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2023年5月26日

いにしえの奈良 2泊3日のサクラ見物 ⑧ 終 2023年4月5日ー7日 登廊と舞台の長谷寺と、摩崖仏の大野寺

又兵衛桜は、葉桜になってしまっていて残念だった。バスは又兵衛桜を10時50分ごろに出発した。次の目的地は長谷寺である。又兵衛桜から西へ30分ほどで到着した。
 雨は相変わらず本降りである。バスの駐車場から傘をさして仁王門の前に着いた。ここからは拝観をして、昼食をとって、再びバスに戻るまで各自自由に行動することになった。石段を上がって仁王門をくぐるとその先は登廊といって屋根のある木造の階段が399段、本堂の前まで続いている。雨に濡れないで歩けるのはありがたい。
 実はわたくしたちは、2018年の11月に長谷寺に来ている。その時は近鉄大阪線で長谷寺駅まで来て、長谷寺へ向かったのだが、20分ほど歩くことになってしまった。近鉄の長谷寺駅に預ければよいと思い、キャリー・バッグを携行していたのだが、駅にコインロッカーはなく往生していたところ、参道でかみさんが店の前に並べられていた干しシイタケを物色していると、その店のおばさんが出てきて「荷物預かりましょうか」と言ってくれて、有難かったことを思い出す。
 杖を突いている奥さんも、頑張って399段の登廊を登り、本堂を参拝して、舞台からの眺めを楽しんでくれたようだ。
 そして、今回のツアーの最後の見どころは摩崖仏で有名な大野寺だった。枝垂桜も咲いていて、傘をさして境内を歩いた。最後に大野寺の前を流れる宇陀川の対岸の摩崖仏を拝んで、帰路に着いた。  バスに2時間半ほど揺られ、三河安城駅に着いたのは、午後5時頃だったと記憶する。天候はいまいちではあったが、訪れた桜の名所や社寺、それぞれが印象に残る良いツアーだった。

000_2304070252 X700 長谷寺 登廊 G7X.jpg
大和国 長谷寺の登廊 2023年4月7日 奈良県桜井市初瀬

198_2304070233 X900 長谷寺 仁王門 G7X.jpg 198.長谷寺 仁王門
雨の中を駐車場から歩いて仁王門の石段前に到着した。ここから各自自由拝観になる。仁王門のせり出してくるような大きな屋根は重厚である。重要文化財である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
199_2304070235 X900 〇長谷寺 仁王門 G7X.jpg 199.仁王門の彫刻
仁王門に施された彫刻や仁王像は歴史を感じさせる。長谷寺のパンフレットによると、仁王門は長谷寺の総門で、3間1戸入母屋造本瓦葺の楼門である。両脇には仁王像、楼上に釈迦三尊十六羅漢像を安置する。仁王門は、一条天皇(在位986年-1011年)の頃の創建だが、現在の建物は明治27年(1894年)の再建だそうだ。上部に掛かる「長谷寺」額字は天正16年(1588年)の後陽成天皇の直筆の再鋳造という。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
200_2304070236 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 200.歓喜院(かんぎいん)
仁王門をくぐって、登廊を上り始める。すぐ左側に歓喜院あり桜が咲いていた。歓喜院は長谷寺六坊の一院で、江戸時代中期の1701年(元禄14年)に長谷寺第14世英岳僧正によって再建され、近年参籠所を併設して改装された。長谷六坊と呼ばれる「歓喜院」「宗宝蔵(清浄院)」「梅心院」「月輪院」「慈眼院」「金蓮院」の六つの子院があり、江戸時代にはこれらの六つの院が、長谷寺の運営においてとても重要な役割を持っていたという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 21mm ISO250 ) 露出補正 なし
201_2304070238 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 201.登廊(のぼりろう)
登廊は平安時代の長歴3年(1039年)に春日大社の社司中臣信清が子の病気平癒の御礼に造ったもので、108間、399段、上中下の三廊に分かれてる。下、中廊は明治27年(1894年)再建で、風雅な長谷型の灯籠を吊るしている。上登廊は古く、慶安3年(1650年)の再建という。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 21mm ISO640 ) 露出補正 なし
202_2304070241 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 202.下登廊
下登廊は繋屋で右に折れて、中登廊になる。写真は中登廊から見た下登廊。繋屋は一重の、切妻造、桟瓦葺、1間四方の小さな建屋である。下登廊と中登廊をつないでおり、登廊はここでほぼ直角に右へ折れる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 21mm ISO640 ) 露出補正 なし
203_2304070244 X900 〇長谷寺 登廊 G7X.jpg 203.中登廊から見た本堂の柱束
中登廊の左側に、懸造りの本堂を支える柱束が見られた。懸造りとは、京都の清水寺のように、斜面の上に長い束柱を立て、その上に堂宇を築く様式の事で、舞台造とも呼ばれている。昨日見てきた談山神社の舞殿も懸造りだった。斜面にはシャクナゲが咲いていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO800 ) 露出補正 なし
204_2304070247 X900 〇長谷寺 登廊 G7X.jpg 204.シャクナゲ(石楠花) -1
このシャクナゲの品種を知りたいと思い、Picture This で調べてみたところ、ロードデンドロン・カタウビエンセ という答えだった。ツツジ科で、シャクナゲの仲間には違いはない。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO800 ) 露出補正 なし
205_2304070250 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 205.シャクナゲ -2
懸造りの斜面に咲くシャクナゲは今が盛りである。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO1250 ) 露出補正 なし
206_2304070253 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 206.蔵王堂から見る下登廊
中登廊は蔵王堂という中継点で左へ折れ、上登廊につながる。蔵王堂は、桁行3間、梁間1間、一重、寄棟造、本瓦葺の建物である。わたくしたちは今回、吉野山で金峯山寺の蔵王堂を拝観してきた。この「蔵王堂」のあたりに、吉野山から虹が架かり、その上を3体の蔵王権現が歩いて長谷寺までやって来たことからこの場所に尊像を祀っているのだそうだ。蔵王権現は、役行者が吉野・金峯山寺で修行中にお告げを得たという憤怒形の仏。金峯山寺の蔵王堂に祀られている 弥勒・釈迦・千手観音と同じ3体を祀る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO320 ) 露出補正 なし
207_2304070257 X900 長谷寺 登廊 G7X.jpg 207.上登廊
本堂の前の鐘楼まで、最後の上登廊を上る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 14mm ISO320 ) 露出補正 なし
208_2304070259 X900 長谷寺 登廊 本堂 G7X.jpg 208.舞台を支える柱束
左側には、南に向いてせり出している舞台を支える柱束が見られた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 19mm ISO800 ) 露出補正 なし
209_2304070264 X900 〇長谷寺 本堂 G7X.jpg 209.礼堂(らいどう)・ 内舞台
上登廊を上りきり、鐘楼の前に出た。左側へ本堂参拝の入り口がある。本堂は小初瀬山中腹の断崖絶壁に懸造り(舞台造)された南面の大殿堂である。入り口を入って右側は内陣で、本尊十一面観世音菩薩立像が祀られている。長谷寺のホームぺージによれば、開山徳道上人が造立して以来、度重なる火災により再造を繰り返してきたが、現在の観音像は、室町時代の天文7年(1538年)に大仏師運宗らによって造立された。像高は3丈3尺6寸(1018cm)ある。我が国で最も大きな木造の仏像で、その堂々とした姿は全国に広がる長谷信仰の根本仏像としての威厳を十分に伺わせる。写真は内舞台とも呼ばれる本堂の外陣である礼堂から、南に開かれた外舞台を撮った。内陣は撮影御法度である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO200 ) 露出補正 なし
210_2304070266 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 210.賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)
礼堂の奥に賓頭盧尊者が座していた。釈迦の弟子である十六羅漢の筆頭で「びんずるさん」とよばれ親しまれている。賓頭盧尊者は本堂の外陣や回廊に祀られ、病気を治す力があり、撫でるとその部位の病気が治るという信仰があり「撫仏 (なでぼとけ)」ともいわれている。余談になるが、このわたくしたちのツアーの初日、4月5日の朝、長野善光寺の賓頭廬尊者像が盗難にあったという事件があった。およそ2時間半後に60kmほど離れた松本市内の車の中で見つかったそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/400秒 13mm ISO3200 ) 露出補正 なし
211_2304070267 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 211.開山堂
内陣と外陣の間を通って西へ抜ける。本堂の外廊から、緩やかな石段の先に開山堂が見えた。開山堂は、長谷寺を開山した徳道上人を祀るお堂である。徳道上人は、奈良時代の高僧で、727年(神亀4年)に聖武天皇の勅願により、東の丘(現在の本堂のある場所)に本尊十一面観世音菩薩を安置し長谷寺を開山したとされている。鎌倉にある長谷寺にも何度かお参りしたことがあるが、鎌倉長谷寺の十一面観音は奈良の長谷寺とも縁があると伝えられる。721年大和国長谷寺を開山した徳道上人により2体の観音像が彫られ、1体は奈良長谷寺へ、もう1体は衆生救済の願いを込め、海へと奉納された。その15年後、相模国の沖合いにその観音像が現れ、鎌倉長谷寺開創の礎となったそうだ。鎌倉長谷寺のホームぺージには、その本尊の十一面観世音菩薩像も、木彫仏としては日本最大級(高さ9.18m)の仏像と記されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 14mm ISO250 ) 露出補正 なし
212_2304070268 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 212.大黒堂
本堂を出たすぐその右側に大黒堂があった。この大黒堂は、江戸時代前期の1650年(慶安3年)に再建された、2間四方寄棟造り、一重、本瓦葺きの建物である。本尊として、4尺5寸の大黒天立像(大黒天が米俵の上に立ち福袋と打ち出の小槌を持つ姿)が安置されている。大黒天像の左側には鬼子母神、右側には愛染明王と弁財天が祀られている。パンフレットによると、尊像は弘法大師の作と伝えられている。商売を繁盛させ、財宝を人々に授け、台所を守護し食物を満たすご利益があるそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO250 ) 露出補正 なし
213_2304070270 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 213.舞台から五重塔を眺める
五重塔は、1954年(昭和29年)に戦争殉難者檀信徒慰霊および世界平和を祈願して建立された。もともと長谷寺にあったのは三重塔であり、 建っていた場所も少し違うので、再建ではない。戦後日本に初めて建てられた五重塔で昭和の名塔と呼ばれている。純和様式の整った形の塔で、塔身の丹色と相輪の金色、軽快な檜皮葺屋根の褐色は、背景とよく調和し、光彩を放っている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO500 ) 露出補正 なし
214_2304070271 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 214.舞台からの眺め
舞台から奥の院の陀羅尼堂や本坊がある南の方向を眺めた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO250 ) 露出補正 なし
215_2304070278 X900 〇長谷寺 本堂 G7X.jpg 215.礼堂の際から五重塔を眺める
外舞台から少し高くなった礼堂の際から撮った。長谷寺の本堂は、創建以来実に7度の火災によって焼失している。最後に本堂が燃えたのは室町時代の天文5年(1536年)であり、天正16年(1588年)に豊臣秀長の援助によって本堂の再建がなされたが、その後の江戸時代初期には徳川家光の寄進によって建て替えが行われ、慶安3年(1650年)に竣工、それが今に残る本堂である。礼堂には「大悲閣(だいひかく)」と書かれた大きな額が掲げられている。「悲」は悲しみではなく、慈悲の「悲」だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 22mm ISO500 ) 露出補正 なし
216_2304070281 X900 長谷寺 本堂 G7X.jpg 216.本堂の外陣(げじん)・礼堂(らいどう)
内舞台とも呼ばれる。礼堂は正堂(内陣)に祀られている本尊十一面観世音菩薩立像を礼拝するところである。本堂の前部にあって参詣者のための空間となっているのが礼堂である。建物は、入母屋造妻入り、床は板敷き、天井は化粧屋根裏(天井板が無く構成材をそのまま見せる構造)、間口9間、奥行4間で、このうち奥の間口9間、奥行1間分を相の間としている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/320秒 13mm ISO3200 ) 露出補正 なし
217_2304070283 X900 長谷寺 G7X.jpg 217.弘法大師御影堂
本堂から西に向かって、緩やかな道があり、その先に弘法大師御影堂が見えた。御影堂(みえどう)は、宗祖弘法大師(空海)の入定1150年遠忌を記念して、その徳を偲び1984年(昭和59年)に建立された堂宇である。令和5年は弘法大師が生まれて1250年になり、道の両側には、弘法大師生誕1250年を祝う登りが何本も並んでいた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 27mm ISO800 ) 露出補正 なし
218_2304070300 X900 長谷寺 G7X.jpg 218.上登廊を下りる
本堂からは弘法大師御影堂、五重塔、陀羅尼堂、本坊を拝観して仁王門に戻る道もあるが、雨も降っているし、かみさんを歩かせるのも酷である。長谷寺には2018年に一度来ていることでもあり、回り道はせず、上がってきた登廊を下りる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/320秒 22mm ISO3200 ) 露出補正 なし
219_2304070306 X900 〇長谷寺 G7X.jpg 219.シャクナゲ -3
長谷寺のパンフレットには、日本石楠花と記されていた。調べてみると、日本石楠花と西洋石楠花の違いは、葉にあり、日本石楠花は、葉の裏側に細かい毛が生えている。西洋石楠花の葉には、まったく毛は生えていない。そこは確認してこなかった。長谷寺の石楠花は2500株もあるという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/320秒 37mm ISO31600 ) 露出補正 なし
220_2304070317 X900 〇長谷寺 G7X.jpg 220.下登廊
下登廊を下りてくると、左手に梅心院と歓喜院の昭和寮との間の小道に枝垂桜が咲いていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1250秒 11mm ISO250 ) 露出補正 なし
221_2304070317 X900 〇長谷寺 G7X.jpg 221.仁王門と枝垂桜
仁王門まで下りてきた。時計は12時を回っていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO250 ) 露出補正 なし
222_2304070327 X900 〇長谷寺 G7X.jpg 222.門前通りの食事処
仁王門を出て、石観音がある受付の前に桜馬場というところがあった。昔、桜の並木が有名で花の見所とされ、参拝者が馬をつないでいたので「桜ノ馬場」と呼ばれている。この日は観光客は少なかったが、長谷寺と門前町を繋ぐ、多くの人で賑わう場所である。そこから門前通りが始まるが、その取っ掛かりにある食事処に入り、天婦羅うどんで昼食にした。門前通りを少し歩き始めたが、人通りもなく活気がなかったので、引き返してバスへ戻る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 17mm ISO320 ) 露出補正 なし
223_2304070397 X900 〇大野寺 G7X.jpg 223.大野寺 山門
バスは東へ20分ほど走って、今回のツアーの最後の訪問地である大野寺に着いた。大野寺(おおのでら / おおのじ)は、奈良県宇陀市室生大野にある真言宗室生寺派の寺院。山号は楊柳山、本尊は弥勒菩薩。役行者が開き、天長元年(824年)、弘法大師によって堂宇が建立されたと伝えられる。室生寺の西の大門に位置する。宇陀川岸の自然岩に刻まれた彌勒磨崖仏があることで知られ、枝垂桜の名所としても知られる。とあった。(wikipedia)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
224_2304070341 X900 〇大野寺 G7X.jpg 224.大野寺 本堂と枝垂桜
大野寺には全国的に珍しい樹齢300年を超えるコイトシダレザクラ(小糸枝垂桜)が2本あり、境内にはその他30本ほどのベニシダレザクラが植えられているそうだ。コイトシダレザクラは奈良県指定天然記念物に指定されている。wikipediaでは、広義のシダレザクラとは、枝がやわらかく枝垂れるサクラの総称である。野生種(種のレベル)のエドヒガンから生まれた栽培品種には、狭義のシダレザクラやベニシダレなどがある。枝が枝垂れるのはイチョウやカツラやクリやケヤキなどでも見られるが、その原因は突然変異により植物ホルモンのジベレリンが不足して枝の上側の組織が硬く形成できず、枝の張りが重力に耐えられなくなっているからと考えられている。枝垂れ性は遺伝的に劣性のため、シダレザクラの子であっても枝垂れのない個体が生まれる場合があると記述されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 18mm ISO250 ) 露出補正 なし
225_2304070345 X900 〇大野寺 G7X.jpg 225.枝垂桜 -1
境内を奥の方へ歩いていくと、まだまだ咲いている枝垂桜があった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
226_2304070347 X900 〇大野寺 G7X.jpg 226.枝垂桜 -2
花は雨に濡れて寒そうだ。今年は例年よりも桜の開花が早く、今回のツアーは、桜の適期を狙って申し込んでいたのだが、奈良でも、すでに適期を逸していた。だが、長谷寺とここ大野寺の枝垂桜は満開だった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
227_2304070351 X900 〇大野寺 ハナズオウ G7X.jpg 227.ハナズオウ(花蘇芳)とシャクナゲ
境内には中国原産のマメ科のハナズオウやシャクナゲが咲いていた。ここのシャクナゲは長谷寺のとは違い、葉の幅が狭かった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
228_2304070362 X900 〇大野寺 G7X.jpg
228.ニイタカシャクナゲ
Picture This で検索するとニイタカシャクナゲと同定した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
229_2304070379 X900 大野寺 G7X.jpg 229.コイトシダレザクラ(小糸枝垂桜)?
224.の写真と同じ桜だが、柵で囲まれていたので、この桜が樹齢300年を超えるといコイトシダレザクラだろうか?境内に咲く他の枝垂桜と明確には区別できなかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 13mm ISO250 ) 露出補正 なし
230_2304070381 X900 大野寺 G7X.jpg 230.弥勒摩崖仏
大野寺の前を流れる宇陀川の対岸に位置する高さ約30mの大岩壁に刻まれた弥勒磨崖仏である。岩壁を高さ13.8mにわたって光背形に掘り窪め、その中を平滑に仕上げた上で、像高11.5mの弥勒仏立像を線刻で表す。興福寺の僧・雅縁の発願により、承元元年(1207年)から制作が開始され、同3年に後鳥羽上皇臨席のもと開眼供養が行われた。作者は宋から来日した石工・伊行末(いぎょうまつ/いのゆきすえ)の一派と考えられているそうだ(wikipedia)。2018年の秋に室生寺を訪れたときに、近鉄の室生寺口大野駅からタクシーで室生寺へ行く途中、この摩崖仏を見ている。サムネイルをクリックして写真を拡大して見ていただくと、右側の岩の上部、葉の影になって暗くなっているところのすぐ下に、線彫りされた石仏のお顔を見ることができる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 13mm ISO250 ) 露出補正 なし
231_2304070389 X900 〇大野寺 G7X.jpg 231.大野寺境内
大野寺を拝観し、境内に咲く枝垂桜を見て、摩崖仏に手を合わせた。これで、今回のツアーの目的はすべて終わった。外から境内の桜を眺めながら、駐車場へと歩く。 

