お盆が過ぎたころの舞岡公園は、クサギの花が咲き、その匂いに黒いアゲハたちが集まって来る季節である。しかし、今年の以上に暑い気候のためか、舞岡公園のチョウたちの様子は例年とは違う。5月から6月にかけて、平地産ゼフィルスをはじめ、最もチョウが多くなる季節もチョウの個体数は異常に少なかった。
7月から続く猛暑はお盆を過ぎてもなお続いている。そんな中だが、台風10号接近の予報もあり、ダメでもともとと思って、8月23日に舞岡公園へ出かけた。狙いはクサギの花に来る黒いアゲハたちだ。
9時に駐車場に到着。「ばらのまる橋」を渡ったところで幸先よく、モンキアゲハの♂に遭遇した。だが、悠々と飛び去られてしまった。次に古谷戸の里のクサギの咲くところへ行った。クサギは咲いていたが、例年より花が小さいように感じる。クサギ独特の強い匂いも少ない。カラスアゲハの、これもきれいな♂が1頭現れたが、クサギの周りを旋回するも、吸蜜せずに飛び去ってしまった。瓜久保の家の近くではクロアゲハに出会った。大げさだが黒いアゲハたちは生きていたのでほっとした。黒いアゲハたちは午前中は♀を求めて飛びまわり、あまり花に来て吸蜜することは少ないとは思う。だが、午後の時間まで待つのは雷雨の恐れもあるし、やめてしまった。
駐車場へ戻る道でモンキチョウの黄色い♀に♂が絡んでいくのを見た。♀は尻尾を上げて拒否。この日はアカボシゴマダラは飛んでいるのを数回見かけたが、最後の最後に駐車場のわきに現れた1頭が植え込みに止まって撮らせてくれた。成果という成果は無いに等しかった。
|
1.ヤマトシジミ♂
ヤマハギの花が咲く道には、小さなヤマトシジミの♂が吸蜜していた。ヤマハギの花は元気がなく、キタキチョウもいなかった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS0800 )
|
|
2.ツユクサ(露草) -1
畑の隅や、道端で見かけることの多い雑草であるが、鮮やかな青色の花が可憐である。朝に咲き昼には萎むという。雄しべは6本あり、上側の3本、下側中央の1本、下側左右の2本で形態が異なる。特徴的な花の形から、ホタルグサ(蛍草)やボウシバナ(帽子花)、花の鮮やかな青色からアオバナ(青花)の別名がある。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1250 146mm IS0800 )
|
|
3.ツユクサ -2
このツユクサの花は前の写真のものより白っぽい。紫色の花弁を持つウスイロツユクサなどの変種・品種が知られるそうだ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1250 27mm IS0640 )
|
|
4.クサギの花
古谷戸の里のクサギの花が咲くところに行って見た。クサギの花は咲いてはいたが勢いがない。花は小さく、独特の強い香りも弱い。黒いアゲハが来るかとしばらく待っていると、青い鱗粉を輝かせてカラスアゲハの♂が現れた。しかし2~3回、木の周りを旋回した後、去ってしまった。まだ吸蜜タイムではないのか、それともクサギの花に魅力がないのか。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.5 1/1250 35mm IS01600 )
|
|
5.古民家の軒先
古谷戸の里にある旧金子家の母屋の縁側には、トウモロコシが干されていら。はや、秋の気配を感じる。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f3.2 1/1250 14mm IS0800 )
|
|
6.キツネノマゴ(狐の孫)
4~5mmくらいの小さな可愛い花が咲いていた。wikipediaによれば、キツネノマゴは、「茎の先端から穂状花序を出す。花序には花が密につき、それぞれの花は基部に苞があるので、外見ではその苞が並んだ棒状の姿に見える。萼は深く5裂。花はいわゆる唇花型で、上唇は小さく三角形で、先端は2裂、下唇は丸く広がって反り、先端は3裂、全体は白だが、下唇が広く赤紫なので、赤紫の花との印象が強い。」また、「名前の由来はよく分かっていない。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説も見かけるが、根拠に乏しいと記されていた。複雑な形をした花だ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS0200 )
|
|
7.コバギボウシ(小葉擬宝珠)
古民家の裏庭に咲いていた。リュウゼツラン亜科ギボウシ属だそうだ。この夏客稿を浴びたリュウゼツランの仲間である。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS0500 )
|
|
8.ミソハギ(禊萩)にコキマダラセセリ -1
箱根湿生花園にも多く咲いている。wikipediaによれば、ミソハギの和名の由来はハギに似て禊(みそぎ)に使ったことから禊萩、または溝に生えることから溝萩によるといわれる。祭事などに用いられるため、その関係の呼び名が豊富で、他にも「盆花」「精霊花」「霊屋草」などとも呼ばれる。チョウが訪れる花だ。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.5 1/1250 9mm IS0250 )
|
|
9.ミソハギ(禊萩)にコキマダラセセリ -2
カメラを引いて望遠端で撮った。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS01600 )
|
|
10.ヌスビトハギ(盗人萩)
PictureThisで検索したところヌスビトハギと同定された。マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、ひっつき虫のひとつだそうだ。茎の先端の方から数個の細長い総状花序をつける。下方のものでは、それらの基部には茎につくよりやや小さい葉がつく。花序にはまばらに花がつく。花は小さくて3~4mm、ピンク色に色づく。和名は、果実が泥棒の足跡に似ると言うことだそうだ。古来の泥棒は足音を立てないように、足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、その時の足跡に似ている由と。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.5 1/1250 9mm IS0500 )
