつである。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/800秒 90mm ISO100 ) 露出補正 なし
034_200824087 X800 箱根湿性花園 カワラナデシコ D5300 TAMRO 90.jpg
35.カワラナデシコ(河原撫子) -2
wikipediaによると、日本では、自生地の開発や園芸用の採集、動物による食害、外来種の影響等で減少している地域もある。また、カワラナデシコは草原等の開けた環境を好む種であり、そのような環境が遷移の進行に伴い、日当たりの悪い陰的な環境に変化すると生育に適さなくなるという。カワラナデシコはそれほど背が高くないのでだが、ローアングルで背景を入れて撮ることが出来た。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし  
035_200824276 X800 〇箱根湿性花園 カワラナデシコ RX10M4 .jpg
36.コオニユリ(小鬼百合)
前回7月22日にここへ来た時もコオニユリは咲いていた。今回は少し傷んだ花もあったが、まだまだ元気である。よく似た近縁で同属のオニユリというのがあるが、オニユリには葉の腋に珠芽(むかご)がつくが、コオニユリにはつかない。コオニユリはオニユリに比べて小さく、山地の草原や低地の湿原に生育する。チョウの好きな花だ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし  
036_200824278 X800 〇箱根湿性花園 コオニユリ RX10M4 .jpg
37.ツチアケビ(土木通)
戻る道で見つけた。wikipediaによれば、ツチアケビは、森林内に生育するラン科植物である。ラン科植物として、また腐生植物(菌従属栄養植物)としては非常に草丈が高く、大きな真っ赤な果実がつくので、大変人目を引く植物である。和名は地面から生えるアケビの意であると考えられるが、果実は熟しても裂開せず、形状以外はさほど似ていない。本種はつる性で高さは5mにも達する日本最大のランであり、絶滅危惧IA類(CR)だそうだ。写真は果実で、6月ごろに黄色い花を付ける。

Nikon D5300 TAMRON AF90mm f/2.8 Di macro
絞り優先オートで撮影  ( f5.6 1/200秒 90mm ISO3200 ) 露出補正 なし
037_200824104 X800 〇箱根湿性花園 ツチアケビ D5300 TAMRO 90.jpg
38.「湿性茶屋」
駐車場の前に3軒の蕎麦屋がある。湿性花園に来たときは大概、昼はこの店で蕎麦を食べる。とろろそばが美味い。箱根湿生花園とともに創業30年だそうだ。テラス席で食べたが、風がわたり、さわやかだった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 43mm ISO100 ) 露出補正 なし
038_200824296 X800 箱根湿性花園 湿性茶屋 RX10M4 .jpg


  箱根湿性花園,オミナエシ,コウホネ,ヒメトラノオ,ヤマトリカブト,マムシグサ,ジャコウソウ,キレンゲショウマ,レンゲショウマ,ナガバミズアオイ,ヒツジグサ,サギソウ,ノムラカエデ,サワヒヨドリ,カワラナデシコ,コオニユリ,ツチアケビ,湿性茶屋

2019年6月24日

岩手・秋田・山形 ドライブ旅行<5月19日~22日> (2) 岩手山溶岩流、八幡平、玉川温泉 5月20日

2日目、休暇村岩手網張温泉で迎えた朝は青空がなかった。朝食は和洋バイキングだった。ところが、そのバイキングが失礼ながら意外とおいしかった。館内の専用工場で毎朝焼いている小さめのパンも旨かった。
 この日は、八幡平から玉川温泉のほうへ回って、田沢湖の近くまで行って、戻ってくるという周回コースである。まず、北へ向かい岩手山「焼走り溶岩流」を見る。そこから岩手山の東側山麓を走って松尾鉱山跡の廃墟群ををみた。そして、両側に雪が残こる八幡平アスピーテラインを上り、「八幡平山頂レストハウス」に着いた。女性2人を残して、八幡平山頂への道を鏡沼まで行って、まだ眼球がないDragon Eye「龍の目」を眺める。