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
232_2304070403 X900 〇三河安城駅 G7X.jpg 232.新幹線 三河安城駅
大野寺から3時間ほどバスに揺られ、夕方5時過ぎに三河安城駅に到着した。安全運転をしてくれたバスの運転手さんに感謝して別れ、駅構内へと歩く。乗車する新幹線は18:52発のこだま746号だ。それまでの間、一人で参加されていた写真が趣味のご婦人と、3人で駅構内の串揚げ屋さんで、一杯飲んで時間調整をした。新横浜には20:59に到着した。桜には少々遅く、天候もいまいちだったが、訪れたところはそれぞれが印象に残った良いツアーであった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/250秒 37mm ISO3200 ) 露出補正 なし

2023年5月22日

いにしえの奈良 2泊3日のサクラ見物 ⑦ 2023年4月5日ー7日 朝の古都と又兵衛桜

4月7日、ツアー3日目、最終日になった。昨夜は早く寝てしまったので、今朝は早く目が覚めた。カーテンを開けて空模様を確かめるが、予報通り今にも雨が降りそうだ。
 この日は9時出発だった。ホテルから200mくらいのところに元興寺という名刹がある。7時から朝食をとり、その元興寺へ行ってみたが、残念ながら、開門は9時で境内の中には入れなかった。その足で、奈良の迎賓館と言われる奈良ホテル、荒池などを散歩して8時20分にホテルに戻った。
 バスはホテルを9時に出発した。昨日、春日山へ向かったのと同じ道を天理市、桜井市を抜けていく。途中でとうとう雨が本降りになってきてしまった。最初の目的地は「又兵衛桜」である。談山神社から東へ音羽の山並みの向こう側の宇陀市にある。又兵衛桜は福島県の三春滝桜のような、大きな一本桜であるが、花の見ごろは残念ながら終わってしまっていた。バスの駐車場と又兵衛桜までの距離が500mほどあり、傘をさしての歩行は少々つらかった。

000_2304070225 X700 〇名残の又兵衛桜 G7X.jpg
雨の又兵衛桜 樹齢300年 2023年4月7日 奈良県宇陀市

172_2304070131 X900 朝の元興寺 G7X.jpg 172.元興寺
宿泊したホテルから、南へ200mほど歩いたところに元興寺があった。拝観受付のあるところまで行ってみると、拝観時間は9時からで、中に入ることはできなかった。wikipediaによれば、元興寺は、蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の本格的仏教寺院である法興寺(飛鳥寺)が、平城京遷都に伴って平城京内に移転した寺院である。奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院であったが、中世以降次第に衰退して、3寺院(元興寺極楽坊、元興寺塔跡、小塔院)に分立した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 13mm ISO140 ) 露出補正 なし
173_2304070130 X900 朝の元興寺 G7X.jpg 173.元興寺極楽坊
この元興寺は旧称「元興寺極楽坊」といい、1978年(昭和53年)「元興寺」に改称された。真言律宗、西大寺末寺である。本尊は智光曼荼羅。元興寺子院極楽坊の系譜を引き、鎌倉時代から独立。本堂・禅室・五重小塔は国宝。境内は国の史跡「元興寺極楽坊境内」。世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産のひとつである。写真の門は重要文化財の東門。門の先に極楽堂(本堂の一部)が見える。中に入って拝観してみたかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO2000 ) 露出補正 なし
174_2304070140 X900 奈良ホテル 教会 G7X.jpg 174.聖ラファエル教会
まだ出発までは時間がある。奈良ホテルを見に行ってみよう元興寺を少し南へ下って、左に折れる。まっすぐ行って左へ行くと富士屋ホテルの入り口になる。そこに教会らしきクラシカルな建物があった。「レトロな建物を訪ねて」というブログを開いて教えていただいたことには、この教会はわたくしも軽井沢で見たことがある「聖パウロカトリック教会」と同じレーモンド設計事務所の設計で1997年(平成9)年に建てられたようだ。奈良ホテルの附属教会として、結婚式などが行われているそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
175_2304070143 X900 〇大乗院庭園 G7X.jpg 175.旧大乗院庭園 -1
左に奈良ホテルの玄関に上がっていく道を進むと、「名勝 旧大乗院庭園」があった。大乗院とは、1087年(寛治元年)に創建され、平安時代から江戸時代に栄えた門跡寺院のひとつ。(藤原氏の子弟が入室し、興福寺の別当職を輩出していた。)治承4年(1180年)の南都焼き討ちによる焼失後に現在地に移り、廃仏毀釈の影響で明治初年に廃寺となるまで存続していた。現在、その敷地内の一部が奈良ホテルとなっている。この庭園は室町時代の徳政一揆で荒廃したが、その後門跡尋尊大僧正の依頼により、室町時代に活躍した作庭の名手善阿弥によって改造された。将軍足利義政を始め公家たちがしばしば拝観に訪れ、以降、明治初頭まで南都随一の名園と称えられていた。戦後その一部が整備され、1958年(昭和33年)国の名勝に指定される。平城遷都1300年祭に伴い、2017年7月1日より、園路の一般公開を開始された。(奈良ホテル ホームページより)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 24mm ISO400 ) 露出補正 なし
176_2304070148 X900 大乗院庭園 G7X.jpg 176.旧大乗院庭園 -2
朝なので人影のない旧大乗院庭園を眺めながら、奈良ホテルへと上がっていった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO320 ) 露出補正 なし
177_2304070149 X900 奈良ホテル G7X.jpg 177.奈良ホテル 玄関 -1
緩い坂を上ると奈良ホテルの建物の正面に出た。朝8時少し前で、朝食の時間なのか、表に宿泊者の姿はない。奈良ホテルは、1909年(明治42年)10月に営業開始したホテルだそうだ。本館は辰野金吾、片岡安の設計による。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO250 ) 露出補正 なし
178_2304070150 X900 奈良ホテル G7X.jpg 178.奈良ホテル 玄関 -2
第二次世界大戦前には国営(鉄道院→鉄道省直営)の時代が長く、近畿において国賓・皇族の宿泊する迎賓館に準ずる施設としての役割をになっていた。このため「関西の迎賓館」とも呼ばれる。今日でも著名人が多く宿泊し、皇族の奈良宿泊の際にはこのホテルが利用されることが専らだそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
179_2304070154 X900 〇奈良ホテル G7X.jpg 179.奈良ホテル 本館建物
宿泊設備としては木造2階建て瓦葺き建築で創業以来の本館と、1984年(昭和59年)に営業を開始した鉄筋コンクリート造4階建ての新館からなる。現在(2010年)の客室数は本館・新館合わせて127で、ツイン・ダブルの洋室を基本とするが、少数ながら和室も用意されているという。奈良ホテルは、JR西日本と近鉄グループがともに50%を出資していたが、2018年8月31日付けでJR西日本が近鉄GHDから全株式を取得して完全子会社化した。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.0 1/1000秒 10mm ISO250 ) 露出補正 なし
180_2304070162 X900 興福寺五重塔 G7X.jpg 180.荒池越しに見た興福寺五重塔
奈良ホテルから、昨日バスで通った国道169号(天理街道)に出た。ホテルは国道169号沿いにある荒池と呼ばれる農業用灌漑池の畔、かつては興福寺の塔頭である大乗院が所在した跡地の小高い丘に建っている。写真の左側が奈良ホテルである。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO250 ) 露出補正 なし
181_2304070165 X900 〇天理街道 荒池 G7X.jpg 181.荒池
国道169号線は荒池を左右に割るように走っている。写真は道路の左側から荒池の右側に広がる荒池園地を見ている。荒池園地は、猿沢池や若草山を含む県立都市公園である総面積502.38haの奈良公園に含まれる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO800 ) 露出補正 なし
182_2304070173 X900 春日大社 一の鳥居 G7X.jpg 182.春日大社 一の鳥居
さらに北に歩くと、右手に春日大社の一の鳥居があった。春日大社本殿はここから東へ、参道を歩いて約20分のところにある。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 20mm ISO1600 ) 露出補正 なし
183_2304070174 X900 興福寺へ 菊水楼 G7X.jpg 183.料亭 菊水楼
春日大社一の鳥居を左へ(西へ)曲がる。しばらく行くと、立派な門構えの菊水楼という料亭があった。菊水楼(きくすいろう)は、創業は1891年(明治24年)で、同年建築の旧本館、1901年(明治34年)建築の本館、円成寺塔頭から移築された表門(1615年建築)と庭門は、2000年(平成12年)12月に国の登録有形文化財に登録されている。(wikipedia)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO1250 ) 露出補正 なし
184_2304070175 X900 菩提院大御堂 G7X.jpg 184.菩提院鐘楼
さらに西へ歩くと、左手の石段を下った先に鐘楼が見えた。菩提院という、法相宗の寺院で大本山興福寺の子院。本尊は阿弥陀如来。通称は十三鐘(じゅうさんかね)という。天正8年(1580年)に再建された御堂は写っていないが、石段を下りた先の境内に見えている鐘楼にかかる梵鐘は、永享8年(1436年)の鋳造で、かつては昼夜十二時(とき)だけではなく、明け七つと六つの間の早朝勤行の時にも打たれたことから、「十三鐘」の通称を持つという。大御堂前庭では、春日神鹿をあやまって殺した少年・三作を石子詰の刑に処して葬り、祀ったと伝わる塚がある。(wikipedia)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 25mm ISO1000 ) 露出補正 なし
185_2304070179 X900 興福寺 G7X.jpg 185.興福寺 南円堂
更にまっすぐ歩いて、興福寺の境内に入った。この建物は興福寺境内の西の奥にある南円堂だ。2日前にも来ている。南円堂は、創建以来四度目の建物で、寛保元年(1789年)に再建された。江戸時代の建物といっても、その手法はきわめて古い様式で、鎌倉初期の再建である。興福寺に残る最も古い建築物で同じく八角形の北円堂を参考にして建てられたと考えられるという。北円堂には、運慶一門の手による本尊の木造弥勒如来坐像(国宝)、木造無著・世親菩薩立像(国宝)、四天王立像(国宝)が安置されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO500 ) 露出補正 なし
186_2304070180 X900 興福寺 G7X.jpg 186.五重塔
この三日間に五重塔は何回も撮った。先にも触れたが、大規模修理に向けた調査が進むなか、修理現場を覆う「素屋根」の設置が始められる。2023年7月から設置し始め、30年3月には修理工事が終わる予定だ。しばらくの間、今の姿を見ることができなくなる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.0 1/1000秒 11mm ISO250 ) 露出補正 なし
187_2304070182 X900 興福寺 本堂 G7X.jpg 187.興福寺中金堂
8時15分になった。そろそろ宿に戻らなくてはならない。創建1,300年となる2010年(平成22年)に中金堂再建工事が着工され、2017年(平成29年)には、翌年に中金堂が完成するのを見越し仮金堂内の諸仏を早くも中金堂に移した。今見る中金堂は、2018年(平成30年)10月に9代目の中金堂として落慶した。落成後、内部の一般公開がされていたが、この時は新型コロナウィルス感染拡大防止のため拝観することができなかった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
188_2304070188 X900 〇猿沢の池 G7X.jpg 188.五十二段の石段
昨日の朝にも散歩した猿沢池に下りる五十二段の石段を下りた。子供の鹿が頭を突き合わせている。遊んでいるのだろう。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/800秒 28mm ISO2300 ) 露出補正 なし
189_2304070195 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 189.又兵衛桜に到着
ホテルを出発してから、1時間20分ほどで又兵衛桜に到着した。場所は昨日訪れた談山神社の東側である。雨はいよいよ本降りである。加えて、バスの駐車場から現地までは500mほどあったのではなかろうか。カメラ片手に傘をさして歩く。こんな時はG7Xでいかざるをえない。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 16mm ISO320 ) 露出補正 なし
190_2304070196 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 190.又兵衛桜 -1
又兵衛桜を見るには時すでに遅かった。手前に咲く菜の花が救いである。又兵衛桜は樹齢約300年のシダレザクラという栽培品種である。瀧桜とも呼ばれる。奈良県の保護樹だそうだ。比較して申し訳ないが、かって福島県で見た「三春の滝桜」(天然記念物)はエドヒガン系ベニシダレザクラで、推定樹齢は1000年と言われる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 20mm ISO250 ) 露出補正 なし
191_2304070199 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 191.又兵衛桜 -2
例年の見頃は4月上旬から4月中旬となっているが、ご覧のような状況で、今年は時すでに遅しである。又兵衛桜の由来は、wikipediaによると、名称は大坂の陣で活躍した戦国武将後藤基次(又兵衛)に因んでいる。豊臣家崩壊後、後藤基次は大宇陀(現 奈良県宇陀市)の地で暮らし、再興の時期を待ったと伝わるが、桜はその時の後藤家屋敷跡にある。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO800 ) 露出補正 なし
192_2304070200 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 192.又兵衛桜 -2
2000年(平成12年)のNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」のオープニング映像で使用されたことで有名になった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1000秒 12mm ISO250 ) 露出補正 なし
193_2304070209 X900 〇名残の又兵衛桜 G7X.jpg 193.又兵衛桜 -3
まだ、咲いていた桜もあった。これはサトザクラの一種だと思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
194_2304070212 X900 〇名残の又兵衛桜 G7X.jpg 194.又兵衛桜 -4
又兵衛桜の周囲に植えられている桜が、咲き残っていてくれた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO250 ) 露出補正 なし
195_2304070219 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 195.又兵衛桜 -5
又兵衛桜の周囲に植えられている桜は、開花時期の異なる品種が混在していた。これも桜を見に来る人たちの為を思う工夫なのであろう。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 20mm ISO250 ) 露出補正 なし
196_2304070228 X900 名残の又兵衛桜 G7X.jpg 196.バスに戻る
バスまで、戻るのに10分くらいかかってしまう。スイセンが咲いていたので、又兵衛桜を背景に撮った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.0 1/1000秒 9mm ISO200 ) 露出補正 なし
197_2304070229 X900 〇名残の又兵衛桜 ハナミズキ G7X.jpg 197.名残の又兵衛桜
手前に咲くのはハナミズキの花。傘をさして、小走りにバスへと急ぐ。決められた時間には何とか間に合ったが、一番最後になってしまった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 21mm ISO320 ) 露出補正 なし

2023年5月18日

いにしえの奈良 2泊3日のサクラ見物 ⑥ 2023年4月5日ー7日 大化の改新/藤原鎌足の談山神社

2日目、4月6日は朝から吉野山の千本桜を満喫し、午後から高取町の壺阪寺を訪れ、14時30分になった。この日はもう一か所観光するところがある。
 そこは奈良県桜井市多武峰(とうのみね)にある談山神社(たんざんじんじゃ)だ。神仏分離以前は「多武峯妙楽寺(とうのみねみょうらくじ)」と称する寺院であった。主祭神 - 藤原鎌足である。藤原鎌足は飛鳥時代の貴族・政治家で、日本の歴史における最大氏族「藤原氏」の始祖である。中学の歴史で習った大化の改新の中心人物であり、改新後も中大兄皇子(天智天皇)の腹心として活躍し、藤原氏繁栄の礎を築いた。
 鎌倉時代に成立した寺伝によると、藤原氏の祖である中臣鎌足の死後の天武天皇7年(678年)、長男で僧の定恵が唐からの帰国後に、父・藤原鎌足の墓を摂津国安威(大職冠神社 別名将軍塚という藤原鎌足公古廟)から大和国の当地に移し、その墓の上に十三重塔を造立したのが発祥であるとする。談山神社観光のメインはその十三重塔であった。

