北野天満宮へ行く際に乗ったタクシーの運転手さんが、「京の冬の旅」という10数頁のパンフレットを見せてくれた。北野天満宮から歩いて行けるところで、地蔵院(椿寺)に行かれてみてはいかがでしょうか?と勧めてくれた。もう一つ、この季節は何も無いけど、等持院という寺の庭が良い。また、そこで足利尊氏の墓である宝篋印塔を見て来られたらいかがですかと話してくれた。
北野天満宮を出たのが、11時半を少し回ったところだった。一の鳥居のすぐ前に、カステラ・ド・パウロというCaféがあった。ポルトガルのお菓子屋さんである。ここも婿殿が事前にチェックしておいてくれていたのだ。幸い席が空いていたので、入店し、ポルトガルの卵風味のコクのあるケーキとコーヒーを楽しんだ。
さて、タクシーの運転手さんが進めてくれた地蔵院(椿寺)へ歩いて行くことにした。
豊臣秀吉が北野大茶会の縁により献木したと云われる「五色八重散り椿」があったところから、一般に「椿寺」と呼ばれているそうだ。地蔵院は浄土宗の寺院で山号を昆陽山、創建は神亀3年(726年)と言われる。本尊は五却思惟阿弥陀如来だが、アフロヘアーのような頭部は、気の遠くなるほど長い間考え続ける姿を現しているそうである。その五却思惟阿弥陀如来像が、いま、特別公開されてといるということで、門前に着いた時は、拝観しようとする観光客の長い列が出来ていた。とても、無理だと判断した。
それならと、北野白梅町駅まで歩いて京福電車で等持院駅まで一駅乗った。
等持院は、これまで歩いてきた京都と比べて、観光客が少なく、落ち着いたところだった。私たち以外に会った参拝者は、3人ほどの日本人観光客と、一人旅の外国人女性観光客だけだった。最後に良いところに行くことが出来たと思う。
参拝後、等持院駅から京福電車に乗り、帷子ノ辻で嵐山から来る電車に乗り換えて、四条大宮まで行った。そこから、途中の蕎麦屋さんで、中華そばを食べて、ホテルに戻った。
預けてあった荷物をとって、マイレージが残っている婿殿は伊丹空港へ、私たちは京都駅へ向かった。
今回のカメラの設定ミスはお粗末で、後悔しているが、2泊3日の京都旅行は、今までの京都とまた違う京都を楽しむことが出来た。

等持院 方丈の南庭 2025年3月10日 京都市北区
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101.カステラ・ド・パウロ
ホームページをみると、ポルトガル人宣教師達により伝えられた パォン デ ロー という菓子は、日本で カステラに成長したそうだ。成長したカステラをポルトガルに里帰りさせたいと、長崎でカステラ作りを学び、ポルトガルのリスボンに「Castella do Paulo 菓子店」を開店した。そして、今度は日本の人たちに卵黄をたっぷりと使った、素朴で温かなポルトガルのお菓子を食べてもらいたいと、ポルトガル菓子店「カステラ・ド・パウロ」を2015年に、ここに元造り酒屋の蔵でオープンした。私たち夫婦は、2000年の夏休みにツアーでポルトガルを訪れた。その時のラベイロという駅で列車を待つ間、駅前にあったケーキ屋で、名前は忘れたが、買い求めたフワフワした卵黄の風味が溢れる白いケーキを食べて「美味い」と思ったことを思い出した。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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102.地蔵院(椿寺)
北野天満宮から北野白梅町の地蔵院(椿寺)まで歩いた。山門前まで来たら20~30mほどある参道から門の外まで、拝観しようとする観光客で列が出来ていた。その列の頭越しに地蔵堂をみた。山門と地蔵堂には鍬形地蔵尊の提灯が下がっていた。地蔵堂 には鍬形地蔵が安置されている。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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103.等持院総門
北野白梅町から京福電車に乗って、一駅先の等持院駅で降り、北に向かって少し歩くと、等持院の総門があった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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104.「マキノ省三先生像」
山門をまっすぐ進んで左に曲がり、もう一度右へ曲がるところに、この像が立てられていた。ここ等持院には、 1921年、マキノ省三がこの等持院境内に建設した京都唯一の寺内撮影所があった。その後、1932年にその等持院撮影所は閉鎖されたが、1957年に太秦開町のバス停前に、「マキノ省三先生像」が建立された。そして、1970年に等持院境内に移築された。北側に隣接する立命館大学のサイトを参照した。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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105.達磨図
[等持院]の庫裏が見えてきた。山門をくぐって、庫裏に上がり、拝観料(600円)をお支払いして、方丈への順路を進むと、大きな衝立に描かれた達磨図があった。これは禅宗の祖である達磨大師を天龍寺派の元管長・関 牧翁老師が描いたものだそうだ。威圧される。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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106.南庭
