2020年3月16日

隠居のPC備忘録:You Tube で流れる楽曲を .mp3 で録音する

【音楽って何だろう?】という本を毎日新聞の今週の本棚という書籍紹介欄で知った。作曲家の池辺晋一朗さんが、平凡社の【中学の質問箱】シリーズの一環として書かれた著書である。毎日、音楽を聴きながら、そんな純朴な質問を考えたこともなかったので、興味をそそられた。
 私は、演歌からクラッシックまで音楽は節操なく聴くが音楽の素養は全くない。もう喜寿は超えているが音楽の意味を考えておくのも悪くない。
 この著書で著者が音楽の道を目指すきっかけになった一つに、Poem Electronique という ミュジーク・コンクレートに分類されている合成音楽と出会ったことが一つのきっかけというの紹介がある。どのような音なのか気になったので、You Tube でググってみるとヒットした。これを録音して、フィルで残しておきたいと思った。以前に簡単にYou Tube の音はMP3ファイルにできたのたが、その時の方法が思い出せない。今回新たに、You Tube の音楽をダウンロードして MP3 化したので備忘録として記録しておきたい。

ネットで「You Tube で音楽をダウンロードする」というような語句でサーチしてみると沢山のソフトがヒットする。詳しくは調べていないが、VideoProc というソフトが使いやすそうだったので、これを使うことにした。初期の目的である You Tube から、楽曲をダウンロードしてファイル化することでは無料で簡便に使えそうだ。  このソフトを使って、You Tube 動画から Poem Electronique の音を取り出したので、一例として記録しておきたい。

  1. You Tube にログインして、【Poem Electronique】で検索し、動画を実行する.実行中の動画画面で右クリックすると出てくるポップアップ画面で、【動画のURLをコピーする】を選択する。
    YouTube01.JPG 


  2. ダウンロードし、インストールした VideoProc を立ち上げる。有料機能追加の画面が出てくるが、無視する。次の画面でダウンロードを選択する。
    YouTube02.JPG


  3. 次に出てくる下のような画面で、【音楽追加」をクリックする。
    YouTube03 (2).JPG


  4. 次に出てくる画面で、1.で取得したURLを貼り付けて、【分析】ボタンをクリックする。
    YouTube06.JPG


  5. すると次のような画面が出てくるので、該当動画を選択し、右リストの拡張子 .mp3 を選択して【選ばれた動画をダウンロードする】ボタンをクリックする。
    YouTube07.JPG


  6. 次に出てくる画面で、右下の【Download Now】ボタンをクリックすると左上部のバーで進行状況が表示される。【オーディオの出力ホルダー】はあらかじめ決めておいた方がいいだろう。【参照】ボタンで、選択はできるが。左上の進行バーは、99%のところで止まったりするが、しばらく待つと「Reload]という表示になり、参照ホルダーに収納される。
    YouTube08.JPG/div>


 下のバーで再生ボタンをクリックすると、You Tube からダウンロードした Poem electronique のMP3ファイルがが再生される。(少し、編集しているが)

PoemElectronique



  音楽って何だろう?
音楽ってなんだろう?: 知れば知るほど楽しくなる (中学生の質問箱)
池辺 晋一郎
平凡社
売り上げランキング: 201,798


2020年2月 4日

隠居の散策:暖冬:蕾をつけた春の花(6);キチョウが飛んでいた

新しく令和2年になって、早くも1か月が過ぎた。1月の終わりになって、近所を歩いてみると、あちこちに春の兆しが見え始めた。
 今年初めて、観察した蝶は、ノゲシに留まるキタキチョウだった
 ソメイヨシノの咲くころに楽しむ地元の道を歩いているとソメイヨシノの蕾はまだ固いが、空き地に植わっている十月桜は、満開だった。

200128003.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)ソメイヨシノの蕾
散策路のソメイヨシノの蕾はまだ固い。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
100mm(35mm換算150㎜) 1/500 F6.3 ISO:100

200128004.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)十月桜
一本しか植わっていないが、満開だった。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
230mm(35mm換算345mm) 1/500 F7.1 ISO:100

200128005.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)マンホール
旧部落の消火栓マンホール。ニュータウンの消火栓より落ち着いている。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
20mm(35mm換算30㎜) 1/500 F4.5 ISO:100

200128006.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)積乱雲?
山の向こうに、雲の塊が。その上は、巻雲が。以前に求めていた【雲のカタログ】という図鑑をみたが、名前が特定できなかった。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
20mm(35mm換算30㎜) 1/500 F4.5 ISO:100

200128007.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)キタキチョウ
ノゲシにキタキチョウが留まった。思い做しか、小型のような気がする。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
200mm(35mm換算300㎜) 1/500 F7.1 ISO:100

200128008.JPG 2020/1/28 和田川(堺)コサギ
野生の鯉が群れているそばにコサギがやってきて、懸命に餌を探していた。小魚を咥えたが、きれいに撮れなかった。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
90mm(35mm換算135㎜) 1/500 F5.6 ISO:160

200128012.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)ムラサキカタバミ
先日、蕾の時は、名前が特定できなかったが、花が開いてみるとはっきりした。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
180mm(35mm換算270㎜:crop) 1/500 F6.3 ISO:160

DSC04063.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)ガザニア
別名:クンショウギク。檜尾和田に、どなたが作らている20坪ほどの花壇がある。緑の中に、オレンジ色の目立つ花がある。フクジュソウと思っていたが、調べて見ると南アフリカ原産のガザニアだった。。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
120mm(35mm換算180㎜) 1/500 F10.0 ISO:100

200128013.JPG 2020/1/28 檜尾(堺)セイヨウタンポポ
地面に這いつくばるように咲いている。すぐ近くの別の花をちぎって裏がえして観察すると総苞片が反り返っていた。