000_2304060963 X700 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg
談山神社十三重塔 2023年4月6日 奈良県桜井市多武峰

145_2304060894 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 145.談山神社駐車場へ
15時ちょうどに談山神社の駐車場に入った。思ったより空いている。周囲は山であり、東側に音羽山(851m)、経ヶ塚山(889m)、熊ヶ岳(904m)の音羽三山がある。南には吉野町から見た吉野の300名山の竜門岳がある。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO100 ) 露出補正 なし
146_2304060897 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 146.別格官幣大社談山神社
駐車場から石灯籠が並ぶ道を歩いて、別格官幣大社談山神社と書かれた石柱のある入山口に入る。別格官幣大社とは古来国家のために功労のあった人臣を祭神とする神社のために設けられた社格だそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 29mm ISO160 ) 露出補正 なし
147_2304060900 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 147.談山神社の鳥居と石段 入山受付をして、ツアコンさんから正面の石段は130段あることを告げられた。意を決して登り始める。上り詰めると正面が手水舎で右が舞殿と本殿、左側が十三重塔である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO140 ) 露出補正 なし
148_2304060902 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 148.神木 夫婦杉
石段の途中で鳥居を振り返ると左手に樹齢500年という杉の神木(夫婦杉)があった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO360 ) 露出補正 なし
149_2304060906 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 149.十三重塔 -1
石段をやっと上り終えた。右手の本殿・舞殿の手前にある楼門を背に十三重塔を眺める。談山神社十三重塔は、藤原鎌足公長子・定慧和尚が、父の供養のために白鳳7年(678年)に創建した塔婆で、現存のものは享禄5年 (1532年)に再建された重要文化財である。桧皮葺で高さは16.17mある。日本で唯一の木造十三重塔、そして、藤原鎌足の廟所として有名である。拝殿や十三重塔は戦前に何度か日本銀行券の図案に採用されたことがある(乙20円券など)。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 30mm ISO250 ) 露出補正 なし
150_2304060910m X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 150.拝殿
楼門は江戸時代に建てられた重要文化財である。拝殿は楼門と繋がって建てられている。朱塗舞台造拝殿は永正17 年(1520年)の造営、中央の天井は伽羅香木でつくられている。折れ曲った東西透廊は本殿を囲む特異な形態をもち、檜皮葺の屋根が美しい。懸造り(山や崖にもたせかけたり、谷や川の上に突き出したりして建てる)の拝殿は石段に面したところから、横に長く伸びる。拝殿も重要文化財である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 32mm ISO110 ) 露出補正 なし
151_2304060916 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 151.拝殿回廊の吊り灯篭
楼門から拝殿に上がり、 回廊を歩く。回廊には吊り灯篭が等間隔に吊られている。これらの吊り燈籠や境内の石燈籠に一斉に火をともし先祖の霊を慰める「献燈祭」が毎年8月14日に行われているそうだ。 

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.2 1/500秒 37mm ISO400 ) 露出補正 なし
152_2304060922 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 152.本殿
拝殿から本殿が見える。ホームページには、藤原鎌足公をまつる旧・別格官幣社。大宝元年(701年))の創建で、聖霊院、多武峯社 とも号す。現在の本殿は嘉永3年(1850年)造替の三間社隅木入春日造、朱塗極彩色 の豪華けんらんたる様式で世 に名高い。と説明されている。大化改新談合の地として知られ、談合神社は、「談い(かたらい)山」と呼ばれたことが社名の由来となっているそうだ。この談合により、皇極天皇4年(645年)飛鳥坂蓋宮で蘇我入鹿を討ち中央統一国家、及び文治政治の完成という歴史的偉業が成し遂げられたのだ。談山神社の本殿は、色鮮やかな装飾が施されており、日光の東照宮は多武峯(談山神社本殿)を参考にしたといわれる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO500 ) 露出補正 なし
153_2304060936 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 153.吊り灯篭
拝殿回廊の南側を眺める。まだ、桜の花が残っていた。よく見ると一つ一つの灯篭の彫が異なる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 25mm ISO180 ) 露出補正 なし
154_2304060944 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 154.拝殿回廊からの眺め
南側に付けられた回廊から左下(南東の方向)に恋神社と言われる重要文化財の摂社 東殿が見られた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 27mm ISO100 ) 露出補正 なし
155_2304060953 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 155.西宝庫
拝殿を出て、十三重塔へ向けて歩き始めると右手に、西宝庫があった。本殿の左右に位置する同形式の二つの宝庫は、校倉造りで元和5年(1619年)の創建である。文化財の宝庫として知られる談山神社古来の名宝を収蔵して来た。ここも重要文化財である。本殿の東側に建つ東宝庫は見過ごしてしまった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO640 ) 露出補正 なし
156_2304060959 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 156.十三重塔 -2
十三重塔は少し離れて見たほうが美しく見える。近づくと仰ぎ見るようになり、明るい空がバックになるので、写真を撮るのも難しい。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO900 ) 露出補正 なし
157_2304060955 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 157.十三重塔 -3
これは十三重塔の東側から撮った。十三重塔は楼門側から眺めるのが美しいと思う。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO160 ) 露出補正 なし
158_2304060968 X900 談山神社 権殿 Z50 Z18-140.jpg 158.権殿
十三重塔の西側に権殿があった。立てられていた説明札には、天禄元年(970年)摂政右大臣藤原伊尹の立願によって創建され、実弟の如覚(多武峰少将藤原高光)が阿弥陀像を安置した元の常行堂。ここで室町の頃盛行した芸能「延年舞」は有名である。現存のものは室町後期の再建とある。また、ホームページには、権殿は、建立以来、500年の時を経て、大修理を終え、平成23年に再生した。この権殿内では、室町時代より延年舞やお能が演じられ、「伝統と革新」の芸能をきそいあってきた。 古典芸能・現代舞踊・音楽・絵画・写真・彫刻・陶芸・映画・ 演劇・歌謡・落語・漫才・文学・詩などにたずさわる人たちの守り神として、また、芸能上達をいのる「祈りの場」として、「集いの聖地」としてご崇敬されたい。と記されていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
159_2304060965 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 159.末社 総社拝殿と本殿 -1
権殿の傍に立ち、石段の下を眺めると総社拝殿と本殿が見えた。静寂な雰囲気である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 26mm ISO280 ) 露出補正 なし
160_2304060977 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 160.末社 総社拝殿 -1
下へ降りる。総社拝殿を正面から拝観する。寛文8年(1668年)の造営の元談山神社拝殿を移築。縮少し簡略化した様式で、正面・背面ともに唐破風をもつ美麗な建造物である。内外部小壁には狩野永納筆の壁画が残り、「山静」の落款も見られる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO560 ) 露出補正 なし
161_2304060979 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 161.神廟拝所
末社 総社拝殿・本殿の東側には神廟拝所があった。談山神社神廟拝所は江戸時代中期の1668年(寛文8年)に再建された。神廟拝所はかつて飛鳥時代後期の679年(白鳳8年)に定慧和尚が父・藤原鎌足の供養の為、妙楽寺の講堂として創建したと言われている。神廟拝所は内部壁面に羅漢・天女の像が描かれている。明治維新後の神仏分離・廃仏毀釈以前は本尊・阿弥陀三尊像を安置していたが、阿弥陀三尊像は安倍文殊院に移され、現在釈迦三尊像(奈良市指定有形文化財)が安置されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 21mm ISO160 ) 露出補正 なし
162_2304060983 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 162.神廟拝所の桜 -1
談山神社で桜はほとんど見られなかったが、神廟拝所の前に行くと、サトザクラであろうか、まだたっぷりと花をつけた桜があった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 22mm ISO140 ) 露出補正 なし
163_2304060987 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 163.神廟拝所の桜 -2
  午後3時半、傾きかけた西日に桜の花が輝いていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 30mm ISO125 ) 露出補正 なし
164_2304060991t X900 〇談山神社 スジグロシロ Z50 Z18-140.jpg 164.神廟拝所の桜 -3 スジグロシロチョウ
その桜に白い蝶が飛来した。スジグロシロチョウだった。今回のツアーで初めて撮る蝶の写真だった。(トリミング)

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO125 ) 露出補正 なし
165_2304060996 X900 ◎談山神社 スジグロシロ Z50 Z18-140.jpg 165.神廟拝所の桜 -4 スジグロシロチョウ
桜の花にストローを潜り込ませて、長い間吸蜜を続けていた。これがギフチョウであれば、良かったのだが。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO100 ) 露出補正 なし
166_2304061005 X900 〇談山神社 Z50 Z18-140.jpg 166.末社 総社本殿 -3
神廟拝所の前の広くなったところは蹴鞠(けまり)の庭という。蹴鞠は古式ゆかしき鞠装束に身をつつみ、鞠を蹴り上げつぎつぎ渡しては受け合う古典的遊戯で、祭神藤原鎌足が中大兄皇子と蹴鞠にことよせ、蘇我氏討伐(大化改新)の相談をしたという故事にちなんだものだそうだ。「春のけまり祭」が4月29日に開催される。少し戻って、末社 総社拝殿の向こう側に建つ格調高い総社本殿を拝観した。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 18mm ISO2500 ) 露出補正 なし
167_2304061009 X900 談山神社 Z50 Z18-140.jpg 167.末社 総社本殿 -4
延長4年(926年)の勧請 で、天神地祇・八百万神をま つり日本最古の総社といわれている。「現在の本殿は、寛文8年(1668年)造替の談山神社本殿を、寛保2年(1742年)に移築したものである。総社という意味がわからなかったので、wikipediawで調べてみると、「総社、惣社(そうじゃ、そうしゃ、すべやしろ)とは、日本で、特定地域内の神社の祭神を集めて祀った(= 合祀)神社のことである。総社宮、総神社、総社神社などとも呼ばれることがある。多くは令制国の範囲で集めたものを指すが、荘園や郡・郷・村などの地域内のものを集めたものもある。祭神の合祀だけでなく、神社そのものの統合である場合もある。」とあった。総社拝殿とともに重要文化財である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.8 1/500秒 29mm ISO500 ) 露出補正 なし
168_2304061012 X900 ◎談山神社 後醍醐天皇寄進灯篭Z50 Z18-140.jpg 168.後醍醐天皇寄進灯篭
参拝を終え、石段に戻り、鳥居を出て左へ、駐車場へと歩く。石垣に沿って「灯籠ヶ辻」と呼ばれ、石灯籠が並ぶところがある。そこに、後醍醐天皇寄進灯篭があった。竿石(台石の上の火袋などをささえる柱状の細長い石)に南北朝動乱の始まった元徳3年(1331年)刻銘をもつ雄大かつ装飾性豊かな造りで、後醍醐天皇寄進の灯篭と伝えられている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 22mm ISO250 ) 露出補正 なし
169_2304061019 X900 談山神社 カエデ Z50 Z18-140.jpg 169.オレンジ色の楓の葉
駐車場への道筋にちょっと変わった葉の色をしたモミジがあった。調べてみるとデショウジョウ(出猩々)というイロハモミジの一種があるそうで、春の芽出しが赤く、若葉がオレンジに変わり、夏は緑色になるという。この写真の楓がデショウジョウかどうかははっきり分からないが、淡いオレンジ色がきれいだった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO250 ) 露出補正 なし
170_2304061021 X900 〇帰路車窓 大神神社大鳥居Z50 Z18-140.jpg 170.大神神社大鳥居 車窓
2日目の観光を無事に終え、午後4時少し前にバスは帰路に着く。30分ほど走ると、三輪素麺で有名な大和の国一宮三輪を通る。三輪山をバックに大神神社の大鳥居が見えた。高さ32.2m、柱間23mの偉容を誇る、日本一の大鳥居で、材質は耐候性鋼板であり、耐久年数1,300年と言われている。1986年(昭和61年)5月28日に昭和天皇御在位60年を奉祝して建てられた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm ISO6400 ) 露出補正 なし
171_2304061025 X900 〇興福寺五重塔ライトアップ Z50 Z18-140.jpg 171.興福寺五重塔 ライトアップ
途中「奈良名物の夕食」会場に寄り、興福寺の傍のホテルに戻ってきた。ライトアップされた興福寺の五重塔が迎えてくれた。この日は、予想された「雨」が「晴れたり曇ったり」に好転して、吉野山千本桜→壷阪寺→談山神社 と充実した一日を過ごすことができた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.0 1/20秒 55mm ISO6400 ) 露出補正 なし

2023年5月 2日

いにしえの奈良 2泊3日のサクラ見物 ② 2023年4月5日ー7日 吉野山「一目千本」

2023年4月6日。2日目はこの旅行の最大の目的である吉野山のサクラ見物である。天気は雨模様が予想され、青空の下で見る桜は期待できそうもなかった。
 バスは8時にホテルを出発する。朝食を早めに済ませ、ホテルでビニール傘を借りて、近くの猿沢池あたりまで散歩をした。ほんの20分ほどの時間だが、朝の猿沢池を眺め、興福寺の裾を歩く。
 予定通り出発したバスは、奈良市内を抜け、天理市、桜井市を通って国道169号線を南下して行く。車内に大谷翔平選手が7回を投げ、8奪三振、1失点で1勝目を挙げたとのニュースが伝わった。やがて、山道に差し掛かるが、薄日が差してきて、期待を持たせる。吉野川を渡り、近鉄吉野線の鉄橋を渡る。吉野川は西へ流れ、和歌山県にに入り紀の川となる。
 吉野神社を右手に見てさらに上り、バスは9時半過ぎに大きな駐車場(吉野山観光駐車場)に着いた。
 ツアコンさんに引率されて、吉野山に入る。七曲がりの桜を見て、黒門、銅鳥居、そして金峯山寺の入り口まで上がった。時刻は10時20分。天気は良いほうに変わり、薄日が漏れるようになってきた。

000_2304060525 X700 〇吉野山 七曲り Z50 Z18-140.jpg
吉野山七曲がりの桜 2023年4月6日 奈良県吉野郡吉野町

035_2304060518 X900 〇奈良興福寺の朝 Z50 Z18-140.jpg 35.朝の興福寺 中金堂の屋根と五重塔
朝6時20分 ホテルの窓から興福寺を眺める。どうやら雨は降っていないようだ。金色の"ツノ"が見えるのが中金堂の屋根だ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.0 1/500秒 61mm ISO400 ) 露出補正 なし
036_2304060517 X900 〇奈良興福寺の朝 Z50 Z18-140.jpg 36.興福寺五重塔
今年の7月になると、五重塔には修復工事のために覆いが掛けられて見られなくなるようだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 140mm IS01250 ) 露出補正 なし
037_2304060051 X900 猿沢の池 G7X.jpg 37.猿沢池(さるさわいけ)
吉野山への出発は8時である。朝食後、近くの猿沢池へ行ってみた。奈良公園にある周囲360mの小さな池で、興福寺五重塔が周囲の柳と一緒に水面に映る風景が美しく、奈良八景のひとつになっている。興福寺が行う「放生会」の放生池として、天平21年(749年)に造られた人工池である。放生会とは、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を野に放つ宗教儀式である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250秒 13mm ISO125 ) 露出補正 なし
038_2304060055 X900 猿沢の池 G7X (2).jpg 38.猿沢池と五重塔
猿沢池の眺めは五重塔の見える南側からが良い。人懐っこい鳩がいた。都会でも最近は鳩が人が近づいても逃げなくなったように思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1250秒 14mm ISO200 ) 露出補正 なし
039_2304060058 X900 猿沢の池 G7X.jpg 39.五重塔と五十二段
猿沢池の北東の端から五重塔へ上がる五十二段の石段がある。その眺望が奈良県景観資産に指定されている。現在、猿沢池園地として整備され、市街地に近いこともあって市民の憩いの場となっている。五十二段を登り切ると、右手手前に五重塔、その奥に東金堂が控えている。五十二段は、仏門への修行の段階を意味する「菩薩五十二位」に由来するといわれている。 仏の悟りを求めて、一段、また一段。 そして五十二段目(五十二位)にたどり着くと、仏と同格であるとされるのだそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1250秒 18mm ISO250 ) 露出補正 なし
040_2304060060 X900 〇猿沢の池 G7X.jpg 40.池端の石にはめ込まれたパネル
猿沢池にちなんだ話の陶磁器製と思われるパネルが岩にはめ込まれている。この絵は采女神社の「采女祭り」の話だが、「猿沢池の七不思議」というのもあった。それには、澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分と書かれていた。(パネルは奈良ライオンズクラブの寄贈)