|
|
11.ホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)
古民家の裏庭へ通じる道にホオズキがあった。和名の漢字を見てなるほどと思う。ナス科ホオズキ族だそうだ。wikipediaによれば、「一般的に栽培されているホオズキには毒性があり、食用にしてはならない。特に妊娠中の女性が摂取すると子宮収縮作用で流産を誘発するおそれがある。」と記されていた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.5 1/1250 9mm IS0500 )
|
|
12.ナンバンギセル(南蛮煙管)
古民家の裏庭の入り口の低いところに咲いている。このころにこの場所に来ると、例年ナンバンキセルを見ていくが、花期は7-8月で、少し遅かったためか、一つしか咲いていなかった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
シャッタースピード優先オートで撮影 ( f2.5 1/1250 9mm IS01000 )
|
|
13.ジャコウアゲハ幼虫
ウマノスズクサが生えているところで、一人のかたが写真を撮っておられた。「ジャコウですか」と声をかけると、幼虫2匹と蛹二つの居場所を教えてくださった。これは大きな幼虫である。おそらく終齢であろう。第3化であろう。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f3.5 1/2000 21mm IS0500 )
|
|
14.ジャコウアゲハ蛹
ウマノスズクサではなく、違う葉で蛹化したようだ。この蛹は小さかった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS01600 )
|
|
15.小谷戸の里
古谷戸の里の門を入ったところから撮った。サルスベリの花が重そうに垂れて下がっている。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250 10mm IS0100 )
|
|
16.オクラ(秋葵) -1
ヒマワリは咲き終わっていた。コスモスは数輪咲いているが元気がなくチョウも現れない。畑にはオクラが植えられて、花が咲いていた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250 81mm IS0160 )
|
|
17.オクラ -2
あのネバネバした実を付けるオクラの花である。wikipediaによれば、アオイ科トロロアオイ属だそうだ。「日本語名オクラは、英語名 "okra" (オクラ)からの借用語(外来語)で、その語源はアフリカのガーナで話されるトウィ語の "nkrama" に由来する。日本に渡来したのは幕末ごろで、一般に広く栽培されるようになったのは、昭和30年代になってからである。」と記されていた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250 206mm IS0320 )
|
|
18.田んぼの案山子
谷戸の水田では稲が実ってきている。今年も恒例の案山子祭りが行われる。7 月 20 日(土)~9 月 8 日(日)に申し込み、8 月 3 日(土)~9 月 8 日(日) 各日 9 時~17 時の間に製作する。そして、谷戸の田んぼに出来上がった案山子を9 月 14 日(土)~10 月 13 日(日)に人気投票が行われる。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.5 1/1250 9mm IS0100 )
|
|
19.モンキチョウの求愛 -1
駐車場に戻ろうと田んぼの畦道を歩いていると、アカツメクサに止まって吸蜜していたモンキチョウに、もう1頭のモンキチョウが近寄ってきた。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250 172mm IS0200 )
|
|
20.モンキチョウの求愛 -2
モンキチョウの♀は普通は白い装いである。だが、先にアカツメクサに止まっていた黄色いモンキチョウは♀だったようだ。黄色い♀もいるのだ。♀は強引にアプローチしてきた♂の求愛を尾端を上げて拒否し、求愛は実らなかった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250 160mm IS0200 )
|
|
21.アカボシゴマダラ -1
この日はアカボシゴマダラが飛んでいるところを何回か見ていたが、撮影のチャンスはなかった。駐車場へ戻る途中、けやき広場を回らずに、自販機で冷たい飲み物を買おうと駐車場のゲートのわきへ下りて行ったところ、偶然にもアカボシゴマダラが舞っていて、目の前の植え込みの葉に止まった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS01250 )
|
|
22.アカボシゴマダラ -2
創のないきれいな、大きな個体だった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f4.0 1/1250 220mm IS0640 )
|
|
23.アカボシゴマダラ -3
しばらくの間、落ち着いて翅を休めていた。近づいて広角側で撮る。最後の最後でチョウを撮影したというところだった。
SONY Cyber-shot RX10 Ⅳ 8.8-220mm f/2.4-4 20.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( f2.4 1/1250 9mm IS0320 )
|