雨の栂池自然園 7月28日 - Studio YAMAKO

2011年8月 9日

雨の栂池自然園 7月28日


 7月27日、新宿から夜行バスに乗って、信州は栂池自然園へ行ってきた。この日の天気予報は曇・小雨で、外れることを期待したが、どうやら悪いほうへ変わってしまった。28日、朝7時前に栂池高原バス停に到着した。
 ここからゴンドラリフトとロープウェイで海抜1800mの栂池自然園に上がる。上も雨だった。時々明るくなるが、また激しく降る。雨具は持参していたので、自然園の散策をした。しかし、北アルプスも全く見ることができないし、もちろん蝶も飛ばないので、広い栂池自然園の半ばまで行って戻ることにした。
 ツアーで来られたのだろうか、グループで歩いている人たちがだんだん多くなってきた。11時半ごろ、下りのロープウェイに乗り、来年にでももう一度来ることを想い、栂池高原バス停まで下りて来て昼飯にした。13:30に帰りのバスは出発した。

 今回は近畿日本ツーリスト社のホームページを見て、「夜発日帰り 栂池自然園ハイキング」というのを申し込んだ。てっきり、所謂グループツアーと思っていたら、そうではなく、ほかの会社が運行する「さわやか信州号」といういわば乗合バスの往復と、栂池のゴンドラリフト・ロープウェイの往復のチケット、および栂池自然園入園料がセットで販売されたのだった。
 往路は、早く着きすぎては困るので、一般道も走り、夜明けごろには道の駅で1時間ほど停車したりして時間調整をしたバスは、白馬でほとんどの人が下車、最後、乗客は私たち2人のみになって、栂池高原に到着した。
 復路は、13:30に栂池高原を出発、八方尾根の白馬、五竜、黒部ダム入口の扇沢、大町、穂高を廻り、それぞれで数名ずつのお客さんが乗車された。新宿西口に到着したのは夜の7時半ごろだったろうか。往復で14時間くらいバスに乗っていたことになる。新宿から横浜まではグリーン車、横浜から自宅まではタクシーとなってしまった。

1.ゴンドラリフト 栂池高原駅
バスを降りて、広い駐車場の前を通ってゴンドラリフト「イブ」の栂池高原駅に着いたのが、朝の7時だった。雨はしっかり降っている。ゴンドラリフトの駅でリュックから雨具を出して着込んだ。今日は蝶は飛ばないので D300 はビニール袋に入れて布のケースで保護し、リュックにしまい込んだ。このカットはポケットに入っていた IXY900 で撮ったが、あとは、G12 だけにした。ゴンドラリフトの駅には3時間ごとの天候予報が掲示されているが、今日、明日ともすべて「雨」になっていた。

