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2019年4月 5日

作並温泉 2泊3日の旅(5・終) ニッカウィスキー宮城峡蒸留所 3月16日

今回の旅行で、ニッカウィスキー仙台工場見学を楽しみにしていた。宿の送迎バスで作並駅まで行くと、ニッカウィスキーの工場まで乗せて行ってくれるマイクロバスがきてくれた。その時は2組くらいしか乗車しなかったが、乗ってしばらく待っていると、山形行きの仙山線が到着し、仙台から来られたと思われる見学客がどっと乗ってこられ、バスはほぼ満席になった。5分くらいで工場構内に到着し、見学受付のビジターセンターに着いた。工場見学は有料と無料があったが、成り行きで無料コースに申し込んだ。後でどう違うのか聞いてみると、一番の違いは試飲できるウィスキーが違うらしい。「竹鶴17年」でも試飲できたのだろうか。

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ニッカウィスキー宮城峡蒸留所パンフレットより

 10時スタートの蒸留所ガイドツアーに参加できた。赤いマントを着た女性が引率して案内してくれる。ビジターセンター→乾燥棟→仕込棟→蒸溜棟→貯蔵庫→テイスティング・ギフトショップと、1時間ほどの見学だった。
 楽しみにしていた試飲は、ここ宮城峡蒸留所のシングルモルト「宮城峡」と「スーパーニッカ」そして創業期に作った「ニッカアップルワイン」の3種類だった。シングルモルト「宮城峡」はさわやかな味わいでよかった。ニッカを漢字で書くと「日果」。ニッカウィスキーの前身は「大日本果汁株式会社」。その社名はウィスキーが熟成し、販売できるようになるまで、リンゴジュースなどを作っていたことに由来するという。アップルワインは、ニッカ最初のウィスキーより早く誕生した。
 少し工場の構内を散策して、ビジターセンターに戻り、作並駅までの送迎バスの時間を確認すると、たった今、出たばかりだという。ところが、作並温泉の「一の坊」の送迎バスが停まっていたので、家内が乗せてくれないかと頼んでみたところ、快く駅まで送ってくれた。おかげで1本早い電車で仙台駅へ行くことができた。
 ニッカウィスキーのことについては、仙台工場見学者に渡されたパンフレットを参考にした。社名はニッカウスキーだが、ここではニッカウィスキーとさせていただいた。
 そして、帰路、仙台駅では、楽しみにしていた「すし哲」で昼食にした。少し待ったがカウンターに座ることができた。おすすめの「塩竈物語」というセットを食べたが、旨かった。鮨に始まり、すしで終わった作並温泉の旅行だった。

