小雨の上野恩賜公園 11月16日 - Studio YAMAKO

2017年12月 1日

小雨の上野恩賜公園 11月16日

私が幹事を続けている小学校のクラス会を、今回は上野恩賜公園散策後、「上野藪そば」でそばを味合う会を企画した。「上野藪そば」が予約できるのは午後3時以降ということを知って、午後1時にJR上野駅の公園口で待ち合わせ、上野公園を歩いて見ようということにしたのだ。ところが残念なことに、その頃、小雨が降り始めた。
 今回の参加者は8名、内1名は「上野藪そば」に直行するということで、7人がJR上野駅公園口に集まった。平日なのに外国人を含め、上野は人出が多い。東京国立博物館の庭園に行ってみようということになった。東京国立博物館では、9月26日から11月26日の間、興福寺中金堂再建記念特別展として、「運慶」が開催されている。これはとても混雑しているようだったが、常設展及び庭園には、混雑もなく、すぐに入ることが出来た。

1.彰義隊の墓
上野公園は何回か来ていて、そこそこ見てきているが、久しく西郷さんに会っていない。かっては上野といえば西郷さんの銅像だったが、今は静かである。集合時間まで少々間があったので、その西郷さんの銅像を探して歩いていると、この「 彰義隊の墓」があった。彰義隊戦死者の遺体は、新政府軍を憚り放置されたままであったものを、三ノ輪円通寺の仏磨和尚と寛永寺の御用商人の三河屋幸三郎が戦死者供養の官許を受けて上野山で荼毘にふし、一部を円通寺に埋葬した。正面の小墓石は、明治2年(1869)寛永寺子院の寒松院と護国院の住職が密かに付近の地中に埋納したものだが、後に堀り出されたという。大墓石は、明治14年(1881)12月に元彰義隊小川興郷(椙太)らによって造立したそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO640 ) 露出補正 なし
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2.寛永寺清水観音堂 「月の松」より不忍池を眺める
清水観音堂の裏手に出た。境内に入って見る。清水観音堂は、京都東山の清水寺を模した舞台造りのお堂で、寛永8年(1631)天海大僧正により建立された。ここから眺める不忍池は、比叡山から眺める琵琶湖に見立てられている。彰義隊の上野山戦争の戦火、関東大震災、東京大空襲との避け奇跡的に残っている貴重な建物である。彰義隊上野戦争図の絵が飾られている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 20mm ISO640 )露出補正 なし
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3.西郷隆盛銅像
なかなか、見つけられなかった。あらためて見ると、思っていたほど大きくない。<西郷隆盛の銅像は日本各地に存在するが、特に著名な3体は、東京・上野の西郷銅像、鹿児島市の西郷銅像、霧島市溝辺町・西郷公園の銅像だそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.2 1/1000秒 13mm ISO320 )露出補正 なし
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4.東京国立博物館
午後1時、参加者全員7人がJR上野駅公園口に集まった。雨が降り出している。どうしようかということになった。スタバでコーヒーでも飲むかとなったが、とてもとても混んでいて入れない。一人が「運慶」特別展は混んでいるが、東京国立博物館の常設展や庭園はすぐに入れるだろうという。東京国立博物館のチケット売り場で尋ねてみると、70歳以上であればその証明になるものを提示すれば無料で入れると案内いただいた。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/1000秒 9mm ISO125 ) 露出補正 なし
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5.東京国立博物館の庭園
10月24日から12月3日まで、秋の庭園開放が行われている。まず、その庭園を散策することになった。ここは春草廬(しゅんそうろう)という建物。国立東京博物館のホームページよれば、江戸時代、河村瑞賢(かわむらずいけん1618~1699)が摂津淀川改修工事の際に建てた休憩所で、その後大阪や横浜三渓園に移され、昭和12年(1937)に埼玉県所沢市にある松永安左エ門(耳庵・1875~1971)の柳瀬荘内に移築された。昭和23年(1948)に柳瀬荘が当館に寄贈され、昭和34年(1959)に春草廬は現在の位置に移されたそうだ。入母屋の妻に掲げられた「春草廬」の扁額は、能書家として知られる曼殊院良尚法親王(1622~1693)の筆で、三渓が耳庵に贈ったものという。木造平屋建て、入母屋造、茅葺き、座敷は5畳と3畳からなる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.2 1/1000秒 13mm ISO2500 )露出補正 なし
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6.転合庵(てんごうあん)
東京国立博物館HPには「小堀遠州(1579~1647)が桂宮から茶入「於大名(おだいみょう)」を賜った折、その披露のために京都伏見の六地蔵に建てた茶室です。1878年、京都・大原の寂光院に伝わっていた転合庵を、渡辺清(福岡県令、福島県知事、男爵)が譲り受け、東京麻布区霞町に移築。その後、三原繁吉(日本郵船の重役。浮世絵コレクター)へと所蔵者が変わっています。三原は茶入「於大名」も入手し、茶室転合庵とゆかりの茶入「於大名」がここで再び巡り合うこととなりました。その後、塩原又策(三共株式会社 今の第一三共の創業者)を経て、妻の塩原千代から昭和38年(1963)に茶入とともに当館に寄贈されました。」と説明されている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/320秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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7.応挙館(おうきょかん)
さらに奥へ進むと応挙館という建物があった。板戸が見事だ。東京国立博物館HPによると、この建物は、尾張国(現在の愛知県大治町)の天台宗寺院、明眼院(みょうげんいん)の書院として寛保2年(1742)に建てられ、後に東京品川の益田孝(鈍翁・ 1848~1938)邸内に移築、昭和8年(1933)当館に寄贈され、現在の位置に移されたそうだ。室内に描かれている墨画は、天明4年(1784)、円山応挙(1733~1795)が明眼院に眼病で滞留していた際に揮亳したものであると伝えられている。墨画は保存上の理由から収蔵庫で保管されているが、2007年、最新のデジタル画像処理技術と印刷技術を駆使した複製の障壁画が設置され、応挙揮毫当時の絵画空間が応挙館に再現されたそうだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/640秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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8.九条館(くじょうかん)
庭園の一番奥にはこの九条館があった。もと京都御所内の九条邸にあったものを東京赤坂の九条邸に移した建築で、当主の居室として使われていました。昭和9年(1934)九条家から寄贈され、現在の位置に移築されたそうだ。木造平屋建て、瓦葺き、寄棟造、間口15m、奥行き10m、2室、廻り廊下が巡らされている。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/400秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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9.九条館(くじょうかん) 襖絵と欄間
床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれており、欄間にはカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされていまる。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f1.8 1/320秒 9mm ISO3200 ) 露出補正 なし
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10.石灯籠
あとで東京国立博物館HPをみたところ、「九条館の前に、修理を終えた「大燈籠」が実に"8年ぶり"(修理期間も含めて)に、戻ってきました!」という記述と写真があった。これがそうかと改めて撮ってきた写真をみるが、写真の石灯籠はそれとは違った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/250秒 31mm ISO3200 )露出補正 なし
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11.フード・スタンド
庭園の散策を終えて、本館の方へ歩いていくと、ちょっと日本庭園には似つかわしくない屋台があった。外国人観光客には親しみがあるのだろうと思う。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 16mm ISO1250 )露出補正 なし
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12.池と転合庵
本館の裏を通って、庭園に入ったところへ戻る。今歩いて見てきた転合庵が眺められる。晴れているときれいだろうと思う。春の庭園開放期間もあるようなので、また、訪れてみたいなと思った。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 37mm ISO3200 )露出補正 なし
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13.東京国立博物館 本館
東洋館の前に置かれているベンチに車座になって座り、自動販売機で買った飲み物を飲みながら、しばし話が弾む。雨がかからなくて良い。そこからは紅葉した大きな木をアクセントにして、本館、そしてその左に表慶館が眺められる。​​​​wikipediaによれば、この本館は、1932年(昭和7年)着工、1937年(昭和12年)に竣工し、翌1938年開館した。設計は公募で、渡辺仁の案が採用された。明治神宮宝物殿と同様に、日本伝統の木造建築を鉄筋コンクリートに置き換えた、形と技術の和洋折衷建築となっている。鉄筋コンクリート造などの不燃式建築に和風瓦葺の屋根を載せた帝冠様式の代表的建築と紹介されることがあるという。なお、「運慶」は本館左手奥の平成館で開催されていた。​​

