チョウは夏枯れ 箱根湿生花園 ① 2024年8月5日 神奈川県箱根仙石原
二十日ほど前の7月18日に行った箱根湿生花園だったが、そのときは猛暑の中、思っていた以上にチョウの活動があり、ミドリシジミ、ミヤマカラスシジミ、おまけにここでは見たことがなかったクジャクチョウまで撮影、満足することが出来た。
それに気をよくして、8月5日に再度訪れてみたが、チョウたちの様子は一変していた。見たチョウはキタキチョウ、スジグロシロチョウ、そして、1頭のクロアゲハのみだった。
オオウラギンスジヒョウモンやクジャクチョウなどが集まっていた仙石原湿原植生復元区に咲いていたカセンソウは、そのほとんどが咲き終わってしまっていた。コオニユリが咲いていて、ミヤマカラスアゲハでも来ないかと期待したが、現れなかった。オカトラノオやヌマトラノオ、クガイソウやチダケサシなど、チョウの好む花も勢いがなかった。
花の写真やハグロトンボの写真を撮りながら、何か思わぬチョウが現れはしないかと期待したがクロアゲハが1頭横切っただけだった。
サギソウの花を見たことがなかったが、最盛期であった。例年開催されている食虫植物点が今年も開催されていた。
シラサギが翼を広げた様に似ていることが和名の由来のサギソウ 2024年8月5日 神奈川県箱根仙石原
1.サギソウ(鷺草) -1 調べてみると、サギソウは日本各地の日当たりのよい低地の湿地に生える球根性のランだそうだ。親株から走出枝(親株から出た茎が地表面を這うように長く伸びて、先端の節から芽や根が生じ、子株になったもの。)を伸ばして、その先端に翌年の球根をつくる。3~5枚の細長い葉を根元近くにつけ、中心からまっすぐに茎を伸ばして、先端に1~5輪の花を咲かせる。花は純白で唇弁(しんべん)は昆虫が着地しやすいように進化したものであるが、その先端が3つに割れ、その左右の裂片には多数の深い切れ込みがあって、その形は白鷺を思わせる。冬は球根だけになって冬越する。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1000 31mm IS0125 ) | |
2.サギソウ -2 3っに別れたシラサギが羽を拡げたような形の花弁(唇弁)の付け根に距(花の基部から伸びる袋状の部分)の開口部があり、その上についている「ずい柱」という器官の左右に花粉のかたまり(花粉塊)が収納されている「葯室」と呼ばれる部分と柱頭(雌しべ)が1組ずつ配置されている。ちょっと難しい。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 220mm IS0200 ) | |
3.サギソウ -3 2羽のシラサギが羽を拡げているようだ。咲きっぷりの良いシラサギを探すのも難しい。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f5.0 1/1000 220mm IS0100 ) | |
4.サギソウ -4 サギソウは虫媒花だそうだ。Wikipediaによれば、距の長さに見合った長さの口吻を持つセスジスズメなどのスズメガ科昆虫が飛来して吸蜜する。この時に花粉塊が複眼に粘着し、他の花に運ばれると記されている。また、遠目にも目立つ開花期は、移植に最も不向きな時期であり、注意深く掘りあげなければ枯れてしまう。金銭価値も乏しいことから転売目的などで採集しているとは考えにくく、無計画な「お土産採集」「観光記念採集」が相当数あるものと推察される。 開発による自生地の減少に加えて、採集圧が加わるため、今では自生状態でみられる場所はきわめて限られると書かれていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S シャッタースピード優先オートで撮影 ( f6.3 1/1000秒 105mm ISO100 ) | |
5.エゾミソハギ(蝦夷禊萩) -1 湿地に生え、高さは50~100cmである。お盆の花として昔から使われる「みそはぎ」に似ているが、茎や葉に毛が生えているところや、葉が茎を抱き十字対生するところが異なるそうだ。7月18日に来たときはあまり目立たなかったが、7月~8月ごろ、枝先の穂状花序に赤紫色の花を咲かせる。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000 10mm IS0100 ) | |
6.コフキトンボ デジタルトンボ図鑑で調べてみたところ、コフキトンボの若い♂のようだ。羽化したばかりの成虫を「テネラルな成虫」というが、コフキトンボの♂は成熟すると複眼が黒くなるという。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 175mm IS01250 ) | |
7.エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子) PictureThisで検索するとエゾカワラナデシコと同定した。カワラナデシコは苞が 3-4 対あり、がく片が 3-4cmと長いところが本種とは異なる。あまり多くは咲いていないがよく目立つ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.5 1/1000 9mm IS0100 ) | |