1.ニッカウィスキー 仙台工場
宮城峡蒸留所 作並駅からの送迎バスに乗り、ニッカウィスキー 仙台工場のビジターセンターに着いた。余市で第一の蒸溜所をスタートさせてから、約30年、竹鶴政孝は、「異なる蒸溜所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウィスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱き、第二の蒸溜所の建設は夢を実現するためにどうしても必要なものだった。ニッカウィスキーは日本で初めてモルトウイスキー(大麦を原料)とグレーンウイスキー(トウモロコシ、小麦などの穀類と麦芽を原料)をブレンドした「ハイニッカ」を発売し、ウィスキーブームを巻き起こしていた。日本にウィスキー文化が浸透しつつある状況も、第二の蒸溜所づくりへの気運を高めたのだという。そして、気候風土がスコットランドのローランドに似通った宮城峡に建設地を決めた。宮城峡蒸留所は操業開始から50年を迎える。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 14mm ISO100 ) 露出補正 なし
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2.ビジターセンター
ビジターセンターに入り、早速見学受付を済ませる。15人くらいのグループになって、案内嬢に引率されて10時過ぎに見学が始まった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 9mm ISO400 ) 露出補正 なし
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3.メインストリート
一番右の建物が蒸留塔(カフェ連続式蒸留機)、次に最初に見学する尖った排気塔が目立つ乾燥棟(キルン塔)がある。その隣が仕込棟、さらに蒸留棟(単式蒸留機)と続くが、ここがいわばメインストリートのようだ。見学を終えた一行が、赤いマントの案内嬢に引率されて戻ってきた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
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4.美しい池
メインストリートへ向かう途中の左側に周りのレンガ造りの建物と調和する池があった。ここ宮城峡蒸留所は、樹木の伐採を最小限にとどめ、電線は地下に埋没、本来の土地の起伏を生かすため、敷地を平らにならして全工程を一つの建物に集める設計をせず、設備ごとに異なる高さの建物を作った。緑あふれる環境の中に並ぶレンガ色の建物は環境重視の姿勢を表していると説明されている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
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5.乾燥棟(キルン塔)
見学はまず乾燥棟(キルン塔)から始まった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし
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6.ポットスチル(単式蒸留機)
乾燥棟(キルン塔) の中に入ると大きなポットスチルが6~7基ならんでいた。宮城峡蒸留所のポットスチルは形が特徴的だという。蒸気を使い、長い時間をかけて蒸留することで、まろやかなウイスキーに仕上がるのだそうだ。再溜釜という札があるが、初溜釜にもろみを入れ加熱し、それを再溜釜で再び蒸溜することでアルコール分約65%の本溜液になる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 9mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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7.ポットスチルのしめ縄と紙垂
赤いマントを着た案内嬢が、しめ縄と紙垂は、政孝の生家が日本酒の造り酒屋だったことに由来していると説明してくれた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 19mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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8.幹が黒くなった木
外に出ると、案内状さんが「敷地内の木の幹が黒くなっているのは・・・」と説明してくれた。これは、蒸留時に煤でも出るのかと思ったが、そうではなく、アルコールを好むバクテリアが敷地内の木に住み着いており、このバクテリアの色が黒いためということだった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 11mm ISO180 ) 露出補正 なし
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9.貯蔵庫 -1
メインストリートを戻り、貯蔵庫へ向かった。電線がなく、赤レンガの貯蔵庫の建物は自然に溶け込んでいる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 22mm ISO320 ) 露出補正 なし
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10.貯蔵庫 -2
貯蔵庫の中に入る。たくさん樽が並んでいた。写真の右側に見える3っの樽は、見学者に匂いをかがせるようになっている。一番右が1ヶ月貯蔵モルト。真ん中が5年貯蔵モルト、一番右が12年貯蔵モルトだった。当然、12年貯蔵モルトは樽の良い香りが伝わってきた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/20秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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11.貯蔵庫 -3
原酒は樽を通して呼吸し、水の成分を取り込みながら熟成を遂げ、琥珀色に変化していく。樽材や過去に貯蔵していた酒の種類、焼き入れの程度などにより、ウィスキーの個性は大きく変わるという。ひとつひとつ手造りで行われる樽づくりの技は、創業時から脈々と受け継がれている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/10秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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12.試飲コーナー
見学も終了し、試飲のコーナーに案内された。無料見学コースでは、「アップルワイン」、「宮城峡」、「スーパーニッカ」を試飲させてくれる。「宮城峡」というのは宮城峡蒸留所の原酒で作られたシングルモルトである。うまいと思った。大麦麦芽のみを使用したウイスキーをモルトウイスキーと呼ぶ。 そして「シングル」が意味するものは単一の蒸溜所でつくられたウイスキーをボトリングしたものだそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/320秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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13.受賞ウィスキー
World Whiskies Award で世界最高賞を受賞した「竹鶴 17年」や、 International Spiruts Challenge で金賞を受賞した「竹鶴25年」や「余市」「The Nikka 25年」といったニッカの誇るウィスキーが展示されていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/500秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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14.有料試飲コーナー
無料見学コースの試飲コーナーを出ると、ギフトショップが順路になっている。「宮城峡」を買った。そのギフトショップの奥に、有料試飲カウンターがあった。「竹鶴 17年」、「竹鶴21年」があったので試飲してみたかったが、すでに「宮城峡」と「スーパーニッカ」で顔が赤くなっていたのでやめた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/125秒 10mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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15.撮影スポット
札幌のすすき野の角のビルにもこのヒゲの叔父さんの大きな看板があったのを思い出す。ブラックニッカのラベルに描かれていることで馴染みの、このヒゲの立派な男性は、1965年に登場して以来、今やニッカウイスキー株式会社のマスコットキャラクターとも呼べる存在になっている。ちなみにこの男性の「元ネタ」となったのは19世紀英国の「W・P・ローリー卿」という人物だそうだ。ローリー卿は、香りの効き分けが得意であったとされるウイスキーブレンドの名人で、「キング・オブ・ブレンダーズ(ブレンドの王様)」と呼ばれていたという。見学者はここで写真を撮っていく。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/200秒 15mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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16.コブハクチョウ
試飲をし、少々買い物をしたあと、少し工場の敷地内を歩いてみた。ビジターセンターの脇にある池には白鳥がいた。コブハクチョウのようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 51mm ISO200 ) 露出補正 なし
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17.仙山線
たまたま、仙台工場へ見学者を送ってきた作並温泉の旅館「一の坊」のマイクロバスが停まっていて、頼んでみたところ、作並駅まで乗せて行ってもらえることになった。作並駅から仙山線に乗り、仙台へ向かう。今回の旅では、作並、仙台間を2往復した。仙山線は日本の交流電化発祥の地であり、1954年(昭和29年)に試験が開始され、翌年、交流電気機関車の運転試験が、作並ー北仙台間で行われた。そして、1957年(昭和32年)に仙台ー作並間で日本初の交流電化による営業運転が開始されている。交流電化が高速運転に向いているという試験結果を生かして、新幹線の開発に結び付いたという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO1000 ) 露出補正 なし
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18.「すし哲」 -1
来た時に食べた「北辰鮨」という仙台駅の店で、地元のお客さんと話したところ、駅ビルの中にもう一軒「すし哲」という旨い寿司屋があると聞いたので、帰路の仙台駅では、ここ「すし哲」に寄ろうと決めていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/500秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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19.「すし哲」 -2
カウンターに座った。失礼して店内の様子を撮らせていただいた。テーブル席が多い。もともと本店は塩釜にあり、東日本大震災で大きな打撃を受けたが頑張っている。上野敏彦(著)の「塩釜すし哲物語―日本一のマグロを握る」および「新編塩釜すし哲物語」という本が出版されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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20.「すし哲」 -3
「塩竈物語」というセットを食べた が、大トロはとろけるように旨かった。 有田焼の器に美しく彩られる寿司は目も舌も満足させてくれた。前に立つ板さんに「写真を撮らせてください」と声をかけたところ、「どうぞどうぞ」と応じてくれた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
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21.「やまびこ」の車窓から
時刻は午後5時40分ごろ。那須塩原から宇都宮へと走る列車の窓から、赤く輝いて、山並みに沈んでいく夕陽が眺められた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO160 ) 露出補正 なし
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2019年4月 1日

