何回か円覚寺には参詣しているが、方丈を拝観したには初めてのことだった。唐門の扉の浮彫の彫刻を見て、左手の小さな通用門から退出する。仏殿に行く道の石段の手前には枝垂桜が咲いていた。
円覚寺の伽藍は、鎌倉独特の谷戸と呼ばれる丘陵地が浸食されて出来た谷に沿って建てられている。総門から三門を入り、仏殿、方丈へと徐々に登っていく配置は、この土地の高低差を生かした壮大な空間をつくりだしている。
仏殿にも上がって拝観した。円覚寺のホームページを見ると。仏殿(大光明宝殿)は、円覚寺の本尊が祀られている建物であり、大正12年(1923年)の関東大震災で倒壊したが、昭和39年(1964年)に再建(鉄筋コンクリート)された。禅宗様式の七堂伽藍の中心に位置する建物である。扁額「大光明宝殿」は、後光厳天皇の勅筆と伝えられる(1378年 明和4年)。開山毎歳忌(かいさんまいさいき)、達磨忌(だるまき)、臨済忌(りんざいき)、祝聖(しゅくしん)などの行事や毎朝の暁天坐禅(ぎょうてんざぜん)が仏殿で行われている。

仏殿天井画 「白龍の図」 2025年4月5日 北鎌倉円覚寺 仏殿
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38.円覚寺 唐門
大方丈の拝観を終え、唐門のわきから退出した。大方丈の正門にあたる唐門には柵が置かれ、通ることはできない。延慶元年(1308年)に律令制下において官大寺・国分寺に次ぐ寺格の定額寺に列せられ、都より勅使を迎えたことから勅使門とも呼ばれている。他の多くの建物と同様に幾度となく再建を繰り返してきたと思われるが、現在の唐門は、天保6年(1835年)に建てられ、関東大震災で全壊した後、昭和10年に復旧した。唐門の両側にそれぞれ施された浮彫の彫刻は見応えがある。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO280 )
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39.枝垂桜 -1
唐門を出たところに枝垂桜が咲いていた。
Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 37mm ISO125 )
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40.枝垂桜 -2
仏殿の裏側にあたる所にも枝垂桜が咲いていた、仏殿を背景にして撮った。品種はエドヒガンと思う。
Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/1250秒 33mm ISO125 )
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41.仏殿に咲くエドヒガン
仏殿の側から唐門を背景に枝垂桜を撮る。
Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f5 1/1250秒 31mm ISO125 )
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42,仏殿とソメイヨシノ -1
仏殿の正面に廻る。山門から仏殿への参道は広くなっている、その両側にソメイヨシノが咲いていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/500秒 26mm ISO220 )
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43.仏殿とソメイヨシノ -2
これは、その左側のソメイヨシノで、後ろに見えるのは松籟院である。松籟院は、第百五十世叔悦禅懌(しゅくえつぜんえき)の塔所であり、もとは不閑軒という名称だったそうだ。松籟院の墓地には、俳優佐田啓二、女優田中絹代、オウム真理教の被害者坂本弁護士の墓がある。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f9 1/500秒 28mm ISO220 )
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44.仏殿
山門を背に仏殿を拝む。円覚寺の仏殿は、国指定の名勝に指定されている。先にも書いたが、仏殿は大正12年(1923年)の関東大震災で倒壊し、昭和39年(1964年)に鉄筋コンクリートで再建された。鉄筋コンクリート造りには見えない。元亀4年(1573年)の仏殿指図(さしず 設計図)に基づいて建てられている禅宗様の建築様式だそうだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f5 1/500秒 18mm ISO220 )
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45.仏殿の本尊
靴を脱いで仏殿に上がる。円覚寺仏殿の本尊は宝冠釈迦如来である。鎌倉観光公式ガイドによると、仏光国師が華厳の教えに基づいて開創したため、当初は華厳の仏様である毘盧遮那仏が本尊とされたが、やがて釈迦如来として、宝冠をかぶっていることから宝冠釈迦如来と呼ぶようになったとされている。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/320秒 22mm ISO6400 )
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46.本尊のお顔
この円覚寺の仏殿に安置されている宝冠釈迦如来は、凛々しい表情で、禅定(ぜんじょう)の姿勢をとっている。禅定とは、心を集中させ、煩悩を断ち切って真理を深く思惟するための修行である。仏教では、戒・定・慧(かい・じょう・え)の三学の一つとして重視され、サンスクリット語のdhyāna(ディヤーナ)を音写した「禅」と、その意訳である「定」を合わせた言葉といわれる。
Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/125秒 19mm ISO3200 )
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47.「白龍の図」
円覚寺仏殿の天井画は、1964年仏殿再建に際し制作された。前田青邨画伯監修、守屋多々志画伯揮毫の「白龍の図」という。(前田青邨画伯が監修し1962年に制作を始め、翌年2月に完成)前田、守屋両画伯はともに岐阜県出身の日本画家でwikipediaによれば、前田画伯の弟子には平山郁夫画伯もいると記されている。東慶寺墓地の一角には、監修を務めた前田青邨画伯の筆塚がある。前田青邨(1885~1977年)は優れた歴史画家で、代表作の「洞窟の頼朝」(2010年、国指定重要文化財に指定)は郵便切手の図柄にもなっている。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f3.8 1/160秒 24mm ISO6400 )
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48.松籟院の前の道
仏殿を退出し、松籟院の前の道から大方丈の屋根を見る。手前の塀の中は百観音石像が並んでいる。この妙香池に向かう道は趣があり好きだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/500秒 26mm ISO200 )
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49.国宝舎利殿のある正続院(しょうぞくいん) 舎利殿
再び、大方丈の方へ戻るように、松籟院の前の道をまっすぐ進み、大方丈の先にある妙香池の先の左側に正続院の山門が見えた。正続院は円覚寺の塔頭である。神奈川県唯一の国宝建造物である舎利殿は、この正続院の中にある。1216年(建保4年)、三代将軍・源実朝は、宋の能仁寺から仏舎利を請来し、勝長寿院に安置した後、この仏舎利(釈迦の歯)を納めるために、鎌倉幕府九代執権・北条貞時が1285年(弘安8年)、に祥勝院を建立した。祥勝院は後に正続院と改称された。境内には舎利殿、開山堂、雲水の修行道場となっている禅堂などがある。釈迦如来の骨がまつられていると言う現在の舎利殿は、入母屋造、柿(こけら)葺きで、日本で最も古い唐様建築であり国宝。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/500秒 64mm ISO200 )
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50.大方丈 書院
松籟院の前の道を正続院山門から総門へと戻る。途中左側に大方丈の庭が見えるが、先ほど拝観した大方丈から庭を囲むようにコの字型に続くのが書院である。参拝者はそこに入ることはできない。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f5 1/500秒 38mm ISO200 )
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51.仏殿前の桜 -1
山門まで戻ってきた。山門から仏殿への参道が広くなったところから、仏殿の右側に咲くソメイヨシノにレンズを向けると、向こうには、唐門が見える。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/640秒 79mm ISO200 )
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52.総門前の桜 -1
山門を出る。山門から総門の方へ少し下がったところにも桜が咲く。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/500秒 41mm ISO200 )
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53.総門前の桜 -2
総門を背にして撮る。ほぼ満開のソメイヨシノの向こうに山門の屋根が見えた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/500秒 38mm ISO200 )
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54.白鷺池(びゃくろち)
総門の石段を転ばないように気を付けて下り、横須賀線の踏切を渡ったところに白鷺池がある。横須賀線の線路と北鎌倉駅前から鎌倉鶴岡八幡宮へ通じる県道山之内道の間にある白鷺池の周囲には、そう多くはないが桜が咲く。この桜はソメイヨシノではない。エドヒガンのようだが、花びらは八重のように見える。AIに尋ねて見ると「エドヒガン系(彼岸桜の一種)で八重咲きの品種は複数存在します。」という回答があった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/500秒 48mm ISO220 )
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55.北鎌倉駅下りホーム
時間は12時を回ったところ。北鎌倉駅の下り線(鎌倉方面)の改札口は人が多くなっている。私は、反対側の横浜方面行の電車に乗る。午前中の鶴岡八幡宮段葛と北鎌倉円覚寺の半日お花見散策は、快晴に恵まれた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f7.1 1/800秒 60mm ISO200 )
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