沖縄旅行 ③ 2025年1月2日 -2 新春の宴 首里城復元工事 石畳みの道
広福門を通って下之御庭(しちゃぬうなー)に入った。下之御庭は首里城正殿のある「御庭(うなー)」の手前にある広場で、下之御庭とは読んで字のごとく下の庭という意味だそうだ。御庭で行われる儀式の際の控えの場となっていた。
下之御庭に入ると右の方から、沖縄らしい音楽が聞こえてきた。正月のアトラクションとして行われている沖縄音楽の演奏である。しばらくその小屋の前に並べられた客席に座って聴いていたが、座った時が最後の曲目だったらしい。シャッターの音を消音に設定して写真を撮った。
ほどなく、正殿の前に建つ奉神門の前で琉球王国時代の正月儀式の再現ショウガ始まった。大勢の観光客が囲んで見ていた。
そのアトラクションは15分ほどで終了し、次は先ほど沖縄音楽を聴いたところで、首里城再建の支援活動も行っていて2016年にポニーキャニオンより竜馬四重奏としてメジャーデビューしたバイオリニスト「竜馬」の演奏が始まった。ポピュラーな「島唄」「涙そうそう」、そして、最後に自身が作曲した、沖縄県内さまざまな番組のテーマソングとなり、沖縄県公式の首里城再建ソングになったSYURINOUTA(首里の歌)が演奏され、30分間の野外コンサートは大きな拍手とともに終わった。迫力ある素晴らしい演奏で、CDを買いたくなった。
そして、復元工事中の正殿を見学した。再建中の正殿は素屋根といわれる大きな建物で被われていて、その中を1階から3階まで見ることが出来た。令和元年(2019年)10月31日未明の火災で焼失した正殿の屋根を飾っていた大きな龍なども展示されていた。
復元工事中の正殿見学を終えて、東のアザナ(展望台)などを見て、正午過ぎに右掖門から石垣の外にでて守礼門まで下り、そこから日本の道百選に選ばれている石畳の道、首里金城町石畳道を下って、目的の「首里殿内」を見つける。
石畳道を下りたところにあったその「首里殿内」という沖縄そばの人気店に、30分近く待って入る。
待っている間に、娘がその「首里殿内」の入り口に植えられていた木にぶら下がるように止まっていたオオゴマダラを見つけて知らせてくれた。羽化したあとの蛹の抜け殻が残っていた。その木はホウライカガミというオオゴマダラの食樹だった。オオゴマダラはよく蝶園などで飼育されているが、これは「天然もの」である。親孝行な娘である。
食後は、「首里殿内」の少し下を通っている那覇市道(金城ダム通り)で、GOタクシーを呼んでゆいレールの牧志駅へ、そこから那覇の繁華街である国際通りを歩いてホテルへも戻った。途中でT-シャツを買ってしまった。
夜はホテル近くの居酒屋で、セミ海老の刺身を食べたが、値段が高いだけで、旨くなかったのが残念だった。
漏刻門の石垣と生い茂るソテツ 2025年1月2日 沖縄県那覇市首里城
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36.沖縄音楽を聴く -1 正殿の建築工事の際には資材置場等として使用され、現在は城内でのイベント等の際に利用されているた「系図座・用物座」という建物で、沖縄音楽が演奏されていた。沖縄の音楽は、王宮で始まった琉球古典音楽と、一般の人々が楽しんだ沖縄民謡がある。 琉球古典音楽は、琉楽(りゅうがく)とも呼ばれ、三線(または歌三線)、琴、笛、太鼓(鳴り物)、胡弓によって演奏される。 一方、民謡や島唄は古くから歌い継がれている音楽である。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR
プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 31mm ISO720 )
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37.沖縄音楽を聴く -2 曲の内容はよく分からないのだが、格調高い演奏者が揃っていたのだと思う。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f6 1/500秒 120mm ISO4000 ) |
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38.朝拝御規式 (ちょうはいおきしき)-1 奉神門の右側の門から国王のお付きの人が出てきた。中央の大きな門は国王が出入りする。これから行われるのは琉球王国時代の正月儀式の再現である。朝拝御規式は、琉球王国時代に行われていた元日の正月儀式で、国王が役人や庶民の代表らとともに、平和と豊穣を祈願する儀式だったそうだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.8 1/500秒 24mm ISO280 ) |
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39.朝拝御規式 -2 首里城公園では、毎年1月1日~3日に行われる「新春の宴」の際に朝拝御規式の一部が再現されているという。真ん中の門が開けられ、国王役と王妃役が出てきた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.8 1/500秒 78mm ISO1600 ) |
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40.朝拝御規式 -3 設けられた祭壇に向かって国王と王妃が並んで拝礼する。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4.3 1/500秒 34mm ISO320 ) |