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
041_2304060061 X900 〇猿沢の池 G7X.jpg 41.南円堂への石段
ここは西側にある南円堂への石段である。石段の下からは見えないが、三条通からこの石段を上がっていくと南円堂の前に出る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.0 1/1250秒 9mm ISO250 ) 露出補正 なし
042_2304060067 X900 興福寺の朝 G7X.jpg 42.五十二段の下から
五十二段の手前から、興福寺に向かって右(東)に春日大社の一の鳥居が見えている。良い感じの道である。小雨が降ってきた。五十二段は上がらずにホテルへ戻ることにした。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO400 ) 露出補正 なし
043_2304060078 X900 〇吉野山へ G7X.jpg 43.吉野山へ
バスはホテルを予定通り8時に出発した。昨日名阪国道を降りてきた天理市から国道169号線を走る。桜井市を走っていると思うのだが、どこを走っているか定かではない。左側に山が見えている。おそらく宇陀市の方角だと思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO800 ) 露出補正 なし
044_2304060082 X900 吉野川 G7X.jpg 44.吉野川
国道169号線は吉野川にぶつかると吉野川に沿って左に曲がる。バスはどこかの橋で吉野川を渡り、川が左側に見えるようになった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 19mm ISO320 ) 露出補正 なし
045_2304060084 X900 吉野川 近鉄橋梁 G7X.jpg 45.近鉄吉野線鉄橋
近鉄吉野線の吉野川鉄橋が見えてきた。バスは近鉄吉野線に沿って右へ曲がり、吉野山へ上っていく。吉野神社を右手に見て、吉野山観光駐車場という大きな駐車場に入った。時間が早かったので駐車しているバスの数はまだ少なった。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 26mm ISO320 ) 露出補正 なし
046_2304060521m X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 46.下千本
近鉄吉野駅からロープウェイで上がった吉野山駅のあたりが、吉野山最初の桜の見どころで下千本と言われる(標高約230m〜350m)。ロープウェイは「吉野大峯ケーブル自動車株式会社」の運営による。現存するロープウェイとしては日本最古であり、2012年には日本機械学会により「機械遺産」に登録され各メディアで話題となったそうだ。近鉄吉野駅の近くに千本口駅と言う乗り場があり、山上の吉野山駅までを結ぶ。この間の距離は約300mで高低差は約70mだそうだ。遠景の山は、竜門山系の主峰、標高904mと竜門岳と思われる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 30mm ISO140 ) 露出補正 なし
047_2304060522 X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 47.下千本展望所
吉野山は奈良県のほぼ中央に位置し馬の背のような形をした南北約6kmの山岳地帯である。吉野山の桜は、日本古来のヤマザクラを中心に約200種3万本と言う世界に類を見ない規模の桜が咲き誇り、その光景は「千本桜」「一目千本」等と形容されてきた。標高順にそれぞれ「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と地名がついている。下千本展望所には、聖憲皇太后御野立跡という石碑があった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 39mm ISO180 ) 露出補正 なし
048_2304060523 X900 〇吉野山 Z50 Z18-140.jpg 48.下千本エリア -1
下千本展望所からの眺め。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 39mm ISO140 ) 露出補正 なし
049_2304060530 X900 〇吉野山 Z50 Z18-140.jpg 49.下千本エリア -2
吉野駅の方向を見下ろす。電線が入ってしまった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 40mm ISO220 ) 露出補正 なし
050_2304060533 X900 〇吉野山 Z50 Z18-140.jpg 50.下千本エリア -3
七曲りを上がってくるあたりだと思う。下千本の桜もきれいだ。どういうところを撮ったかをメモしていなくて、後でわからないことがままある。ツアーの時などは特にその余裕がない。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 44mm ISO200 ) 露出補正 なし
051_2304060536 X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 51.吉野山入口
展望所で下千本の桜を眺め、ロープウェイの駅のすぐ上あたりを、金峯山寺(きんぷせんじ)へと歩き始める。道の両側には、たくさんの飲食店や、土産物屋が並ぶ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.0 1/500秒 110mm ISO250 ) 露出補正 なし
052_2304060542 X900 〇吉野山 黒門 Z50 Z18-140.jpg 52.黒門に向かう
ここからが吉野山だとツアコンさんが説明してくれた。黒門は吉野山の吉野大峯ケーブル吉野山駅から徒歩数分のところに建つ黒塗りの門だ。城の入口を守る高麗門のようなスタイルで、かつては公家大名でもこの門からは槍を伏せ馬を下りて通行したという門である。現存する黒門は昭和60年の改築だそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 94mm ISO450 ) 露出補正 なし
053_2304060544 X900 吉野山 黒門 Z50 Z18-140.jpg 53.黒門
金峰山寺(きんぷせんじ)の総門ということだが、「金峯山」とは単独の峰の呼称ではなく、吉野山(奈良県吉野郡吉野町)と、その南方20数kmの大峯山系に位置する山上ヶ岳(奈良県吉野郡天川村)を含む山岳霊場を包括した名称だそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f3.5 1/500秒 23mm ISO160 ) 露出補正 なし
054_2304060547 X900 吉野山 黒門 Z50 Z18-140.jpg 54.黒門の千社札
柱には千社札が貼られていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 33mm ISO200 ) 露出補正 なし
055_2304060549 X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 55.吉野の葛餅
「歌藤御芳堂」という和菓子屋さんがあった。手造りで葛菓子、葛湯を作っている。吉野は「くず」が有名である。吉野地方の山野に自生する葛の根より極寒の時、吉野川の清流を以て精製する滋養分に富む純良潔白の最高級の澱粉だそうだ。 この葛根の澱粉100%の物を「吉野本葛」、葛根を50%以上の主原料として甘藷を混ぜ合わせたものを「吉野葛」という。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.5 1/500秒 44mm ISO250 ) 露出補正 なし
056_2304060553m X900 〇吉野山 銅鳥居 Z50 Z18-140.jpg 56.銅鳥居
黒門から上り坂を登った小高いところに銅鳥居がある。前の写真の葛餅の店のすぐ上になる。高さ約7.5m、柱の周囲約3.3m、すべて銅製。太平記には、正平3年(1348年)1月28日に、足利尊氏の執事であった高師直の兵火に焼け落ちたことが記されているという。その高師直の兵火で焼失したあと、室町時代に再建されたものだそうだ。重要文化財である。正しくは発心門。山上ヶ岳までの間に発心・修行・等覚・妙覚の四門があり、これが最初の門にあたる。行者たちはここから向こうを冥土と見たて、ひとつ門をくぐるごとに俗界を離れて修行する決心を強めていった。曇り空を背景に黒いものを撮るのはむずかしい。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.0 1/500秒 55mm ISO110 ) 露出補正 なし
057_2304060558 X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 57.金峯山寺前バス停
保存修理工事が行われている金峯山寺の仁王門の傍へ来た。そこに「金峯山寺前」というバス停があった。こんなに観光客がいっぱい歩いているところで、バスが通っているのか不思議に思った。調べてみると、吉野大峯ケーブル自動車(株)の「吉野山奥千本ライン」という、吉野神宮ー吉野山駅ー金峯山寺前ー竹林院前ー奥千本口を行く路線バスが運行されている。但し観桜期は 竹林院前⇔奥千本口 のみの運行なのでここにバスは来ない。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 29mm ISO125 ) 露出補正 なし
058_2304060559 X900 吉野山 Z50 Z18-140.jpg 58.竜門岳<br> 空が明るくなって、下千本の向こうに竜門山系の主峰、標高904mの竜門岳がくっきりと見えた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR<br> プログラムオートで撮影  ( f4.8 1/500秒 45mm ISO100 ) 露出補正 なし
059_2304060563 X900 吉野山 金峯山寺 Z50 Z18-140.jpg 59.二天門跡石段
金峯山寺の薬王堂という石柱のある石段の前にきた。石段の向こうに蔵王堂の屋根が見える。蔵王堂の拝観券はツアコンさんから配られた。先に吉水神社を拝観して、後で各自、蔵王堂に上がって内部を見てほしいとのことだった。かつて二天門は大峯山から出峰してきた行者を迎えていた。二天門跡では鎌倉時代末期の1333年(元弘3年)1月16日に鎌倉幕府軍が攻め寄せた際、村上義光が大塔宮護良親王(だいとうのみやもりながしんのう)の身代わりになって切腹したと言われ、石柱「村上義光公忠死之所」が建立されている。二天門は南北朝時代に焼失し、その後再建されることはなかった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 45mm ISO100 ) 露出補正 なし
060_2304060564 X900 吉野山 駐在所 Z50 Z18-140.jpg 60.吉野山駐在所
この建物は吉野警察署の吉野山駐在所だ。歴史的建造物ではないが、交番も歴史を感じさせる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f4.0 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
061_2304060566 X900 吉野山金峰山寺 Z50 Z18-140.jpg 61.東南院 多宝塔
駐在所のちょっと先に東南院がある。wikipediaによると、東南院(とうなんいん)は、金峯山修験本宗の別格本山の寺院。山号は大峯山。本尊は役行者像。大峰山の持護院である。開基は役行者(えんのぎょうじゃ)で役行者霊蹟札所でもある。役行者とは7世紀後半の山岳修行者で本名は役小角(えんのおづぬ)という。役優婆塞(えんのうばそく)ともいう。日本の山岳宗教である修験道(しゅげんどう)の開祖として崇拝され、江戸末期には神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)の諡号(しごう)を勅賜されたという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影  ( f8.0 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 なし
062_2304060569 X900 吉野山 金峰山寺 Z50 Z18-140.jpg 62.金峯山寺蔵王堂遠望
ツアコンさんに案内されて吉水神社へ上がる石段お前に来た。中千本と言われるあたりまで登ってきたのだ。振り返ると、金峯山寺の蔵王堂と愛染堂の屋根が見える。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 91mm ISO100 ) 露出補正 なし

2023年4月28日

いにしえの奈良 2泊3日のサクラ見物 ① 2023年4月5日ー7日 奈良公園

某旅行社の「新幹線で行く!世界遺産・吉野山はたっぷり3時間滞在!いにしえの奈良9つの桜3日間」という長ったらしいタイトルの付いたツアーに1月に申し込んであった。うちの奥さんが、長い間、吉野の桜を見たいといっていたからだ。申し込む時点で最も適時と推察した4月5日出発のコースを選んだ。だが、今年のサクラの開花は各地で例年より著しく早いのでいささか心配ではあったが、日程は変更できない。しかし、開花後気温が下がる日もあって、多少は長持ちしてくれたようだ。

日程はおおよそ次の通りだった。
4月5日 新横浜から新幹線で三河安城へ。観光バスで奈良公園 泊:奈良市内興福寺の近く
4月6日 吉野山(金峯山寺・吉水神社など)、壷阪寺、談山神社、泊:奈良市内
4月7日 又兵衛桜、長谷寺、大野寺 往路と同じく伊勢湾道路を三河安城へ。新幹線で新横浜。

さて、集合は新幹線の新横浜駅に朝6時45分だった。自宅からは比較的近いが、それでも5時半には家を出なくてはならなかった。7時15分発の「こだま」に乗って、9時21分に三河安城着。愛知県岡崎市に本社のある観光バスに乗り込んだ。参加者は29名で、一人で参加されている方も数名いらっしゃった。バスは伊勢湾自動車道(略称 伊勢湾岸道)を走り、レゴランドやジェット・コースターが見えたナガシマスーパーランドを車窓に見ながら、亀山で名阪国道へ入る。関というところで休んで、天理で名阪国道の自動車専用道路を下りた。
 バスは奈良県庁の駐車場へ入る。ベテランのツアコンさんに引率されて、すぐ近くの氷室神社へ。そこでいったん解散して、各自それぞれ春日大社や、大仏殿など奈良公園一帯を自由に歩くことになった。我々2人は、かみさんの脚も考え、奈良公園の散策をしたあと、興福寺の国宝館へ行くことにした。奈良公園は外国からの観光客が多いのにびっくりした。国宝館を見るのは2度目だが、改めて国宝、重要文化財である阿修羅像や、千手観音菩薩などの数々の仏さまの豊かな表情に見惚れてしまった。
 バスを降りたところで集合し、午後4時過ぎに今宵泊まるホテルに入る。猿沢の池のすぐそばと立地が良い。夕食は各自自由となっていたので、"ならまち"を歩く。ホテルでおすすめの食事処を聞いてみた。どこか居酒屋風のところでよいところないかと思ったが、第一推薦の店に行ってみると、すでに外国人観光客の方も含めて、10名ほどの人が並んで待っていたのでやめてしまった。少々、歩き疲れてホテルに戻り、改めてホテルの方に尋ねて、ホテルの近くにあったこじんまりとした小料理屋さんに電話予約をした。朝が早かったこともあり、ぐっすりと寝ることができた。TVの野球放送は阪神戦の中継のみで、巨人戦はなかった。
 なお、東大寺や興福寺に関する記述は、そのホームページやwikipediaを参照させていただいた。

000_2304050438 X700 〇奈良 東大寺 Z50 Z18-140.jpg
東大寺鏡池と中門と大仏殿 2023年4月5日 奈良県奈良市雑司町

001_2304050001 X900 新横浜駅 G7X.jpg 1.朝6時半の新横浜駅構内
まだ、人は多くない。「相鉄新横浜線・東急新横浜線 3月18日 新横浜駅誕生」の幕が掛けられていた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
002_2304050006 X900 伊勢湾岸道 G7X.jpg 2.伊勢湾自動車道の3つの兄弟橋「名港トリトン」(車窓から)
バスは伊勢湾自動車道を走る。前方に赤い橋が見えてきた。この橋は名古屋港横断三大橋「名港トリトン 」の3本目の橋である。伊勢湾岸自動車道のうち、伊勢湾岸道路の東海IC~飛島ICの間に3つの兄弟のような橋がある。橋は伊勢に向かう順に、青・白・赤に色分けされている。見事なこの橋は、世界的にも大規模な往復6車線の海上斜張橋梁群で、長大斜張橋が三橋連立しているのは、世界でも珍しいそうだ。どの橋も夜間にはライトアップされるという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
003_2304050010 X900 伊勢湾岸道 太陽光パネル G7X.jpg 3.ソーラー・パネル畑(車窓から)
これは三重県、愛知県が公募し、丸紅株式会社が事業者として選ばれ、木曽岬干拓地に建設した太陽光発電所だ。ナゴヤドーム約20個分の広さ(約78ha)の土地にたくさんの太陽光発電システムが設置されていた。太陽光パネルは約20万枚で太陽光発電量は49,155kwあるそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO400 ) 露出補正 なし
004_2304050013 X900 伊勢湾岸道 ながしま G7X.jpg 4.ナガシマスパーランド(車窓から)
伊勢湾岸道路は木曽岬の先で三重県に入る。この大きなジェットコースターがあるのは、三重県桑名市長島町浦安にある長島観光開発株式会社の運営する遊園地で、同社が形成する「ナガシマリゾート」の中核施設である。西日本有数の絶叫マシンの台数を誇り「東の富士急、西のナガシマ」と並び称されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO160 ) 露出補正 なし
005_2304050018 X900 伊勢湾岸道 G7X.jpg 5.東名阪道(車窓から)
バスは四日市JCT.で東名阪道に入る。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
006_2304050040 X900 名阪国道終点 天理 G7X.jpg 6.名阪国道(車窓から)
バスは亀山で東名阪自動車道から名阪国道に入り、12時40分に「天理・奈良 出口」を下りた。名阪国道というのは、いわば無料の自動車専用高速国道である。東名阪自動車道(東名阪)と西名阪自動車道(西名阪)の間に位置する日本の高規格幹線道路網を構成する道路の一つで、両端が東名阪・西名阪の両自動車道と直結した一般国道25号の自動車専用道路である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 なし
007_2304050474d X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 7.奈良の到着 氷室神社
奈良に到着したバスは県庁の駐車場に入る。我々ツアー一行はベテランのツアコンさんに引率されて、奈良国立美術館の前にある氷室神社を参拝した。氷室神社の縁起は、和銅3年(710年)7月22日、元明天皇の勅命により、吉城川上流の春日山にある月日磐に氷神を奉祀し(下津岩根社)たのに始まるという。氷の神様をお祭りする神社である。ホームぺージには、冷凍、冷蔵、製氷販売業の守護神、また、冷凍、冷蔵技術の守護神とあった。春日造の一ノ鳥居が、大宮通りに面する。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 18mm ISO200 ) 露出補正 なし
008_2304050405d X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 8.氷室神社 表門
鳥居からまっすぐ進み、正面石段を登ると表門(四脚門)があった。wikipediaによれば、表門(奈良県指定有形文化財) は、 元々は内裏の日華門で応永9年(1402年)に現在地に移築された。寛永18年(1641年)には内裏の日華門の扉と金5枚が下賜されている。門は四脚門形式で屋根は本瓦葺、東西廊は門に接続している。狛犬は安政4年(1857年)8月に奉納され石工名不詳とのこと。ぶっとい眉毛と大きな鼻の浪速顔だそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.0 1/1000秒 19mm ISO100 ) 露出補正 なし
009_2304050406 X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 9.氷室神社 拝殿と本殿
手前の拝殿(奈良市指定有形民俗文化財)は舞殿でもある。勾欄付きの舞楽殿でかつての南都楽所の中心部であった。本殿(奈良県指定有形文化財) は文久年間(1861年 - 1864年)再建。三間社流造・檜皮葺。本殿床下には2室があり、両開き板戸が付けられている。wikipedia参照。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.8 1/1000秒 28mm ISO900 ) 露出補正 なし
010_2304050411 X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 10.お参り
お嬢ちゃんに着物を着せ、お参りしている女性がいた。何のお参りなのだろうか ?