SONY α7Ⅱ+ Sigma 18-300mm
100mm(35mm換算150㎜) 1/500 F13.0 ISO:100



   
雲のカタログ  空がわかる全種分類図鑑
村井昭夫 鵜山義晃
草思社
売り上げランキング: 47,280

2016年9月17日

隠居の散策:白露の候の泉北ニュータウン栂地区の生き物(1)

秋のお彼岸までまだ少し日にちがある24節気白露の候(9/8-9/21ころ)、少し秋の気配を感じながら、近所を散策した。
 いつもあまり歩かない小道を歩いてみると思いがけない発見があったりする。この時期には、ヤブガラシの花序が伸びていていたるところに絡みついている。そこにいろいろな昆虫がやってくる。ヤブガラシは別名ビンボウカズラと呼ばれていて、手入れの行き届かない庭や畑などにはびこる。このような植物の方に蝶などはやってくる。よく手入れの届いた公園などには、虫はあまりやってこない。皮肉なものだ。

白露の候の生き物たち:泉北ニュータウン栂地区

;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺大森
ランタナ
雑草の中に咲いている。"時間が経つにつれて黄色から橙色,赤色へと花の色が変わります。このため「しちへんげ(七変化)」とも呼ばれますが、色の変化しない黄色や白色の品種もあります。"とボタニックガーデンにはある。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
59.0mm 絞り優先 1/60s f9.0 ISO100 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
百日草にイチモンジセセリ
道に面した小さな花畑に色々花が植栽されており、蝶がやってきている。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
134.0mmクロップ 絞り優先 1/60s f9.0 ISO125 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
ノウゼンカズラ
上に伸びたノウゼンカズラの花の上の雲は秋色だ。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
59.0mm 絞り優先 1/500s f6.3 ISO100 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
マリーゴールドにホシミスジ
この蝶は関東にはあまりいないらしい。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
59.0mm 絞り優先 1/500s f6.3 ISO100 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
シオカラトンボ
成虫、幼虫ともに肉食で、小さな昆虫類を餌にしているらしい。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
184.0mm 絞り優先 1/200s f6.3 ISO500 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
ヤマトシジミ開翅
ツユクサに留まって開翅。翅が青色がかっているので、オスだろう。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
152.0mmクロップ 絞り優先 1/200s f6.3 ISO100 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺和田川
アオサギ飛翔
ほとんど静止しているが、ときたま飛び立って場所を変える。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
240.0mmクロップ 絞り優先 1/250s f6.3 ISO160 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
千日紅にヒメアカタテハ
ほとんど静止しているが、ときたま飛び立って場所を変える。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
201.0mmクロップ 絞り優先 1/250s f6.3 ISO125 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
百日草に吸蜜するアゲハチョウ
3,4頭が飛び回っていた。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
240.0mmクロップ 絞り優先 1/250s f6.3 ISO160 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
実った稲にキタテハ
このような状況では極めてピントが合いにくい。キタテハと稲でググったら、海野和男さんの写真がヒットした。このような状況では、ピントが合いやすいだろう。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
169.0mm デジタルズーム3倍 絞り優先 1/400s f6.3 ISO100 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
オクラの花
この時期、野菜畑ではオクラの花が目立つ。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
201.0mm 絞り優先 1/250s f6.3 ISO125 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
タマスダレ
ブラジルが原産だそうだ。園芸用のものが混ざり込んだのだろうか、田んぼの脇に咲いていた。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
110.0mm 絞り優先 1/160s f6.3 ISO100 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
オオイトトンボ
連結したカップルが草の葉に留まっていた。堺いきもの情報館に投稿。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
219.0mm 絞り優先 1/250s f6.3 ISO200 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
アキノノゲシ
人の住むところにしか生えていない。花は昼間に開いて夕方には萎むとのことだ。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
49.0mm 絞り優先 1/160s f6.3 ISO100 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
ヤブガラシにアゲハチョウ
左尾状突起が欠損している。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
198.0mm 絞り優先 1/200s f9.0 ISO120 露出補正 -0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
キバナコスモスにツマグロヒョウモン♂
ツマグロヒョウモンは、園芸用の花によくやってくる。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
201.0mm 絞り優先 1/250s f9.0 ISO250 露出補正 +0.3
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
アゲハチョウの飛翔
「チョウはなぜ飛ぶのか」での写真と同じ構図を狙ったが(^_^;)。難しい。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
130.0mm 絞り優先 1/160s f9.0 ISO100 露出補正 +1.0
;クリックすると大きな写真になります。 2016/9/9 堺檜尾
ヤブガラシにはキアシナガバチも
名前通り、脚が黄色いアシナガバチ。
SONY α7Ⅱ+FE24-240mm zoom
184.0mmクロップ 絞り優先 1/200s f8.0 ISO400 露出補正 -0.3


  
新編 チョウはなぜ飛ぶか フォトブック版
日高 敏隆
朝日出版社
売り上げランキング: 283,974

2012年3月15日

隠居の読書:1円の中古本


 隠居の探鳥ウォーク・シリーズでは、俳句とはとても言えないような俳句をタイトルにしている。野鳥の観察では、季節の移ろいを肌に感じる。俳句をタイトルにしているのは、俳句には季語があって季節の表現が必要であるから、タイトルの表現には合っているなと思うからである。だが、乏しい日本語知識では、短い語句の中で適切な表現は極めて難しい。それで、色々な歳時記に頼ることになる。そんなことで、鳥と歳時記に関する本を探し求めたりする。先日、ネットでサーチしていると〘野鳥の歳時記〙といった本がたくさんあることが分かった。