作並温泉 2泊3日の旅(4) 仙台城跡 3月15日

瑞風殿前から「るーぷる仙台」に乗ると、バスは坂を上り、二の丸、三の丸付近を通って、2つ先の停留所が仙台城跡だった。バスを降りて、坂を上がっていくと本丸跡が広がる。標高は海抜約130m、東は広瀬川に落ちる64mの断崖、南は80mの深さの竜ノ口狭谷が固める天然の要害となっていた。
 仙台城跡は初代仙台藩主伊達政宗が、1610年(慶長15年)に築城した青葉城ともいわれる城の跡で、往時の建物は残っていないが、長い歴史が刻まれた石垣と復元された大手門脇櫓等が城を偲ばせる。城跡の一部は青葉山公園となっており、仙台市内の街並み、市内を流れる広瀬川や西側に見える山並みの眺めはさわやかな気分にさせてくれる。下の地図は字が小さくなってしまったこと、ご容赦いただきたい。

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仙台城跡の案内板より

 独眼竜伊達政宗の騎馬像や、東北地方出身の将兵の慰霊のために建てられた昭忠碑を見て、宮城県護国神社にお参りした。
 護国神社の隣に英霊顕彰館があって、「1/100統一スケールの圧倒的迫力 戦艦大和展示中」という看板にひかれて中に入って見てきた。戦艦「大和」、空母「飛龍」、巡洋艦「利根」などの模型が展示されていた。
 「るーぷる仙台」のバス停に戻り、次はどこに行こうか乗ってから考えようということにしたのだが、結局、仙台駅まで戻ってきてしまった。この後は「作並温泉 2泊3日の旅(2)」で書いたように仙台駅周辺のアーケード街を歩き、16:00発の仙山線で2泊目の作並温泉へ戻った。

36.大広間跡
仙台市のホームぺージによれば、本丸の広さは東西245m・南北267mという諸大名の城郭の中でも最大級で、築城後まもなく仙台城を訪れたイスパニア(スペイン)の使節ビスカイノは「この城は当国(仙台藩領)にある最強で最良の城のうちの一つである」と賞賛したそうだ。 本丸跡の北側に位置する大広間は、本丸御殿の主要な建物で、藩の政治や儀式を行う場でもあった。慶長15年(1610​年​)に完成し、畳敷き部分と縁側を含めて約430畳にも及ぶ大規模な武家御殿建築であったと伝えられている。明治時代の初めころに取り壊されたそうだ。

  SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1000秒 9mm ISO100 ) 露出補正 なし
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37.築城時の石垣モデル
本丸北壁の全面的解体工事により、伊達政宗が仙台城を構築した時期の石垣が地中から発見された。この石垣モデルは埋め戻された石垣の構造を再現したもので、石質の同じ石材で積み上げていると説明されていた。築石の間を詰石で埋め、石垣の裏側に入れた直径20cm程度の玉石で、石材にかかる力を受け止めて分散させ、雨水や池山からの地下水を石垣の外へ排出する役割を持った裏込めがなされている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 9mm ISO160 ) 露出補正 なし
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38.西側の山並み
仙台城跡からの眺めは素晴らしい。これは西の方角を眺めた画である。良くはわからないが山形方面だと思う。右側に白い観音様が見える。仙台大観音というのだそうだ。その寺は真言宗智山派の新界山大観密寺という。観音像は海抜181mにあり、地上高は仙台市制100周年を記念して100mに建立されている。1991年に建てられたそうだ。牛久の観音に次いでの大きさという。評判はあまり良くないようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/800秒 45mm ISO100 ) 露出補正 なし
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39.仙台の街と広瀬川
東の方向を見下ろすと、仙台の町が広がり、眼下には広瀬川が流れる。仙台市は人口110万人弱の日本で11番目の大都市で、宮城県は仙台一極集中といわれるほどだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/640秒 17mm ISO100 ) 露出補正 なし
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40.伊達政宗騎馬像 -1
TVなどで、仙台の紹介があるとよく出てくる、馬に乗り、甲冑姿の伊達政宗騎馬像は本丸跡の東側、仙台の市街地を見下ろす一番景色の良い台座の上にある。政宗の300回忌にあたる1935年(昭和10年)に建立された仙台城の初代伊達政宗像は、1944年(昭和19年)第二次大戦時の金属供出により撤去されてしまったが、どうにか肩より上は溶かされずに済んだようで、仙台市博物館の裏に置いてあるという。現在、仙台城天守台にあるのは、1964年に復元された二代目の騎馬像だそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 10mm ISO100 ) 露出補正 なし
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41.伊達政宗騎馬像 -2
伊達政宗は幼少の頃病気(天然痘といわれる)で片目の視力を失い、醜い痕が残った。独眼竜は、隻眼の英傑に対して与えられることがある異称であるが、初例は中国後唐の太祖李克用で、日本では戦国大名の伊達政宗が独眼竜と言われてよく知られる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 168mm ISO160 ) 露出補正 なし
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42.伊達政宗騎馬像 -3
後ろ側から伊達政宗騎馬像を見る。独眼竜の視野に仙台の町が広がる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/800秒 16mm ISO100 ) 露出補正 なし
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43.昭忠塔
伊達政宗騎馬像の先にもう一つ大きな塔があった。 この塔は過去の戦争で犠牲になった多くの東北地方出身の将兵の慰霊のために建てられたと記されている。昭忠碑は、1874年佐賀の乱以来、西南戦争、日清戦争などに従軍した陸軍第2師団所属の戦没者の慰霊顕彰碑として、昭忠会により仙台城本丸跡の地に建立され、1902年に竣工した。その時に塔頂部には日本書紀において神武天皇の軍を勝利に導いたとされる金色の鵄(トビ)のブロンズ像があった。それは国内ブロンズ彫刻の最初期にして比類なき大傑作と言われている。その後、昭忠碑は1936年の震災により鵄の左の翼が落下(後に修復)するも、幸い戦時中の金属供出を免れたため、現代に明治期の文化・技術を伝える文化財的価値の高い貴重な歴史遺産となっていた。しかし、2011年3月11日の東日本大震災で被災、塔頂部にあった金鵄が基壇上に落下し頭部・左翼などがバラバラに破損し、塔部分に大規模な亀裂などの損傷を被るなど大きな被害を受けたという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 16mm ISO100 ) 露出補正 なし
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44.宮城県護国神社
wikipediaによれば、明治維新以降の諸事変、戦役における宮城県関係、あるいは縁故のある戦死・殉難者、5万6千余柱を祀る。神紋は十五菊に桜。日清戦争後の明治31年(1898年)に組織された昭忠会を母体として、日露戦争中の明治37年(1904年)8月27日、現在地に「招魂社」を建立し、大日本帝国陸軍・第二師団管下(第2師管:宮城県・福島県・新潟県)および山形県の戦死者の一部を祀ったのを起源とする 。 当社は、靖国神社と同様に「天皇・朝廷・政府側の立場で命を捧げた者」を祭神としており、戊辰戦争に敗戦して賊軍となった仙台藩関係者は祀られていない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 11mm ISO160 ) 露出補正 なし
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45.英霊顕彰館
はじめに記したように、「1/100統一スケールの圧倒的迫力 戦艦大和展示中」という看板を見て、入館料300円をお支払いして中に入った。明治27~28年の日清戦争からの戦争にかかわる展示がされていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/400秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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46.英霊顕彰館 重巡「利根」の模型
主だった軍艦の模型が展示されていた。これは重巡「利根」 の模型である。1934年に進水し、1945年7月28日7月28日の敵艦載機の攻撃で大破着底し、戦後解体された。基準排水量11,213トン

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/200秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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47.英霊顕彰館 戦艦「大和」の模型
戦艦「大和」 は、大和型戦艦の1番艦(ネームシップ)で、2番艦の武蔵とともに、史上最大にして、唯一46センチ砲を搭載した戦艦であった。呉海軍工廠にて建造され1940年に進水し、1941年に就役している。最後は昭和20(1945)年4月7日、特攻作戦に参加し九州坊の岬沖で沈没した。基準排水量は64,000トン。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/250秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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48.英霊顕彰館 空母「飛龍」の模型
空母「飛龍」 は、太平洋戦争の映画には必ず登場する大日本帝国海軍の航空母艦だった。1942年5月27日、南雲忠一中将指揮のもと、第一航空艦隊(南雲機動部隊)第二航空戦隊旗艦としてミッドウェー海戦に参加すべく日本を出撃した。そして、同6月6日に沈没した。基準排水量17,000トン。 艦載機の模型がよく作られていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/250秒 15mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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49.梅
早咲きの桜かなと思って撮ったが、梅だった。バス停に戻り、「るーぷる仙台」に乗った。大崎八幡宮で降りてみようかと思ったが、そのまま仙台駅へ戻った。小腹が空いて、蕎麦でも食べたと思いアーケード街を歩いたが、食べ物屋は意外と少ない。やっと1軒、蕎麦屋を見つけて入ったが、「はずれ」だった。

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プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 102mm ISO800 ) 露出補正 なし
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2019年3月25日