8.エゾミソハギ -2 岡山理科大学のサイトによれば、「ミソハギに比べ、エゾミソハギは茎や葉に毛があり、葉の基部は茎を抱く。ミソハギは無毛である点で区別できるそうだ。だが、エゾミソハギとミソハギには中間型があって区別に困ることがある。毛に関しても少ないものから多いものがあるようだ。」とあった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 155mm IS0500 ) | |
9.ハグロトンボ(羽黒蜻蛉) コウホネの咲く池の上をハグロトンボが飛ぶ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 140mm IS01250 ) | |
10.キキョウ(桔梗) -1 秋の七草が植えられているところにキキョウも植えられていた。キキョウも秋の七草の一つであるが、実際の開花時期は6月中旬の梅雨頃から始まり、夏を通じて初秋の9月頃までである。舞岡公園で見るキキョウの花は青紫色のみであるが、ここでは違う色をした花も咲いていた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000 20mm IS0160 ) | |
11.キキョウ -2 薄紫色の花を正面から撮ろうと反対側に回った。陽の光が明るくて、露出が難しい。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 132mm IS0320 ) | |
12.キキョウ -3 ちょっと離れたところに一輪だけ真っ白なキキョウが咲いていた。これは園芸種のようだ。白色の「桔梗」の花言葉は、「清楚」や「従順」だそうだ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 220mm IS0640 ) | |
13.キキョウ -4 これが青紫色の一般的なキキョウの花色である。万葉集で秋の七草として詠まれ、平安時代、青みがかった紫色は「桔梗色」として伝統色にされ、日本を代表する花と言える。また、桔梗紋は明智光秀など数々の武将に用いられた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 220mm IS0200 ) | |
14.食虫植物展 毎年、夏休みの期間に食虫植物展があるようだ。今年は7月13日~9月1日に催されている。公園事務所近くの企画展示室で行われていたので、休憩所に戻って、自販機で冷たい飲み物を買って渇きをいやした後、見学してきた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1000 20mm IS0160 ) | |
15.食虫植物 ハエトリグサ 「京都レッド」 葉の内側に感覚毛という針があり、これに虫が2回触ると葉が閉じて捕まえる。約1週間後に消化しきれない硬い部分を残してまた開く。ハエトリグサはモウセンゴケ科である。
Nikon Z50 NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒 105mm ISO1250 ) | |
16.食虫植物 ウツボカズラ(靫葛) ウツボカズラ科ウツボカズラ属。袋の緑やフタの裏側にある甘い蜜で虫を誘い、虫は誤って落ちてしまう。落ちた虫は袋の中で消化吸収される。袋の内側の壁はスベスベしていて、虫は這い上がれない。袋のそこには消化液を含んだ駅がある。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000 18mm IS01600 ) | |
17.食虫植物 アシナガムシトリスミレ(足長虫取菫) アシナガムシトリスミレはタヌキモ科ムシトリスミレ属の宿根草である。葉は根元から数枚出て長楕円形。葉の縁が内側に巻き込み、表面には粘液を分泌する腺毛が密にあり、虫を捕らえる。虫を捉えると消化液を分泌し、葉の表面から養分を吸収する。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 121mm IS0400 ) | |
18.食虫植物 ピンギキュラ「皇帝」
これもムシトリスミレノの仲間である。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000 45mm IS0800 ) | |
19.ノムラモミジ(野村紅葉) この写真は夏なのか、秋なのかわからない。これはノムラモミジというカエデの一種である。ここまでは知っていたが、何故葉が夏でも赤いのかについてChatGPTに教えを乞うた。ノムラモミジの葉には、アントシアニンという赤色の色素が多く含まれている。アントシアニンは、植物がストレスを受けるときや強い日光から自分を守るために生成されることが多い。この色素が葉に含まれているため、夏でも赤い葉を維持している。。ノムラモミジは、特定の遺伝的特性を持つため、他のカエデと比べてアントシアニンの生成が促進されるという。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.5 1/1000 19mm IS0100 ) |
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