 本は Amazon で買うことにしているので、Amazon で探してみると中古本であるが、どちらもシリーズ本で小学館の〘野鳥の歳時記〙、学研の〘鳥の歳時記〙といった本が一冊1円で売られていることが分かった。送料は 250 円である。
 いくら安くても、中身の薄ペッらい本であれば、邪魔になるだけである。試しに、一冊ずつ買ってみることにした。

 何社かリストされている中から、あまりどこの中古本屋といことを意識せずに注文をすると、二日もしないうちに、茶封筒に包装されて、ゆうメールで送られてきた。
 早速、封筒を破って中身をみた。どちらも 28・29 年前に出版された本であるが、綺麗なものである。デジカメが発展した最近の画像と比べれば、確かに写真はもう一つの感じがするが、挿入されてる文章は、山本健吉や若き頃によく読んだ串田孫一らの鳥に関する随筆があり、極めて面白い内容になっている。これで、251 円は安い。ということで、何冊かを買い求めた。
 どちらも野鳥愛好家にとっては、興味深い内容であるが、学研の〘鳥の歳時記〙には歳時記らしく多くの俳句も挿入されている。小学館の〘野鳥の歳時記〙は俳句歳時記ではないとことわっていて俳句の記載はないが、中西悟堂、岡部伊都子、辻邦生、戸川幸夫らのエッセイには惹きこまれている。

 ところで、気になる1円の秘密は、KandaNewsNetwork というサイトに、詳しいブログ記事があった。カラクリは、送料の割引制度にあるようだ。なるほど、納得である。

野鳥の歳時記〈4〉秋の鳥

小学館
売り上げランキング: 435108

鳥の歳時記 (4)
鳥の歳時記 (4)
posted with amazlet at 12.03.15

学研
売り上げランキング: 1567448


2011年11月21日

隠居のパソコン備忘録:モニターを CRT から LCD に変える 


 私のパソコンは、いわゆる自作PC で、いろいろな部品や機器をアセンブリしたものである。モニターは、10年前くらいに娘の大学入学祝いにと自作したときに求めた SAMSUNG の 19インチ CRT を、娘が新たに SONY Vaio を買い求めたので舞い戻ってきたものを使ってきた。

 特段問題はなかったのであるが、デスクの上に大きな場所を占めており、動かすのも重たい。それに、家内の LCD の方が、掲載している写真が明るく綺麗に見える。私のブログに訪れるほとんどの人も、パソコンのモニターは液晶になっているはずである。ブログ・ページを作るときにも、液晶で確認しておいたほうがよい。節電にもなるので、思い切って、モニターを LCD に変えることにした。

 PC のモニターとして使うだけなので、余計な機能はいらない。Amazon で探すと、Iiyama の 20 インチの液晶モニターが一万円を切ってある。思わず飛びついた。Amazonn の配達は早い。注文した翌日には品物が届いた。今までのぎっくり腰にならないか心配しながら持ち上げていた CRT のモニターに比べると無茶苦茶軽いし、容積が小さい。

 このモニターには、PC 本体との接続は、DVI-D という接続と従来からの D-Subミニ15ピンの接続との2系統がある。PC 本体の裏側を見ると、DVI-D のソケットもある。一緒に、DVI-D のケーブルも注文した。
 早速、DVI-D のケーブルで接続し設置してみた。しかし、これはかなりの勉強不足であった。画面が表示されるのは表示されるが、横長のワイドに映る。つまり、もともと横:1024 縦:768 のXGA 比率のものが、1600X900 で写ってしまうのだ。このために、このIiyama のモニターには、画面を XGA 比率にする画面調整機能がついていて、「フル」ではなく、「アスペクト」にすると XGA 比率で表示されるようになっている。ただ、DVI-D 接続では、この比率を調整する「画面モード」が、グレイアウトし、切り替えができない。それで、 D-Subミニ15ピンの接続に切り替えて(モニターに付属しているケーブルはこのケーブルである)みると、「画面モード」が機能するようになった。知識不足の頭では、原因は分からない。また、ビデオカードの性能も強く影響するらしい。まだまだの学習が必要であるが、ここまでにわかったことを記録しておくことにした。


(追記:2011/11/23)使っていたビデオカードは、Aopen FX5200-DVP128LP(AGPスロットから抜き出して確認した)で、DVI-D 接続ではワイドモニターには対応しないことが分かった。そこで、高解像度対応のビデオカードを求めることにしたが、乏しい知識ではネットサーチだけでは何を購入したらいいのかよく分からない。近くの「パソコン工房」に行って教えを乞うとAGP対応のビデオカードは、2つしか置いていなくて、その内の一つ(NVIDIA FX5200)が私のパソコン・マザーボードで許容しているAGP4Xでもいけることが分かった。これを求めて、ビデオカードを取り替えると、高解像度でもOK であった。接続コードも、D-subミニからDVI-D ケーブルに変えても「画面モード」が機能するようになった。

 XGA 比率で作成しているブログの写真も歪みがなくなった。当面は、新しい LCD display の画面の解像度を 1600x900 と設定して、水平方向をXGA モードの幅に設定して運営することにした。iGoogle の画面などは 1600x900 モードでも問題はなく見やすくなった。

2011年7月26日

隠居の読書:「チョウはなぜ飛ぶか」(日高敏隆、写真:海野和男)


新編 チョウはなぜ飛ぶか フォトブック版
日高 敏隆
朝日出版社
売り上げランキング: 2317

 毎日新聞の日曜日朝刊には、【今週の本棚】というページが3ページある。最近購入している本は、たいてい、これらのページに載っている書評から選んだ本である。本屋には行かず、もっぱら自分のブログに アフリエートしている Amazon からであるが。

 7月24日の朝刊【今週の本棚】に、村上陽一郎さんの次のような書評が載った。長いが全文引用させてもらう。
新編 チョウはなぜ飛ぶか   日高敏隆・海野和男著(朝日出版社・1995円)