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.8 1/1000秒 25mm ISO900 ) 露出補正 なし
011_2304050413 X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 11.奈良一番桜
鳥居を入って右側に手水舎があるが、その向こうの鏡池という池の前に枝垂桜があった。このサクラは、奈良市内で一番早く咲き、奈良一番桜とも言われている枝垂桜だそうだ。他にも八重桜などの桜の木が植えられ、桜と四脚門・鏡池・参道・鳥居などの光景が素晴らしいと言われている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.0 1/1000秒 25mm ISO100 ) 露出補正 なし
012_2304050477 X900 〇奈良 氷室神社 トキワマンサク.jpg 12.ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)
桜の花の向こうに深紅の花が見えた。何だろうと思い傍に行ってみる。糸状の細い花びらの集合体が花となっている花の形状はマンサクだった。トキワマンサクの変種のようだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f6.3 1/1000秒 140mm ISO3200 ) 露出補正 なし
013_2304050417d X900 奈良 氷室神社 Z50 Z18-140.jpg 13.鳥居と桜
境内側から鳥居を見ると、満開の枝垂桜があった。花は一重のようだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f6.3 1/1000秒 140mm ISO3200 ) 露出補正 なし
014_2304050478 X900 〇奈良 氷室神社.jpg 14.鳥居の桜と深紅のトキワマンサク
桜の花と比べて、深紅のトキワマンサク(ベニバナトキワマンサク)の印象は際立つ。境内の警備をしていた方と話すと、あの花は何だとよく聞かれるそうだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.3 1/1000秒 70mm ISO800 ) 露出補正 なし
015_2304050422 X900 奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 15.東大寺南大門へ向かう
氷室神社を出て、奈良公園を歩いてみた。外国からの観光客がとても多い。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.3 1/1000秒 72mm ISO560 ) 露出補正 なし
016_2304050425 X900 〇奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 16.奈良公園の鹿
奈良公園に生息するシカは国の天然記念物に指定されている野生動物である。 飼育されている動物ではない。奈良公園に生息する鹿の数は昨年7月の調査でおよそ1200頭確認され、2021年より80頭ほど増えたという。 奈良公園の鹿は「奈良のシカ」として国の天然記念物に指定されていて、保護活動をしている「奈良の鹿愛護会」が毎年7月に鹿の数を調査している。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.0 1/1000秒 63mm ISO400 ) 露出補正 なし
017_2304050429 X900 〇奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 17.南大門 正面から
東大寺は華厳宗の大本山の寺院であり、本尊は奈良大仏として知られる盧舎那仏(るしゃなぶつ)。開山(初代別当)は良弁である。正式には金光明四天王護国之寺(こんこうみょうしてんのうごこくのてら)ともいい、奈良時代(8世紀)に聖武天皇が国力を尽くして建立した寺である。奈良時代には中心堂宇の大仏殿(金堂)のほか、東西2つの七重塔(推定高さ約70メートル以上)を含む大伽藍が整備されたが、中世以降、2度の兵火で多くの建物を焼失した。現存する大仏は、度々修復を受けており、台座(蓮華座)などの一部に当初の部分を残すのみである。また現存する大仏殿は江戸時代中期の宝永6年(1709年)に規模を縮小して再建されたものである。写真の南大門は国宝である。平安時代の応和2年(962年)8月に台風で倒壊後、鎌倉時代の正治元年(1199年)に復興されたもの。「大華厳寺」の扁額がかかっている。これは古い記録にそのような扁額があったと書かれていたことに基づき、2006年(平成18年)10月10日に行われた「重源上人八百年御遠忌法要」に合わせて新調されたものである。(wipipediaを参照)

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
018_2304050430 X900 奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 18.南大門から中門へ
東大寺「中門」は「東大寺大仏殿」の正面に建つ大きな楼門である。鎌倉時代の「大仏様」建築の傑作として知られる東大寺南大門と比較すると目立たない存在ではあるが、享保元年(1716年)頃の建立と推定される建築は、東大寺では珍しく朱色が目立つ外観となっており、重要文化財にも指定されている貴重な建築である。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.0 1/1000秒 61mm ISO500 ) 露出補正 なし
019_2304050436 X900 奈良 奈良公園 Z50 Z18-140.jpg 19.中門へ 鹿の数が多くなる
中門は東大寺大仏殿の正面、大仏殿を取り囲む「回廊」沿いに位置するため、大仏殿にお参りするために通る正式な参入門として長らく用いられてきた。現在は大仏殿の拝観料を徴収するための受付が回廊内に設けられているため、通常時は中門から入ることはできない。2010年8月に来た時には大仏殿に入り、高さ46.8mある盧舎那仏を拝んできたが、今回は中門で失礼した。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.3 1/1000秒 68mm ISO500 ) 露出補正 なし
020_2304050440 X900 〇奈良 東大寺 Z50 Z18-140.jpg 20.東大寺鏡池と中門と大仏殿
南大門から中門へ向かう右側に鏡池(かがみいけ)がある。鏡池に中門と大仏殿が映り込む様子は東大寺の景観のハイライトとなっている。風のない日の方がきれいに映り込む。この時は池にさざ波がたっていた。鏡池という名称は、池にある小島が取っ手のある手鏡のような形をしていることからそう呼ばれている。その小島には弁財天が祀られている。紅葉が美しいらしい。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.2 1/1000秒 35mm ISO180 ) 露出補正 なし
021_2304050442 X900 〇奈良 奈良公園 若草山 Z50 Z18-140.jpg 21.若草山
若草山は、奈良公園の東端に位置する標高342m、面積33haの、ノシバ(日本芝の一種)に覆われた山で、山頂には、5世紀頃に築造されたといわれる史跡鶯塚古墳がある。毎年1月には、若草山焼きがある。夜空をこがす壮観さはまさに、炎の祭典というのにふさわしい行事と言われる。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.6 1/1000秒 103mm ISO250 ) 露出補正 なし
022_2304050452 X900 〇奈良 奈良公園 Z50 Z18-140.jpg 22.中門と回廊
中門と回廊を鏡池の東側から撮った。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.5 1/1000秒 23mm ISO100 ) 露出補正 なし
023_2304050454 X900 奈良 東大寺 Z50 Z18-140.jpg 23.大仏殿
中門から大仏殿(金堂)を眺める。正式には東大寺金堂というが、「大仏殿」の名で広く知られ、東大寺の公式ホームページでも主に「大仏殿」が使用されている。大仏殿は、1181年(治承4年)と1567年(永禄10年)の戦火で2度にわたり焼失し、現在の建物は1709年(宝永6年)に公慶(こうけい)上人によって再建され、落慶(寺社などの新築、また修理の完成を祝うこと)したもので、国宝に指定されている。天平・鎌倉の大仏殿は桁行11間(約88m)であったが、財政困難の理由で7間に規模が縮小された。それでも高さや奥行は創建時のままで、世界最大級の木造建造物である。東西 57.012m、南北 50.480m、高さ は48.742m ある。大仏殿の正面には、国宝に指定されている金銅八角燈籠が見える。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 25mm ISO125 ) 露出補正 なし
024_2304050463 X900 奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 24.南大門 裏手(北側)から
国宝である。先に記したように、平安時代の応和2年(962年)8月に台風で倒壊後、鎌倉時代の正治元年(1199年)に復興されたもの。東大寺中興の祖である俊乗房重源が中国・宋から伝えた建築様式といわれる大仏様(だいぶつよう、天竺様ともいう)を採用した建築として著名である。大仏様の特色は、貫と呼ばれる、柱を貫通する水平材を多用して構造を堅固にしていること、天井を張らずに構造材をそのまま見せて装飾としていることなどが挙げられる。裏手からは見られないが、門内左右には金剛力士(仁王)像と石造獅子1対(重要文化財)を安置する。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.8 1/1000秒 23mm ISO1000 ) 露出補正 なし
025_2304050464 X900 奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 25.南大門 横(西側)から
戻るときに改めて南大門を眺めると修復が必要と思われるほど傷んできているようにも思えた。現在は退色しているが、本来南大門は赤い門だったそうだ。ブログで、将来の修復時にも再塗装して欲しくなく、この門には歴史を感じさせる今の古色蒼然さがとても似合っているという意見を述べている方がいた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 18mm ISO1600 ) 露出補正 なし
026_2304050468 X900 〇奈良 南大門 Z50 Z18-140.jpg 26.世界遺産認定の碑と鹿
奈良公園クイックガイドというページに、「鹿に鹿せんべい以外の食べ物を与えたりしないでください。鹿せんべいはすぐにあげてください。焦らすと怒ります。」と記されていた。また、いつから奈良公園に鹿が住んでいるのか?という問いには、春日大社に祀られている神様武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が白い鹿に乗ってやってきたという伝説があり、その春日大社の祭神、武甕槌命は鹿島神社(茨城県)から神鹿に乗ってってやってきたと伝わるため、鹿は神の使いとして古くから手厚く保護されてきて、万葉集(750年)に実際に鹿がいたことが書かれているとあった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.0 1/1000秒 32mm ISO900 ) 露出補正 なし
027_2304050481 X900 奈良県庁→興福寺 Z50 Z18-140.jpg 27.興福寺へ
興福寺へ阿修羅像を見に行くことにした。県庁まで戻り、大宮通りを左に曲がって、右側の拝観受付から国宝館へ行く途中、鹿4頭が道に飛び出して、自動車を止めてしまった。何せ、鹿は神の使いである。こういう光景はどこでも見られるのだろう。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f4.0 1/1000秒 32mm ISO900 ) 露出補正 なし
028_2304050498 X900 奈良興福寺 西金堂 Z50 Z18-140.jpg 28.興福寺 中金堂
国宝館で見た阿修羅像をはじめ数々の国宝の像は、そのお顔の表情がそれぞれ豊かであり、心を癒された。2010年に奈良に来た時にも国宝館は見学したが、また、新たな印象を持った。国宝館を出て興福寺の境内を歩く。まず、新しい中金堂が目に入った。中金堂は長い寺史の中で7度の火災に遭い、1717年の大火で焼失した後は仮堂が建設されただけにとどまっていた。今回は300年ぶりの復興となる。創建1,300年となる2010年(平成22年)に中金堂再建工事が着工され、2017年(平成29年)、翌年に中金堂が完成するのを見越し仮金堂内の諸仏を早くも中金堂に移し、今見る中金堂は、2018年(平成30年)10月に9代目の中金堂として落慶した。コロナ感染防止のため内部の拝観はできなかった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 18mm ISO180 ) 露出補正 なし
029_2304050490 X900 奈良興福寺 東金堂 Z50 Z18-140.jpg 29.東金堂
応永22年(1415年)再建された。5代目である。1952年(昭和27年)3月29日、文化財保護法に基づく国宝に指定されている。東金堂は神亀3年(726年)、聖武天皇が伯母にあたる元正上皇の病気平癒を祈願し、薬師三尊像を安置する堂として創建された。治承4年(1180年)の兵火による焼失後、文治3年(1187年)、興福寺の僧兵・東金堂衆は飛鳥の山田寺(現・奈良県桜井市)にあった天武天皇14年(685年)に蘇我倉山田石川麻呂の冥福を祈って造立されたものと思われる講堂の本尊・薬師三尊像を強奪し、それを新たな東金堂の本尊として安置した。東金堂はその後、応永18年(1411年)に五重塔と共に焼け、現在の建物は応永22年(1415年)に再建された室町時代の建築である。様式は、唐招提寺金堂を参考にした天平様式。平面規模は、創建時の堂に準じている。木造維摩居士坐像(国宝)、木造文殊菩薩坐像(国宝)、木造四天王立像(国宝)、木造十二神将立像(国宝)、銅造薬師三尊像(重要文化財)が安置されている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.0 1/1000秒 57mm ISO720 ) 露出補正 なし
030_2304050492 X900 奈良興福寺 南円堂 Z50 Z18-140.jpg 30.興福寺 南円堂 日本で最大の八角堂
弘仁4年(813年)藤原冬嗣が父 内麻呂追善の為に建てた。 基壇築造の際には地神を鎮めるために、和同開珎や隆平永宝を撒きながら版築したことが発掘調査で明らかにされた。また鎮壇には弘法大師が係わったことが諸書に記されている。不空羂索観音菩薩像を本尊とし法相六祖像、四天王像が安置されている。創建以来四度目の建物で、寛保元年(1789年)に再建された。江戸時代の建物といっても、その手法はきわめて古様で、鎌倉初期の再建だが、興福寺に残る最も古い建築物である美しい八角形の北円堂を参考にしたと考えられる。南円堂のすぐ北側にある北円堂を見過ごしてしまったのが残念だった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.5 1/1000秒 18mm ISO560 ) 露出補正 なし
031_2304050495 X900 奈良興福寺 南円堂 Z50 Z18-140.jpg 31.金銅灯篭
南円堂正面におかれた高さ236cmの金銅製の灯篭で、南円堂が建立された平安時代から現存するのはこの灯篭のみだそうだ。弘仁7年(816年)に藤原氏の一門が寄進したことが判明している。現存する灯篭では東大寺大仏殿の正面に立つ国宝「八角灯篭」に次いで古く、現在は国宝館に収蔵されているが、南円堂前にはそのレプリカが据えられている。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f3.8 1/1000秒 27mm ISO800 ) 露出補正 なし
032_2304050505 X900 奈良興福寺 五重塔.jpg 32.興福寺 五重塔
興福寺の五重塔は、730年(天平2年)に光明皇后の発願で創建された。初層の東に薬師浄土変、南に釈迦浄土変、西に阿弥陀浄土変、北に弥勒浄土変を安置し、各層には水晶の小塔と垢浄光陀羅尼経が安置されていたという。現在の塔は、1426年(応永33年)の再建で国宝である。初層の須弥壇には、東に薬師三尊像、南に釈迦三尊像、西に阿弥陀三尊像、北に弥勒三尊像が安置されている。なお、大規模修理に向けた調査が進む興福寺の国宝五重塔で、修理現場を覆う「素屋根」の設置が始められる。2023年7月から設置し始め、30年3月には修理工事が終わる予定だ。今回見ることができて幸いだった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f5.0 1/1000秒 56mm ISO6400 ) 露出補正 なし
033_2304050045 X900 奈良町 G7X.jpg 33.ならまち
ホテルには4時過ぎに入った。今夜の夕食は各自でとることになっている。ホテルの方に、どこかちょっとお酒が飲めて、食べられるところで良いところはないかと相談したところ、2軒ほど教えてもらえた。まだ、時間は早いので、少し町を歩いてみようと外に出た。「ならまち」とは奈良の旧市街地で、特に元興寺や興福寺の門前町だった奈良時代に始まり、その後も発展を続け、近世以降は奈良を代表する商業地となったあたりをいうそうだ。戦後は駅周辺の開発とともに閑静な住宅地に変わっていったが、1980年代に町並み保存の機運が高まり、現在に至っている。奥深い魅力を持つ町だという。こんなアーケードの商店街もあったが、観光客の姿は少ない。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1250 ) 露出補正 なし
034_2304050047 X900 奈良町 G7X.jpg 34.古美術店
ちょっと雑然としたところもあるのだが、新しい感覚のカフェなどに混じって、こんな優雅な店もあった。ホームページを見ると、「初代より大和古物(仏教美術・南都漆器)、一刀彫、古赤膚焼を扱っております。現在では、三代、四代、五代目の三人により、茶道具。日本画、現代作家(人間国宝中心)鑑賞陶器など多岐にわたって取り扱っております。是非一度お立ち寄りください。」とあった。ここは西寺林町である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels

シャッタースピード優先オートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO800 ) 露出補正 なし
034+_2304050513 X900 〇奈良興福寺 Z50 Z18-140.jpg 34+.興福寺三重塔ライトアップ
1枚追加。近くで夕食を終え、ホテルに戻ると、窓から興福寺の三重塔がライトアップされているのが見えた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
シャッタースピード優先オートで撮影  ( f6.0 1/20秒 120mm ISO6400 ) 露出補正 なし

