箱根登山鉄道で湿性花園へ ① 2025年7月22日 神奈川県箱根町仙石原 - Studio YAMAKO

2025年9月20日

箱根登山鉄道で湿性花園へ ① 2025年7月22日 神奈川県箱根町仙石原

例年、ミドリシジミやミヤマカラスシジミの写真を撮りに7月の20日前後、箱根の湿性花園へ行く。昨年まではマイカーで行っていた。自宅から東名で御殿場まで行って、仙谷へ上がると2時間弱でいける。
 ところが、免許を返上し車を手放したので、どうやって行こうかと調べてみたところ、箱根登山鉄道の強羅駅から、30分に1本バスがある。

 朝6時半ごろの電車で横浜へ、小田原から小田急箱根登山電車で強羅へ。強羅発9時のバスに乗り9:30に湿性花園に着いた。乗り物はすべて空いていた。全部ICカードが使えた。運賃は片道3,000円弱だ。前回、入笠山でちょっと失敗をしたので、荷物は極力少なくし、箱根湿生花園にはコインロッカーもあるのでそこに預けることにした。
 だが、10時からすでに猛暑。汗ビッショリ。蝶影なし。翔んでいるのはキタキチョウ、スジグロシロチョウ、キタテハのみ。カセンソウもあまり咲いていない。チダケサシが多い。いつもいるオオウラギンスジヒョウモンも帰りがけに1頭撮っただけ。ミドリシジミ、ミヤマカラスシジミはもとより、ヒメアカタテハ、アカタテハもいない。今年の夏はおかしい。

 園内を3回ほど周回して12時半に切り上げ、トイレで着替えて、前にあるいつも寄る蕎麦屋で、とろろそばと、今までは車なので飲めなかった冷たいビールを飲む。30分に1本出ているバスで強羅へ戻った。バスの乗客は私独りだった。

 帰りは箱根登山鉄道の最後尾に乗り、運転席越しにスイッチバックの線路などを撮って楽しんだ。14時発のバスに乗り、17:30に帰宅した。往復に7時間かかった。秋にでも、どんな蝶がいるかもう一度行って見ようと思う。

000_250722141 X700 ◎箱根湿性花園 キタテハ Z50 Z50-250.jpg
貴重な被写体 チダケサシの花に来たキタテハ夏型 2025年7月22日 箱根湿性花園

001_250722003 X900 箱根登山 箱根湯本駅 G7X.jpg 1.箱根登山鉄道 旧型車両
箱根登山鉄道の旧称号は登山鉄道箱根株式会社であったが、2004年10月1日に持株会社移行により小田急箱根ホールディングス株式会社に改組された。2024年4月1日付で小田急箱根ホールディングス他2社が合併し、「箱根登山鉄道株式会社」より現在の「小田急箱根株式会社」になった。路線や愛称である「箱根登山電車」は引き続き利用されている。この車両は箱根湯本駅に停められていたモハ1形(1919年の箱根登山鉄道開業時からの車両であるチキ1形を、1950年の小田急車両の乗り入れ開始時に改造した車)。現在は104号-106号のみ運用。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 21mm ISO2000 )
002_250722008 X900 箱根登山 函嶺白百合学園中学校 G7X.jpg 2.通学の女学生
箱根登山鉄道始発駅の箱根湯本駅で何人かの女学生が乗ってきた。近くの駅に学校があるのだろうと思っていたら、強羅までこの調子で乗っていた。調べてみたら東京にもあるカトリック系のミッションスクールが強羅にあるのだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f1.8 1/1000秒 9mm ISO1600 )
003_250722026 X900 箱根登山 強羅駅早雲山ケーブルカー G7X.jpg 3.箱根登山ケーブルカー
強羅駅の改札口へ歩いて行くと右手に箱根登山ケーブルカーの乗り場があった。早雲山まで登っていく。早雲山からさらにロープウェイで大涌谷、芦ノ湖の桃源台まで行ける。この車両は2020年に就役した。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1000秒 25mm ISO200 )
004_250722029 X900 箱根登山 強羅駅 G7X.jpg 4.強羅駅舎
食事が美味しいと評判が良かった、私が勤務していた会社の社員寮が強羅にあった。私も泊まったことがある。1977年(昭和52年)に改築された現在の山小屋風の駅舎は、その頃から変わっていない。1997年(平成9年)関東の駅百選に選定されたそうだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/1250秒 21mm ISO125 )
005_250722030 X900 箱根登山 強羅駅 G7X.jpg 5.箱根登山鉄道の車両
写真は私が箱根湯本から乗ってきた電車。1981年から運用されたベルニナ号1000形。wikipediaによると、45年ぶりとなる新型車両として設計され、姉妹鉄道提携を結んでいるスイスのレーティッシュ鉄道・ベルニナ線にちなんで「ベルニナ号」という愛称が設定され、1982年には鉄道友の会より「ブルーリボン賞」を授与されたそうだ。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.8 1/1250秒 37mm ISO125 )
006_250722032 X900 箱根登山 強羅駅 G7X.jpg 6.湿性花園行きバスの乗り場
さて、湿性花園に行くバスの乗り場を探さなくてはならない。登山鉄道の改札口で尋ねたら、すぐにわかった。バスは30分に1本運行されており、次は9時丁度発。発車まで15分ほどある。並んで待っている人は誰もいない。時間通りにバスがきた。乗客は私ともう一人だけだった。