虫好き少年の目が動物行動学を開いた
 だいぶ前の話である。さる地方大学に講演にいったとき、その後おきまりの懇親会になった。生物学の助教授(当時の呼称)という方が寄ってこられて、ささやくように、こうおっしゃる。「実は、私、日本鱗翅(りんし)学会に入っていますが、学内ではそのことは内緒にしています、昇進に差し障りがあると思うからです」。
鱗麹類というのは身体に鱗粉を付けた昆虫、つまりチョウやガのことである。昭和20年に誕生したこの学会は、「学会」と言っても、ハードな研究者だけの集まりではなく、アマチュアの虫好きにも開かれた自由なコミュニティなのだが、現代の科学の世界では、レフェリー付き論文が何本あるか、だの、それらが掲載された学術雑誌のインパクト・ファクターはどれだけか、だのという基準で、研究「業績」なるものがもっぱら評価される。とすれば、そうした要素とは少し距離がある鱗翅学会員であることは、業績評価のマイナスにさえなる、という判断であったのだろう。
 確かに、現代、隠れもなき虫好きをもって世に知られる方々、たとえば養老孟司氏や奥本大三郎氏らの本職は、生物学ではなく、虫好きは専門の研究領域とは関係がない。私自身、子供の頃は、虫好きを任じ、特に皆がきれいだと集めたがるチョウに背を向けて、割合に嫌われることの多いガの採集や飼育に心を奪われて過ごしたが、そのことは、現在の専門とは基本的には無縁である。しかも、私は、成人まで、その好みを持ち続けることができなかった。
 しかし、そうでなかった希有(けう)の人がいる。少年時代の虫好きを持続しながら、最前線の研究にまで繋(つな)げた達人、それが本書の著者である日高敏隆さんである。当初日高さんは、通常の生物学者として、動物の生理学的研究に携わられたようだが、次第に「動物行動学」の領域に自らの方向を定めることになった。それはちょうど、世界的に見て、「動物行動学」というカテゴリーが確立されようとしている時期に重なっていた。その意味では、日高さんは、まさしく日本の動物行動学の創始者の一人である。
 そうした日高さんが、研究論文ではなく、一般向け、あるいは青少年向けに発表された最初の話題作が、<岩波科学の本>の一冊になった、1975年の『チョウはなぜ飛ぶか』である。この書物は翌年の毎日出版文化賞に輝いた。
 ここで本書の解説をしておくと、本書は、その旧版の内容に、日高さんに触発されて昆虫写真家になったと言われる海野和男氏撮影の、みごとなチョウの生態写真が、ふんだんに配されて編集された、まことに嬉(うれ)しい本である。
 少年時代から持ち続けていた、チョウはなぜ、どのように飛ぶか、という疑問を、学問研究のテーマにまで高め、実際に繰り返し調査を重ねて、そこに成立しているルールの発見に至る本書の前半部分は、こうした動物行動学研究の見本のような、スリルと味わいがあり、今読んでも、いっこうに古さを感じない。念のために書いておくが、ここで言うチョウは、、チョウ一般ではない。明確なルールに従って飛ぶ(いわゆる「チョウ道」を持つ)のは、アゲハチョウの仲間だが、そのなかでもキアゲハには、そうした固定したルールはなく、モンシロチョウなども同様だという。
 さて、本書が今も新鮮に受け取られる理由の一つは、後半の部分で、日高さんが終生追い続けた、動物の「認識」の問題が、すでに扱われているからでもある。チョウの目に映る世界の姿は、チョウでない限り判(わか)らないはずだが、幸い人間には想像力があるから、それに近づくことは不可能ではない。そして、そうした観点を持つことで、逆に、人間の持つ認識の特徴が、逆照射されることにもなる。これが日高さんが多くの著書のなかで、説き続けた主題であった。たとえば本書132ページは「同じ世界が、ちがって見える」というタイトルで始まる。その内容は、相対主義的認識論と哲学者なら言うだろう。しかし、ここでは、チョウの生態を基盤にした、小賢(こざか)しい机上の議論を許さないような、明確なメッセージが伝わってくる。
 海野氏の写真のすばらしさも特筆すべきであろう。大型でとくに美しいミヤマカラスアゲハはもちろん、まあ普通に見られる(といっても、最近の都会地では、なかなかお目にかかれなくなったが)ナミアゲハやキアゲハも、なんと美麗に見えるだろうか。
 残念なことに日高さんは、2009年に他界されている。しかし、亡くなった後も日高さんの著書は、次々に出版されている(『世界を、こんなふうに見てごらん』集英社、『ぼくの生物学講義-人間を知る手がかり』昭和堂など)。どれほど多数の読者がついているか、それだけでも判る。
 これから夏休みに入る。この書物は、子供たちが自然とのコミュニケーションの方法を学ぶための、絶好の手引きになるだろう。
註: 本文は縦書きであるが、横書きとし、また、文中の漢数字は、アラビア数字に変換した。

 最近、Studio YAMAKO のオーナーの影響を受けて、蝶の写真を撮ることが多くなっていたので、すぐその日に、Amazon で注文した。翌日届いた。最近このようにして購入してもツン読になっている本が多かったが、この本は内容が子供も読めるように平易な記述になっているせいもあるが、一気に読んでしまった。
 最近撮っている蝶の写真は、この本に出てくるアゲハチョウ類やモンシロチョウばかりでなく、タテハチョウ・シジミチョウなど他の種の蝶も被写体としている。 が、蝶の生態もよく知らずに、行き当たりばったりに撮っている。写真で共著となっている海野和男さんは日高敏隆さんの弟子ようであるが、その写真はにはため息がでるばかりである。まあ、そんな写真をとるという野望は諦めたほうがいいと思っている。