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Dragon Eye 八幡平山頂の雪解け時期、鏡沼に現れる神秘の現象 5月中旬~6月中旬にぐらいに見ることができる
  八幡平ビジターセンターで購入した絵葉書

 山頂レストハウスに戻って食べたすじ肉がごろっと入った、名物「カレーうどん」がとても旨かった。
 八幡平山頂から西へ、岩手県から秋田県へと入る。秋田県に入ると青空が広がってきた。温泉の噴気孔を見ようと、秋田県側の八幡平ビジターセンターに車を停めた。雪が残る駐車場の向こう側には大沼が見える。水芭蕉を鑑賞できたのは思いがけなかった。
 今度は国道341号線を南に下り、玉川温泉に寄った。大勢の湯治客が噴気の熱を浴びておられた。田沢湖はわれわれ4人とも以前に行ったことがあるので、寄らなかったが、その近くにある「山のはちみつ屋」が目的の一つだった。午後3時過ぎ、今度は国道46号線を東へ走る。休暇村岩手網張温泉に着いたのは5時近くになっていた。この日は湯の沢大橋というつり橋を渡って、日帰り入浴施設にもなっている「薬師の湯」に入る。露天風呂で疲れを癒した。夕食はバイキングだったが、味は良い。

1.岩手山「焼走り溶岩流」 -1
まず最初に行った「焼走り熔岩流(やけはしりようがんりゅう)​」​は、十和田八幡平国立公園の特別保護地区であり、昭和27年に国指定特別天然記念物に指定されている。 天然記念物に指定された面積は149.63ha、溶岩流の延長は約4km、岩石の種類は「含かんらん石 紫蘇輝石普通輝石安山岩」だそうだ。一般的に輝石安山岩溶岩は粘性が大きいが、焼走り熔岩流の溶岩は粘性が小さく流動性に富んでいると言われている。噴出年代は1719年とされてきたが最近の噴火史研究などにより、1732年説が定着しつつあるそうだ。(現地説明板、wikipedia)