2021年1月 3日

琵琶湖をぐるっとGo To トラベル 11月25日~27日 (8)比叡山 11/27

最終日、比叡山延暦寺へ向かう。初めてのところではないが、ほとんど覚えていない。
 wikipediaによれば、延暦寺は、滋賀県大津市坂本本町にあり、標高848mの比叡山全域を境内とする寺院である。京都の鬼門に位置する。平安京(京都)の北にあったので奈良の興福寺に対し北嶺とも称されたそうだ。平安時代初期の僧・ 最澄 (767年 - 822年)により開かれた日本天台宗の本山寺院である。住職(貫主)は天台座主と呼ばれ、末寺を統括する。1994年には、古都京都の文化財の一部として、1200年の歴史と伝統が世界に高い評価を受けユネスコ世界文化遺産に登録された。
  草津の宿を出発したバスは、双耳峰の比叡山を右手に見て進み、琵琶湖の南端に架かる全長1,290mの近江大橋を渡る。琵琶湖上の他の道路橋として、南側約3kmに瀬田川大橋(国道1号)があり、北側約19kmには初日に渡ってきた琵琶湖大橋(国道477号)がある。
 平成10年10月1日、2kmほど北の柳が崎から浜大津に移転した昭和9年開業の琵琶湖ホテルを右に見ながら進み、湖西街道(161号線)の大津京から比叡山ドライブウェイに入った。
 比叡山のバスセンター駐車場に着くと、ガイドさんの案内でまっすぐ根本中堂へ案内された、工事中の根本中堂でお坊さんの説話を聞き、退出後は文殊楼や大黒堂を見て歩いたが残念なことがひとつある。それは、すぐ近くにあった法華総持院東塔や阿弥陀堂などを見ず仕舞いだったことだ。事前学習の不足である。
 2019年12月3日に放送されたBS朝日の「ぶらり京都歴史深訪」・「比叡山 電車で訪れる聖地」という番組が、この正月2日に再放送されたのをたまたま見たが、このたび行って見て、自分のブログで整理し、この番組を見たことで理解が深まった。番組では「千日回峰行」「十二年籠山行」「四種三昧」といった比叡山の厳しい修行についても説明された。

201127706ab X600 比叡山 X10M4_0000.jpg
境内案内図および延暦寺パンフレットより
上:比叡山回遊案内図 下:東塔地域案内図

165.琵琶湖大津プリンスホテル(車窓から)
浜大津の近江大橋を渡る。対岸に比叡山を背景に琵琶湖大津プリンスホテルが見えた。丹下健三さんが設計したこのホテルは滋賀県で最も高いビルであり、ランドマークとなっている。 1989年(平成元年)4月22日に開業している。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO125 ) 露出補正 +0.3段
201126934_165 X800 3日目 草津→比叡山 近江大橋 G7X.jpg
166.琵琶湖ホテル(車窓から)
近江大橋を渡り京阪電車沿いに走る湖畔沿いの道を大津市の浜大津に入る。右手に大きなホテルが見えた。知らなかったが、昭和9年に建てられた、桃山風破風造を特徴とし、鉄筋コンクリートの近代的洋風建築でありながら社寺建築の様式を取り入れ、かって、滋賀県の迎賓館としての役割を果たした旧琵琶湖ホテルが平成10年にここに移転したのだそうだ。琵琶湖ホテルには、40年くらい前に高野山へ行った帰路、一度泊ったことがあるのだが、その名残は全くない。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels プログラムオートで撮影 ( f2.2 1/1250秒 9mm ISO125 ) 露出補正 +0.3段
201126937_166 X800 3日目 草津→比叡山 新しい琵琶湖ホテル G7X.jpg
167.京阪電車(車窓から)
京阪電車の踏切を渡って、比叡山ドライブウェイへ入っていく。この京阪電車石山坂本線は、瀬田の石山寺から比叡山口を結んでいる。この電車には昨年(2019年)2月に石山寺を参拝し、そこから日吉神社へ行くのに終点の比叡山口まで乗った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 24mm ISO125 ) 露出補正 +0.3段
201126939_167 X800 3日目 草津→比叡山 京阪 G7X.jpg
168.祖師御行績絵看板  「道元禅師(1200~1253)曹洞宗御開山」
比叡山のバスセンター駐車場に着いた。ここから根本中堂へと歩く。国宝殿を左に見ながら進むと右にカーブした緩やかな上り坂に差しかかる。その両側に写真のような絵が並んでいた。祖師御行績絵看板という。比叡山が、いかに日本の仏教に大きな影響を与えてきたかをPRすることが目的と思われる。806年に桓武天皇によって立教開宗が認められ、2006年で天台宗は開宗1200年を迎えた。この開宗1200年慶讃大法会に当たり多くの協賛を得て、比叡山を開山した伝教大師最澄を始めとする比叡山の高僧や比叡山から輩出された祖師たちの御行績絵看板が修復され境内に掲げられた。その中のひとつであるこの絵は、比叡山に学び、独自の宗派を興した多くの上人たちの一人で、中国に渡った道元が、中国の僧に日常の中での修行の大切さを教えられた場面と思われるこの絵は「道元禅師(1200~1253)曹洞宗御開山」と題され、禅師は求法のため中国に渡り、貞応2年(1223年)春4月、船は大陸の明州に着いた。禅師は船に留まって諸山巡拝の準備をしていた。そうしたある日、日本の珍しい椎茸を買いに一人の老僧が船を訪れた。聞けば名刹阿育王山の典座(雲水の食事を司る役)和尚とのこと、禅師は早速日本の知識を披露し中国仏法をたずねて引き止めたが、老僧「貴僧はまだ修行が文字の中でなく日常の中にあることを知らぬ」と云って早々に去ってしまう。道元禅師はただ慙愧発奮するのみであった。(大講堂堂内に御木像を安置)」と説明文があった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels 絞り優先オートで撮影 ( f11 1/250秒 18mm ISO3200 ) 露出補正 -0.7段
201127715_168 X800 比叡山 RX10M4.jpg
169.開運の鐘(世界平和の鐘)
延暦寺発祥の地であり、本堂にあたる根本中堂を中心とする区域である東塔エリアに出る。昭和39年(1964年)に山麓の坂本の讃仏堂を移築した大講堂の前にあるこの開運の鐘(世界平和の鐘)は、1回50円で誰でも鳴らすことができる。この鐘楼がいつ頃、何のために造られたのかを調べてみたが、ネットでその記述を探すことは出来なかった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 10mm ISO2500 ) 露出補正 -0.7段
201127722_169 X800 比叡山 RX10M4.jpg
170.改修中の根本中堂 -1
ガイドさんはまっすぐ根本中堂へ案内してくれた。だが、国宝の根本中堂ならびに重要文化財の廻廊は平成28年度から約10年をかけ「平成の大改修」が行われている。 比叡山延暦寺のホームページにも、「本堂の銅板葺き、廻廊のとち葺きを葺き直し、全体の塗装彩色の修理が主な内容となります。工事の期間中も参拝ができるような処置をしながら、次代へ祈りと伝統が文化財とともに継承されていきます。工事期間中は、国宝・重文改修ならではの珍しい作業も行っております。普段目にすることのない貴重な光景を間近でご覧いただく機会もございますので、是非ご参拝ください。」 と記されていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels

絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 12mm ISO320 ) 露出補正 -0.7段
201127735_170 X800 比叡山 RX10M4.jpg
171.改修中の根本中堂 -2
覆いがかけられた根本中堂と回廊の中に入ることが出来た。その手前に「改修のあらまし」についてのパネルがあった。wikipediaによれば、「根本中堂は伝教大師最澄が延暦7年(788年)に、一乗止観院という草庵を建てたのが始まりとされる。本尊は最澄が一刀三礼して刻んだ薬師瑠璃光如来と伝えられており(秘仏)、その宝前に灯明をかかげて以来最澄のともした灯火は1200年間一度も消えることなく輝き続けているので、「不滅の法灯」と呼ばれる(焼き討ち後の再建時には立石寺から分灯を受けた)。中堂という呼称の由来は、最澄創建の三堂(薬師堂・文殊堂・経蔵)の中心に位置することから薬師堂を中堂と呼ぶようになり、この三堂は後に一つの伽藍にまとめられ、中堂という名前が残ったとされる。比叡山延暦寺の中心であることから根本中堂といい、比叡山では東塔という区域の中心的建築物である。」  

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 20mm ISO2500 ) 露出補正 -0.7段
201127725_171 X800 比叡山 RX10M4.jpg
172.改修中の根本中堂 -3
根本中堂は何度も火事や戦禍によって焼失している。現在の根本中堂は、元亀2年(1571年)9月、織田信長による焼き討ちの後、慈眼大師天海の進言により徳川三代将軍家光の命によって、寛永11年(1634年)より8年の歳月をかけて再建されたもので、寛永19年〈1641年〉)に完成しているそうだ。1953年(昭和28年)3月31日に国宝に指定された。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 20mm ISO3200 ) 露出補正 -0.7段
201127726_172 X800 比叡山 RX10M4.jpg
173.根本中堂改修中の屋根
根本中堂に面する中庭(覆いの中)に2018年8月から、4階建ての「修学ステージ」が出来ている。改修の様子を参拝客が間近で見られる。「修学ステージ」から改修中の本堂の屋根と回廊の屋根を眺めた(写真は回廊の屋根)。根本中堂は桁行11間(37.57m)、梁間6間(23.63m)、軒高約9.78m、棟高24.46m、屋根は一重、入母屋造。木材の下地材の上に銅板を屋根形状に合せて加工して止められている屋根が改修中だった。回廊の屋根はとち葺きで、その葺き替えが行われている。改修中の屋根を見たあと、中陣に座り、法話を20分ほど聴いた。中陣の天井は「百花の図」といわれ、200に及ぶ草花が極彩色で描かれているがここは撮影禁止である。ここから内陣が参拝できるが 参拝者のための中陣と外陣よりも3mほど低い石敷の土間になっていた。内陣中央の本尊が立つ床と、参拝する中陣・外陣の床が同じ高さになっている。本尊として、最澄自刻の薬師如来像と「不滅の法灯」が有名である。最澄自刻の薬師如来像は秘仏であり、現在の根本中堂の薬師如来立像は、江戸時代の延暦寺再興の時に横蔵寺(岐阜県揖斐郡揖斐川町)より移座したものであるという。それは横蔵寺の薬師が最澄自刻のものであるという記録が横蔵寺にあったことによるものだそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/125秒 14mm ISO3200 ) 露出補正 -0.7段
201127727_173 X800 比叡山 RX10M4.jpg
174.文殊楼への階段
40分ほど根本中堂の中にいた。根本中堂を出て、前を見ると石段があった。文殊楼への階段である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/160秒 16mm ISO3200 ) 露出補正 -0.7段
201127731_174 X800 〇比叡山 RX10M4.jpg
175.文殊楼
ケーブルカーが開通してからは、下から歩いて登ってくる参拝者はほとんどいないが、かつては比叡山延暦寺の表参道だった本坂を登ってくると、まずこの門を潜ることになり、比叡山の総門の役目を果たす重要な楼門だそうだ。文殊菩薩が祀られている。 慈覚大師円仁が中国五台山の文殊菩薩堂に倣って創建した。寛永の復興にあたって、根本中堂や講堂とともに再建されたが、漢文8年(1668年)に焼失してしまい、すぐに再建されたのが現建築と言われる。寛永の建物より小規模になり、全体的に唐様が取り入れられているが、古い和様も入っているところに苦心が偲ばれる折衷様式になっている。江戸時代の代表的な様式の構造物だそうだ。平成28年に国の重要文化財に指定されている。 受験生の合格祈願に人気があるという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 -0.7段
201127743_175 X800 〇比叡山 文殊楼 RX10M4.jpg
176.大黒堂
比叡山は大黒天信仰発祥の地と言われる。伝教大師最澄が比叡山へ登ったときに大黒天を見た場所なのだと伝えられる。本尊は最澄が彫ったという三面出世大黒天。正しい呼び方は三面六臂大黒天といい、米俵の上に立ち、中央は食生活を守る大黒天、右は勇気と力を与える毘沙門天、左は美と才能を与える弁財天である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 17mm ISO320 ) 露出補正 -0.7段
201127737_176 X800 〇 比叡山 RX10M4.jpg
177.根本中堂 石柱
大黒天の少し先を左に入ると文殊楼へ行く。そこに根本中堂の石柱があった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 9mm ISO400 ) 露出補正 -0.7段
201127736_177 X800 〇 比叡山 RX10M4.jpg
178.参道からの文殊楼
前の写真の根本中堂の石柱の辺りから文殊楼へ上がる石段がある。このルートが本坂から上がってくる参道なのだろうと推察する。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 14mm ISO2500 ) 露出補正 -0.7段
201127746 _178 X800比叡山 RX10M4.jpg
179.根本中堂から坂本ケーブルへ -1
ガイドさんが待つ根本中堂の石段を上がっところで集合し、坂本ケーブルの延暦寺駅へ歩く。途中琵琶湖が眺められるところがあった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 39mm ISO400 ) 露出補正 -0.3段
201127750_179 X800 〇比叡山 文殊楼 X10M4.jpg
180.根本中堂から坂本ケーブルへ -2
もみじを入れて琵琶湖を狙った。晴れて空気が澄んでいたので、琵琶湖大橋が眺められ、さらにその先に沖島が見えた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
絞り優先オートで撮影 ( f11 1/500秒 13mm ISO400 ) 露出補正 -0.3段
201127751gy_180 X800 〇比叡山 文殊楼 X10M4.jpg


2018年12月 7日

室生寺 11月7日 高野山、奈良・長谷寺、室生寺と滋賀・湖東三山(4)

長谷寺駅から近鉄大阪線で伊勢方面へ、2っ先の室生口大野駅まで行く。ここも2、3人観光客が下車するが閑散としている。室生寺行のバスは出たばかりで1時間ない。タクシーを呼ぶがそれも空きがなく30分ほど待たされて、やっと来た。バスを待っていた一人旅の女性をお乗せして室生寺へ向かう。タクシーのドラーバーが、途中、室生寺の末社である大野寺のそばで、川の向こう側にある摩崖仏を見せてくれた。
 タクシーは室生寺の入り口である太鼓橋のところまで行ってくれた。室生寺は真言宗室生寺派大本山の寺院である。
 室生寺の本堂へ上がる石段で、張り出した枝を避けようとして、転んでしまった。右手にリストストラップで持ったカメラが大事で庇ったので、右手で支えられないまま転んでしまった。脚のすねを強打、青あざができて腫れあがったが不思議と痛みはない。
 参詣を終えて、帰りはバスで戻ってきた。駅前のスナックで昼飯を摂る。ビールとスパゲッティ、かみさんは焼きそばを注文した。脱サラしたご夫婦でやっているのだが、旦那がよくしゃべる。次の電車の時間までの一休みだった。
 余談になるが、近鉄大阪線で1971年10月25日に、「青山トンネル事故」というATSの故障が発端で、特急列車が正面衝突するという事故があり、25名が亡くなっている。
 近鉄に乗り桜井方面へ戻り、桜井の先の大和八木で京都行急行に乗り換えた。16:20京都着。昨年も泊まったホテル近鉄京都駅にチェックインした。駅ビルで食事をしたあと、駅構内で「551」の豚まんを買ってホテルに戻った。豚まんは次の日の朝食になった。