 それでも、次の一文を頭に入れておけば、もう少しましな写真が撮れるかもしれない。
 チョウは「なぜ飛ぶか」といったら、「ものを探している」が答えだ。探すものは三つあって、食べものであるミツをもつ花と、卵を産む場所と、それからメス。(106ページ)

2010年7月19日

隠居の読書:梨木香歩、【渡りの足跡】


渡りの足跡
渡りの足跡
posted with amazlet at 10.07.19
梨木 香歩
新潮社
売り上げランキング: 11003
おすすめ度の平均: 4.0
4 ここではない、どこか別の場所へ。鳥たちの渡り、彼らの旅路に思いをめぐらすエッセイ集

 毎日曜日の毎日新聞には、【今週の本棚】という読書欄がある。ここに、湯川豊三という方が、この本を紹介されている。これを読んですぐに読みたくなり、Amazon で注文した。このようにして購入してもいつも梅棹忠夫のいう【みた】だけで積ん読が多いのだが、今回は一気に読んだ。

 梨木香歩さんは、Wikipedia では、日本の児童文学作家、絵本作家、小説家ということになっている。私のサイトにある Masajii's Weblog の読書日記「西の魔女が死んだ」にあるように、児童文学が本職なのかもしれない。
 だから、この本の主題である野鳥観察は仕事の一部なのか、趣味なのかはっきりしないが、とにかく私のようなご近所野鳥観察とはスケールが全く違う。オオワシの渡りを確かめるために、国内の網走や知床をはじめとする道東周辺・諏訪湖・琵琶湖や海外はカムチャッカまで出かけるのである。

 どうしてもそこに興味がいくのだが、野鳥観察のための装備について詳しい記述はないが、双眼鏡は肌身離さずで、撮った写真を専門家に見てもらって鑑別もされているので、望遠のついたカメラも携行されているに違いない。また、10ページには、次のような記述があるのでKestrel4000 のような携帯気象計もコンパスも持って行かれているのではと想像する。
 この日この時間の網走の湿度は約22パーセント、西北西の風、最大13.9m。清々しく冷気を含んだ空気。

 場合によっては、フィールドスコープももって旅行されるから、現地での案内人がない単独行動はレンタカーのようだ。察するに、物書きはいろいろな記録が大事なのだ。私の隠居のたわごとブログの場合でも、記録はとるようにしている。音の記録は梨木香歩さんの場合はないようだが、音の記憶も見事に記述されている。

 私も同じような現象に出くわしたヒヨドリのさえずりについて、次のような記述がある。少し、長いが引用させていただく。
 今、この原稿を書いているところは――比較的緑が多いとはいえ――都心と言われるところである。それなのにここ数日、明け方の四時半頃になるとまるでブラックバード囀る英国の朝のような鳥の囀りが聞こえる。その声に起こされ、一体どんな鳥が、と出て行って確かめたいのだが何しろ起き抜けでぼうっとしていて、すぐに動けない。そのうち眠気に負けてしまう。 あの声は一体、と日中はずっと悶々とした思いを重ねていた。「最近明け方に一羽で美しく長 く囀り続ける鳥がいます。お気づきの方、何という鳥か、ご存じありませんか」、と近所に回覧板を回そうかと真剣に考えたほどだ。
 今日の午後出先から帰宅したとき、敷地内でその囀りの主が分かった。まるでメジロのように、ホオジロのように ――でも本物ではあり得ないとすぐ分かる―― 次から次へ囀り、信じられないことに、途中でホイホイホイと明らかにサンコウチョウの鳴き真似で合いの手を入れる。電線に留まって我を忘れてうっとりと鳴き続け、佳境に入ると感動のあまり自分で自分をもてあますのか、囀りながら空高く舞い上がり、それからあの独特の波状飛行をしてずっと向こうのお寺の屋根まで飛んで行き、それからまた此処へ戻ってきて続きを歌う、という事を繰り返していた。まちがいなく、ヒヨドリだった。けれど、今は梅雨が明けたばかりの真夏、これから所帯を持とうというのか、それともそんなことに問係なく(あのヒヨドリには自分以外の何ものも見えているようではなかったし)芸術的な研讃を積もうとしていたのか、こんなところ でサンコウチョウの声など聞こえるはずはないから、どこか遠い山の奥で彼の鳥と接近遭遇し た事があったのか。あれやこれや考えても、留鳥のヒヨドリとは考えられない。春の渡りが遅 れてしまって繁殖期がずれているのかもしれない。相手の確保は大丈夫だろうか。
 それにしてもあの美しい声が、けたたましく耳障りだとばかり思っていた、あのヒヨドリの声だったとは......。ああいう調子で渡りの途中のあちこちで、熱心にその地方の鳴禽(めいきん)の声を採 集し、また自分も自慢の歌声を披露し、などして帰ってきたのかも知れない。今日だって私が 気づかなかっただけで、近くに繁殖可能な雌が存在していたのかも知れない。ここ数日ずっと 囀っているから、その可能性は低いかも知れないけれど、ないわけではないだろう。

 私は残念ながら、サンコウチョウのさえずりは知らない。いつもお世話になっている【小鳥のさえずり】サイトで確認すると確かにヒヨドリのさえずりに似ているようだ。実のところ、私も同じ梅雨明け間近の4時半頃に、鳥のさえずりで眼を覚ましたことが多かったのだが、ヒヨドリのさえずりとは確信がもてなかった。それで、録音した mp3 のファイルを上のサイトの管理者である pika@Bird Songs in Japan さんに送って確認してもらった。少しして、次のような回答があった。
いただいた音声ファイル、聞いてみました。
ひよどりが、歌ってますね。
単調なリズムですが、ちゃんと音階があって、かわいいですね!
カラスも元気そうですが...。