Canon IXY900IS F2.8-5.8 4.6mm-17.3mm 7.1 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/250秒 4.6mm ISOオート ) 露出補正 なし
ゴンドラリフト 栂池高原駅;クリックすると大きな写真になります
2. ゴンドラリフト「イブ」
リフトは平常通り運行されている。栂池高原駅(麓の駅)が標高831mである。ここから、20分間乗って標高1,560mの栂の森駅まで上がっていく。視界は全く不良であるが、ともかくは栂池自然園までは行こう。G12のISO感度をautoからISO400固定に変更した。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/640秒 30.5mm ISO400 ) 露出補正 なし
ゴンドラリフト「イブ」;クリックすると大きな写真になります
3.ゴンドラの中から
ゴンドラは栂池高原駅を離れる。窓ガラスに雨があたる。栂池ゴンドラリフト「イブ」は、1982年日本初の6人乗りゴンドラリフトとして誕生したという。途中駅を通過して、栂の森駅までの距離は4,121mで日本最長とのこと。その規模はスイスのグリンデルワルドで乗ったゴンドラリフトに遜色ないと思った。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/160秒 18.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
ゴンドラの中から;クリックすると大きな写真になります
4.栂池ロープウェイ
ゴンドラリフトの終点である栂の森駅から乗り継ぐロープウェイの栂大門駅まで遊歩道を歩く。天候が良ければ蝶が飛びそうな環境だ。さすがに天候が悪く、朝も早いので、71人乗りのロープウェーは、私たちの貸切となった。約5分で自然園駅に到着する。栂池ゴンドラリフト「イブ」と栂池ロープウェイの往復運賃と栂池自然園の入園料がセットで大人ひとり3,300円だ。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/100秒 6.8mm ISO400 ) 露出補正 なし
栂池ロープウェイ;クリックすると大きな写真になります
5.白馬乗鞍岳斜面
ロープウェイの終点駅から、高層湿原である栂池自然園の入口へと歩く。正面に雪渓を残した山の斜面が見えた。晴れていれば、この奥に白馬乗鞍岳が見えるらしい。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4.5 1/800秒 30.5mm ISO400 ) 露出補正 なし
白馬乗鞍岳斜面;クリックすると大きな写真になります
6.栂池自然園入口
栂池自然園の入口にある「栂池山荘」の食堂で朝食にしようと思ったが、まだ食事は何もできないという。場所を使わせてもらって、持参したおにぎりを食べてよいか尋ねたところ、こころよく「空いているのでどうぞ」と言われた。もちろん、おにぎりは野外で食べるつもりで持参したが、この雨ではままならない。食べ終えて、歩き始めたのが8時半過ぎだった。雨の中を雨具を付けて、傘をさして歩く人たちが先行していた。ここは標高1,869mである。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/640秒 21.5mm ISO400 ) 露出補正 なし
栂池自然園入口;クリックすると大きな写真になります
7.ワタスゲ
湿原には雨に濡れたワタスゲの花穂があった。濡れた犬の毛のようになっている。晴れていれば、この向こうに白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳が見えるのだろうなと想像してみる。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5.6 1/1250秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
ワタスゲ;クリックすると大きな写真になります
8.キヌガサソウ
始めてみるきれいな花だった。花の写真は晴れた日よりも曇りや雨の日が良いという。ISO400で撮っているがほとんどザラツキを感じさせない。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/125秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
キヌガサソウ;クリックすると大きな写真になります
9.風穴
標高1,870mのところに「風穴」があった。夏でも涼しい風が吹いているという。残雪があり、岩にはつららが下がっている。置いてある温度計は 6℃~7℃ を示していた。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F2.8 1/25秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
風穴;クリックすると大きな写真になります
10.ベニバナイチゴの花
亜高山帯から高山帯に生育するという。実は食べられるらしい。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/80秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
ベニバナイチゴの花;クリックすると大きな写真になります
11.ニッコウキスゲの群落
ニッコウキスゲが咲く湿原が現れた。散策する人たちの雨具がカラフルである。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/640秒 8.9mm ISO400 ) 露出補正 なし
ニッコウキスゲの群落;クリックすると大きな写真になります
12.チングルマの花穂
チングルマは花芯が黄色で白い5つの花弁がある直径3cmくらいの可憐な花を咲かせる。北海道の大雪山で見たことがある。これは花が終わった後の花穂(実)である。チングルマの名は稚児がもつ風車(稚児車)に似ていることに由来するという。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/200秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
チングルマの花穂;クリックすると大きな写真になります
13.ニッコウキスゲ
雨のしずくを付けたニッコウキスゲの花は奇麗だった。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/500秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
ニッコウキスゲ;クリックすると大きな写真になります
14.モウセンゴケ
手前に見える赤茶色の花のようなのがモウセンゴケだ。モウセンゴケは食虫植物の一種で、葉にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲するという。花のように見えるのは捕虫葉である。また、モウセンゴケは湿原に生育する多年生の草本であり、とくに高山植物ということではなく、北半球の温帯を中心に広く分布するとのこと。マクロで撮っておけばよかった。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/200秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
モウセンゴケ;クリックすると大きな写真になります
15.ヒオウギアヤメとニッコウキスゲ
紫色の花がヒオウギアヤメでその花は所謂アヤメより小さい。この花は先日、八ヶ岳の観音平へ行った時にも見かけ、ヒメキマダラセセリが吸蜜していた。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/640秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
ヒオウギアヤメとニッコウキスゲ;クリックすると大きな写真になります
16.クルマユリ
美しいクルマユリを自然園のいたるところで見ることができた。雨滴が写り込んでしまった。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5 1/1250秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 -0.7段
クルマユリ;クリックすると大きな写真になります
17.蝶は飛ばないが・・・
11時ごろ、自然園を後にして、ロープウェイの駅へ歩いて行った。蝶は飛ばないが、小さな甲虫たちは元気に花に集まっている。この虫の名前はわからないが、きれいなので撮ってみた。オートフォーカスでこのような状況でピントが合わせられるか、試してもみたかった。虫の大きさは1cm あるかないかである。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/400秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 なし
蝶は飛ばないが・・・;クリックすると大きな写真になります
18.ヒメシジミ
12時15分、ロープウェイ、ゴンドラリフトに乗って、栂池高原のバス停まで下りてきた。帰りのバスに乗るため、午後1時15分にバス停集合だったのでまだ時間がある。「ふるさと」という食堂で、蕎麦を食べた。食べ終わってバス停に戻ると私たちの乗るバスが待っていた。発車までの時間、駐車場の脇にある草むらに何かいないかと目を凝らしていると、小雨の中、ちらちらとシジミチョウが飛んでいる。この日に撮った唯一の蝶の写真である。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F5 1/1250秒 6.1mm ISO400 ) 露出補正 +1.0段
ヒメシジミ;クリックすると大きな写真になります
19.おまけ 諏訪湖SA
帰りのバスは諏訪湖SAで休んだ。もう午後5時である。栂池高原からここまで3時間半もかかっている。それはともかくとして、諏訪湖を眺めるとアオコが発生していた。富栄養化が進んで微細藻類が大発生し、水面を覆うようになっているのだろう。諏訪湖SAを出発し、途中、石川PAでトイレ休憩をとったあと、無事、新宿駅西口に到着した。ちょっとハードな夜行日帰りだった。

Canon PowerShot G12 F.2.8-4.5 6.1- 30.5 10.0 Mega Pixels
プログラムオートで撮影 ( F4 1/800秒 30.5mm ISO400 ) 露出補正 なし
諏訪湖SA;クリックすると大きな写真になります


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