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41.朝拝御規式 -4 国王役が祭壇に上がり、焼香をして平和を祈願する。本来は正殿の前の御庭(うなー)で厳かに行われるのだが、正殿が復活するまでは、略式で再現されているようだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4.8 1/500秒 52mm ISO400 ) |
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42.朝拝御規式 -5 朝拝御規式再現の10分間あまりのデモンストレーションが終わり、国王と王妃は奉神門の中央の門から中へ入っていった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.8 1/500秒 24mm ISO280 ) |
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43.「竜馬」のバイオリン演奏 朝拝御規式の再現アトラクションが終わると、さっき、沖縄音楽の行われていたところで、「竜馬」の演奏が行われる。バイオリンとシンセサイザーのデュオである。なかなか迫力のある演奏だった。野外なのに音響装置も良かった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/500秒 140mm ISO6400 ) |
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44.復元工事の見学 -1 「竜馬」の演奏を30分間聴いたあと、2019年10月31日未明に火災が発生し焼失した、正殿や北殿、南殿などの復元工事の現場を見学した。復元工事はそこを覆う大きな臨時の建物(素屋根)の中で行われている。また、火災により焼けた、正殿の屋根に飾られていた龍の飾り「龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)」などが展示されていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f6.3 1/500秒 140mm ISO6400 ) |
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45.復元工事の見学 -2 龍頭棟飾の口髭 正殿内部から発生した火災で、約11時間にわたり燃え続けたという。首里城正殿の屋根には多くの焼き物を組み合わせて作った龍の装飾があった。龍頭棟飾は、鉄製のフレームの上にガラス繊維を含めたモルタルで形どり、その表面に焼物を張り付けていたという。これはその一部で口髭の部分である。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO400 ) |
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46.復元工事の見学 -3 これは正殿の屋根の部分である。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 30mm ISO2800 ) |
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47 復元工事の見学 -4 壮観である。首里城正殿の大屋根は、2024年6月以降、瓦の取り付けや塗装が本格的に進んでいる。首里城の復元工事は、2022年に着工し、2025年は外部彩色、内部彩色、素屋根・木材倉庫解体、両廊下の整備が開始される。2026年には復元工事が完了する予定だそうだ。復元工事の詳しい内容は、沖縄国営記念公園首里殿復興への歩みというサイトで知ることが出来る。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO1800 ) |
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48.湯屋の跡 ここは浴室の跡だそうだ。説明板によると、『御内原の北寄りの一角に、女官たちの浴場の機能を持つと考えられる湯屋がありました。「沖縄県首里旧城図」や「首里旧城之図」の表現によると、小さな建物と大きな浴槽で構成され、その周りが瓦石積みで囲まれた造りであったことがわかります。発掘調査では、建物の隣の場所から、目地が漆喰で塞がれた石積みや薪を燃やしたような多量の炭が確認されています。この場所で水を貯めたり、湯を沸かしていたりしていた可能性があります。 ※国王の入浴に関する伝承としてー国王は別の場所で入浴しており、その場所は明らかではありませんが、次のような言い伝えがあります。国王は夕方二人の御側仕(世話係)に案内されて入浴しました。風呂場の場所は不明ですが、六畳ほどの広さで板張りされ、厚板で造られた四角い浴槽があり、お湯は別の場所で沸かして運ばれていたようです。王は白木綿の浴衣を着けて入浴し、御側仕が襟元や懐、袖口などから手を入れて、手洗粉入りの袋で王の身を洗ってあげたそうです。(眞榮平房敬著「首里城物語」による)』 と説明されていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 21mm ISO140 ) |
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49.石垣とソテツ 復元工事現場を見学した後、復元工事中の正殿を覆っている素屋根と呼ばれる建物を出て、城郭の東側に築かれた物見台である東のアガサに上がり、首里城公園一帯や、那覇の町を眺めた。城郭の石掖門を出て、漏刻門へと緩やかは石畳の道を下りていく左側に琉球石灰岩で築かれた石垣と、その前に、立派なソテツの群落があった。このソテツはどれくらいの樹齢なのか興味を持ち、ネットで調べたり、AIに聞いたりしたが、わからなかった。そこで、首里城公園管理センターへ電話で問い合わせて見たのだが、回答は資料がないということで、AIの回答と同様であった。ただ、2019年の火災の前からあったことは確認できた。幹に火に焼かれた跡が残っていた。ソテツは成長が遅く、寿命は500年以上にも及ぶ植物といわれる。また、ネットで調べているときに、首里城では、夏はクロマダラソテツシジミの幼虫の駆除がソテツの養生に欠かせないということも分かった。右側に見える門は歓会門である。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/500秒 43mm ISO320 ) |