 この本は単なる野鳥観察の本ではない。鳥の渡りを追いながら、生存することの意味を考えさせてくれる一冊である。明日からの探鳥ウォークで見るもの、聴くものへの思いが変わるかもしれない。

2010年3月25日

隠居の読書:「強欲社会主義」


強欲社会主義 中国・全球(グローバル)化の功罪 (小学館101新書)
遊川 和郎
小学館
売り上げランキング: 99924
おすすめ度の平均: 5.0
5 日本のメディアでは知り得ない最新の中国の実態を10年余の中国滞在経験と多くの情報パイプを持つ筆者がわかりやすく教えてくれる必読の本です。
5 日本式社会主義(官僚主義)の発展型?
5 「強欲経済」と「国家戦略」の境目
5 中国と付き合う上で必読の書
5 発評論

 このところ、Google の中国撤退が喧伝されている。この報道を聞いて、最近読んだ「強欲社会主義」(中国・全球化の功罪)遊川和郎著)を再度開いてみる気になった。
 この本によれば、中国のネット人口は3億3800万人(2009年6月現在)で、一昨年にアメリカを抜いて世界一になったそうだ。巨大市場である。Gogle は、この巨大市場から撤退するというのだから、よほど当局の情報管理に腹を据えかねたのだろう。ちょっと企業哲学が違うと思う Microsoft はそれをチャンスとみているようだが。
 中国でのネット利用は、チャットや掲示板が多いようであるが、個人ブログ開設者も多く、過去半年(2009年後半?)の間に更新した人は1億人を超えているらしい。ロングテールにいる人々の意見も、情報として取り込めるようになっているのだ。
 しかし、ここにも当然、情報統制が働いているようだ。2006年に開設された新興のブログサイト「牛博網(Bullog.cn)」には、リベラルなブロガーが名前を連ねていた。このサイトへのアクセスが2009年1月に不能になった。理由については、著者は以下のように記している。
 2009年1月、「牛博綱」へのアクセスが不能になった。同時期、91のウェブサイトが「猥褒」「低俗」といった理由で閉鎖されていたが、サイト主宰者の羅永浩は「牛博」 については政治的理由であることを示唆している。前年12月10日付で303名の知識人らが実名で政治体制の民主化や国民の人権状況改善を訴える「零八憲章」を発表していたが、サイト内に同憲章に署名した知識人のブログのあったことが「政治的に有害な情報を流布Lているとされた」とされたもの見られている。その後米国のサーバーに移して「牛博国際」として両スタートしたか、中国からのアクセスはできなくなっている。このような、政治的に問題視されるサイトが突然閉鎖、アクセス不能、といった現象は特に珍しいことではない。

 このように、ネットでの情報管理一つを見ても、政府の体制を崩すような報道は封鎖してしまうらしい。そのような報道管制のもとで育った中国の新人類「80后(バーリンフォー)」はネット世代でもあるが、愛国主義者が多いらしい。先ほどの Google 撤退ニュースにでてくるインタービューでも、当然といった反応が多かった。この「80后」や「鳥の巣世代」については、この著書に、いささか引用が長いが次のような記載がある。
 2008年の北京五輪を経て「80後」にはさらに「鳥の巣世代」「聖火世代」といった呼び方が加わった。「鳥の巣世代」とは、北京五輪のメイン会場「鳥の巣」からとった呼称で、四川大地震や北京五輪でのボランティア活動、また聖火リレーで見せた愛国的な団結がその特徴で、「80後」につきまとう「自己中心」「政治に無関心」といったイメージを変えたことで、異なる呼び方が与えられるようになった (「聖火世代」も同様)。
  「鳥の巣世代」は中国の貧しかった時代、政治に翻弄された時代を知らない。かつてのような西洋崇拝や卑屈なところがないどころか、自尊心が強く自分たちが下に見られたと感じると強烈に反発する。チベット騒乱に関する西側の報道と聖火リレーが海外で妨害を受けたことはこの世代を刺激した。国内では「反CNN」サイトが立ち上がり (開設者は清華大学卒業の23歳)、「歪曲、偏向報道が中国の名誉を汚している」と例証して訴えたところアクセスが殺到、またCNNキャスターは中国人を侮辱する発言をしたとして公式謝罪に追い込まれた。
   また海外では、聖火リレーを妨害行為から守ろうと留学生を中心に沿道に大量集結していた光景は記憶に新しい。中国国内ではさらに、フランスの小売り大手カルフールの不買運動の呼びかけがメールで広まった。「カルフールの大株主がダライ:フマ十四世に寄付をしている」といったデマが流布したためだが、それを信じた行動もさることながら、妨害に憤り、ネットは不買運動を「愛国的な行動」「支持する、称賛したい」とする意見一色となったところに、この世代の怖さもある。国際社会の善意に基づく意見も冷静に受け入れられず強く反発する。
「鳥の巣世代」は自分たちがこれまで生きた時代(改革開放)を肯定し、その政権である中国共産党を熱烈に支持する一群であり、文化大革命に熱狂した紅衛兵とある意味通底するところがある。1919年の五四運動的な愛国行動に酔いしれる若者の行動に西側諸国は、異質さやある種の不気味さを感じるのである。『中国青年報』の調査によれば、この世代を表わすキーワードとして「自信」が第一位になったという。良くも悪くも挫折を知らず、自分や国家に自信が溢れているのである。

 中国は100年遅れてやってきた大国であるといわれる。どうやら、日本の「坂の上の雲」時代と共通する部分が多いらしい。そのように、最近の中国の動きをみていると頷ける部分が多い。

