蓼科・紅葉紀行(2008・11・1~3)
紅葉を訪ねて、11月の初めに信州・蓼科に出かけた。
昨年7月には、蓼科にある友人・I君の山荘を訪ねたが、今回は友人Mが加入している「エクシブ蓼科」というリゾートクラブに同行させてもらった。
午後に大阪を出たので、中央線・茅野駅着が午後5:30。すっかり暗くなって、なにも見えない。翌朝、部屋から見えるカラマツ林の黄葉と葉を少し残した白樺、窓から流れこむ冷気が、やっと信州を感じさせてくれた。
タクシーで横谷渓谷の入り口、横谷観音へ。
ここは、昨年の夏、I君の別荘を辞した後、若い時によく歩いた八ヶ岳を見たくて泊まった奥蓼科温泉の近く。ここから八ヶ岳・縞枯山ロープウエイまでのバスに乗ったが、雨だった昨年とは大違い。紅葉狩りの観光客でけっこうにぎわっている。
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運転手さんに勧められて、世界の樹木の化石などを集めた「柏木博物館」をのぞいた(運転手さんが受付の人に声をかけてくれ、入場料が100円安くなった)。埋れ木に浸みこんだ溶岩の鉱物が創り出す不思議な文様はいつまで見ていてもあきない。入口前にあるドウダンツツジの生垣も見事だ(写真②)。
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右から北アルプス。学生時代に友人Sと新雪を踏んで登った西穂高。その奥に槍ヶ岳。中央アルプス・御岳山では、ご来光を仰いだ後に、うとうとしてしまって紫外線を浴びすぎ、翌日、顔の皮がすっかりむけてしまったことを思い出す。左に見える南アルプス・北岳は、腰痛で途中断念した忘れられない山だ。
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翌朝は、タクシーで、尖石(とがりいし)縄文考古館に向かう。
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途中、南八ヶ岳の山々が見事に望める。山麓のオーレン小屋を起点に、横岳、赤岳、硫黄岳をよく歩いたものだ。硫黄岳のガレ場に群生していた高山植物の女王、コマクサの見事さを思い出す。同じ高山植物のセリバオーレンから名づけられたオーレン小屋は、今でも健在だという。もう、山頂に立つのが難しいだろうが、別棟の風呂小屋もまだあるのだろうか。
横谷渓谷の下流にかかる橋を渡る。見事なカラマツの黄葉だ。なぜか、このあたりはカラマツが多い。八ヶ岳山麓あたりは唐檜(とうひ)の原生林?が多かったが。
運転手さんによると、これらのカラマツ林は明治時代から戦後にかけて、このあたりに開拓に入った人々が植林したのだという。「成長は早いが、使い道が少ない。チップにしてしまうしか・・・」
しかし、たまたま読んだ宮崎駿監督の「折り返し点」のなかに「カラマツは役に立つんです」と話す講演記録が載っている。「電信柱や炭鉱の坑木として、カラマツはお金になると言われて、いま八ヶ岳南麓を占める森になったのです。・・・長野オリンピックではカラマツの集成材を使ったスケートリンクが話題になりましたが、集成材にすれば巨大な建物も全部木造で造れます」
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切れ長の目の顔に続く、デフォルメされたおなかや尻の見事さに、縄文文化の奥深さを思う。重要文化財の土偶「仮面の女神」(写真⑩)は、死の霊から守るために仮面をかぶっているという。その後に続く日本人の死生観の原点をみる思いがする。
考古館周辺は、尖石遺跡や与助尾根遺跡の住居などが整備された史跡公園(写真⑪)になっている。
広い緑の芝生や林の落ち葉を踏みしめて歩きながら、縄文文化の素朴な豊かさに思いをはせた。
コメント
コメント、ありがとうございます。
「西行ぽっい」て、どういう意味?
それなりに枯れ、それなりに・・・ですが。
貴兄のブログ、私のブログにリンクさせてもらいました。私のブログを管理している友人のすばやいわざです。
それにしても、ソーラーの掃除!
我が家も、一応OMソーラーですが、建てて以来9年弱?掃除なんて、したことがありません。こんへんに、ボランティアいませんか?
Posted by 土井雅之
at 2008年11月22日 20:34
久しぶりにたまたま覗いたら「蓼科」が出ていた。小生にもなじみの地名、場所、風景・・・。
いかなる心境で旅ををなし、本を読んでいるかは窺い知ることあたわずといえども、
土井ちゃんが少しだけ西行っぽくなっているような感じです。『余計なこと言わんとほっといてや』。ごもっとも。
それにしても、はるかな学生時代を思い出しながら見る八ヶ岳は良かったろうなー。わけもなく良かったろうなー。いや、もう巡り来ぬ青春を思って心に涙したろうなー。『だから、余計なこと言わんと・・・。』そうします。
生嶋誠士郎 http://ikusan.net/
山荘にやまねが・・・。
再見。
Posted by 生嶋
at 2008年11月20日 17:29
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