Canon PowerShot G7X 8.8-36.8mm f/1.8-2.8 20.2 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.2 1/1250秒 20mm ISO125 )
007_250722108 X900 〇箱根湿性花園 ヤマユリ Z50 Z50-250.jpg 7.箱根湿性花園到着
湿生花園には9時30分に着いた。家を6時頃出ているので、3時間半かかっている。コインロッカーに不要な荷物を置き、さっそく歩き始める。もうすでに猛暑。山百合が見事に咲いていた。7月13日に入笠山へ行ったときに、NikonZ50に付けたZ105mm macro を重たいと感じた。そこで、レンズキット用の安直なレンズだが、DX Z50mm-250mmというレンズを購入し、この日Z50にはこれを付けてきた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/640秒 250mm ISO200 )
008_250722112 X900 箱根湿性花園 ムラサキギボウシ Z50 Z50-250.jpg 8.ムラサキギボウシ(紫擬宝珠)
PictureThisで検索したら、ムラサキギボウシと同定された。中国原産種だそうで、中国では各州の標高500m~2400m級のの高地で、山地斜面の草地に自生するそうだ。咲き始めのようで瑞々しい色をしていた。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5 1/500秒 110mm ISO360 )
009_250722113 X900 〇箱根湿性花園 Z50 Z50-250.jpg 9.スジグロシロチョウ♂
猛暑の為か蝶はほとんど飛んでいない。いつもなら見向きもしない本種も貴重な被写体だ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/500秒 250mm ISO450 )
010_250722098 X900 箱根湿性花園 コウホネ RX10M4.jpg 10.水面に咲くコウホネ(河骨)
湿性花園には、その中央に池があり、そのほかに東の池、南の池、西の池、北の池がある。これはスイレン科コウホネ属に属する水草の1種である。池にはこの季節コウホネの黄色い花が咲いている。Wikipediaによると、ふつう水面より上に葉を立ち上げるが、水面に浮かべる浮水葉をつけることもある。水中の沈水葉は細長い。その地下茎を乾燥させたものは川骨(せんこつ)とよばれ、生薬とされるそうだ。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/2000秒 208mm ISO400 )
011_250722126 X900 ◎箱根湿性花園 エゾミソハギ Z50 Z50-250.jpg 11.エゾミソハギ(蝦夷禊萩)
近縁種にミソハギがあるが、エゾミソハギは葉が茎を抱き、全体に毛が密生してざらつくのに対し、ミソハギは葉の基部が茎を抱かず、全体に毛がないのが特徴だそうだ。ここにもチョウの姿は無い。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 180mm ISO280 )
012_250722100 X900 ◎箱根湿性花園 キタテハ ノリウツギ RX10M4.jpg 12.ノリウツギ(糊空木・糊樹)とキタテハ -1
ここに咲くノリウツギの花には、ミドリシジミが複数吸蜜に来ていることがあった。ところがここ数年はそんな姿を見ていない。この日は思った通り、ミドリシジミの姿は無く、代わりにもならないがキタテハが1頭来ていた。ノリウツギがアジサイ科の植物であることを改めて知った。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/2000秒 132mm ISO250 )
013_250722102t X900 ◎箱根湿性花園 キタテハ ノリウツギ RX10M4.jpg 13.ノリウツギ(糊空木・糊樹)とキタテハ -2
ノリウツギの花には、ミドリシジミのほか、ミヤマカラスシジミ、アサマイチモンジ、オオウラギンスジヒョウモンなど、いろいろなチョウがやって来るのだが、キタテハだけとは。猛暑の為か?

