原信太郎さんの「究極の鉄道模型展」 3月30日 - Studio YAMAKO

2012年4月23日

原信太郎さんの「究極の鉄道模型展」 3月30日


 このブログでもときどき題材にしているように、「鉄ちゃん」の域には程遠いが、私も鉄道が好きである。先日、朝のTV番組で、鉄道模型製作者・愛好家として世界一といわれる原信太郎さんの「究極の鉄道模型展」が3月27日~4月2日まで、横浜駅東口のデパートで開催されると報じられた。3月30日に見に行ってきた。
 入口を入るなり、その充実ぶりに圧倒される。展示されている鉄道模型は、市販されているHOゲージやNゲージとは違い、芸術品の域に達している。それらは、海外の蒸気機関車、電気機関車、客車、郊外電車、トラム、そして、日本の蒸気機関車、電気機関車、私鉄電車、等約250点ある。
 これらは原信太郎さん(92)が約80年かけて収集、製作されたものの一部だ。加えて一周55メートルの巨大ジオラマが造られていて、模型が本物そっくりの音を立てて走っていた。走っている車両も半端なものはない。

  今まで知らなかったが原信太郎さんは、芦屋市の自宅に「シャングリ・ラ鉄道博物館」と名付けられた個人の、非公開の博物館を設けられている。そして、今年の夏、横浜のみなとみらいに新しく建った横浜三井ビルディングの2階に「原鉄道模型博物館」が開館する。3/27~4/2に開催された、この「究極の鉄道模型展」は、「原鉄道模型博物館」の今夏開館と新橋―横浜間鉄道開通140周年を記念したイベントであった。

  記述にあたっては、帰宅してすぐにアマゾンに発注した、原信太郎著「鉄道模型のすべて 技術の極み、躍動美」 2008年8月10日 誠文堂新光社 や当日、会場に置かれていたリーフレット等を参考にさせていただいた。
 カメラはIXY30Sしか持っていかなかったが、ISO800にして撮った。

