2007年11月28日

隠居ブロガーの読書:「日本語を反省してみませんか」

 ブログを書くようになってから、自分の文書が気になっていた。何かの参考にしようと昔に買って読み差しのまま書棚の埃にまみれていた「金田一春彦」の「日本語を反省してみませんか」を読み返してみた。近頃は何もせずに活字を追いかけると睡魔が襲ってくるので、新書本などは電車の中などで読むことになるが、この本は眠気が来ずなかなか面白かった。
 音読みのない「畑」「椿」「辻」などは日本製の文字で国字ということを初めて知ったが、「働く」という字も国字らしい。文中に、
この「働く」は英語で言うと work になるが、日本語の「働く」 の方が語義が狭く、使い方がやかましい。例えば机に向かって勉強しても、英語では work だが、日本人はそういうものを「働く」とは言わない。「働く」は自分のために何かをすることではなく何かほかの人の利益になることーー金を稼いでくるとか家事をするのが「働く」である。 (中略) 「働く」の反対語は「遊ぶ」だが、これも英語の play とはちょっと違う。 play は paly the piano のように何か積極的にすることだが、日本語の「遊ぶ」は、何も役に立つことをしないことで、あまりいい意味ではない。

 とある。私は、「働かずに、遊ぶ」 [working for the playing] の今の生活が気に入っているが、同年代の仲間では「働く」ことに人生の意義を感じている人の方が圧倒的に多いようだ。
 第五章 言葉の背景を学ぶ では、日本が世界で一番植物の名前が多い国 という節がある。ここで触れておられるように、花の写真をブログに載せるときに、その名前に悩まされる。幸い、[K's Bookshelf] を運営されている小林さんのようなサイトがあるので、ほとんどの植物の名前は分かってしまうありがたい世の中だ。
 この本がなんで面白かったのだろうと考えてみると、日本語をよくよくみてみることによって、日本の歴史とか国民性とかが、うん、なるほど!と理解できるかもしれない。 
日本語を反省してみませんか (角川oneテーマ21 (B-17))
金田一 春彦
角川書店 (2002/01)
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おすすめ度の平均: 4.0
5 日本語のプロの視点
5 日本語のカン違いを発見する
2 確かに面白いが・・・


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