北イタリア旅行 その14 フィレンツェ(1) 9月8日 - Studio YAMAKO

2011年10月24日

北イタリア旅行 その14 フィレンツェ(1) 9月8日


 この日、9月8日は、11:09発の列車でパルマを出発し、途中ボローニャでユーロスターに乗り換え、フィレンツェ(サンタ・マリア・ノヴェッラ)駅に着いたのは、午後1時だった。例の通り、駅構内の一時預かりで荷物を預け、快晴のフィレンツェの町を歩き始めた。
 私にとってフィレンツェは3度目である。今回、最初に見たのは古い薬局だった。そのあと、日本の雑誌でも紹介されているレストランで食事をして、再び歩く。今から30年前に来た時に泊った駅前の Hotel Baglioni も変わらず、むしろ立派に見え、懐かしかった。
 このあと、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中に入り、見学し、再び、駅に戻り、荷物を取って、この日泊るホテルへ向かった。ホテルはアルノ川の左岸の高台にある。古い別荘のような館だった。

170.フィレンツェに到着したユーロスター
途中ボローニアで、今回初めて乗るユーロスターに乗り換え、13:00にフィレンツェに到着した。この車両はETR500型と言い、ピリンファリーナがデザインを担当したと聞く。さすがにスマートだ。
 イタリアの高速鉄道網の整備は他のヨーロッパ諸国と比べて立ち遅れていると言われていた。1990年代、イタリア国鉄は巻き返しを図るべく300km/hでの走行を前提とした高速鉄道網の整備に取り掛かった。2008年12月にミラノからボローニャに至る高速鉄道の開業に伴って運行を開始したユーロスターは、リニューアルされたETR500型の編成で運行されている。ボローニア、フィレンツェ間は2009年12月に開業し、従来の所要時間56分が約半分の30分に短縮されたという。このスマートな車体にはFrecciarossa(フレッチャロッサ、赤い矢)の愛称が与えられている。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2 1/1000秒 4.9mm ISOオート ) 露出補正 なし
フィレンツェに到着したユーロスター;クリックすると大きな写真になります
171.観光客で賑わうフィレンツェ
フィレンツェの駅は大きな荷物を持った観光客が多かった。我々も荷物を駅構内の一時預けに預ける。ここも、とても混んでいて、順番を待たされた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/60秒 4.9mm ISOオート ) 露出補正 なし
観光客で賑わうフィレンツェ;クリックすると大きな写真になります
172.フィレンツェにもトラム
ふと、駅の方を振り返るとトラムが見える。フィレンツェに路面電車は走っていなかったはずなのに。帰ってきてから調べてみた。2005年12月から工事が開始され、5年後の昨年2月14日に開通したばかりのようだ。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(フィレンツェ駅)と、郊外のスカンデッチという町を結び、全長は7.4km、14の駅に止まり、所要時間は23分とのこと。これはトラム1号線と呼ばれる。今、中心街の北西にあるフィレンツェ空港から、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅とドゥオーモ広場を経由してLibertàというところに至る、約9キロの路線となるトラム2号線の建設が話題になっているそうだ。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5.3 1/800秒 18.5mm ISOオート ) 露出補正 なし
フィレンツェにもトラム;クリックすると大きな写真になります
173.サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の入口
娘の主人がまず連れて行ってくれたのは、現存する世界最古の薬局と言われるサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局だった。狭い入口を入り、廊下を抜けると薬局があった。

左:Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F9 1/250秒 32mm ISO400 ) 露出補正 なし
右:Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/50秒 10.8mm ISOオート ) 露出補正 なし
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の入口;クリックすると大きな写真になります
174.サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の門構え
入口の門構えも歴史を感じさせる立派なものだった。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/320秒 10.8mm ISOオート ) 露出補正 なし
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の門構え;クリックすると大きな写真になります
175.サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の内部
この薬局の起源は13世紀まで遡り、1221年フィレンツェに移住してきたドミニコ会の修道院サンタ・マリア・フラ・レ・ヴィニェ(Santa Maria Fra Le Vigne ブドウ畑の中のサンタ・マリアの意)の修道僧たちが薬草を栽培して薬剤を調合していたのが始まりと言われる。この修道院は後のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会へと発展する。1612年には薬局として認可され、一般営業が開始されている。東京にも北青山に提携店があり、ボディ・ケア商品などが販売されているらしい。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F3.5 1/100秒 18mm ISO3200 ) 露出補正 なし
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の内部;クリックすると大きな写真になります
176.トラットリア 「アルマンド」 入口
娘の主人が次に連れて行ってくれたのは、フィレンツェで3本の指に入る美味しいレストラン「アルマンド」という、地元フィレンツェ人に愛 され続けてきた老舗トラットリアだった。オペラ劇場関係者が通う小さなお店は雰囲気抜群で、 極上のトスカーナ伝統料理を食べられるそうだ。日本の雑誌に紹介されているようで、ちょうど我々が居合わせたときに、ここが紹介されている最新の日本の雑誌が届いた。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/500秒 4.9mm ISOオート ) 露出補正 なし
トラットリア;クリックすると大きな写真になります
177.トラットリア アルマンド
午後2時を過ぎていたのでお客さんは少なかった。壁にはオペラ歌手の写真が一杯貼られている。女性オーナーのアレッサンドラさん、その叔父さんにあたるダニエーレ氏と、お店の人たちと一緒に、記念写真を撮らせていただいた。こういう老舗レストランは家族経営がほとんどという。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F3.8 1/125秒 26mm ISO2500 ) 露出補正 なし
トラットリア アルマンド;クリックすると大きな写真になります
178.サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
入場料は3.5ユーロ、4人分14ユーロ支払った。しかし、後で気がついたことだが、どうやら65歳以上はフリーだったらしい。ファサード(正面)は2008年に修復が終わりとても綺麗になっていた。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、1246年に建設の計画が行われ、現在の教会は1278年からシトー派修道院の伝統的様式に従い、T字型の様式を採用し、建設され始めたとのこと。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F14 1/800秒 27mm ISO400 ) 露出補正 なし
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会;クリックすると大きな写真になります
179.サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 ファサード
ファサードについては、フィレンツェの大貴族、ジョヴァンニ・ルチェッライがファサードを完成させるプロジェクトを立ち上げ、選ばれた建築家はルネサンスの巨匠、レオン・バッティスタ・アルベルティで、工事は1458年から1478年の間に行われたとのこと。内部には有名なマザッチョによる「三位一体」などがあったが残念ながら内部は撮影禁止だった。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F11 1/500秒 55mm ISO400 ) 露出補正 なし
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会;クリックすると大きな写真になります
180.懐かしい「ホテル・バリオーニ」
1981年に国際化学療法学会への出張でフィレンツェに来た時に泊ったのが、駅の近くのウニタ・イタリアーナ広場に面して建つ、この「ホテル・バリオーニ」だった。外観は全く変わらないが、当時よりグレード・アップしたようだ。屋上には見晴らしの良いガーデンレストランがあったのを思い出す。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F10 1/400秒 24mm ISO400 ) 露出補正 なし
「ホテル・バリオーニ」;クリックすると大きな写真になります
181.「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」
さて、フィレンツェ駅に戻って、荷物を受け出し、駅前からタクシーに乗って、今夜泊るホテルへと向かった。アルノ川の対岸、つまり左岸の丘の上にある「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」というホテルである。フィレンツェのすぐ郊外にあるベッロズグアルドの丘はダンテやメディチ家の時代から変わらない自然と建物を残しているという。 古き時代と貴族の歴史を伝え、温かい雰囲気がある。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/640秒 8.9mm ISO400 ) 露出補正 なし
「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」;クリックすると大きな写真になります
182.「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」 客室
フィレンツェ駅からタクシーで10分ほど、アルノ川対岸の丘陵を登ったところにあるこのホテルは、かつて貴族が別荘としていたのに相応しい絶好のロケーションである。敷地から見下ろすフィレンツェの町は、まるで絵葉書から切り取ったような美しさで、言葉を失う。建物も往時のフィレンツェの栄華を思わせる荘厳な趣きで、エントランスを入ると出迎えられる大広間などは、まるで美術館のようだった。客室は広く清潔で、水回りも近年にリノベーションされたようで快適であった。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F3.5 1/125秒 18mm ISO500 ) 露出補正 なし
「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」;クリックすると大きな写真になります
183.「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」のベッドから
前の写真で見ていただいたベッドに寝転がり、大きな窓の向こうに見たトスカーナの丘の景色は見事としか言いようがなかった。

Canon IXY 30S F2.0-5.3 4.9mm-18.6mm 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5 1/400秒 13.1mm ISOオート ) 露出補正 なし
「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」のベッドから;クリックすると大きな写真になります
184.「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」からの眺め
さて、夕食がてら、夕方のフィレンツェの町に繰り出すことにした。時刻は午後7時10分前。ホテルのある丘から見えるフィレンツェの町は、まだ陽が当たり、輝いていた。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/1000秒 30.5mm ISO400 ) 露出補正 なし
「ホテル・トッレ・デル・ベッロズグアルド」からの眺め;クリックすると大きな写真になります
185. トスカーナの丘
フィレンツェの町に向かってホテルの右側に拡がるトスカーナの丘陵地帯には、サン・ミニアート・アル・モンテ教会のファサードが見えた。ロマネスク様式のファサードをもつ13世紀頃の教会だそうだ。

Nikon D5000 NIKKOR VR 18-200mm F3.5-5.6G
プログラムオートで撮影 ( F5.6 1/2000秒 200mm ISO400 ) 露出補正 なし
トスカーナの丘;クリックすると大きな写真になります


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