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50.石畳の道 -1 午後1時近くなった。どこで昼飯にしようか、2人が考えてくれた結果、沖縄そばにしようということになり、「首里殿内」という店に行くことになった。娘がスマホで行き方を探してくれた結果、この石畳の道を下りることになった。この道は「金城町石畳の道」という。wikipediaによれば、真珠道(まだまみち)の一部で、琉球王国尚真王の治世である1522年頃にその建造が始まった。第二次世界大戦の沖縄戦で真珠道の大半は破壊され、コンクリートで舗装されていたが、1983年(昭和58年)に歴史的地区環境整備事業によって再び石畳に整備された。金城町に現存する238mの区間が首里金城町石畳道としてその姿を現在に伝えている。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4.2 1/500秒 38mm ISO220 ) |
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51.石畳の道 -2 守礼門から、史跡首里城跡の石碑を見て、南の方へ下る。金城大通りを渡る。道には年月を経て光沢を帯びた琉球石灰岩の平石が敷きつめられたままで、沿道には近世以前の石垣も多く現存する。乱敷きに配された大きさ20~30cmほどの平石の表面は小叩きに仕上げられており、こう配が急なところでは階段を設けたり、すべり止めの溝が彫られるなど、歩きやすいように工夫がなされていた。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4.5 1/500秒 38mm ISO280 ) |
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52.石畳の道 -3 石敢當 道路沿いの屋敷囲いは、「あいかた積み」(石を多角形に加工し、互いに噛み合うように積む技法)」とよばれる手法を用いて積まれた石垣と赤瓦屋根の木造住宅が見られる。日本の道100選の碑もあり、石敢當という沖縄県で古くから信じられている魔除けの石碑もあった。石畳の道が終わりになる辺りの右側に「首里殿内」という沖縄そばの店があった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f4 1/500秒 31mm ISO280 ) |
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53.「首里殿内」(すいどぅんち) -1 沖縄そばの店とばかり思っていたが、沖縄料理の店で、しかも、なかなかのお店のようだ。丁度昼食時でもあり、席が空くのを待つことになった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO100 ) |
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54.オオゴマダラ -1 この店には、民族資料館、泡盛資料館、裏庭があり、待つ間ぶらぶらしていたが、入口の方へ戻ってくると、娘が「いたよ」と指で差していたのはオオゴマダラだった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.6 1/500秒 88mm ISO1800 ) |
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55.オオゴマダラ -2 気温は15℃あるかないかだったろうと思う。じっとして動かない。よく見ると独特な金色をした蛹の殻にぶら下がっている。ここで羽化したのだろう。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f6 1/500秒 20mm ISO2800 ) |
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56.オオゴマダラ -3 ホウライカガミ 蛹が付いていたこの植物は何だろうか。PictureThisで検索し、このインゲン豆のような実で同定できた。オオゴマダラの唯一の食樹であるホウライカガミである。沖縄ではオオゴマダラの食草としてホウライカガミが栽培されているそうだ。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f5.6 1/500秒 96mm ISO1250 ) |
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57.「首里殿内」 -2 内庭 30分ほど待って奥まった良い部屋に通された。内庭には小さいながら池も築かれていて、鯉が泳いでいた。オリオンビールを頼み、沖縄そばを食べたが、良い昼食であった。
Nikon Z50 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/500秒 18mm ISO720 ) |
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