作並温泉 2泊3日の旅(2) 作並温泉と仙台駅周辺を歩く 3月15日

前日、作並駅に到着したときは、雪が降っていて、とても寒かった。作並温泉は古くから仙台の奥座敷といわれ、仙台市と山形市を結ぶ国道48号線(作並街道・関山街道)沿いに位置し、歴代仙台藩主の隠し湯として伝えられている。肌に優しい泉質と豊富な湯から「美女づくりの湯」と言われているそうだ。わたくしたちが泊った宿の風呂も広い大浴場と、いくつかの露天、岩風呂があった。確かに湯量は豊富であり、この日は泊まる人も少ないのか、夕食後に入ったためか、大浴場は人も少なく、気持ちよく、ゆっくりと温泉に浸かることができた。
 昨夜の夕食の際、かみさんと今日の行動について相談したが、作並温泉はそぞろ歩きする温泉街もない。近くに、極楽山西方寺とか鳳鳴四十八滝などはあるが、歩いては行けない。タクシーを呼ぶと30分は待たなくては来てくれないという。仙山線の3駅先には山寺(立石寺)があるが、そこへは以前に行ったことがあった。
 ニッカウィスキーの仙台工場(宮城峡蒸留所)へは宿から送迎バスがある。そこへは明日行くことにして、今日は作並駅まで宿の送迎バスで行き、仙台に出て、「るーぷる仙台」という、横浜でいわば「赤いくつ」のような市内観光循環バスに乗り、瑞鳳殿と青葉城跡などを見ようということになった。  朝食もバイキングだったが、まあまあ良かった。作並駅 9:41 発の仙台行き仙山線に乗ることにし、間に合うように宿の送迎車に乗った。
 宿を出発する前に、唯一、近くにある湯神神社へ行ってみる。特にどうということのない小さなお社だった。そこから広瀬川沿いに歩くと作並橋という橋があり、その橋の上から渓谷が眺められた。橋を渡るともう一つの大きな宿である「一の坊」があった。
 仙山線は国道48号線と並行するように走り、途中、秋保温泉への入り口である愛子(あやし)駅を経て、仙台まで30分少々の所要時間だった。乗客は思ったより多く、愛子で空席がなくなった。

1.湯神神社 鳥居とお社
宿の前を走る国道48号線を渡って、50mほど登ったところに湯神神社のお社があった。小さな地味な神社である。私たちが泊っている「鷹泉閣 岩松旅館」のお湯の神様だそうだ。白蛇が奉られているという。縁結び、子宝安産、商売繁盛、などを願う地元の人から親しまれている、知られざるパワー・スポットだそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO160 ) 露出補正 なし
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2.湯神神社 社殿
2っの鳥居を抜けて少し高くなったところに、小さな社殿があった。作並温泉一帯にあった神社は明治時代以降、愛宕の諏訪神社に合祀され正式的には無くなった。この湯神神社はその後、勧請されたもので比較的に新しいものと思われると。昨日降った雪が残っていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO320 ) 露出補正 なし
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3.広瀬川の渓流
国道を渡って、宿に戻ろうとしたところ、その先に「一の坊」という旅館に下りていく道があったので、ぶらりと行ってみた。川の音がしてきて、「一の坊」は広瀬川の対岸に建てられていた。立派な旅館である。橋を渡って行ってみたが、橋の上から流れる広瀬川の渓流は、季節がよければきれいだろうと思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 14mm ISO125 ) 露出補正 なし
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4.「一の坊」
わたくしたちが泊った宿は「鷹泉閣 岩崎旅館」というところだが、「一の坊」は広瀬川の少し上流にあった。作並温泉は広瀬川に沸いたといわれる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 14mm ISO125 ) 露出補正 なし
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5.作並橋
広瀬川にかかる作並橋。絞りは f2 と開放に近いが、広角端では被写界深度は深い。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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6.作並駅
9時20分に宿を出発する送迎バスに乗せていただき、5分ほどで作並駅に着いた。仙台行きの列車は 9:41 発だ。この季節作並駅は、どこかのおばさんがひとりベンチに座っているだけで、ひっそりとしている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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7.作並駅のプラット・ホーム
仙山線は単線である。駅は上りのホームと、下りのホームに分かれる。仙台寄りの先頭車両の前にあると渡線踏切を渡って、上り線ホームに行く。仙台方面からの観光客を迎えるこけしが立っている。しかし、いわゆる作並系こけしの特徴とちょっと違うように感じた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 20mm ISO125 ) 露出補正 なし
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8.仙台行き入線
9:41発の仙台行きの4両編成のE721系電車が入線してきた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
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9.仙台駅周辺
10:21 に仙台につぃて、乗車する場所を探すのに少し時間がかかったが、「るーぷる仙台」という観光地循環バスに乗った。1日乗車券で620円である。そして、瑞鳳殿と仙台城跡で下車して見て歩き、仙台に午後2時に戻ってきた。これから、仙台駅周辺のアーケード街を歩いてみようと思う。瑞鳳殿、仙台城跡については、後ほど。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 12mm ISO125 ) 露出補正 なし
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10.仙台駅周辺アーケード街
50年以上も前のことになるだろうか、学生時代に仙台に来た時には、「東一番丁」という立派なアーケード商店街があった。懐かしいので是非行ってみたいと歩きはじめた。確かその「東一番丁」は仙台駅から500mほど離れて南北に広瀬通、青葉通りと交差するアーケード商店街だったと記憶していた。 今回行ったときは、もちろんアーケード街はさらに立派になっていたが、仙台駅の北側から東一番丁へ出るまでの縦、つまり東西の通りが発展していた。それらは、「パビナ名掛丁」、「クロスロード」「マーブルロードおおまち」という名称になり、愛宕上杉通、国道286号線と交差し、「藤崎」という老舗の百貨店のあるところで「東一番丁」の通りにぶつかる。この仙台市青葉区一番町3丁目の東一番丁通との交点から、同区中央1丁目の駅前通との交点まで至る東西の道の通称は中央通りと呼ばれる。現在はこの中央通りが仙台アーケード商店街りのメイン・ストリートなのだ。かって「東一番丁」と呼ばれた通りは、「サンモール一番町」、「ぶらんどーむ一番町」などと名前が付け替えられていた。写真は「マーブル通りおおまち」。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO160 ) 露出補正 なし
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11.三瀧山不動院
クリスロード商店街に三瀧山不動院というのがあった。真言宗智山派(総本山智積院・京都市東山区)に属する加持祈祷の専門寺院だそうだ。そこでは福の神として仙台四郎が奉られている。仙台四郎は民間信仰であるため本来寺社とは関係ないが、 仙台駅西側の都心部には寺が2つしかなく、真言宗の当寺がアーケード街では唯一であるので、奉られるようになったようだ。少し長くなるが、wikipediaによれば、仙台四郎は 江戸時代末期(幕末)から明治時代にかけて、現在の宮城県仙台市に実在した人物の「人神」としての名称。知的障害があり会話能力は低かったが、明治期に「四郎自身が選んで訪れる店は繁盛する」との迷信が南東北のマスメディアを巻き込んで流布し、売上増を企図する店舗等が四郎の気を引こうと厚遇した。没後の大正期に入ると、仙台市内のある写真館が「四郎の写真を飾れば商売繁盛のご利益がある」と謳って写真販売を始めた。商売繁盛のご利益は、存命中においては四郎の意志に依拠したが、写真による偶像化以降、(死没した)四郎の意志とは無関係になり、グッズを購買すればご利益が得られると転換された。すると1920年(大正9年)からの戦後恐慌以降、繰り返し発生する不景気において四郎のブームが度々発生し、商業神の稲荷神やえびす、あるいは、土着の松川だるまを凌駕して仙台で信仰され、さらには全国的に知られる福の神として定着した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/250秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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2019年3月22日