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 14mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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2.岩手山「焼走り溶岩流」 -2
「 焼走り熔岩流」は、岩手山の北東斜面山腹から山麓にかけた、標高約550-1200mに広がり、形成された岩原である。溶岩流の延長が4kmというのが見て取れる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 46mm ISO640 ) 露出補正 -0.3段
190520_002.jpg
3.岩手山「焼走り溶岩流」散策路
北西には八幡平の山並みが見られる。熔岩流末端に片道約1キロメートルの観察路が設けられており、積雪で閉鎖される冬季以外は自由に見学することができる。またここ散策路の終点には、当地を訪れた宮沢賢治による詩、「溶岩流」の碑が建てられていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 46mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
190520_003.jpg
4.松尾鉱山廃墟
次に松尾鉱山跡を見に行った。突然現れたのは廃墟となったアパートだった。松尾鉱山は、19世紀末から1969年まで岩手県岩手郡松尾村(現在の八幡平市)に存在した鉱山である。主な鉱物は硫黄で、黄鉄鉱も産し、一時は東洋一の硫黄鉱山であった。 現在はそれらの建物が山中に廃墟として残っている。wikipediaによれば、1911年(明治44年)に横浜の貿易会社増田屋が参画し、経営を掌握してから、多額の投資による本格的な採掘が始まった。しかし、需要減、輸入の増加、石油精製工場において脱硫装置の設置が義務付けられたことで、脱硫工程の副生成物として得られる硫黄の生産が活発化し、硫黄鉱石の需要は完全になくなっていった。 1969年(昭和44年)に会社更生法を申請して倒産、全従業員が解雇された。黄鉄鉱に絞った新会社が設立されたが、これも1972年(昭和47年)に鉱業権を放棄して倒産し、完全な閉山になったそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 60mm ISO160 ) 露出補正 -0.3段
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5.旧松尾鉱山アパート群の跡
八幡平アスピーテラインに戻り、八幡平に向かう途中、廃墟となったアパート群を見ることができた。標高900メートル前後の無人の山間に開かれた大鉱山は、必然的に鉱山町の形成を伴った。鉱山地域の人口は1920年(大正9年)に1132人、1935年(昭和10年)に4145人、1940年(昭和15年)に8152人、最盛期の1960年(昭和35年)には1万3594人に達したといわれる。現在も強酸性の鉱毒水を中和するために年間5億数千万円を要する処理費用は岩手県にとって大きな負担となっているという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 90mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
190520_005.jpg
6.フキノトウ
天気は相変わらずさえない。八幡平アスピーテラインは左側に展望が開けている。展望駐車場もあった。フキノトウの花が咲いていた。フキノトウはキク科フキ属の多年草で、春を表現する山菜として日本料理には欠かせない食材となるのは雪の消え間からポコポコと道路端に顔を出すフキの新芽のことをいう。 フキノトウは蕾の部分にあたり、この花が咲いた後には地下茎から伸びる葉(フキ)が出てくる。ご覧の通り、フキノトウの時期は過ぎ、花が咲いていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 9mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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7.アスピーテライン 「雪の回廊」
今年、アスピーテラインが除雪されて通れるようになったのは、4月15日だそうだ。立山の「雪の回廊」ほど雪の壁は高くないが、積雪を除雪して拡幅し、雪の壁面をきれいにして、「雪の回廊」が形成される。まだ、雪の壁が残っているところを走ってきた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 41mm ISO100 ) 露出補正 +0.7段
190520_007.jpg
8.鏡沼 ドラゴン・アイ(龍の目) -1
午前11時、八幡平(1613m)の山頂下にある「八幡平山頂レストハウス」に到着した。女性2人を残して、Kさんと20分ほど歩くという鏡沼を目指した。しばらく上ると道は雪で覆われ、踏みつけて歩かないと転びそうになる。やがて鏡沼が現れた。この沼が「龍の目」になるのだ。時期的にまだ少し早かったようで、瞳が形成されていない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5 1/1000秒 9mm ISO100 ) 露出補正 +0.7段
190520_008.jpg
9.鏡沼 ドラゴン・アイ(龍の目) -2
もう少し暖かくなって溶けてくると、黒目の部分にあたるところが溶けてきて瞳のようにみえるという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/1000秒 9mm ISO100 ) 露出補正 +0.7段
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10.鏡沼 ドラゴン・アイ(龍の目) -3
雲がとれて、青空が出てくれないかと少し粘ったが、駄目だった。この位置は、上の絵葉書の写真とほぼ同じあたりと思う。珍しい光景を見ることができた。足元に気を付けながら下山する。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/1000秒 14mm ISO100 ) 露出補正 +0.7段
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11.秋田県へ
「八幡平山頂レストハウス」の駐車場を出て、アスピーテラインに出ると、そこは県境だった。私たちは右手の岩手県側から上がってきて、今度は左へ秋田県側に下っていく。「雪の回廊」の名残がある。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
190520_011.jpg
12.八幡平からの展望
左手には八幡平からの展望が開ける。何という山並みなのかよくわからない。秋田駒ケ岳(1,637m)の方向だろうか?