 著者は中国が鉱物資源を獲得するためのアフリカへの進出行為を例にあげて、
 ここまでしつこく中国、中国人の外に向かう動きを見てきたが、その何が問題なのか、次のように整理できるだろう。一つは、資源獲得のように企業行動の形をとりながら背後に国家の影を感じる不気味さ。二つ目は逆に国が相手国へ援助しているはずであるが、現地の主役は中国企業で、その実体は経済活動にすぎないこと。三つ目に、外に向かった経済行為の凄まじさであり、実利のためには手段を選ばないことである。
---中略----
 さらに言い換えれば「実利のためにはなりふり構わない」というあけすけな行動様式のことである。本来、そうしたバイタリティは賞賛されるべきことも多く、それが経済成長を実現した大きな原因の一つであろう。しかしその貪欲さ、旺盛な行動力、生命力、あるいは独特のビジネス手法が国際社会や現地の秩序を撹乱し、各所で「和諧」(調和)が困難を生じていることに世界は困惑し、どう向き合えばよいのかを模索しているのである。移民といえば犯罪など治安悪化といった問題を連想するがそうではない。譬えて言うならば繁殖力の旺盛な新しい種が元からある生態系を破壊しているということだろうか。つまり中国が外に向かうことで地球全体の生態系を変えているのではないかということだ。
 私はこの記述を読みながら、琵琶湖の生態系を乱しつつある繁殖力の強いブルギルを思い出していた。日本の生態系が、強欲社会主義に乱されないようにしたいものだ。

 何となく理解していたと思っていた中国を、この著者は現実の動きの詳細や数字をあげて説明しており、彼らの行動の本質を理解する上で多いに参考になっている。

 余談だが、彼らがネットで利用するサービスのトップは、音楽(MP3)ということになっているが、私がLive365 に開設している Jazz 専門局 Radio Senboku  へ、people's republic of china の過去1ヶ月間での訪問は、たった一人で、約7分間チャネルを合わせていたようだ。アクセスがあるということは、体制にとって好ましくない音楽ということにはなってなさそうだ。ただ、Jazz のように退廃した文化には、彼らは興味はないのだろう。 

2010年2月 1日

隠居の読書:平岡正明の『ジャズ的』


ジャズ的
ジャズ的
posted with amazlet at 09.12.15
平岡 正明
毎日新聞社
売り上げランキング: 590771
おすすめ度の平均: 5.0
5 平岡氏のジャズ評論、最初の一冊に最適


 毎日新聞の書評で 「快楽亭ブラックの毒落語」という本を知って購入した。この本についてはどこかの機会で紹介したいと思うが、本の著者は平岡正明である。
ネットでサーチしてみると、著者は、私と同年の生まれである。だが、ブントの一員だったり、犯罪者同盟というアナーキズムの政治結社に参画していた彼が昨年7月に亡くなるまでは、私のような平凡でノンポリの人生とは全く別世界で生きた人物である。
 ジャズに関する著書もいろいろとある。興味を引かれて、Amazon で購入したのがこの一冊である。中古本である。

 この本は下のテーブルのような 14 章の構成になっていて、それぞれの TPO でジャズを聴いたときの感想文というか日記的随筆になっている。
 TPO の Place はほとんど Jazz 喫茶であるが、警察に追われて隠れ家で聴いたときのもあるが、Live で聴いたものはない。
 TPO の Time は、1960-70 年代であり、60年安保闘争に続く年代である。随所に左翼的活動に関する話が出てくる。
 TPO の Ocasion は、アナーキストとの会合なども出てくるが、Jazz 喫茶のマスターや、ジャズ評論家・司会者の相倉久人らとの付き合いの話も出てくる。

 彼の人生の中では Jazz は、特に チャーリー・パーカー以降の bop 系の Jazz は、自由奔放に生きることへのテーマ音楽だったのかもしれない。そう言えば、社会通念に縛られるのが嫌いな人物は、平均律で縛られたクラシックではなく、Jazz が好きな人間が多いと思うのは穿ちすぎだろうか。

 Radio Senboku の次の Playlist は、この本に出てくる曲とアーティストを特集しようかなと思っている。平岡正明が随筆で描いた TPO とは全く別次元での TPO で聴くことになるのだが。

『ジャズ的』にでてくる曲
章のタイトルアーティストアルバム or 曲名
梅雨明けのジゴロ Thelonious Monk Just a Gigolo
レディ・イン・サテン
ーービリー・ホリディにおける「バカ」の考察
Billy Holiday Lady in Satin
ジョニー・ホッジスの「白昼夢」 Johnny Hodges Day Dream
ハリー・カーネイ的出師の表 Harry Carney Rare Dates Without The Duke
『JATPイン東京』の一断面 J.A.T.P. In Tokyo Live At The Nichigeki Theatre 1953
試聴盤 Bill Harris Bill Harris And Friends
「アンフォーゲッタブル」、オスカーピーターソンの歌で Oscar Peterson Unforgettable
ディキシー曲「世界は日の出を待っている」からチュー・ベリー「陽の当たる道で」 Leon Chu Berry On The Sunny Side Of The Street
「スターダスト」三題 Ben Webster, Colman Hawkins & Chu Berry Stardust
L瓶砲兵隊『オーバーシーズ』 Tommy Flanagan Overseas
「エンブレイサブル・ユー」三題
パーカー、マクリーン&オーネット
Charlie Parker, Jackie McLean & Ornette Coleman Embraceable You
マイルス・デヴィス「スケッチス・オブ・スペイン」 Miles Davis Sketches Of Spain
ロイ・エルドリッジに関するおたずね者感覚を求めて Roy Eldridge Little Jazz
オーネット・コールマン『チャパカ組曲』 Ornette Coleman Chappaqua Suite


