隠居の京都:迎賓館見学
京都御苑にある京都御所の隣に京都迎賓館がある。京都御所は宮内庁の管轄で、迎賓館は内閣府の管轄だという。ちなみに、京都御苑は環境省の管轄らしい。
京都の伝統工芸の匠たちの技術の粋を集めた建物ということで、建築家の端くれである娘が行きたがっていたのであるが、新聞公募による抽選では家内と私の組みがあたってしまった。
本人確認やセキュリティ・チェックも厳しく、見学の注意書きには、写真は禁止区域外では撮ってもいいが、ブログには載せないでくれとある。それでも、平成17年4月に開館し、その年の公募で見学された方のページには写真入りで詳しく載っている。ブログはだめで、ブログでないページならいいということなのだろうか。昨年行った人のブログにも写真があるので、一応禁止しているが大目に見ているのかもしれない。コンプライアンス意識は高い方と思っているので、今回は写真を割愛しようとおもう。
猛暑のためか御苑内にある中立売駐車場はガラガラである。太陽がギラギラと照りつける御所土塀横の広い砂利道を5~6分歩いていく。この砂利道が、なかなか歩きにくい。だれもそうなのか、砂利の少ないけもの道のような細い白い道が続いている。自転車も、そのけもの道をやってくるので、行き違いにはどちらかが砂利の方に避けなければならない。
迎賓館は、中庭的な池の周りに、各国首脳級クラスの客人をもてなす広間が六つある。見学できたのは、そのうちの三つである。【夕映えの間】という大広間には、【圓通寺】での借景にも似た【比叡月映】という綴れ織が壁面を飾っている。反対の西面を飾っているのは、この部屋の名前の由来となっている【愛宕夕照】と名付けられた同じような大きな綴れ織である。
【藤の間】は多人数の洋式のパーティー用らしい。使用する洋食器が、白いテーブルクロスの上に陳列されていた。
【桐の間】は、和式の宴会ができるようになっている。56畳の和室には12mの長さの漆塗りテーブルが中央にあり、背中に桐の紋が入った座椅子に座ると掘りごたつのように足を伸ばせるようになっている。その和室には、お供の人たちが控える茶室のような部屋がついている。
この広間から玄関に向かうのには、庭園となっている池の中央にかかる【廓橋】を通って行く。池には、千万円以上すると思われる(価値はよくわかりませんが)錦鯉がたくさん泳いでいる。その鯉の子供と思われる稚魚は、鴨川あたりから飛んでくるサギに狙われているとボランティアと思われる高齢の女性が説明してくれた。
帰り際に、土産で販売していた外国人を和食でもてなすときの箸を求めた。竹で作られたこの箸は指で握りやすいように竹がねじってある。実際に使ってみると非常にものをつまみやすい。これなら、箸に慣れない海外の方も使えるであろう。
見学を終えたあと娘と落ち合い、羊羹で有名な【虎や】へ、かき氷に涼を求めた。御所蛤御門のすぐ近くにある。いい年の男性が一人で大盛りの宇治金時を楽しんでいるのにはびっくりした。
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