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/1250秒 31mm ISO125 ) 露出補正 なし
190520_012.jpg
13.雪の斜面
秋田県側に入ると、みるみる青空が広がっていった。道路の右側は雪の斜面だ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f9 1/1250秒 20mm ISO125 ) 露出補正 なし
190520_013.jpg
14.「八幡平ビジターセンター」
20分ほど下ると秋田県側の「八幡平ビジターセンター」があった。車を停める。ここは環境省のビジターセンターで、八幡平の大自然の成り立ちや環境、動植物の生態系などについて、ジオラマ等を使い分かりやすく紹介するとともに、変化に富んだ大自然をハイビジョン映像で見ることができるそうだが、時間を割くことはできない。駐車場からはアスピーテラインの向こう側に沼が見えた。大沼といい八幡平の中で最も大きな沼で標高は944mある。駐車場にはまだ雪が残っていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5 1/1250秒 17mm ISO125 ) 露出補正 なし
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15.噴気孔
Kさんがビジターセンターのかたに、たてものの裏側を100mほど登ったところに小規模ながら噴気孔が見られるという。女性2人を残して上がってみる。 近くの後生掛には珍しい泥火山があり、蒸ノ湯では噴気や地滑り地形がみられる。八幡平山頂周辺は台地の火山地形が広がっているそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/1250秒 16mm ISO125 ) 露出補正 なし
190520_015.jpg
16.大沼とミズバショウ
噴気孔からも出ってくると女性2人がいない。どこへ行ったのかと、沼のほうに目をやると遊歩道を歩いている姿が見えた。行ってみる。遠くから見ていると何かわからなかったが、白く水鳥のように見えていたのはミズバショウだった。大沼にはミズバショウ、ワタスゲなどの高山植物の群生が見られ、秋はダケカンバ、ナナカマドなどの紅葉が美しいという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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17.ミズバショウの群落
穢れのないミズバショウが、今を盛りと咲いている。背景にアスピーテラインの向こう側に立つ「八幡平ビジターセンター」が見える。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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18.玉川温泉
午後2時前に玉川温泉に到着した。これは駐車場から今は立派な施設になっている湯治宿を見下ろしたところ。この左側に温泉の噴出孔がある。よく言われる癌の療養について、wikipediaによれば、「玉川温泉が癌との関係を特に注目されるようになったのは、鹿角市にて鹿角タイムズ社を経営していた阿部真平が1974年に出版した「世界の奇跡玉川温泉」以降である。ただし読む際には医学的な根拠がある本ではない事に注意が必要であり、前述の効能記述にもあるようにあくまでも癌は当温泉地の禁忌症である。」とされている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 20mm ISO125 ) 露出補正 +0.3段
190520_018.jpg
19.遊歩道 玉川温泉源泉流
湧出した源泉は川となって湯治宿のほうへ流れている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/1000秒 81mm ISO100 ) 露出補正 +0.3段
190520_019.jpg
20.「大噴」 -1
「大噴(おおぶけ)」というところへきた。目の前に噴出する源泉は大噴と呼ばれ、温度98℃、PH 1.05ほどの日本一強酸性水が毎分9.000リットルほどの大量に噴出している。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 18mm ISO100 ) 露出補正 +0.3段
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21.「大噴」 -2
単一の湧出孔からの湧出量としては日本一を誇る。湯治される方が遊歩道にゴザを強いて横になっている。ここは傍にいるだけで熱気がある。湧き出た湯は幅3mにも及ぶ湯の川となる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 18mm ISO100 ) 露出補正 +0.3段
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22.「大噴」 -3
「大噴」の下流側では樋に温泉水を引き、湯の花を採取している。湯の花は暑い温泉水に含まれている硫化物などが、温泉水が冷えるときに結晶し固まったものでいろいろな薬効があると言われ、利用されているという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/800秒 11mm ISO100 ) 露出補正 +0.3段
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23.玉川温泉の岩盤浴場
遊歩道をさらに進んでいくと岩盤浴場があった。この地帯は地下のマグマにより地表が40~50度まで温められている。熱がこもり本格的に岩盤浴ができるテント小屋のような囲いがあった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 20mm ISO100 ) 露出補正 +0.3段
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24.「山のはちみつ屋」
玉川温泉から国道141号線を下ってくると、道沿いに赤い二階建てのバスが目印となっている「山のはちみつ屋」があった。女性軍にとってはここも目的地のひとつである。ここは秋田県仙北市、日本で最も深い湖として知られる田沢湖の近くに1977年創業の地元で採蜜した国産はちみつを扱う蜂蜜専門店だそうだ。いろいろな蜂蜜があったが、国産蜂蜜というトチとアカシアを試食してみた。アカシアはくせのない味で、トチはややコクがある感じだ。試しにこのアカシアとトチをお買い上げ。ここからは田沢湖(畔)には寄らず、休暇村岩手網張温泉へ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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