快楽亭ブラックの毒落語
快楽亭ブラックの毒落語
平岡 正明
彩流社
売り上げランキング: 338605


2009年6月13日

隠居の読書:世界文学「食」紀行

世界文学「食」紀行 (講談社文芸文庫)
篠田 一士
講談社
売り上げランキング: 214952

 もうだいぶ前になるが、毎日新聞の書評欄に、篠田一士さんという文学者が書いた『世界文学「食」紀行』という本が紹介されていた。この本は世界文学に出てくる「食」に関する文章をもとに、巨漢・食漢である著者が、一題ごとを文庫見開き二頁分にまとめている。

 内容が面白いのと少しの時間があればちょっとずつ読むことができるので文庫本にしては少し高いが楽しんだ。
 もともと Masajii さんのように読書家ではないので、引用されている文学作品は数えるほどしか読んだことはない。

 本の目次は次のようになっている。
  1.  舌代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まえがきみたいなもの
  2.  Ⅰ 食卓につく前に・・・・・・・・・・参照 10 文学作品
  3.  Ⅱ ご馳走のメニュー・・・・・・・・参照 23 文学作品
  4.  Ⅲ お酒は吟味して・・・・・・・・・参照 12 文学作品
  5.  Ⅳ まず前菜から・・・・・・・・・・・参照 13 文学作品
  6.  Ⅴ スープいろいろ・・・・・・・・・・参照 8 文学作品
  7.  Ⅵ 海の魚・川の魚・・・・・・・・・・参照 24 文学作品
  8.  Ⅶ 肉料理から架空料理まで・・参照 26 文学作品
  9.  Ⅷ デザートの一品・・・・・・・・・・参照 24 文学作品
  10. 解説


  11.  篠田さんという人は、ものすごい読書家で通っているらしい。世界の文学作品を、多くは原語で読んでおられるらしい。そうだろうと思う。 丸谷才一という作家が解説に書いているのを読むと、篠田一士は「文学と食事」が二大嗜好だったらしいから、食に関する叙述の部分については、よく記憶していたにちがいないと思う。

      Ⅱ ご馳走のメニューに、「大政奉還の祝宴」という一項がある。「夜明け前」は少し前に読んだところだ。妙に記憶に残っている部分だ。酒の肴には弱い。
     少し、引用してみると、次のような叙述になっている。

     ところで、この小説には、しばしば食べ物の話、あるいは酒食の情景がでてくる。おおむねは山国の食べ物だから、豪華な御馳走には縁遠いけれども、作者の筆づかいのみごとさには、思わずのどを鳴らさせるものがあって、謹直な藤村も案外とデリケートな味覚の持ち主でではなかったかと、あらためて感心する。
     『夜明け前』の第一部の終わりに、主人公の半蔵と同志の香蔵たちが、馬籠と中津川の国境の峠の茶屋で落ち合い、京都からの情報で、大政奉還という新しい事件を知り、念願の王政復古がようやく実現しょうとしていることに胸をときめかしながら、祝いの酒食をともにするくだりがある。

     やがて、亭主が炉にかけた鍋からは、甘さうに煮える串魚のにほひもして来た。半歳等が温めて貰った酒もそこへ来た。時刻にはまだすこし早い頃から、新茶屋の炉ばたでは嘗め味噌ぐらゐを酒のさかなに、盃の遣取りが始まった。
     『旦那』と亭主はそこへ顔を出して、『この辺をよく通る旅の商人が塩烏賊をかついで来て、吾家へもすこし置いて行った。あれはどうだなし。』
    『や、そいつはありがたいぞ。』と半歳は好物の名を聞きつけたやうに。
    『塩烏賊のおろしあへと来ては、こたへられない。酒の肴に何よりだ。』と香蔵も調子を合せる。
    『今に豆腐の汁も出来ます。ゆつくり召上って下さい。』とまた亭主が言ふ


     もうひとつ引用したい。Ⅵ 海の魚・川の魚の一遍である。『秋刀魚の歌』の一部は秋になるとよく聞くフレーズだが、このように解釈して読めば面白い。
    秋刀魚(さんま)----------------------------------佐藤春夫『秋刀魚の歌』

     近代文学のなかに唱われた、最もポピュラーな魚がさんまだと言ったら、けげんな思いをする向きもあるかもしれないが、佐藤春夫(1892~1964)の詩篇『秋刀魚の歌』を挙げれば、大方の納得をえるだろう。

      あはれ
      秋風よ
      情あらば伝へてよ
      --男ありて
      今日の夕餉に ひとり
      さんまを食らひて
      思ひにふける と。

      さんま、さんま、
      そが上に青き蜜柑の酸()をしたたらせて
      さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
      そのならひをあやしみなつかしみて 女は
      いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
      あはれ、人に棄てられんとする人妻と
      妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
      愛うすき父を有()ちし女の児は
      小さき箸をあやつりなやみつつ
      父ならぬ男にさんまの腸(はら)をくれむと言ふにあらずや。


     不幸な運命を、それぞれ背負った三人の男女と、ひとによっては下魚と卑しめるさんまの鄙びた味わいが絶妙にからみ合って、一世一代の名篇を成したのがこの作品である。そこに詩人の私生活における劇的な事件が、どのように投影しているかなどといった事柄を詮索するのは、無意味とはいわないが、作品を味わううえでは、あまり益があるとも思えない。最も有名な最後の連はこうである。

      さんま、さんま
      さんま苦(にが)いか塩つばいか
      そが上に熱き涙をしたたらせて
      さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
      あはれ
      げにそは問はまほしくをかし。


     この秋刀魚の歌の解釈は分かったようでよく分からない。とくに最後の一行は難解だ。ネットサーチすると Goo! に Q&A があった。Web2.0 の世界になって、分からないことはなんでもすぐに調べられるが、読書の世界はなくならないだろう。かえって、興味ある世界が広がって読書の時間が増えているかもしれない。
     今回も「食」に関して紹介されている本を何冊か読みたくなっている。