日比谷公園のリュウゼツラン開花 2024年7月19日 東京都千代田区日比谷公園
7月11日に横浜市の上永谷に住む友人から、リュウゼツラン(竜舌蘭)が咲きそうだと画像を添付したLINEがあった。背の高いまっすぐに伸びた木 ? のようだ。私は竜舌蘭のことは何も知識がなかったので、Wikipediaなどで調べた。
和名の竜舌(リュウゼツ)は、葉が長くて厚く、葉の先が尖っていて縁にはトゲがあることから、これを伝説上の生き物である龍の舌に見立てて名付けたもので、蘭はその花の美しさに対して付けられたものである。気候や土壌にもよるが一般に成長は遅く、花を咲かせるまでに数十年を要するものも多い。100年に一度開花すると誤認されたことから、英語で"century plant"という別名があると記されていた。
リュウゼツランというのはそのグループの名称であり、友人が送ってきてくれた写真はアオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭)という種である。2009年に公表された APG IIIの体系ではキジカクシ科とされ、その中のリュウゼツラン亜科に分類されている。
アオノリュウゼツラン (A. americana) は 最も一般的な種のひとつで、普段は花を咲かせず、肉厚で鋭い棘のある大きな葉のみが叢生する。数十年に一度、2~3か月前から伸び始め、7~9mにも達するマストのような花茎から複集散花序を伸ばし何百もの薄黄色の筒型の花を咲かせ、結実後に枯れてしまう。開花し結実した株はその後、枯れてしまうが、必ず根元に小さな子株が生まれているそうだ。花茎も倒れてしまうのだろう。
7月16日(火)にTVのモーニングショウで、各地でリュウゼツランが咲いているとのニュースが放映されていた。ネットで検索してみると友人が知らせてくれた上永谷のリュウゼツランも、また、江ノ島の頂上、愛知県の知多半市、岡山、香川、長崎など各地での報告されていた。そして、東京都公園協会のサイトでは、「7月10日に、日比谷公園でアオノリュウゼツランが開花しました!」という記事があった。その日は内幸町で会があったので、その1時間ほど前に日比谷公園へ行って見た。午前10時を少し過ぎたころだったが、すでに20~30人の方が見に来られていた。外国人観光客の姿も見えた。
日比谷公園に咲くアオノリュウゼツランの花 2024年7月19日 東京都千代田区 日比谷公園
1.日比谷公園のアオノリュウゼツラン(青の竜舌蘭) -1 リュウゼツランが咲いている場所は、晴海通り側の第一花壇のペリカン噴水のある所(日比谷公園北東側)だという。都営地下鉄の内幸町駅を国会通りへ上がって、交差点を渡って幸門から公園に入り、日比谷公会堂の先を工事中の第二花壇のわきを抜け、第一花壇へ出た。そこから、もうリュウゼツランのマスト(花茎)と黄色い花が見えた。うしろに見えるのは建ち並ぶ日比谷通りのビル街だ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1000秒36mm ISO800 ) | |
2.日比谷公園のアオノリュウゼツラン -2 5月19日には4.3mだった花茎は、7月11日朝の計測で、高さ7.7mになったそうだ。後ろの建物は旧日比谷公園事務所で、東京都公園資料館になっていた。平成2年3月22日「東京都指定有形文化財(建造物)」に指定されている。さらに今年の6月1日からは「フェリーチェガーデン日比谷」としてリニューアルされている。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒50mm ISO800 ) | |
3.アオノリュウゼツランの花 -1 アオノリュウゼツランは、周囲のどこからでも見ることが出来る。近寄って撮った。花茎から複集散花序を伸ばし何百もの薄黄色の筒型の花を咲かせる。写真は花序である。虫たちが集まってきている。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒220mm ISO640 ) | |
4.アオノリュウゼツランの花 -2 花茎からは複集散花序が伸びている。花は花茎の下のほうの花序から順に上に咲いていく。この花序は中ほどより少し上のところだ。今が見ごろだと思う。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒143mm ISO640 ) | |
5.アオノリュウゼツランの花 -3 上の方にある花序はまだ開花していない。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒143mm ISO640 ) | |
6.アオノリュウゼツランの花 -4 背景の建物は日比谷通りに面した「東京ミッドタウン日比谷」だ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒97mm ISO800 ) | |
7.アオノリュウゼツランの花 -5 曇り空をバックにするとリュウゼツランの花が暗くなってしまうので、「東京ミッドタウン日比谷」を背景にして撮った。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒35mm ISO320 ) | |
8.アオノリュウゼツランの花 -6 マストは少し傾いて伸びている。最初に咲いた下の方の花序の花は赤茶色になってきている。ChatGPTで尋ねたところ「日比谷公園で現在開花しているリュウゼツランは、2024年7月10日に開花が確認されました。リュウゼツランの花は約1か月ほど開花が続く見込みです。そのため、8月上旬頃まで鑑賞することができます。」という回答があった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1000秒24mm ISO320 ) | |