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 15mm ISO640 )露出補正 なし
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14.東京国立博物館 表慶館
こちらは表慶館である。同じくwikipediaによれば、1909年(明治42年)、東宮皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)の成婚を祝う目的で開館した。設計は宮廷建築家の片山東熊(かたやまとうくま)。建物は重要文化財に指定されている。石造及び煉瓦造2階建て、ネオ・バロック様式の建物で、中央と南北両端にドームがあり、中央のドームは吹き抜け、南北のドームの下は階段室になっている。正面入口左右のライオン像は大熊氏廣の作だそうだ。本館より古い建物なのだ。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.8 1/1000秒 30mm ISO640 )露出補正 なし
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15.これは何?
そろそろ「上野藪そば」へ移動しようとして、東京国立博物館の正門を出て、信号を渡る。博物館に入るときは、入ることが気になっていて、素通りしてしまったが、噴水池にこんな建物があった。改めて見たが、これが何だかわからなかった。帰宅して、写真を整理していて、気になるのでネットで調べてみた。これは、平成29年11月10日(金曜日)から11月19日(日曜日)まで「TOKYO数寄フェス2017」が開催されていて、日本を代表するアーティストによる、都市型野外アートフェスの作品のひとつだということが判った。これは大巻伸嗣氏による作品で、上野公園ができる以前にその場所にあった寛永寺の山門「文殊楼」をモチーフとし、かつてそこに存在したものや時間、空間、記憶の連鎖を体感することのできる大型インスタレーションが展開されるという。

Canon PowerShot G7X f1.8-2.8 8.8-36.8mm 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影( f2.5 1/1000秒 16mm ISO500 )露出補正 なし
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