1956年夏 海の口牧場のオオウラギンヒョウモン
先月7月12日~14日に八ヶ岳山麓へ行ったとき、国道141号線を清里から松原湖へ向かう途中、海の口を通ったが、私が中学生のころ、そのあたりの牧場で、今は姿を消してしまったオオウラギンヒョウモンが飛んでいたのを思い出した。もう50年以上前のことだ。
オオウラギンヒョウモンは 絶滅危惧種 で現在の産地は中国地方の一部と九州の一部に限られている。
私は小学生、中学生のころ、昆虫少年だった。その頃採集した蝶たちの標本も長く保存していたが、10箱ほどあった標本箱は、引越しの時に状態の良い蝶たちだけを1箱に集めた。その中に「1956年8月23日長野県海の口牧場」というラベルの付いたオオウラギンヒョウモンの♂、♀、裏面(♀)の標本があった。これをさらに小さな標本箱に写し、保存していた。その際、ラベルを新しく書き換えたが、当時のままにしておけばよかったと、今は思う。

平成16年(2004年)10月14日発行の依田俊幸さん著「佐久の蝶133種 雑記帳」によれば、オオウラギンヒョウモンが佐久で採集された記録は、1978年「信濃の蝶」(信州昆虫学会)の報告が最後のようである。
同著では、オオウラギンヒョウモンの食草であるスミレは、日当たりのよい裸地や丈の低い草原に良く生育している。そのような場所は人里近く、よく人の手の入るところであるから、近年少なくなったり放置されてしまったところが多い。この環境の変化が絶滅の最大の原因になっていると思えるとされている。