作並温泉 2泊3日の旅(1) カメイ美術館 3月14日

久しぶりに温泉へでも行ってみようということになり、仙台の近くの秋保、作並、鳴子の何処にしようか検討した結果、今回は作並温泉へ行くことにした。作並温泉は秋保温泉の少し奥で、仙台からJR仙山線に30分ほど乗り、作並駅から宿の送迎バスで5分というところだ。作並温泉には2軒ほど大きな温泉宿があるが、そのうちの一つに宿をとった。
 東京発11時ちょうどのやまびこ135号で、仙台には13:04に着いた。ちょうど昼食の時間である。「てくてくあおば」というWEBサイトで、仙台市民1,000人に聞いたアンケートで1位になっていた「北辰鮨」へ行ってみる。少し待ったが、食べることができた。さすが、旨かった。
 今回、仙台で少し時間をとって、是非、行ってみたいところがあった。それは世界の蝶のコレクションで有名なカメイ美術館だ。蝶の展示標本については写真撮影OKであったので、小一時間、ほとんどすべての標本を撮影してきた。4,000種、14,000頭の展示標本の中で、このブログの中ではすべてを紹介すことはできないが、特にビクトリアトリバネアゲハ、アレキサンドラトリバネアゲハなどトリバネアゲハは充実していて、昨年、見学した東京大学総合研究所博物館での「珠玉の昆虫標本展」を超えていた。
 仙台発16時ちょうどの快速山形行きに乗り、作並で下車すると、宿のマイクロバスが迎えに来てくれていた。ゆっくり温泉に浸かりたい。夕食は6時からだ。それまで、テレビで大相撲を見て、温泉は夕食後に入ることにした。夕食は和食中心のバイキングだったが、牛タン焼き、てんぷらなどがあり、芋煮の味がとてもよかった。オン・ザ・ロックで飲んだニッカの宮城県限定「伊達」というウィスキーが、値段の割には、旨かったと思う。

