読書日記「ぼけになりやすい人、なりにくい人」(大友英一著、栄光出版社)
ガンで死ぬのか、その前にボケるのか?「ボケたら勝ちやで。自分は分からないから」なんて、無責任なことを言う友人もいるが、やはりいろんな人たちに迷惑をかけてしまう。
そんなことを考えていたら、新聞広告でこの本が目についた。さっそく図書館に申し込んだが、借りられるまで数カ月かかった。そんな心配?をしている人の来館比率が高いということだろうか。
著者は、浴風会病院という、東京にある老年者専門病院の院長。平成11年発刊と、けっこう古い本だった。
裏表紙に「大友式ぼけ予測テスト10問」という表が載っている。さっそく、試してみる。
- 同じ話を無意識にくり返す(0点=ほとんどない)
- 知っている人の名前が思い出せない(2点=ひんぱんにある)
- 物のしまい場所を忘れる(1点=ときどきある)
- 漢字を忘れる(1点、これはパソコンを使うせいでもある)
- 今、しょうとしていることを忘れる(1点)
- 器具の説明書を読むのを面倒がる(1点)
- 理由もないのに気がふさぐ(0点)
- 身だしなみに無関心(0点)
- 外出をおっくうがる(0点)
- 物(財布など)が見当たらないことを他人のせいにする(0点)
合計6点。本文には「0~8点・正常、9~13点・要注意、14~20点・ボケの始まり?」とある。ぎりぎりセーフだが、もう"要注意"に足を突っ込んでいるようで、いささかショックを受けた。自己採点は甘くなりかねない、という友人もいる。
ある出版社の社長が、谷川徹三、西堀栄三郎、宇野千代、淡谷のり子などにインタビューし、共通項目をまとめたという「生涯現役の10項目」というのも、おもしろい。
- 自ら老けこまず、いつまでも壮年の気概を持っている
- 血圧はほとんど正常で、180以上の人は一人もいない
- 無頓着で、自分の血液型を知らない人が10人近くいた
- 太りすぎの人は一人もいない
- 例外もあるが、両親も比較的長命
- 大部分の人が大病の経験がない
- タバコはほとんどの人が吸わない
- 深酒する人は一人もいない。10人以上の人が飲まない
- 二、三の例外はあるが、なんらかの運動を心掛けている
- ほとんどの人が筆マメである
深酒をする人は脳血管性痴呆(脳卒中などの後に出るぼけ)になる確率が高いらしい、という箇所が気になる。
含まれているコレストロール量が多く、"ぼけ防止"のためには「好ましくない食品群」という表も記載されている。
鶏卵、バター、すじこ、しじみ、鶏のもつ、チョコレート、チーズ、生クリーム、ベーコン、ししゃも、うなぎ、ねりうに、マヨネーズ・・・。
これだと、日々の食事も、月1回行っている料理教室のメニューも落第、ということになる。先日のブログで書いた「菜菜(なな)ごはん」 のようなレシピが正解ということか。だけど、これらの食品を使わないと「人生、なにか味気ないなあ」という感じがしないでもない。
著述業、画家、作曲家などクリエート(創作、表現)する職業の人は{一般的にぼけが少ない}とある。その代表は、オーケストラの指揮者。レポルド・ストコフスキーは95歳まで生きた、という。
「出生時の母親の年令が高いと、アルツハイマー病が出やすい」という記述や、アルミニウムとアルツハイマー病の関係にふれた箇所など、興味を引く話しも多く、流し読みだったが結構おもしろかった。
結局、飲酒、食事、運動に気を配り、前向きに生きてみる。それが「最善のぼけ防止策」。そんな平凡な読後感になってしまったが・・・。
ぼけになりやすい人、なりにくい人
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