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/2000秒 218mm ISO320 )
014_250722134 X900 ◎箱根湿性花園 コオニユリ Z50 Z50-250.jpg 14.コオニユリ(小鬼百合)
これはコオニユリ。wikipediaによると、オニユリというのもあるが、オニユリに比べてコオニユリはその名の通り、やや小さい。また、コオニユリはむかごを作るがコオニユリはそれを作らず種子を作る。コオニユリは山地の草原や低地の湿原に生育する。コオニユリにもチョウが良く来る。湿性花園ではキアゲハが来ているのを見ることがあった。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 180mm ISO250 )
015_250722105 X900 箱根湿性花園 カセンソウ RX10M4.jpg 15.カセンソウ(歌仙草)
南西側の湿生花園の一番奥の湿原植生復元区ではこの季節には黄色いカセンソウが咲くが、今年は咲いている花が少ない。今年の花の開花期はむしろ遅れているように想える。例年はオオウラギンスジヒョウモンが飛び回り、吸蜜する姿が見られるのだが、今年は一頭も飛んでいない。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4 1/2000秒 140mm ISO200 )
016_250722106 X900 〇箱根湿性花園 キキョウ RX10M4.jpg 16.キキョウ(桔梗)
キキョウは秋の季語であるが、実際の開花時期は六月中旬の梅雨頃から始まり、夏を通じて初秋の9月頃までである。カセンソウがあまり咲いていない湿原植生復元区の草原の中にポツンと一輪のキキョウが咲いていた。

SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1200秒 9mm ISO100 )
017_250722138 X900 〇箱根湿性花園 キタテハ Z50 Z50-250.jpg 17.チダケサシに来たキタテハ -1
チダケサシも湿性花園に多い。ミドリシジミも吸蜜に来ることがある。今回はキタテハだけだ。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/1250秒 180mm ISO200 )
018_250722149t X900 ◎箱根湿性花園 キタテハ Z50 Z50-250.jpg 18.チダケサシに来たキタテハ -2
目に触れる蝶はキタテハしかいない。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f5.6 1/500秒 180mm ISO250 )
019_250722154 X900 ◎ニオイヒツジグサ箱根湿性花園 Z50 Z50-250.jpg 19.ヒツジグサ(未草)
白い大きな花を咲かせている水草があった。睡蓮の仲間である。wikipediaによれば、水底に根を張った地下茎から長い葉柄を伸ばし、水面に円形の葉を浮かべる。花期は6月から9月、長い花柄の先についた1個の花が水面上で咲く。花の大きさは直径3-7cm。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/800秒 250mm ISO200 )
020_250722157 X900 〇箱根湿性花園 ワスレグサ Z50 Z50-250.jpg 20.ワスレグサ(忘れ草)
wikipediaによれば、ワスレグサは広義で、ニッコウキスゲなどの仲間でワスレグサ属(別名キスゲ属、ヘメロカリス属)のことをさす。ゼンテイカ群(日光キスゲ、武蔵野キスゲ、蝦夷カンゾウ、姫カンゾウ、飛島カンゾウ)、トウカンゾウ以外でカンゾウと呼ばれているもの。種類は多く、代表的なものでは一重咲きのノカンゾウ、八重咲きのヤブカンゾウがある。外来種や園芸種もある。AIでは、園芸品種は3万品種を超えるとも言われており、非常に多くの品種が存在するという。

Nikon Z50 NIKKOR Z DX 50-250mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影  ( f6.3 1/1600秒 250mm ISO200 )

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)