9.日比谷公園のアオノリュウゼツラン -3 マスト(花茎)の根元に株が見られる。東京都公園協会のサイトを見ると、「今回花を付けたリュウゼツランが植えられた時期の詳細な記録は、残念ながら残っておりませんが、日比谷公園には昭和初期からリュウゼツランが植えられていたようです。今回の株については、過去の写真を遡ると、1960年前後に現在とほぼ同様の場所に植えられた株のようです。それが正しければ、植えられてから約60年経過していると考えられます。」、また、「2019年7月19日に同じ花壇にあった別株のアオノリュウゼツランが咲き、話題を集めました。アオノリュウゼツランは花を付けた後、子孫を残しつつ徐々に一生を終えます。現在、2019年に花を咲かせた株の子孫が、親の株があった場所に植えてあり、まだ小さな株ですが見ていただくことができます。」と書かれていた。2019年に花を咲かせた株の子孫は確認していない。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒15mm ISO400 ) | |
10.日比谷公園のアオノリュウゼツラン -4 緑濃い樹をバックに撮ると、黄色の花がきれいに撮れた。下の方に咲いている赤茶色になってきている花と、一番上のまだ、開花していない緑色の蕾を持つ花序が見える。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒53mm ISO1600 ) | |
11.日比谷公園のアオノリュウゼツラン -5 ペリカンの噴水のある池を挟んで撮った。後ろの建物はこの6月1日から「フェリーチェガーデン日比谷」となった旧公園資料館だ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1000秒22mm ISO640 ) | |
12.ペリカン噴水とアオノリュウゼツラン -1 外国人観光客の姿も見える。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒20mm ISO640 ) | |
13.ペリカン噴水とアオノリュウゼツラン -2 第一花壇の北側に、明治36年開園当時から公園のシンボル的存在になった2羽のペリカンが置かれた噴水。くちばしの先から水が噴き出しているが水の出は細かった。池にはスイレンなど、水生植物が植えられている。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒13mm ISO500 ) | |
14.旧東京都公園資料館 この建物は平成2年3月22日に「東京都指定有形文化財(建造物)」に指定された建物で、この5月までは東京都公園資料館だった。その前身は日比谷公園事務所である。そして、東京都の報道資料によれば、都の有形文化財に指定されている都立日比谷公園「旧公園資料館」等の保存・活用について、都は令和5年5月に事業者を公募し、11月から修復工事等を行ってきた。このたび、修復工事等が完了し、この6月1日よりリニューアルオープンされた。事業者は目黒雅叙園だそうだ。施設運営内容としては、1)旧公園資料館、旧図書棟や隣接する広場を、来園者が自由に休憩できる無料休憩所として広く一般に開放する。(2)旧公園資料館において、日比谷公園の歴史等を伝える展示を行う。(3)活用事業としてカフェ事業(旧公園資料館にテイクアウト型のカフェを設置)、ウェディング事業(旧図書棟や隣接する広場において、ガーデンウェディング事業を運営)、イベント事業(旧公園資料館の価値や魅力を活かし、多様なニーズに幅広くこたえられるイベント空間として利用)を実施する。といったことが記されていていた。その施設の名称は「フェリーチェガーデン日比谷」である。リュウゼツランには全く関係ないことだが、疑問に思ったこの建物の説明をしておこうと思ったら長くなってしまった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.4 1/1000秒9mm ISO1600 ) | |
15.旧東京都公園資料館を背に ここは日比谷公園の北東側の一番奥である。そろそろ退出しようと思う。ここからちょうど対角線の端にある西幸門へ向かう。リュウゼツランの向こうに見えるのは国会通りに立つビルディングだ。今朝下りた都営地下鉄の内幸町駅から西幸門の東京メトロの霞ヶ関駅、さらに右へ行くと国会議事堂がある。見に来ている人の数が増えてきた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒14mm ISO160 ) | |
16.第一花壇からリュウゼツランを振り返る リュウゼツランの右側に見えるのは旧公園資料館(6月1日から「フェリーチェガーデン日比谷」となった)、左側に見えるのは、おそらく日本で最も古いガーデンレストランと言われる「日比谷サロー」。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1000秒16mm ISO400 ) | |
17.ツマグロヒョウモンとマンシュウキスゲ 第一花壇の西側に咲くマンシュウキスゲに何かチョウが止まっている。ツマグロヒョウモンだった。ツマグロヒョウモンは何処にでもいる。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1000秒220mm ISO500 ) | |
18.「かもめの広場」の噴水 -1 一旦公園の霞門から祝田通りへ出て、公園の角から「かもめの広場」の噴水に入る。噴水の中にある彫刻「鷗」は、淀井敏夫の1986年の作品で「うかぶ雲、海鳥たちの訪れ、時の流れを告げる古い貝殻。」と彫られた銘板があった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.4 1/1000秒9mm ISO200 ) | |
19.「かもめの広場」の噴水 -2 周囲にピンクや白のペチュニアの花が植えられた噴水は勢いよく吹きあがっていた。小一時間の竜舌蘭の鑑賞で汗をかいてしまった。しばし涼しさを感じる。これから行く会の会場はこのすぐ近くである。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.5 1/1000秒9mm ISO125 ) |
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