1.仙台駅
学生の頃は卓球の試合で、また、務めてからは出張で何回か仙台には来ている。上野から、ガタガタと良く揺れる「ひばり」という在来線の特急にも乗ったし、もちろん新幹線でも来ている。仙台駅はきれいな、立派な駅になった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 12mm ISO125 ) 露出補正 なし
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2.「北辰鮨」 -1
出かける前に「てくてくあおば」というWEBサイトで、この日の昼飯をどこで食べようかと情報を探していたところ、仙台市民1,000人に聞いたアンケートで1位になっていた仙台駅の1階にある「北辰鮨」を知った。探しあてて行ってみたところ、2組ほど待ってテーブル席に案内された。失礼して店内を撮らせていただいた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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3.「北辰鮨」 -2
伊達政宗の正室 愛姫(えごひめ)と名前が付けられたセットの握りを注文した。マグロ、ウニが旨かったし、鰆(さわら)、帆立、穴子と3貫載せられた"炙り"もとても旨かった。価格もリーズナブルで満足。お隣に座られた地元の方に聞いたところ、仙台駅にはもう1軒「すし哲」という評判の店があるそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/640秒 13mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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4.カメイ美術館
仙台駅の西口から地下鉄南北線の五橋駅のほうへ、広い道(愛宕上杉通)を10分ほど歩くと右側に、建物の上に「カメイ」という看板がある大きなビルがあった。そこの6階、7階がカメイ美術館だった。パンフレットによると、カメイ美術館は1994年(平成6年)9月に仙台市に本社を置く総合商社カメイ株式会社の創業90周年を記念して設立され、財団法人カメイ社会教育振興財団の事業の一環として開館した。蝶とこけしと絵画芸術の3っの方面の展示が行われている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 15mm ISO125 ) 露出補正 なし
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5.カメイ美術館 古作こけし名品・木地山系
カメイ美術館の入り口は7階だった。7階ではカメイ株式会社が長年にわたって収集してきた絵画・彫刻が展示されていた。梅原龍三郎、藤島武二、藤田嗣治、岡田三郎助、向井潤吉をはじめ著名な画家の作品があった。この階での撮影は禁じれていた。名画を鑑賞した後、蝶とこけしが展示されている6階に下りる。ここは写真撮影OKだった。こけしはカメイ4代目社長である亀井昭伍氏のコレクションより古作こけし名品展が開催されていた。写真のこけしは、秋田県皆瀬村木地山を中心に制作され発達してきた木地山系の古作で、左から小椋久四郎作(昭和初期)、小椋石蔵作(昭和14年ころ)、小椋久太郎作(昭和8年ごろ)、同じく(昭和16年ころ)、小椋為三作(昭和13年ころ)である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
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6.作並系
これは、これから行く作並温泉を中心として発展した系統だそうだ。 説明書きによれば、「頭部はあごの細い逆台形が多い。頭頂の赤い輪状の飾りの中央に、一束の髪を描く水引き模様が特徴となっている。胴は、肩から下部にかけて細くなり、円錐に近い形で、子供が握って遊ぶのに適した細さである。しかし、安定がよくないため特に大きいものでは台を付けたものが見られる。胴模様は、菊や牡丹の花模様で、独自のカニのような花模様が描かれているのも一つの特徴である。」とあった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2 1/1000秒 10mm ISO640 ) 露出補正 なし
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7.こけしのおひなさま
津軽系のこけし作者である今晃氏のこけし雛が展示されていた。 その中で、これは石川美祈子さんという今晃工人のただ一人のお弟子さんの作品だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1000 ) 露出補正 なし
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8.「宇宙賛歌」
用いられた蝶の種類は100種以上、翅の数はおよそ7,000枚に及ぶ、蝶の翅で宇宙をイメージしてつられた作品だそうだ。作者は長崎のカトリック教会の神父、烏山邦夫氏である。カメイ美術館(旧 カメイ記念展示館)の創設者、カメイ株式会社の三代目社長 亀井文蔵氏が、青年時代のある日、見知らぬ中学生より、「亀井さんの持っている蝶と、私が持っている蝶を、ぜひ交換してほしい」との手紙を受けとった折に、優しく、希望された蝶に手紙を添えて送ってあげたという話を、蝶収集の友人から伝え聞いた神父は感動し、このような作品を外部に出すことはなかったが、カメイ美術館の開館に際しての依頼に、わざわざ仙台まで来て、昼夜を問わず、1週間にわたって制作にあたり完成したそうだ。失礼ながら勝手に要約させていただいたが、作品の説明板には、亀井文蔵氏の烏山神父への謝辞が述べられていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO500 ) 露出補正 なし
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9.「宇宙賛歌」部分
「宇宙賛歌」 の右下の部分である。撮影する角度によって翅の色の輝きが変化する。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
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10.キリシマミドリシジミ
日本産のゼフィルスの中でも金属光沢の緑色の翅が美しいキリシマミドリシジミである。これほど多数の標本の展示は滅多に見られない。左隣のヒサマツミドリシジミの♀もきれいだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 27mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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11.カメイミヤマシロチョウとカメイミカドウスバシロチョウ
中国の珍しい蝶という箱の中に、Aporia kameii (カメイミヤマシロチョウ)と Parnassius imperator kameii(カメイミカドウスバアゲハ) という学名の付けられた2種の蝶があった。また、その右側のタテハチョウ科の蝶(多分イナズマチョウの仲間)には、Euthalia kameii と Euthalia bunzoi と亀井文蔵の名前が学名につけられた蝶の標本があった。この2種には和名がない。自分の名前が学名として種名になるなんて、考えただけでもゾクゾクする。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 27mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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12.ビクトリアトリバネアゲハ  -1