68.大野寺の摩崖仏
室生口大野の駅から室生寺に向かうタクシーで5分ほど走っただろうか、運転手がタクシーを止めて、川向うに見える岩を指さし、大野寺の摩崖仏だと見せてくれた。仏様のお顔ははっきりは見えない。大野寺は室生寺の末社だそうで、wikipediaによれば、宇陀川をはさんだ対岸にある弥勒磨崖仏は、「石仏縁起」(万治2年・1659年)や「興福寺別当次第」によれば、興福寺の僧・雅縁の発願により、承元元年(1207年)から制作が開始され、同3年に後鳥羽上皇臨席のもと開眼供養が行われたものであるそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/640秒 28mm ISO1000 ) 露出補正 なし
181106_068.jpg
69.太鼓橋
室生寺の境内には室生川にかかる太鼓橋を渡って入る。タクシーをその太鼓橋のところで降りた。太鼓橋の向こうに表門の屋根が見える。室生寺は女人禁制とされてきた高野山に対し、古くから女性の信仰を受け入れてきたことから「女人高野」の別称でも親しまれている。室生寺の創建は平安時代宝亀年間(770年 - 781年)にさかのぼり、国宝や重要文化財の仏像、建造物が多い。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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70.慶雲殿
表門からは境内に入れない。覗いてみると、中には本坊庫裏が見え、その左手に慶雲殿が見えた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 12mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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71.室生川にかかる太鼓橋
摩崖仏があったところの宇陀川は、奈良県宇陀市大宇陀宮奥付近に源を発し北へ流れ、多くの支流を集めて、三本松駅付近で近鉄大阪線と交差し県境を越え、三重県名張市黒田と名張市箕曲中村の境界で名張川に合流するそうだが、この室生川はその宇陀川の支流である。表門を渡ったところから、太鼓橋にかかる紅葉を眺める。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 12mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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72.赤門の屋根
表門の前を、室生川に沿って、右手に進むと赤門があった。紅葉はまだ少し早いようだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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73.仁王門 -1
さらに室生川沿いに進む。参拝受付を終えると、すぐ目に入るのが仁王門。元禄に一度焼失し、その後長い間姿を消していたが、昭和40年(1965年)11月に再建された。門の両脇で構える仁王像も、昭和に再興されたもの。門の朱塗りも仁王像の色彩も、まだ色鮮やかで美しい。鎌倉時代の古地図によると、この仁王門のさらに奥に二天門があったと記録されている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 34mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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74.仁王門 -2
仁王門に掲げられている扁額には「室生山」という文字が見える。wikipediaによれば、室生寺はを山号を「宀一山」といい、「宀一」は「室」のうかんむりと「生」の最後の一画だという。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 20mm ISO160 ) 露出補正 -0.3段
181106_074.jpg
75.バン字池
仁王門をくぐると、左手に変わった形の池があった。この池はバン字池と言い、その名の通り梵字のバンの形をしており、大日如来を表しているそうだ。その池の水面に仁王門の紅葉が映っていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 11mm ISO200 ) 露出補正 -0.3段
181106_075.jpg
76.鎧坂
バン字池を過ぎてすぐ左側、幅の広い、金堂へ上がる石積みの階段があった。室生寺の名所の一つである鎧坂だ。自然石が積み上げられた階段の様子が、編み上げた鎧の様に見えることからこの名がついたという。鎧坂の途中から下を眺める。もう少し紅葉が進むと、きれいだろう。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 26mm ISO250 ) 露出補正 -0.3段
181106_076.jpg
77.金堂(国宝)
鎧坂を登ると、柿葺(こけらぶき)の金堂が石段の上に次第に競り上がって見えてきて、全貌の見える小さな平地に出る。ところが、この鎧坂を登りきるところで張り出した枝を避けようとして、バランスを崩し、転んでしまった。リストラップで持っていたカメラを守ろうとして、脚のすねを石段にぶつけてしまった。カメラは無事だった。写真の高床の正面一間通りは、江戸時代に付加した礼堂(らいどう)で、これが無かった時代には、この石段上から堂内の仏像の姿が拝めたようだ。 金堂は平安時代前期に建立され、その規模は桁行、梁間共に五間、屋根はこけら葺き、寄棟造の平入である。手前一間は礼堂と呼ばれ、江戸時代の寛文12年(1672年)に増築されたものだ。礼堂部分の屋根は、縋破風(すがるはふ)の付いた葺き下ろしとなっている。それ以前、鎌倉時代末期にも大修理が行われており、その際には多くの部材が取り替えられたという。また、建物の正面と左右には縁が付いており、この縁と礼堂の部分のみ、足の長い懸造(かけづくり)となっている。 「 閑古鳥旅行社」というサイトを見ると、金堂の内部には須弥壇が置かれ、本尊の釈迦如来立像を中心に、左手に文殊菩薩立像と十一面観音立像、右手に薬師如来立像と地蔵菩薩立像が安置されており(いずれも平安時代)、それらの前には鎌倉時代の十二神将立像が立ち並ぶ。本尊の背後の板壁には、帝釈天を中尊とする曼荼羅図が描かれているが、これは非常に珍しいそうだ。なお、金堂の左手には、弥勒菩薩立像と釈迦如来坐像を安置する、鎌倉時代建造の弥勒堂が建っているとあった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 14mm ISO1600 ) 露出補正 -1.0段
181106_077.jpg
78.本堂(灌頂堂)(国宝)
参拝受付でいただいたパンフレットによれば、本堂には室生寺の本尊如意輪観音菩薩像(平安時代 重文)が安置されている。ここは真言密教の最も大切な法儀である灌頂を行う堂で、真言寺院の中心であるところから本堂と呼ばれる。延慶元年(1308年)の建立とのこと。五間四方入母屋造りの大きな建築で、内陣と外陣とを板扉で区画し、和様と大仏様の折衷様式を示す。正面に「悉地院」の扁額が掛けられている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/500秒 11mm ISO320 ) 露出補正 -1.7段
181106_078.jpg
79.五重塔(国宝)
潅頂堂に向かって左側に、次の石段がある。その石段の上方に目をやると、国宝 五重塔が緑の木立に囲まれ堂々と建っているのが見えた。この五重塔は高さ16.22mで、屋外に建つ五重塔では日本で最も小さい。その小ささから、「弘法大師一夜造りの塔」と例えられることもあるそうだ。建立時期は室生寺最古の建造物で、天平時代末から平安初期の建立である。 屋外に建つ五重塔としては法隆寺五重塔の次に古い。平成10年、台風により大きな損害を被ったが、平成12年に修復され、檜皮葺の屋根や丹塗りの優美な姿がよみがえった。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 25mm ISO2000 ) 露出補正 -0.7段
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80.本堂(灌頂堂)の脇
前の写真で見える五重塔への階段を登って、さらに左手の坂道を上ると奥の院(木影堂 鎌倉時代の重文)がある。石段を登り五重塔を間近で見たが、奥の院へは、重なる石段に足が悲鳴を上げていて、登るのを断念した。ここは本堂の脇である。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/500秒 9mm ISO640 ) 露出補正 -0.7段
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81.五重塔から本堂へ
近くで見ると小ぶりに見える五重塔を見上げて、本堂へと石段を下る。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 16mm ISO1600 ) 露出補正 -0.3段
181106_081.jpg
82.バン字池に映るモミジ
再び仁王門のところまで下りてきた。バン字池に仁王門の屋根とモミジが映り込んでいる。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 26mm ISO250 ) 露出補正 -0.3段
181106_082.jpg
83.仁王門 -3
仁王門の屋根とイチョウとモミジ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 20mm ISO100 ) 露出補正 -0.3段
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84.木漏れ日
まだ緑が残るモミジの葉に、木漏れ日が注がれていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/500秒 18mm ISO250 ) 露出補正 -0.3段
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85.本坊 書院の庭
ここは本坊の書院のあるあたりだったろうか。記憶が定かでない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 22mm ISO125 ) 露出補正 -0.3段
181106_085.jpg
86.室生口大野駅
帰りは室生寺からバスに乗って室生口大野駅まで戻ってきた。室生寺の観光客は多かったのに、ご覧の通り閑散としている。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 31mm ISO125 ) 露出補正 -0.3段
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87.室生口大野駅 プラットホーム
ここから、午前中に来た方向へもどる電車に乗る。長谷寺、桜井、を経て、大和八木で京都行に乗り換えるのだ。室生口大野駅の反対側プラットホームのベンチに、室生寺と大野寺のポスターがあった。摩崖仏、仁王門、五重塔がデザインされたなかなか渋いポスターと思う。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ f2.4-4 8.8-220mm 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 37mm ISO640 ) 露出補正 -0.3段
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88.「551」
大和八木で特急に乗り換えて、京都へ行こうと思ったが、すぐ急行が来たので乗ってしまった。停車する駅は多かったが、時間に余裕があったので、のんびり座ってきた。今日の行程は上手く行けるかどうかちょっと心配だったが、問題なかった。チェック・インして、夕食のため外出したが、ホテルに戻るときに駅構内で「551」の豚まんを買った。昨年暮れに京都に来た時もそうした。温かい「551」の豚まんは特に皮が旨い。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1000秒 15mm ISO800 ) 露出補正 なし
181106_088.jpg


2017年12月17日

2泊3日の京都紅葉狩り(1) 東福寺 12月4日

東福寺のモミジを見たいと思い、京都へ行こうと計画した。だが、11月の終わりから12月のはじめにかけて、先にいろいろと予定が入っていた。少し遅いかなと案じつつホテルの予約を取ったのが12月4日、5日だった。
 東福寺は紅葉の時期はとても混雑するようだ。ガイドブックには朝いちばんが良いと書かれている。3割引きで乗れる「大人の休日」を利用し、12月4日は朝、6時発の「ひかり」を予約した。これで行くとちょうど2時間で京都に着く。到着後、2晩泊まるホテル近鉄京都駅に行って、荷物を預けた。チェックインは午後5時以降とのことだ。
 ホテルに荷物を預け、JR奈良線のホームに降りる。東福寺は次の駅だ。鴨川沿いに走る京阪電車の駅もある。東福寺駅には8時40分に到着した。降りる人はそれほど多くない。紅葉のピークを過ぎているのと朝早い時間だからだろう。全部で25寺院あるという東福寺の搭頭のいくつかに礼をしながら、「臥雲橋」にきた。ここから見る東福寺の「洗玉澗」という谷間のモミジの眺めには圧倒される。ただ、残念ながら紅葉は終わりに近づいていた。
  拝観券を求めて列に並び、まず、「通天橋」に入る。橋の手前から「洗玉澗」を歩いて見ると、紅葉が残っているところもあった。そして「通天橋」を渡って、「開山堂」、「普門院」を見て、いったん戻り、次に「方丈」に行き、昭和を代表する作庭家重森三玲が手掛けたという「八相の庭」を見た。モミジも美しかった。   このあと、「本堂」、「三門」にも行ったが、観光客の姿はまばらだった。
 次は嵯峨野、嵐山へ行くのだが、タクシーを使おうと思っていたのをやめて、再び東福寺駅に戻り、こんどは京都駅からJR嵯峨野線に乗って、嵯峨嵐山駅まで行った。

1.京都駅 JR奈良線
JR奈良線の各駅停車は、古いタイプの電車が使われていた。東福寺駅は京都駅から一駅である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 19mm ISO500 )露出補正 なし
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2.東福寺 塔頭 「同聚院」
東福寺は慧白山東福寺と号する臨済宗東福寺派の大本山である禅宗寺院だ。鎌倉時代に九条家の氏寺として創建され、奈良の東大寺と興福寺に因み東福寺と名付けられ、室町期には京都五山のひとつとして栄えたそうだ。その東福寺には25の搭頭がある。ここは「臥雲橋」へ向かう途中にあった「同聚院」だ。「同聚院」は文安元年(1444)に、東福寺第160世・文渓元作禅師が、その師の東福寺第129世・琴江令薫禅師を開山に勧請して創建した寺院という。本尊に不動明王を祀ることから通称「じゅうまん不動さん」と呼ばれる。その不動明王坐像(重文)は 、1006年(寛弘3)藤原道長が旧法性寺に建立した五大堂の中尊と伝えられ、他の4明王 は散逸し、この像だけが残ったのは火除け像として崇敬が厚かったからという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1250秒 15mm ISO125 )露出補正 なし
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3.「臥雲橋」
東福寺の渓谷に架けれた3つの橋は、「東福寺三名橋」と呼ばれる。 上流から「偃月橋」・ 「通天橋」・「臥雲橋「」で「臥雲橋」は「洗玉澗」の一番下流の橋だ。橋脚部分から100%木造の橋である。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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4.「臥雲橋」から眺める「洗玉澗」のモミジ
「臥雲橋」から「通天橋」を見上げるように眺める「洗玉澗」のモミジの光景は、いわば東福寺の紅葉のシンボルである。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影 (​ ​f​4.5 1/​250​秒 18mm ISO​2​​00​​​​ ​) 露出補正​ ​-0.段
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​5.「洗玉澗」のモミジと「通天橋」 -1​​
​モミジ​は散り始めていた。しかし、まだ、何とか見られるというところにとどまっていてくれた。​

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影( f5.6 1/500秒 70mm ISO200 )露出補正 -0.3段
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6.「洗玉澗」のモミジと「通天橋」 -2​​
時刻は9時少し前。「通天橋」にはまだ人影がない。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影( f5 1/250秒 60mm ISO250 ) 露出補正 -0.3段
クリックすると大きくなります。
7.静かな道​​
「通天橋」の拝観受付へは「臥雲橋」をまっすぐ進んで、「経堂」の脇から入った。まだ、開門されておらず、しばらく列に並んだ。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影( f6 1/250秒 165mm ISO400 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
8.「禅堂」のモミジ​​
「経堂」と「禅堂」の間の道で「通天橋」拝観の受付を待った。「禅堂」の前のモミジがまだきれいだった。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影( f5.6 1/500秒 78mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
9.本坊庭園「八相の庭」拝観者の列​​
「通天橋」拝観と「八相の庭」拝観は別になっている。こちらはツアコンさんに引率された「八相の庭」受付の列。やはり、9時開園なのだろう。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO​​
プログラムオートで撮影( f5 1/250秒 18mm ISO200 ) 露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
10.「洗玉澗」のモミジ -1
「通天橋」および「開山堂」の拝観料400円をお支払いして入園した。まっすぐ進むと「通天橋」だが、その「通天橋」が谷を渡る前に「洗玉澗」に下りてみた。モミジの葉が落葉の絨毯となって敷き詰められている。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 35mm ISO200 )露出補正-0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
11.「洗玉澗」のモミジ -2
入場整理をしていた女性に「何処がきれいですか」と尋ねたところ、「今は奥の壁に沿ったところが良いですよ」と教えてくれた。「洗玉澗」には約2,000本のカエデが植えられているという。

Nikon D5300Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.8 1/250秒 50mm ISO250 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
12.「通天橋」とモミジ -1
「通天橋」の周囲ににもまだ美しさが残っているモミジがあった。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 102mm ISO280 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
13.「通天橋」とモミジ -2
「通天橋」の人通りも多くなってきた。日が当たっているモミジは明るく透き通り輝く。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO補正 -0.3段
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 40mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
14.「洗玉澗」を歩く -1
深紅の葉のモミジもまだ残っていた。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.5 1/250秒 46mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
15.「洗玉澗」を歩く -2
紅葉している大きな木があった。何にも遮られないところで陽を浴びて輝いている。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5 1/250秒 18mm ISO200 ) 露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
16.「洗玉澗」を歩く -3
同じカエデのようだが、樹によって葉の色が違う。地面はすっかり落葉で被われてしまっていた。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 26mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
17.「洗玉澗」を歩く -4
同じようなショットをもう1枚。葉が陽の光を透過する。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.8 1/250秒 56mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
18.「洗玉澗」を歩く -5
白い壁との対比が映える赤いミミジだが、ほとんど葉が落ちてしまった。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.5 1/250秒 26mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
19.「通天橋」から見るモミジ -1
地面に生える苔と真っ赤なモミジとの対比が美しい。奥の方から「通天橋」に上がり、橋の上から撮った。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5 1/250秒 60mm ISO500 ) 露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
20.「通天橋」から見るモミジ -2
「通天橋」から「開山堂」へと進むコーナーのモミジが最高にきれいだった。まだ青い葉も残っている。自撮りをしようとする人たちが立ち止まる。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5 1/250秒 62mm ISO1000 )露出補正-0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
21.「通天橋」から見るモミジ -3
「方丈」や「書院」の方向を見る。ここのモミジも色濃く残っていた。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.5 1/250秒 35mm ISO220 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
22.「通天橋」から見るモミジ -4
「通天橋」から「洗玉澗」を見下ろす。残念ながらモミジは終わりに近づいていた。11月の「勤労感謝の日」あたりが見ごろのようだった。下の臥雲橋」も見える。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO320 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
23.「通天橋」から見るモミジ -5
ところどころに、まだきれいに紅葉した葉をつけているモミジに心和まされる。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.3 1/250秒 82mm ISO200 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
24.「八相の庭」南庭
「開山堂」「普門院」を拝観し、一旦外に出て本坊庭園「八相の庭」を拝観する。改めては拝観料400円を納め、靴を脱いで庫裡から上がる。まず、目にするのは南庭である。広さ20坪の枯山水庭園である南庭は18尺の長石を基本に巨石を剛健に配し、渦巻く砂紋によって「八海」を表しているという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1250秒 9mm ISO125 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
25.「八相の庭」西庭 「井田市松」
サツキの刈込と砂地とを葛石で方形に区切り、大きく市松模様に図案化されている。井の字に等分した古代中国の田制「井田」に因み、「井田市松」と呼ばれる。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影 ( f4 1/250秒 18mm ISO200 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
26.方丈の「通天台」
大方丈に沿って北側に廻ると舞台のような「通天台」があった。出発前に見た「京都ぶらり歴史深訪」=京都が染まる紅葉名所10選=というTV番組で「通天台」が紹介されていた。ここから眺める「通天橋」とモミジが美しいというのだが、残念ながら機を失していた。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 32mm ISO200 )露出補正 -0.3段
;クリックすると大きな写真になります。
27.「八相の庭」北庭 「小市松」
大方丈の北側に面して「小市松」と呼ばれる庭がある。パンフレットの説明書きによれば、ウマスギゴケの緑との対比も色鮮やかな市松模様の敷石は、もと恩賜門に使われていたものである。サツキの丸刈りとの調和が誠に印象深く、彫刻家イサム・ノグチはこの庭を「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評した。秋には、背景の紅葉の赤色と、聖一国師が宋より持来したと言われる唐楓「通天紅葉」の黄金色とが織りなす色彩感あふれる空間となる。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f3.5 1/250秒 18mm ISO280 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
28.最勝金剛院
「八相の庭」の見学を終え、再び庫裡から外に出た。本堂を右に見て進むと左への道の先に小さな門があり、その門の向こうに最勝金剛院が見えた。最勝金剛院は、九条家の墓を管理するために再興された東福寺の特別由緒寺院だそうだ。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f6 1/250秒 155mm ISO1250 )露出補正 なし
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29.国宝「三門」
「三門」の前に来た。思遠池があった。池はハスの枯葉がいっぱいだった。「三門」は大仏様を思わせる室町初期の再建で、扁額にある「玅雲閣」は足利義持筆という。楼上内部には諸仏が並び、天井や柱には極彩画が描かれているそうだ。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.5 1/250秒 18mm ISO200 )露出補正 なし
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30.「思遠池」
「思遠池」には石橋がかかり、向こうには「勅使門」が見える。手前の石で囲われたところにはマガモがいた。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f3.5 1/250秒 18mm ISO250 )露出補正 なし
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31.「日下門」から
「本堂」「三門」を周るように歩いて、入ってきたのと同じ「日下門」から境内を出た。竹林を背景に名残りのモミジが可憐だった。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f5.6 1/250秒 116mm ISO1800 )露出補正 なし
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32.「芬陀院」
「日下門」を出て左側に塔頭に一つである「芬陀院」があった。ここには雪舟が作庭したという庭園があることから雪舟寺とも呼ばれるという。wikipediaによれば、元亨年間(1321年~1324年)、一条経通が父一条内経のため、東福寺開山・円爾(聖一国師)の法孫にあたる定山祖禅を開山として創建された。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4 1/250秒 26mm ISO200 )露出補正 なし
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33.ユキヤナギの黄葉
JR東福寺駅へ戻り道筋に、黄色く色づいた小さな木があった。寺の塀などとの絡みもきれいだ。これが何の木かわからなかったが、家内に写真を見せたらユキヤナギではないかという。帰ってきてネットで検索してみると、どうやらユキヤナギらしい。早春に白い小さな花を咲かせるユキヤナギからは想像できなかった。