1.「究極の鉄道模型展」
横浜駅東口のデパート、即ち、「横浜そごう」だが、この「究極の鉄道模型展」には結構な力の入れようで、各階エスカレータの切り返し場所には、すべて、この写真のような看板があった。この階の看板の写真は金剛山電気鉄道の模型だったが、各階それぞれ違う模型の写真が載せられていた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/160秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
「究極の鉄道模型展」;クリックすると大きな写真になります
2.会場入口
間口は小さかったが、奥行きは広かった。春休みなので子供が多いと思っていたが、決して子供だけでなく、私のような年配者や、近くの企業のサラリーマンが昼休みの時間を利用して、来場していた。御婦人がたのファンも多い。多くの人が模型や、ジオラマの写真を撮っていた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/320秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
会場入口;クリックすると大きな写真になります
3.外国の鉄道車両
まず、外国の鉄道車両をみる。展示の多くは「1番ゲージ」と呼ばれる軌間45ミリ、縮尺32分の1の大型模型で迫力がある。ドイツの001蒸気機関車も素晴らしいが、その右下にあるドイツDBの491という電車もいい。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/640秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
外国の鉄道車両;クリックすると大きな写真になります
4.リアルな乗客
そのドイツDBの491形という電車に乗っている人たちがいる。「ガラス電車」の愛称で使用されていた観光用電車とのこと。実車は1995年事故に遭遇し、復元の話もあるが、残念ながらまだ復帰していないそうだ。素晴らしい模型だ。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/400秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
リアルな乗客;クリックすると大きな写真になります
5.乗客の模型
スーツを着てハットを被った紳士、シャツにベストを着た人、スーツに帽子姿の淑女、そして和服姿の男性、女性、赤ちゃんを抱いたお母さん、など同じ形の人形も見られるが、バラエティーに富んだ乗客たちの模型が用意されている。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5 1/125秒 17.1mm ISO800 ) 露出補正 なし
乗客の模型;クリックすると大きな写真になります
6.LNER A4型 -1
原信太郎さんの模型には海外の蒸気機関車も多い。これはマラード号と呼ばれる機関車で、時速203kmという蒸気機関車の世界最速記録を持つ。この模型の動力はアルコール炊きのライブスチームだそうだ。模型は1985年に造られた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/320秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
LNER A4型 -1;クリックすると大きな写真になります
7.LNER A4型 -2
「MALLARD」の文字が見えるように撮った。1/500秒とは随分早いシャッターが切れたものだ。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/500秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
LNER A4型 -2;クリックすると大きな写真になります
8.オリエント急行
精巧な内装が見られるように屋根を外したオリエント急行。現在でもオリエント急行という名で豪華観光列車は走るが、本家のオリエント急行は19世紀末から20世紀の後半にかけてパリとコンスタンティノープルを結んでいた列車を差すそうだ。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/400秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
オリエント急行;クリックすると大きな写真になります
9.金剛山電車
原信太郎さんお気に入りの1両のようだ。金剛山は朝鮮半島で白頭山と並ぶ名山である。1931年(昭和6年)朝鮮総督府鉄道 京元線の鉄原というところから金剛山の内金剛まで全長116.6kmを結ぶ金剛山電気鉄道が全通した。原信太郎さんは1938年にこの電車に乗っている。金剛山電気鉄道で走っていたすべての車両を作りたいと原さんはいう。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/800秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
金剛山電車;クリックすると大きな写真になります
10.箱根登山鉄道 -1
原信太郎さんの模型は、もちろん蒸気機関車、電気機関車もいいが、模型ではあまり見る機会のない私鉄電車の模型が素晴らしい。この箱根登山鉄道 チキ1型の模型は1988年に作られた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/400秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
箱根登山鉄道 -1;クリックすると大きな写真になります
11.箱根登山鉄道 -2
箱根登山鉄道は、小田原-湯本間は、馬車鉄道から引き継いだ軌道線、1919年に延長開通した湯本-強羅間は鉄道線になった。この模型のチキ1型は、その軌道線と鉄道線を直通運転するために開発されたという。模型では車体の装飾表現に苦労したと述べられている。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/125秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
箱根登山鉄道 -2;クリックすると大きな写真になります
12.阪神電気鉄道 311型
阪神電気鉄道が本格的な総括制御を目指して、大正期に量産した木造電車だそうだ。このシリーズの車両が登場した時代、阪神では普通の1本架線だけでなく、複架線が大阪、神戸市内に残っていた。そのため、屋根裏にはダブルポールを2組とビューゲルとで、合計5つもの集電装置が搭載されていた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/125秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
阪神電気鉄道 311型;クリックすると大きな写真になります
13.阪神電車と名古屋鉄道
上は阪神電車の車両で、下は美濃電気軌道(のちの名古屋鉄道)が製造した路面電車。原信太郎さんは好んで私鉄の電車の模型を作られているようだ。何かのインタビューでも「今、興味があるのは、私鉄の古い車両です。1940年ごろまでの電車です。」と話されている。 大学4年の時だったか、尾張一宮の友人を訪ねて旅行をしたことがあったが、その時に、色こそ濃いグリーンだったが、このような丸窓のある、全面が丸くて5つの窓が並んだ電車に乗ったような記憶がある。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/500秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
阪神電車と名古屋鉄道;クリックすると大きな写真になります
14.日本の蒸気機関車たち
上は8800型、下は9600型。昨日、青梅の鉄道公園へ行ってきたが、その時に野外展示されていた、8620型と9600型を見てきていた。8800型は1911年にドイツから輸入され、1912年(明治45年)6月に運行が開始された日本初の「特別急行列車」の牽引をしたという。昨日、青梅で見た8620型は、1914年から日本で初めて本格的に量産された国産旅客列車牽引用テンダー式蒸気機関車で、「ハチロク」と愛称され、国鉄蒸気機関車の末期まで全国で使用された。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F3.5 1/250秒 8.4mm ISO800 ) 露出補正 なし
日本の蒸気機関車たち;クリックすると大きな写真になります
15.日本の流線形蒸気機関車
上段は日本国鉄のC55 34。C55形が登場した当時は、美観とともに高速化に伴う空気抵抗を減らす目的で世界各国で鉄道車両や自動車の流線形ブームが起こっていた。その流れに沿い、C53 43で試験された流線形構造が本形式に本格導入され、1936年製の2次車(20-40)の21両が流線形デザインを採用して新造されている。これは特急列車を牽いたC55 24の模型だ。下段はD52型で日本の蒸気機関車の中では最も力持ちである。中学生のころだったか、山中湖へ行った時、国府津から乗った御殿場線列車をこのD52が牽いていたのを思いだす。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F3.2 1/500秒 6.8mm ISO800 ) 露出補正 なし
日本の流線形蒸気機関車;クリックすると大きな写真になります
16.国鉄の電気機関車 ED16型
ED16の野外展示された実車を、昨日青梅鉄道公園で見てきた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/500秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
国鉄の電気機関車 ED16型;クリックすると大きな写真になります
17.ジオラマ
展示された模型を見た後、ジオラマへ向かう。配置されている車両がみんな素晴らしい。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/40秒 11.2mm ISO800 ) 露出補正 なし
ジオラマ;クリックすると大きな写真になります
18.ジオラマの線路を走る模型
ジオラマは一周55mあるという。そこに敷かれた線路の上を、HOゲージ(軌間16.5mm、縮尺1/87)ではなく、1番ゲージと呼ばれる軌間45ミリ、縮尺32分の1の大型模型が走る。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5 1/30秒 12.5mm ISO800 ) 露出補正 なし
ジオラマの線路を走る模型;クリックすると大きな写真になります
19.都市の電鉄 -1
インターアーバンと呼ばれる都市間電鉄や、都市の路面電車の模型のコーナーがあった。私にとってはとても魅力的だった。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/160秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
都市の電鉄 -1;クリックすると大きな写真になります
20.都市の電鉄 -2
左の赤い電車は BOSTON ELEVATED RAILWAY、右の黄色い電車はロスアンゼルス市電。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/200秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
都市の電鉄 -2;クリックすると大きな写真になります
21.原氏第一号の自作車両
最後になってしまったが、原信太郎さんが13歳の時、初めて作った模型が展示されていた。ボディは剥がしたトタン屋根の古い素材を使い、タガネで窓を打ち抜いて折り曲げ、ハンダ付けで製作された。パンタグラフも自作。走行装置は市販の模型のものが流用されているが、ボディ、パンタグラフを自分で造られたというからすごい。今年の夏、横浜のみなとみらいに新しく建った横浜三井ビルディングの2階に「原鉄道模型博物館」が開館するとのことだが、また、是非、見に行きたいと思う。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/200秒 4.9mm ISO800 ) 露出補正 なし
原氏第一号の自作車両;クリックすると大きな写真になります


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