カメイ美術館に展示されている蝶は約4,000種という。日本に生息する蝶が、約240種であるので、膨大な種が展示されていることを知る。冒頭でも記したように、中でもトリバネアゲハの仲間の標本の充実ぶりはすごい。この美しいビクトリアトリバネアアゲハはソロモン諸島特産で、ニューギニア本島には生息しない。いくつかの亜種が知られている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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13.ビクトリアトリバネアゲハ -2
これはガダルカナル島の rubianus という亜種のようだ。ビクトリアトリバネアゲハの♀は開帳200mmを超えるものも珍しくなく、アレキサンドラトリバネアゲハ同様、1854年に最初に得られた♀はマック・ギルブレイによって撃ち落されたものだという。(海野和夫 「世界で最も美しい蝶は何か」参照)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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14.アカメガネトリバネアゲハ
標本箱の上に「ウォーレスがパチャン島で発見したアカメガネトリバネアゲハ」と記されていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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15.アレキサンドラトリバネアゲハ
世界最大の蝶である。特に♀は開帳して平均230mmで、大きいものは250mmにもなるという。♂はそれに比べて小さく、180mmくらいで200mmを超える個体は稀だそうだ。最初の♀は散弾銃で撃ち落されたという。アレキサンドラトリバネアゲハの分布は南東ニューギニアの狭い範囲に限られている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 18mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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16.各種トリバネアゲハ
メガネトリバネアゲハには、♂が緑、赤、青の3系統あるが、左の列がメガネアゲハのオビ島に生息する亜種オビトリバネアゲハ、真ん中の列がインドネシアのハルマヘラ島の赤色のメガネトリバネアゲハの亜種、右側の列の上2頭はキマエラトリバネアゲハ。下の2頭はアカエリトリバネアゲハだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
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17.ビクトリアトリバネアゲハの亜種ルピアヌスの異常型とアロッティトリバネアゲハ
左側の箱はパプアニューギニア産の亜種 rubianus で、右側の♀が異常型である。正常な写真13の♀と比較すると、ずいぶん白化している。右側の箱はアロッティトリバネアゲハで、ソロモン諸島のブーゲンビル島で、1914年に宣教師アッベ・アロッテ氏により発見された大変珍しい蝶とのこと。この蝶は独立した種ではなく、同じ地域に生息しているビクトリアトリバネアゲハとアオメガネトリバネアゲハの雑種であるとされている。雑種が成虫まで育つ確率は非常に低いのでこの蝶の採集例も少なく、特に♀は稀で、標本は世界に3頭のみであり、この1頭の他には大英博物館が保有しているだけだそうだ。日本産の蝶では、リュードルフィア・ラインで棲み分ける、ギフチョウとヒメギフチョウの交雑が知られている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 28mm ISO2500 ) 露出補正 なし
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18.モルフォチョウ
モルフォチョウの仲間は、トリバネアゲハやミイロタテハとともに世界で最も美しい蝶の一つである。特に青色金属光沢のものは、お土産品として有名であるが、この色は色素によるものではなく、光の干渉による構造色である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
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19.オオルリアゲハ
この蝶もモルフォチョウに負けないほど美しい。カラスアゲハの仲間でその分布はインドネシアのアンボン島からニューギニアを経て、オーストラリア北部に達する。分布が広いので多くの亜種に分類される。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
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20.蝶 標本展示室
6階の蝶の標本展示室は広かった。しかも、種類も標本数も、そして内容もぎっしり詰まっている。来てよかった思う。まだまだ、載せさせていただきたい写真もあるが、今回、特にインパクトがあった標本に重点を置いた。ただ、どうしても照明の映り込みがあり、できるだけかぶらないように撮ったが、難しかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO2000 ) 露出補正 なし
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21.トリバネアゲハの吊り飾り 7階への階段のわきには、トリバネアゲハの飾りが吊り下げられていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​2.5​ 1/​5​00秒 9mm ISO​32​00 ) 露出補正 なし
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22.「伊達の牛たん本舗」
仙台は牛たんが有名である。カメイ美術館から仙台駅へ戻る途中に立派な牛たんの店があった。仙台駅ビルにも多くの店がある。なぜ仙台で牛たん焼きが?と疑問を持つ。牛タン焼きの誕生は昭和20年代。終戦直後の混乱期、仙台市内は、失業者であふれ、慢性的な食糧難に加えて、酔っぱらいや喧嘩が多く、火事などが多発した物騒な時代だったそうだ。牛タン焼きの生みの親である(故)佐野啓四郎氏も当時は和食の職人として、焼き鳥中心の飲食店を経営していたそうだ。​そして​誰にも真似のできない自分だけの料理を造りたい​と思い、試行錯誤を重ねて、牛たん焼きが生まれたという。仙台牛タン焼きの誕生は定説では昭和初期に当時、仙台に駐留してたアメリカ兵が食べ残した牛肉の余剰部分を利用したのがはじまりとされて​来ていた。​しかし​、​アメリカ進駐軍は、アメリカ本土から牛肉を解体したものを輸入していたため、牛​たん​自体はほとんど輸入されていなかった​のだそうだ​。牛たん焼きは余り物から生まれたのではなさそうだ。​当時は牛たんの素材集めも大変だったらしい。​

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f​1.8​ 1/​10​00秒 9mm ISO​2​00 ) 露出補正 なし
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