Nikon D5300 S​​​​​IGMA​ 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO
プログラムオートで撮影( f4.8 1/250秒 56mm ISO250 )露出補正 なし
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2017年12月 1日

小雨の上野恩賜公園 11月16日

私が幹事を続けている小学校のクラス会を、今回は上野恩賜公園散策後、「上野藪そば」でそばを味合う会を企画した。「上野藪そば」が予約できるのは午後3時以降ということを知って、午後1時にJR上野駅の公園口で待ち合わせ、上野公園を歩いて見ようということにしたのだ。ところが残念なことに、その頃、小雨が降り始めた。
 今回の参加者は8名、内1名は「上野藪そば」に直行するということで、7人がJR上野駅公園口に集まった。平日なのに外国人を含め、上野は人出が多い。東京国立博物館の庭園に行ってみようということになった。東京国立博物館では、9月26日から11月26日の間、興福寺中金堂再建記念特別展として、「運慶」が開催されている。これはとても混雑しているようだったが、常設展及び庭園には、混雑もなく、すぐに入ることが出来た。

1.彰義隊の墓
上野公園は何回か来ていて、そこそこ見てきているが、久しく西郷さんに会っていない。かっては上野といえば西郷さんの銅像だったが、今は静かである。集合時間まで少々間があったので、その西郷さんの銅像を探して歩いていると、この「 彰義隊の墓」があった。彰義隊戦死者の遺体は、新政府軍を憚り放置されたままであったものを、三ノ輪円通寺の仏磨和尚と寛永寺の御用商人の三河屋幸三郎が戦死者供養の官許を受けて上野山で荼毘にふし、一部を円通寺に埋葬した。正面の小墓石は、明治2年(1869)寛永寺子院の寒松院と護国院の住職が密かに付近の地中に埋納したものだが、後に堀り出されたという。大墓石は、明治14年(1881)12月に元彰義隊小川興郷(椙太)らによって造立したそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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2.寛永寺清水観音堂 「月の松」より不忍池を眺める
清水観音堂の裏手に出た。境内に入って見る。清水観音堂は、京都東山の清水寺を模した舞台造りのお堂で、寛永8年(1631)天海大僧正により建立された。ここから眺める不忍池は、比叡山から眺める琵琶湖に見立てられている。彰義隊の上野山戦争の戦火、関東大震災、東京大空襲との避け奇跡的に残っている貴重な建物である。彰義隊上野戦争図の絵が飾られている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 20mm ISO640 )露出補正 なし
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3.西郷隆盛銅像
なかなか、見つけられなかった。あらためて見ると、思っていたほど大きくない。<西郷隆盛の銅像は日本各地に存在するが、特に著名な3体は、東京・上野の西郷銅像、鹿児島市の西郷銅像、霧島市溝辺町・西郷公園の銅像だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.2 1/1000秒 13mm ISO320 )露出補正 なし
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4.東京国立博物館
午後1時、参加者全員7人がJR上野駅公園口に集まった。雨が降り出している。どうしようかということになった。スタバでコーヒーでも飲むかとなったが、とてもとても混んでいて入れない。一人が「運慶」特別展は混んでいるが、東京国立博物館の常設展や庭園はすぐに入れるだろうという。東京国立博物館のチケット売り場で尋ねてみると、70歳以上であればその証明になるものを提示すれば無料で入れると案内いただいた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
5.東京国立博物館の庭園
10月24日から12月3日まで、秋の庭園開放が行われている。まず、その庭園を散策することになった。ここは春草廬(しゅんそうろう)という建物。国立東京博物館のホームページよれば、江戸時代、河村瑞賢(かわむらずいけん1618~1699)が摂津淀川改修工事の際に建てた休憩所で、その後大阪や横浜三渓園に移され、昭和12年(1937)に埼玉県所沢市にある松永安左エ門(耳庵・1875~1971)の柳瀬荘内に移築された。昭和23年(1948)に柳瀬荘が当館に寄贈され、昭和34年(1959)に春草廬は現在の位置に移されたそうだ。入母屋の妻に掲げられた「春草廬」の扁額は、能書家として知られる曼殊院良尚法親王(1622~1693)の筆で、三渓が耳庵に贈ったものという。木造平屋建て、入母屋造、茅葺き、座敷は5畳と3畳からなる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.2 1/1000秒 13mm ISO2500 )露出補正 なし
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6.転合庵(てんごうあん)
東京国立博物館HPには「小堀遠州(1579~1647)が桂宮から茶入「於大名(おだいみょう)」を賜った折、その披露のために京都伏見の六地蔵に建てた茶室です。1878年、京都・大原の寂光院に伝わっていた転合庵を、渡辺清(福岡県令、福島県知事、男爵)が譲り受け、東京麻布区霞町に移築。その後、三原繁吉(日本郵船の重役。浮世絵コレクター)へと所蔵者が変わっています。三原は茶入「於大名」も入手し、茶室転合庵とゆかりの茶入「於大名」がここで再び巡り合うこととなりました。その後、塩原又策(三共株式会社 今の第一三共の創業者)を経て、妻の塩原千代から昭和38年(1963)に茶入とともに当館に寄贈されました。」と説明されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/320秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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7.応挙館(おうきょかん)
さらに奥へ進むと応挙館という建物があった。板戸が見事だ。東京国立博物館HPによると、この建物は、尾張国(現在の愛知県大治町)の天台宗寺院、明眼院(みょうげんいん)の書院として寛保2年(1742)に建てられ、後に東京品川の益田孝(鈍翁・ 1848~1938)邸内に移築、昭和8年(1933)当館に寄贈され、現在の位置に移されたそうだ。室内に描かれている墨画は、天明4年(1784)、円山応挙(1733~1795)が明眼院に眼病で滞留していた際に揮亳したものであると伝えられている。墨画は保存上の理由から収蔵庫で保管されているが、2007年、最新のデジタル画像処理技術と印刷技術を駆使した複製の障壁画が設置され、応挙揮毫当時の絵画空間が応挙館に再現されたそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/640秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
8.九条館(くじょうかん)
庭園の一番奥にはこの九条館があった。もと京都御所内の九条邸にあったものを東京赤坂の九条邸に移した建築で、当主の居室として使われていました。昭和9年(1934)九条家から寄贈され、現在の位置に移築されたそうだ。木造平屋建て、瓦葺き、寄棟造、間口15m、奥行き10m、2室、廻り廊下が巡らされている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/400秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
9.九条館(くじょうかん) 襖絵と欄間
床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれており、欄間にはカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされていまる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/320秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
10.石灯籠
あとで東京国立博物館HPをみたところ、「九条館の前に、修理を終えた「大燈籠」が実に"8年ぶり"(修理期間も含めて)に、戻ってきました!」という記述と写真があった。これがそうかと改めて撮ってきた写真をみるが、写真の石灯籠はそれとは違った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/250秒 31mm ISO3200 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
11.フード・スタンド
庭園の散策を終えて、本館の方へ歩いていくと、ちょっと日本庭園には似つかわしくない屋台があった。外国人観光客には親しみがあるのだろうと思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 16mm ISO1250 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
12.池と転合庵
本館の裏を通って、庭園に入ったところへ戻る。今歩いて見てきた転合庵が眺められる。晴れているときれいだろうと思う。春の庭園開放期間もあるようなので、また、訪れてみたいなと思った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 37mm ISO3200 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
13.東京国立博物館 本館
東洋館の前に置かれているベンチに車座になって座り、自動販売機で買った飲み物を飲みながら、しばし話が弾む。雨がかからなくて良い。そこからは紅葉した大きな木をアクセントにして、本館、そしてその左に表慶館が眺められる。​​​​wikipediaによれば、この本館は、1932年(昭和7年)着工、1937年(昭和12年)に竣工し、翌1938年開館した。設計は公募で、渡辺仁の案が採用された。明治神宮宝物殿と同様に、日本伝統の木造建築を鉄筋コンクリートに置き換えた、形と技術の和洋折衷建築となっている。鉄筋コンクリート造などの不燃式建築に和風瓦葺の屋根を載せた帝冠様式の代表的建築と紹介されることがあるという。なお、「運慶」は本館左手奥の平成館で開催されていた。​​

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 15mm ISO640 )露出補正 なし
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14.東京国立博物館 表慶館
こちらは表慶館である。同じくwikipediaによれば、1909年(明治42年)、東宮皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)の成婚を祝う目的で開館した。設計は宮廷建築家の片山東熊(かたやまとうくま)。建物は重要文化財に指定されている。石造及び煉瓦造2階建て、ネオ・バロック様式の建物で、中央と南北両端にドームがあり、中央のドームは吹き抜け、南北のドームの下は階段室になっている。正面入口左右のライオン像は大熊氏廣の作だそうだ。本館より古い建物なのだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 30mm ISO640 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。
15.これは何?
そろそろ「上野藪そば」へ移動しようとして、東京国立博物館の正門を出て、信号を渡る。博物館に入るときは、入ることが気になっていて、素通りしてしまったが、噴水池にこんな建物があった。改めて見たが、これが何だかわからなかった。帰宅して、写真を整理していて、気になるのでネットで調べてみた。これは、平成29年11月10日(金曜日)から11月19日(日曜日)まで「TOKYO数寄フェス2017」が開催されていて、日本を代表するアーティストによる、都市型野外アートフェスの作品のひとつだということが判った。これは大巻伸嗣氏による作品で、上野公園ができる以前にその場所にあった寛永寺の山門「文殊楼」をモチーフとし、かつてそこに存在したものや時間、空間、記憶の連鎖を体感することのできる大型インスタレーションが展開されるという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 16mm ISO500 )露出補正 なし
;クリックすると大きな写真になります。 ​​


2010年8月30日

奈良を定期観光バスで巡る④ 第2日 春日大社・平城宮跡


 東大寺の見学を終え、再びバスに戻り、春日大社に向かった。二の鳥居で降りる。本殿を参拝した。
 春日神社見学の後は、興福寺である。興福寺はお寺の建物はともかくとして、なんといっても国宝館の阿修羅像だ。昨年上野に来た時は連日満員の大人気だったというが、この日は待ち時間なしで見ることができた。
 最後は奈良奥山ドライブウェイを走って、世界遺産である春日山原始林を見た。そして、平城宮跡でバスを下車し、だだっ広い平城宮跡を見て、今回の奈良観光を終了した。
 朱雀門を出たところのバス停から路線バスに乗り、近鉄奈良駅へ、そこからJR奈良駅へ歩きがてら遅めの昼食となった。JR奈良からみやこ路快速で京都に戻り17時56分発の「ひかり」に乗った。奈良を効率よく廻ったつもりだが、とてもとても周りきれなかった。

11.春日大社
ここは寺ではなく神社である。二の鳥居から南門への参道を歩く。参道の両側にはいくつもの燈籠が並ぶ。お盆や節分の万燈籠で灯が入ると幽玄の世界となるという。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F4 1/125秒 31mm ISO450 ) 露出補正 なし
春日大社;クリックすると大きな写真になります
12.春日神社 南門
入母屋造り、檜皮葺の南門には鮮やかな朱の回廊が続く。治承3年(1179年)の創建で、かっては藤原氏以外の他姓の者の参入門とされ、現在は本社の正面であると説明の札に記されている。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F7.1 1/200秒 18mm ISO400 ) 露出補正 なし
春日神社 南門;クリックすると大きな写真になります
13.春日大社 中門と大宮型燈籠
南大門の正面にある幣殿というところの右側の石段を上がると中門がある。この写真では解らないが、この中門の奥に本殿がある。本殿は第一殿から第四殿まで同じ形式の神殿が横に並び、それぞれ脇塀によってつながっている。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F7.1 1/200秒 41mm ISO400 ) 露出補正 なし
春日大社 中門と大宮型燈籠;クリックすると大きな写真になります
14.釣燈籠
石燈籠や釣燈籠は、平安末期より今日に至るまで、その大半は春日の神を崇敬する人々から、家内安全、商売繁盛、武運長久、先祖の冥福向上等の願いをこめて寄進されたもので、特に室町末期から江戸時代にかけては一般庶民や春日講中からのものが多いという。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F5 1/125秒 75mm ISO400 ) 露出補正 なし
釣燈籠;クリックすると大きな写真になります
15.興福寺 国宝館
春日大社の宝物殿を見学した後、興福寺へ。まずは待ち時間「0」の国宝館に入り、阿修羅像を見る。もちろん写真撮影はできないので絵葉書を買った。奈良時代の作、乾漆八部衆立像(国宝)のひとつである、三面六臂(手が6本)の阿修羅像はその照明の効果もあって素晴らしい。また、多くの展示されている仏像の中に、聖徳太子二歳像というのがあったが、これも素晴らしいと思った。ただし、江戸時代のものという。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F10 1/400秒 26mm ISO400 ) 露出補正 なし
興福寺 国宝館;クリックすると大きな写真になります
16.興福寺 東金堂と五重塔
和銅3年(710年)に飛鳥藤原京から現在の場所に移築された興福寺は、平成22年が創建1300年であるとのこと。現在、享保2年(1717年)の大火で失われた中金堂の再建が行われている。五重塔は天平2年(730年)の創建だが、現在の塔は応永33年の再建。東金堂は室町時代の再建だが、奈良時代の伝統にのっとり建てられた。五重燈、東金堂ともに国宝である。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F13 1/640秒 27mm ISO400 ) 露出補正 なし
興福寺 東金堂と五重塔;クリックすると大きな写真になります
17.平城宮跡へ
朱雀門脇から、平城宮跡に入り、そのバスターミナルで解散になった。定期観光バスはここで終わりである。今年の4月に復元完成した第一次大極殿は見ておこうと思い、歩き出したが、800mあるそうだ。暑い。第一次大極殿へは、原っぱの中、まっすぐな道が続くが、その道を近鉄奈良線が横切る。見学者は踏切を渡って進む。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F13 1/640秒 52mm ISO400 ) 露出補正 なし
平城宮跡へ;クリックすると大きな写真になります
18.第一次大極殿
第一次大極殿の手前の南門まで進んだ。さらに第一次大極殿までは300mほどある。少し、前進したが、そこから眺めることにし、進むのをやめた。奈良時代の前半には、朱雀門を入った正面のところ、いま、南門のある両側に朝堂院の建物が二棟ずつ左右対称に配置され、その奥に大極殿が位置していたという。朝堂院は、再建されていない。大極殿と朝堂院の建物は、すべて高い基壇に礎石をすえ、丹塗りの赤い柱を建て、屋根に瓦を葺いた壮大な格式の高い建物であったという。奈良時代の前半期では、国家的な儀式、つまり即位・朝賀・外国使節の謁見といった行事を主に大極殿・朝堂院で行ったと考えられていると。平成13年から復元工事が始まり平成22年4月に完成した。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F16 1/1000秒 44mm ISO400 ) 露出補正 なし
第一次大極殿;クリックすると大きな写真になります
19.若草山
大極殿に向かって右側に、若草山が見える。毎年1月に山焼きが行われるので有名だ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F6.3 1/2500秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
若草山;クリックすると大きな写真になります
20.朱雀門
平城宮跡に入るときには、バスは左側の車道を迂回したが、帰りは 朱雀門をくぐって出た。この向こうに近鉄奈良線の踏切があり、違和感を覚える。朱雀門は平城京朱雀大路の北の端に建っていた宮の正門であった。現在の門は平成10年の完成である。平城遷都1300年祭のイベント会場になっている平城宮跡を最後に今回の奈良観光を終えたが、満足が得られた旅だった。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F16 1/1000秒 36mm ISO400 ) 露出補正 なし
朱雀門;クリックすると大きな写真になります