戦後日本のジャズ文化:マイク・モラスキー
毎日新聞の確か「記者の目」というコラム記事で『戦後日本のジャズ文化』という本の存在を知った。Michel S. Molasky というミネソタ大学で日本文化を研究している教授の著書である。奥さんは日本人のようだが、日本人以上の日本語で書かれている。リタイア後、このような390ページにも亘る小さな活字での単行本は敬遠してきたが、Jazz 好きということもあって一気に読んでしまった。著者のJazzに対する即興性 (improvisation) 重視の視点は全く同感である。著者が検証している映画(黒澤明『酔いどれ天使』、裕次郎『嵐を呼ぶ男』など)や小説(五木寛之、倉橋由美子、村上春樹など)は、どれも読んだり視たりしたことはないが、それらの作品とJazzが持つ文化との関連を詳説している部分は面白い。この歳になって好きなことでも知らないことばかりが続出する毎日である。最近の五木寛之の本も気になっていたので、この著書で取り上げられている初期の作品『青年は荒野をめざす』と最近の『気の発見』の文庫本を amazon に発注した。いずれ、中学の同窓らしい村上春樹の『国境の南 太陽の西』も読むつもりである。
この著書の終わりのほうでは、最近のIT時代における Jazz への接し方の中に MP3 ファイルについても書かれていることや全般にわたって出てくる artist 名に familiar なのも面白く読んだ原因かもしれない。Jazz 好きの人には是非お奨めしたい一冊である。
この著書の終わりのほうでは、最近のIT時代における Jazz への接し方の中に MP3 ファイルについても書かれていることや全般にわたって出てくる artist 名に familiar なのも面白く読んだ原因かもしれない。Jazz 好きの人には是非お奨めしたい一冊である。
戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ
posted with amazlet on 06.12.02
マイク モラスキー Michael S. Molasky
青土社
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おすすめ度の平均:
幻想の“ジャズ文化”、“ジャズの時代”を相対化する試み
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