等持院は、臨済宗天龍寺派の禅寺で、京都十刹の第一位に格付けされた名刹である。方丈は、元和2年(1616年)に福島正則が妙心寺塔頭「海福院」に建立したものを移築した建物という。方丈の広縁の南側に枯山水庭園があった。私たちのほかに観光客はいない。広縁は鴬張りで、歩くたびに「キュッキュッ」と音がする。蝶や花の埋木がはめ込まれていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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107.回遊式庭園 茶室「清漣亭」
方丈の広縁を回っていくと、ちょうど裏側に夢窓疎石が作庭したとも伝わる池泉回遊式の芙蓉池庭園がある。蓮の花を形どった「芙蓉池」と、心の字を形どった「心字池」を中心とした庭園で、尊氏の供養塔とされる宝篋印塔(ほうきょういんとう)や茶室「清漣亭(せいれんてい)」がある。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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108.芙蓉池
蓮の花をかたどった庭園を、季節によって、さつきや椿、くちなし、芙蓉が彩る。残念ながらこの季節は花が少ない。庭園の北側西に位置する清漣亭は、足利尊氏100年忌の1457年に復興した際に建てられたもの。室町幕府8代将軍の足利義政好みの茶室と呼ばれている。清漣亭からは芙蓉池の草木を優雅に楽しめるようになっているそうだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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109.方丈 書院
ここは茶席になっていて、北側の庭を眺めながら茶をいただける。畳の部屋の両側に毛氈が敷かれ、そこにはお抹茶席と書かれた札が立てられていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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110.方丈 仏間
方丈の仏間には、平安時代作の「釈迦如来坐像」、鎌倉時代作の「大聖歓喜天像(聖天)」、江戸時代作の開山・「夢窓国師坐像」が安置されていると。方丈と廻廊で繋がる「霊光殿」には、歴代足利将軍(5代・義量と14代・義栄を除く)の木像14体が安置されていた。ここは撮影禁止だった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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111.書院から方丈を見る
書院は北の方へ突き出したように建てられているが、そこから右手を見ると庭越しに方丈がある。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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112.清漣亭
専用のサンダルが用意してあり、庭に降りれるようになっていたので、清漣亭まで行って見た。ただ、このサンダルは幅が広く、歩きにくい。外人さん向けなのだろうか。二畳二畳台目の茶室は、上段一畳を貴人床とし、眼下には芙蓉池を眺めることができる。二畳台目(にじょうだいめ)とは、茶道において畳二畳と台目畳を敷いた茶室のことで、点前畳の奥に床の間がある「亭主床」と呼ばれる席の一種とのこと。平成29年から令和元年にかけて行われた方丈と霊光殿、清漣亭の改修に伴って、抜本的な修理を行い、西側四畳半が除かれた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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113.方丈と芙蓉池
この写真の奥(東側)に心字池がある。そこに足利尊氏の墓所がある。延文3年(1358年)に尊氏が亡くなり、別院北等持寺に葬られると北等持寺は尊氏の墓所となり、尊氏の戒名をとって名称を「等持院」と改称し、足利将軍家の菩提寺となった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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114.清漣亭と芙蓉池
書院の縁側からの眺め。赤いウィンドブレーカーを着た外国人観光客がいた。一人旅のようだった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
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115.京福電車 帷子ノ辻駅<br>
等持院を退出し、京福電車(嵐電)の等持院駅へ歩く。蕗切を渡って駅のホームで電車を待った。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR<br>
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116.四条烏丸の「萬福」
京福電車の終点、四条大宮から四条通りをホテルへと歩く。腹が減ってきた。午後2時半を回っていた。通りの反対側に蕎麦屋らしき店を見つけた。交差点を渡って店に入ってみると、外国人観光客もいる。店の前に、「噂が飛び交い、やがて行列ができるようなラーメンとは全く無縁の中華そばである。むろん、ここはラーメン専門店ではない。いわばごく普通の食堂で、うどん、そば、丼、カレーライスもある。・・・・・」という、多分雑誌と思うが、京都のラーメン通として知られるカメラマンのハリー中西さんという方のことが載った記事のコピーが貼られていた。あっさりした味で、昔の中華そばだった。旨かった。
Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO125 )
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